合宿二日目の朝となりました。朝食は8時だけれど、私は6時に目を覚まして、朝風呂です。ここ野尻湖には温泉は無いけれど、鉱泉(つまり温度の低い温泉。そのままでは水風呂なので加熱するわけだ)を沸かしているので、朝風呂三昧をしちゃうわけです。
だいたい、目の前が湖だから、地下水豊富なわけだし、周囲は温泉地帯ばかりだから、ちょっと掘れば、鉱泉が出てくるのは当たり前だよね。
朝風呂、気持ちいいよ。で、風呂を出て、湖まわりをちょっと散歩すると、あっという間に朝食タイムです。
がっつり朝食を食べると、先生から全員に向けて、別館に集合してロングトーンの練習をしなさいと指示が出ます。この全員でのロングトーンの練習が、その日のフルートタイム開始の合図になるわけで、朝のロングトーン練習後から宴会開始までの時間、皆さん、各自で湯気が出るほどに熱心に個人練習をするわけです。
時が来たので仕方がない(笑)。私もロングトーン練習に参加し、軽く湖畔を散歩してから、部屋に戻って覚悟を決めて、フルートの練習を…したりしていなかったりしていると(笑)、やがてマネージャーさんに呼ばれて、別館でH先生のレッスンとなりました。
前日の指示通り、テンポアップした成果を示すと、今度は「吹きすぎ」と言われました。まあ、テンポアップをして、勢い良くフルートを吹いていたら、今度はフルートに息が入り過ぎの、フルートの鳴らしすぎになってしまいました。
ハイドンの曲なんだから、もっと軽く吹きなさいと言われて、多少テンポを緩めても良いので、とにかく軽く軽く吹いてくるように言われました。ああ、難しいね。
ちなみに、私が取り組んでいる、ハイドンの「セレナーデ」ですが、昨年は合宿初参加のBさんのソロ曲だったそうです。だから、私が部屋でセレナーデを練習すると、Bさんが懐かしがっていました。どうやら、この「セレナーデ」って、合宿初参加の人が取り組む曲の定番らしいです。でも、Bさんの楽譜を見せてもらったら、あれこれだいぶ違いました。Bさんの譜面は私のと違って、装飾音符がほとんどない上に、アーティキュレーションの指示も、割りと大雑把です。それになんか曲そのものがカットされていて、ちょっと短め?じゃないのかな。うん、この楽譜なら、私でも簡単に吹けるかも…。
ちなみに宴会の時に、BさんがH先生に「すとんさんの曲は去年の私の曲ですよね」と言ったら、H先生は「全然違いますよ。あなたに渡した楽譜は、一番簡単な楽譜。すとんさんに渡したのは、一番難しい楽譜です。曲は同じでも、中身は全然違いますよ」って言ってました。まあ、確かに私の楽譜って、真っ黒でゴチャゴチャしていて、まだアルテを学んでいる最中の人には厳しい楽譜かもしれないなあ…。
まあ、フルートに限った話ではないのかもしれないけれど、器楽曲の場合、いわゆる編曲モノを演奏する際に、どの曲を演奏するかという曲選びも大切だけれど、同じ曲でも編曲による違いがあるので、次にどの楽譜選び(編曲選び)をするかという話になってくるのだなあ…と思いました。
フルートでも、最初っからフルート曲として作曲されたモノは、編曲による違いっては、あまり無いのでしょうが、そもそも最初っからフルート曲として作曲されたモノが(とりわけ初学者向けの曲に関しては)少ないという事情がフルート界にはあるのだから、曲選びと同じくらいに、楽譜選びが大切って事に気付かされました。声楽だと、調性の違い(キーの違い、高声用とか中声用とかね)はあるけれど、基本的に、プロもアマも同じ譜面で歌うので、編曲による違いなんて考えないので、なんか新鮮な気分になりました。
それにしても、私のレッスンって…時間、短い! たぶん、15分からせいぜい20分くらいです。30分以上もレッスンやっている人もぞろぞろいるのに、本当に私のレッスンは時間が短いです。せっかく、一日たった一回のレッスンなんだから、もっとたっぷりやって欲しいと思う反面、先生に絞られる時間は短い方が(本音では)うれしかったりと、ちょっと複雑な気分でした。
まあ、部屋での練習も熱心とは言えない私だから、レッスン時間の長短に文句を言うのは筋違いかもしれません。レッスンをたっぷり受けたければ、練習もたっぷりしなさい…って、音楽の神様に叱られそうです(汗)。
さて、H先生のレッスンも終了し、部屋で練習したり休んだりを交互にしていると、C先生が部屋にやってきました。なんでも、H先生から、男組のアンサンブルの進捗状態を見るように言われたのだそうです。ちょうどその時、セカンドフルートのBさんが、H先生のレッスンを受けていて不在だったのです(Bさんのレッスンは小一時間もかかるんですよ。なんかちょっぴりうらやましいです)が、アンサンブルは、音楽としては、ファーストとサードがいれば成り立つので、まずはAさんと私の二人のアンサンブルをC先生に聞いてもらいました。
アンサンブル曲(「ベートーヴェンのト長調のメヌエット」です)を合わせたのは、この時が始めてだったのですが、特に問題なくすんなり演奏できちゃいました。私としては「ああ、こんな感じでメロディーと組み合わさるのね」と言った感じで、安心しました。
あと、私、合わせモノが得意かもしれない(笑)。そんな気がしてきました。根拠のない自信…ってやつです(大笑)。
問題は、二人で演奏出来ても、三人になると、そんなに簡単じゃないって事です。
やがて、Bさんが戻ってきたので、今度は三人で合わせてみると、案の定、途端に音楽が通らなくなりました。いやあ、やっぱりアンサンブルって、難しいね。
我々のフルートアンサンブルは、三部編成で、ファーストがメロディ、セカンドがファーストのハーモニーで、サードはベースとかオブリガードとか、そんな感じです。一番目立つのは、メロディーのファーストだけれど、一番難しい…と言うか、ややこしいのがサードフルートのようです。いやあ「サードなんて、一番簡単じゃん」と思っていた私ですが、必ずしもそうではなかったようです。まあ、サードはサードで、音楽的には面白い立ち位置だなって思いました。
とにかく、C先生からたくさんの課題を言い残されて、レッスン終了。残った時間で、私以外の方々は、各自でそれぞれの課題克服に取り組んだわけです。…私? 私ですか? そりゃあもう、レッスン後は休憩に突入ですよ(笑)。
やがて昼食です。この日の昼食は、普通にカレーライスだったので、がっつり食べました。食べなきゃ、この暑さにやられてしまう…ってくらいの勢いで、ガンガン食べました。へへへ。
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