黄色とは何か? それは「アルテフルート教則本1(日本フルートクラブ)」のことです。つまり、私の普段遣いのフルートのレッスン用教則本を変更したのです。
最初のレッスンの時、たまたま私が持っていた、トレバー・ワイの「いちばんはじめのフルート教本」で、これからレッスンすることに一度は決めたのですが…。
レッスン後、自宅に戻ってから、よくよくこのテキストを読んでみたところ「本書は、初級用に書かれた次の2つの教本『初級用フルート教本』と『フルート・クラス』の補助教材として書かれたものですが…」とありました。
補助教材? つまり「ドリル」みたいなものですか?
もちろん、笛先生はそんなことも分かっていらっしゃったはずですが、これに決めたというのは、もしかして、私に余計なお金を使わせまいとしての配慮? だとしたら、本当は別の教則本を先生は使いたかったのでしょうか? 更に言えば、アマオケ加入という野望を持っている私が、ドリルだけやっていて力がきちんと付くのか? 色々と考えますよね…。
そこで笛先生と相談したところ、それならば「アルテ」をやりましょう、ということになりました。アルテにも色々ありまして、先生ご指定の奴が、日本フルートクラブのもの。どこでも売ってますとおっしゃるとおり、徒歩圏内にある近所の楽器屋でも売ってました。
開いてみての感想は、伝統と歴史? 版組デザインから使用されている活字まで、昭和の香りがプンプンで、思わず「古本?」って思ったくらいです。一応、平成19年7月発行の33刷でしたが…。
でもなんかうれしい。妻はアルテを手にとって「なんか、こういうのって、本格的って感じだよねえ。音大受験ですかあ? 難しそうだねえ…」と感想言ってました。
私は「これがあのアルテスか!」って感じ。フルート系ブログを読んでいると、たびたび出てくるのが、アルテスのフルート教則本。私は当初、これを使う予定がなかったから、なんか少しだけ寂しかったのですが、これで世間様と一緒。そう思うと、なんか安心するのは、私が日本人だからでしょうか?
でも、教則本って、なんかうれしいね。声楽には教則本って無いからサ。
声楽にも、もちろん定番の教材というのはある。例えば、イタリア古典歌曲とか、コンコーネ50番とか、コールユーブンゲンとかネ。だけど、教材はあくまで教材であって、教則本ではないから、教則本を使って、最初から丹念に潰してゆくって感覚はない。だから、教則本をやることになって、なんか私の中の征服欲がウズウズしてます。
でもこれ、どれくらいで終わるかな? チラっと見た感じ、私の場合、一つのバリエーションを終えるのに1~2週間はかかりそう(粘着質なもんで)だから、ざっと5年くらい? アルテは全3巻だから、全部で15年? ま、大人だから、それくらいかかってもいいけど、アルテ終わるのと、私の寿命が終わると、どっちが早い?の世界だな。
さっそく自宅練習開始。なにしろ自宅で練習していかないと、レッスンにならないから大変。いきなり中音。トレバー・ワイでは低音しか練習していなかったから、いきなりの中音はちとキビシイ。
結局、あやふやなまま1課をとりあえず吹いて、レッスンに行っちゃいました。ま、そんなもんだよね。
まずはひとまず、この教則本をドンドンやってゆけば良いのです。さあ、ドンドンやってゆこう! ドンドン、ドンドン、ディンドンディンドン…。
蛇足1 アマゾンのリンクを貼りましたが、アマゾンには私が使っている、日本フルートクラブ版のアルテがありませんでした。代わりにあったのが、ドレミ楽譜版の「アルテスフルート教則本」だったので、こっちのリンクを貼りました。違いは…ドレミ楽譜版の方が値段が半額以下です。最近の出版物なので見やすいです。曲と曲の間に入っている説明が少なめでしょうか? あとはほとんど同じなので、どっちを選ぶかは(あなたというよりも師匠の)好みでしょうか?
蛇足2 私の買った教則本は「アルテフルート教則本」です。正しくは「アルテス~」と言うのだそうですが、日本フルートクラブ版は、なぜか「アルテ」なので「アルテ」と表記します。ベーム式の事をボエム式と表記してあって、そういう古色蒼然なところが、いい味だしてます。ワーグナーのことをワグネルって表記してあると、なんかいいでしょ。ゲーテをギョエテとかサ。昔の本って、今と外国語表記のルールが違っていて、おもしろいよね。
コメント
ドリルがお好きなすとんさんにぴったりですね~!
内心(アルテにしないのかなあ・・・)って思っていました。
自分がやったことがないのでわかりませんが、やはり本格的な匂いがプンプンしますよね~。
私の友達もやっていました。
それと黄色が目にしみる・・・って笑えます。
声楽でもこういう楽譜ありますよね?
私は歌曲はほとんど全音、アリアは春秋社だったのですが、私の先生が使っていたアリア集がそんな感じでした。(あれは音友?黄色かったのですが・・・)
春秋社のアリア集も旧字体、旧仮名遣いの解説が何とも言えないのですが・・・。
ギョエテ・・・笑えます。(もちろん知っていました。)
追記です。
私の姉がやっとトスティが終わってアリアになった・・・と喜んでいます。
声楽って教則本を順番にやる・・・というのがないので今○○の何番をやっている・・・とかで比較できないのですよね。
声楽の先生は「この曲をやりたい。」と言うとOKしてくださることも多く、私は姉に「アリアがやりたければ言えばいいのに・・・」と言ったのですが、「そんなこと先生に言えない。」なんて言うのですね。(普段は些細なことにもクレームをつける人なのに)
やっぱり姉も声楽に関して”教則本を順番にやっていく感覚がない”のが不満だそうです。
>Ceciliaさん
黄色が目に沁みる…は、もちろん「表紙の色が刺激的で、目に痛い」という意味があります。オイレンブルグのポケットスコアなんかは、たしかそうだし、声楽だと、どこかの会社(失念しました)から出ているハレルヤコーラスの女声3部合唱の譜面がそうだったような…。はっきり言っちゃうと、あんまり趣味良くないと思ってます。
と同時に「Smoke Gets In Your Eyes」というジャズの名曲に引っかけてます。いわゆる「煙が目にしみる」という曲ですね。最近、ジャズフルートを積極的に聞いてますので、フルート=ジャズという認識が少しずつ出来つつあるので、そういう連想になるんですね。
シャレを解説するくらい野暮なことないので,次の話題に入ります。
アルテは本格的な教則本だと思います。なにしろ「かわいげ」というものがありません。私はアルテを始めて見た時、カルカッシを連想しました。カルカッシってのは、クラシック・ギターの代表的な教則本です。こいつも相当かわいげというものから遠いものです。
私は、このカルカッシを独学で始めて、真ん中くらいで挫折しました(笑)。楽器を独学で勉強するのって、かなりの努力と忍耐力とその他諸々の能力が必要だと思います。
声楽の場合は、一人一人が抱えている問題が違うので、マニュアル化というのが難しいので、教則本がないんでしょうね。それゆえ、独学がとても難しいのだと思います。教則本があれば、ひとまず教則本を頭からやっていけばいいのだけれど、それがない声楽は、先生の指導方針だけが頼りですからね。
それにしても、トスティが終わるとアリアなんですね。なんか納得する順番です。
今の「カロ・ミオ・ベン」が終わったら、キング先生に「次はトスティが歌いたい」とか言ってみようかな? まだ早いって言われたりして(笑)。
曲の順番は先生によって違いますよ。
私はイタリア歌曲の後(半分は並行して)アリアでしたから。(女性の先生)
男性の先生は必ずと言ってよいほどトスティをやりますよ。
「煙が目にしみる」はうちにピアノ用楽譜があります。
ちょっと練習してみようかな・・・。
全音のリコーダーピースも真っ黄色ですよ!
>Ceciliaさん
男性の先生がトスティをやるってのは、なんか分かります。私もトスティ好きですし、なんか男心をつかむ何かがあるような気がします。
あと、ナポリ民謡も男性は好きです。
>全音のリコーダーピースも真っ黄色ですよ!
へえ、リコーダーピースというのが、あるんですか? それは知りませんでした。私が思う以上に、リコーダー人口がいるということだな。フルート人口とリコーダー人口は、どっちの方が多いのだろうか? 親しみやすさで言えばリコーダーに軍配があがるけれど…。
アルテス…確かにまばゆい「まっきっき」ですね。(*^^*)
私は都合上、2→3→1の順に購入したのですが、それぞれ時代が違うので、一番新しい1巻が表紙もテカテカしていてまぶしいですね(笑)
ちなみに、私はこの教則本を”きちんと”学んだ事はありません。(^^;;
>めいぷるさん
私のアルテの「まっきっき」(笑)が嫌いではありません。表紙の黄色と背表紙の深緑色が、悪趣味だけれど、結構気に入ってます。
…と言うことは、私は悪趣味? マズいなあ…、最近はデザイン関係の仕事もしているのに。
>ちなみに、私はこの教則本を”きちんと”学んだ事はありません。(^^;;
と言うことは、めいぷるさんは吹奏楽出身ですか?(って、別に答える義務ありませんから、気にしないでください)。
私は高校の時、大阪フィルのコンサートに行って、「・・・・あのう・・・フルートの方にお会いしたいんですけど・・・・・・」って。後になって思えば、なんと横暴な!!!!!!ところが、フィルの第一FLの方が出ていらして、話を聞いてくださったのでした。その時に薦めててくださったのが、アルテでした。早速取り寄せましたとも。あの時のFLの王子様!!!!!!!
>chikoさん
ファン・サービスという奴でしょうが、呼び出された演者の方も、実はまんざらでもなかったでしょうから(女子高生に呼ばれるって、男性としては相当うれしいことですよ)、気にしなくていいと思います。
へえ、それにしてもやはりプロ奏者が薦めるのはアルテですか、やっぱり本格的な教則本なんだなあ、アルテって。
ところで薦められて取り寄せたアルテは、その後どうなりました? chikoさんは歌の人だとばかり思っていましたが、笛もお吹きになるんですか?
実はフルートの記事を書き始めて、みなさんがこれほどまで反応していただけるとは思っていませんでした。これは私が思っている以上に、笛(とその周辺)人口が大勢いるってことかな? なんか、うれしい。
こうやってみると本当に私はピアノ以外なんも知らないな~と驚きます。当たり前っちゃ当たり前ですけどね。
私はイタリア歌曲どまりだったので、トスティがうらやましくて。ただ、声楽のレッスンは1年だけだったし、副科でトスティまでやる人はいないので、仕方がないかなと。
ピアノの黄色い楽譜は目にしみませんけどね。ピアノの場合は、ウィーン原典版の「オレンジが目にしみる」とか?ベーレンライターは「青が目にしみる」(しみるんですよ)ですが(笑)
しかし、「アルテ」と聞くと、私はうちの近くのショッピングセンターを連想してしまうのです。(じもてぃな話題になっちゃうのですが、あるんですよ、アルテという名前がついてるショッピングセンターが)
>ことなりままっちさん
私は物事を中途半端でなく、ある一定レベル以上にきちんとできる人を尊敬します。
音楽は私の趣味ですが、何事も中途半端で終わってました。この年になって、やっと中途半端ではなく、自分なりであろうと、ある一定レベル以上になるまでやってみたい、モノにしたいと思うようになりました。「その年でいまさら何を…」という声は聞こえますが、「その年」だからこそ分かることってあるんですよ。
ままっちさんはピアノ教師ですから、当たり前と言ってしまえばそれっきりですが、ピアノがきちんと弾けるわけで、尊敬します。私には「〇〇以外なんも知らない」と言える「〇〇」がないんですから…。
と、つい固めの文体で書いてしまいましたが、とどのつまり「ままっちさんって、ピアノ弾けるからスゲー!」ってことです。ああ、私も人から「歌がウメー!」とか「笛がジョーズ!」って言われてみたいです。
それはともかく、確かにベーレンライターの青って、目にしみますよね。私もモーツァルトのハ短調ミサをベーレンライターで持ってますが、たしかに目にキツいね、あの色は。