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ピアノやフルートは、どこまで演奏できればOKなの?

 すごく曖昧なタイトルですが、つまりのところ、どれくらいの演奏力があれば「私はピアノが弾けます」「私はフルートが吹けます」と言えちゃうのかって事だし、その演奏力の有無って、何を物差しにして言えるのかな? って事です。

 まあ私は、ピアノは弾けませんし、フルートだって怪しいので、私の書く事なんて、たかが知れてますが、物事を考えるきっかけぐらいにはなるでしょう。

 まず、演奏力の有無は、何を物差しにして言えるのか…だけれど、これについては、…

1)どこまで学び終えたのか?
2)どんな曲が演奏できるのか?

 …の2つの物差しがあるかな?って思います。

 1)の「どこまで学び終えた」というのは、教則本とか練習曲で考えると分かりやすいのかな?って思います。ピアノで言えば、バイエルとかツェルニーだし、フルートならアルテでしょう。これらの、その世界での標準的な教則本で、どの程度まで学び終えていたら「演奏できます」と言えるのかって考えるのが、手っ取り早いと思います。

 もちろん、バイエルを学ばないで別の教則本でピアノを学んだ人や、フルートだってアルテを使わなかった人がいますが、それでもどこまで学んだかは、換算とか翻訳…って言うと変だけれど「私はバイエル終了程度」とか「私はアルテ1巻の前半終了程度」とかは、だいたい分かると思いますので、問題無いでしょう。

 で、私のアタマでグチャグチャ考えても仕方ないので、ネットでサクッとググってみると、ピアノはソナチネ終了程度、フルートはアルテ1巻終了程度で“演奏できる”と考えられているようです。

 ソナチネ…って、バイエルから始めて、ブルグミューラー、ツェルニーと学んで、ソナチネの順番でしょ? その“ソナチネ終了程度”って、ごく普通のピアノ学習者(って、たぶん子供だろうけれど)で、どれくらいかかるのかな? ネットで見ていると、だいたい4~5年ぐらいかかるようですが…子どもの4~5年ですから、結構時間がかかってますね。

 フルートのアルテ1巻終了と言うのは…私は6年かかりましたが、これは才能が無い上にジジイだったからであって、ごく普通のフルート学習者(学生などの若者)の場合は、だいたい1~2年程度で終了できるようです。1~2年でフルートが吹けるようになるというのなら、吹奏楽部にいた方々は2年半、ほぼ毎日フルートの練習をしているので、吹奏楽部でフルートをやっていた方は、間違いなく“フルートが吹ける”ようになるとも言えます。

 話は横にそれますが、単純に学習期間だけを考えると、ピアノは、その習得にフルートの2~3倍の時間がかかる計算になるので、楽器としての習得の難しさの程度も、それくらい違うのだと言えるかもしれません(ホントかな?)。

 次は、2)の「どんな曲を演奏できるのか?」ですが、ピアノは、ベートーヴェン作曲の『エリーゼのために』が弾けたら一人前というのを、あっちこっちで見かけました。どうやら、この曲がピアノ演奏力の試金石のような扱いを受けているようです。この曲は、ブルグミューラー終了程度で弾けるそうなので、1)の基準よりも、ちょっとユルイ基準になるのかも…。

 一方、フルートの方では、そういう定番の曲って…無いよね。ただ、ドレミ出版の『フルート名曲31選』は有名な楽譜なので、その中の数曲がレパートリーになって、人前で披露できる程度になったら“フルート吹けます”と言ってもいいんじゃないかなって、個人的には思います。もっとも、この楽譜集に収録されている曲は、比較的演奏が容易な曲から、かなり難しい曲までピンキリだったりはしますが…。

 まあ、こんなところでしょうね。

 となると、私、ピアノは弾けませんが、フルートはアルテの1巻を終了していますので「フルートは吹ける」という事になりますが『フルート名曲31選』の曲は、どれも吹けませんので、そういった点では「フルートが吹けるとは言えません」。はは、中途半端な野郎ですね。

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コメント

  1. ドロシー より:

    すとんさん、おはようございます。

    確かに、「ソナチネ弾けます」という人は「ブルクミュラー弾けます」という人よりも上手なんだろうな、って思いますよね。
    声楽の場合、コンコーネ50とか日本の愛唱歌とかイタリア古典歌曲を何年もやり続けているより、オペラアリア歌っている人の方が上手とかって、思う人も多いでしょうね。
    でも、結局、1)も2)も先生の方針に寄るところが大きいのではないかと。
    完璧でないと次に進めさせない、という厳しい先生だと、どうしても1)や2)を求める人には面白くはないから、趣味の人にはどうしても甘くなってしまうんでしょうね。
    でも、初心者にいきなり難曲を許してしまう先生って、今一つ達成感を感じられないですね。
    難易度の高い曲をボロボロなレベルで歌うか、難易度の低い曲を完璧に歌うのか、という違いだったりもするかな・・・

  2. mee より:

    すとんさん、こんにちは。
    「どこまで演奏できれば…」
    私は、明確具体的にどんな季節で、どこで、どのような演奏を、どんな姿で、お客さんはいるのかいないのか?…そして、聞いてくださる方や自分がどんな気持ちで…などなど
    できれば極彩色で^^
    具体的なイメージがあり、それが「夢」ではあるけれど、願望で欲望で(笑)
    今はそれができる事が「どこまで…」です。

    欲望が達成できるように、自分のどこどこを出来るようにしたいから学ぶ。教えてもらう。
    自己中です(*^^)v

  3. tetsu より:

    こんばんは。

    >「私はフルートが吹けます」と言えちゃうのか

    20c.の頃、別の某アマオケのピッコロ募集のオーディションに行ったことがあります。
    当時ピッコロは吹き始めたばかりで不安定でした。今もそれほど変わりませんが。
    アッサリ落ちて、今参加しているアマオケでいまだに吹いています。

    >『フルート名曲31選』の曲

    この存在を知らず、わざわざピースで買い集めた譜面がいくつかあります。
    最後のドップラーは生理的にダメで、さらおうとしたこともありません。
    なぜかバルトークの民族系は大好きなのですが。

    失礼しました。

  4. すとん より:

    ドロシーさん

     確かに声楽の場合、愛唱歌とか古典歌曲を歌っている人よりも、オペラアリアを歌っている人の方が“格上”っぽい感じがしますものね。まあ、事実は必ずしもそうではないのですが…。

    >難易度の高い曲をボロボロなレベルで歌うか、難易度の低い曲を完璧に歌うのか、という違いだったりもするかな・・・

     私は“難易度の高い曲をボロボロなレベルで歌う”人です。だってね、年老いてきて、カラダが日々劣化しているんだもの。自覚ありますよ。「今日が、これからの人生の中で一番若い日」なのです。来年は今年よりも上達している保証なんて、何一つないし…それどころか来年歌っているかどうかも分からないし…。それを考えると、歌っておきたい歌は、今、最善を尽くして歌っちゃうしかないでしょう。たとえボロボロでも、なんとかカタチになるウチにやっつけておきたいのですよ。私は日々、そう思ってます。だから、無茶もします。

     でも、本当にカッコいいのは、難易度の低い曲を完璧に歌うこと…なんですよね。でもそれは、まだカラダが劣化した将来でも出来ることだから、今はあえて、やりません。

  5. すとん より:

    meeさん

     「どこまで…」の基準は、本来は、人それぞれによって違うし、おっしゃる通り、その人の望んでいる到達点が、その人にとっての「どこまで…」なんだろうと思います。

     私のような、趣味の大人って、謙遜半分本心半分で「私なんて、まだまだ全然…」とか言って、お茶を濁すんですよ。本当は、そこそこ出来るのにね。謙遜も行き過ぎるとイヤミになってしまうわけで、謙遜がイヤミにならないためにも、ある程度の一線ってのが、必要になってくるわけで、今回の話は、そこらへんの話だったりします。

     実にレベルの低い話なんですよ。

  6. すとん より:

    tetsuさん

     うむ、そうそう。アンサンブルの場面を考えた時、落ちてばっかりいる人って“吹ける”って言えないかもね。もちろん、初見で間違いなく吹け…なんてのは、プロレベルの人の話であって、アマチュアさんは十分な練習をして…という前提で良いのだけれど、十分な練習をしてきたにも関わらず、落ちてばかりいてアンサンブルに参加できないければ、その人は“吹ける”というのは厳しいかも。

     まあtetsuさんのように、アマオケを楽しんでいるような方は、間違いなく“吹ける”側の人間だと思いますが…。

     ドップラーの曲は、私も食指が動きません。まあ、私の場合、単純に技巧的に無理だからなのですが、そこはクリアしても、メロディーの方向が私の趣味とは違う(ごめんなさい)ので、これからもたぶん、私が吹くことは無いだろうなあ…なんて思ってます。

  7. Hiro.MTB より:

    自分のレベルに合わせて難易度の低い曲を自作しちゃう私は、果たしてフルート(や、他の楽器)を吹けると言えるのか?

    この度のすとんさんの問題提起は、私にとって結構シリアスな議題だったりします。

    「なんの楽器が出来ますか?」と訊かれて、「サックスです」とは答えられるのですが、他の楽器(クラ、フルート、ファゴット)は「出来る」と言ってよいレベルなのか、自分でも疑問だからです。

    もし出来ると答えて、「じゃあ、こんどウチの木五に参加してよ、丁度ファゴットが欠員なんだ」と言われてフランセやイベールの楽譜をポンと渡されたら「ごめんなさい、やっぱり出来ません(泣)」としか言いようがないですし…

    p.s.

    同じ曲でサックスでの録音とフルートでの録音の2種類、音源を用意して、某音楽投稿サイトで公開したら、フルートで録音した方にたくさん「いいね」がついて嬉しいやら悲しいやら(笑)。

    30年やってるサックスよりも10ヶ月しかやってないフルートの方が人気が高いとは…録音を客観的に比べると、慣れているぶん、サックスの方が演奏の瑕疵も少ないし、表現も出来てるのですけどね(逆にフルートは音を出すだけで精一杯で、表現もぎこちないです)。

    これは「私はフルートが出来る」という話では無く、単にフルートの方が(楽器として)人気があるという事ではないかと思っています。

  8. mee より:

    >ある程度の一線ってのが、必要になってくるわけで、

    わかります~(>_<)
    自分を追い込んでしまうと、楽しめませんので(笑)

  9. すとん より:

    Hiro.MTBさん

     アマチュアの趣味なんて、資格も免許も無いものがほとんどで、それゆえに自分の力量ってのは、どのくらいの位置にいて、これどの程度のものであって、その業界ならば、どのレベルにおいて必要十分条件を満たしていると言えるのか…とまあ、ざっくりと悩むわけです。

     本人的には、実に悩ましい問題なんだと思ってます。

    >単にフルートの方が(楽器として)人気があるという事ではないかと思っています。

     サックスも魅力的な楽器だとは思うけれど、確かに一般受けするのは、フルートの音色かもしれませんね。なにしろ、日本人の横笛好きは、平安の昔から脈々と続きDNAに刻まれていますからねえ。

     そこへ行くと、和楽器のリード楽器ってのは、篳篥(ひちりき)とかチャルメラとかが代表格で、有名だけれど、有名な割には普及していないですからね。

  10. すとん より:

    meeさん

     最終的なゴールは遠くに設定しても全然構いませんが、やはり現実的なゴールってのが、手の届く範囲にあって、そこを超えれば、ひとまずOKみたいな線って必要でしょ? 日本人って、無駄に真面目で努力家ですから、そういう“手近なゴール”を設定してあげないと、自分も含めて、いつまでも心苦しかったりする…でしょ? そうなると、meeさんのおっしゃるとおり、楽しめなくなってしまうわけで…楽しむためにも、手近なゴールは必要って事なんです。

  11. Hiro.MTB より:

    >和楽器のリード楽器ってのは、篳篥(ひちりき)とかチャルメラとかが代表格

    なるほど、これらは外来の楽器ですね。インドやトルコ発祥で、中国を経由して日本に入ってきました。

    それに対して、能管や篠笛は日本生まれですよね(そっくりな楽器が外国にもありますが、これらは平行進化というやつで、お互いに相手の存在を知らないまま、いつの間にかそっくりな楽器が出来上がっていたということです)。

    日本人は古来から横笛好きなんですね…

  12. すとん より:

    Hiro.MTBさん

     ダントツに有名なリード楽器を忘れていました。それはハーモニカと足踏みオルガン。ともに金属製のリードですけれどね。

     ハーモニカにせよ、足踏みオルガンにせよ、一時期は日本中を席巻しましたが、今では見る影もありません。やっぱり、リードの音って、日本人には好まれないかな?

    >日本人は古来から横笛好きなんですね…

     たぶん…ね。

     そうそう、戦後間もなく、進駐軍からジャズとロカビリーが入ってきましたが、ジャズは根付かず、ロカビリーはJ-POPの礎になりました。あの頃のジャズは、金管とリード楽器が主流で、ロカビリーはギターが主流でした。ギターは戦後に日本に入ってきた楽器ですが、それ以前から、琵琶とか三味線などのギターの親戚のような楽器が日本にあったため、ギター音楽は馴染みやすかったのかもしれません。

     日本人は横笛に負けず劣らず、ピック(バチとも言う)で演奏するタイプの弦楽器も好きなようですね。

  13. tetsu より:

    こんばんは。
    蒸し返しの話題で失礼します。

    >『フルート名曲31選』の曲

    久し振りに身内でフルート吹いてほしいと頼まれて、グルックの「精霊の踊り」のピアノ伴奏譜面を手元の31選で見たら、松葉が一杯、stiring.までありました。シェーンベルグの浄夜みたいなコテコテ後期ロマン派でメチャオモロイ編曲になっています。
    以前もこの譜面そのままでお願いした記憶はあります。気付かないほうがボケでした。グルックのオリジナルの譜面を確認しないこちらの問題です

    失礼しました。

  14. すとん より:

    tetsuさん

     グルックは…バロックでしたね。

     私は後期ロマン派がめっちゃツボなので、そういうコテコテ編曲大好きです。まあ、邪道と言えば邪道なんですが(笑)。

     でもクラシック音楽は、作曲家のオリジナルを尊重する音楽ですから、やはりバロック曲はバロック曲らしく演奏するべきなんでしょうが…私自身は、ついついコテコテに走ってしまう人です。

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