パソナ本社に、そのまま居座り続けて、次のコンサートを待ちました。
フルートコンサート(フルート:長谷川絢香)
次のコンサートになっても、エアコンの音はガンガン響いていました。普通、いくら大きな騒音でも、そこにそれなりの時間いたら、耳が慣れるものですが、ここのエアコンの音は、全然慣れないです。陽気もいいし、エアコン、必要なのかな? ああ、エアコン止めてもいいから、静かにしてほしいなあ。
さて、ソプラノの次はフルートのコンサートでした。で、フルートと言えば、私の興味関心は、奏者の使っているフルートは、シルバーなのかゴールドなのかって事で、さっそく、それを見分けようとしましたが、奏者の手にしているフルートが、なぜかシルバーに見えたり、ゴールドに見えたり、なんか不思議な感じがしました。
結局、この会場のライトが、かなりの濃い黄色のライトと白い光のライトの二つを混在させて使っているので、ステージ上の立ち位置がちょっと違うだけで、黄色い光が当たったり、白い光が当たったりして、肝心のフルートが、シルバーであってもゴールドであっても、黄色い光が当たっている場所では、同じように肉眼では黄色に見えてしまう事に気付きました。じゃあ、白い光が当たっている場所で判断すれば…と思うでしょうが、目が黄色いライトに慣らされてしまい、色がよく分からなくなってしまいました(笑)。
とは言え、目を凝らして見た結果と、ライトの光の加減を脳内補完した結果を合わせた結論として、私の目には黄色いフルート(つまりゴールドフルート)に見えるけれど、おそらく、あれは黄色い光が当たっているシルバーフルートであろうと思ったわけです。と言うのも、フルートがゴールドに見える時は、演奏者の顔も、まるで肝臓病患者のような、黄疸の出ているような顔色に見えていましたからね。あんな顔色の人がコンサートできるわけはないので、かなり強い黄色が当たっている…と思ったわけです。
おそらく、この会場のライトは、稲の成長に必要な光が出るように、黄色いライトと白い光のライトの二つで調整されているのでしょう。そして、室内であるけれど、おそらく太陽光に近い光を作っているのだと思いますが、やはり人間の目には、かなり黄色い光になって見えているのです。で、その光の設備のまま、音楽コンサートをやってしまうと、何もかもが黄色く見えてしまい、黄色い照明がアダになるわけです。
まあ、何でもかんでも黄色っぽくなっても、音には関係ないから、いいっちゃあいいんです。
シリンクス[ドビュッシー]
フルートソナタ『ウンディーネ』[ライネッケ]
最初の『シリンクス』は、フルート独奏曲としては定番中の定番曲です。ff~ppまで、美しい音色で演奏されました。いいなあ。この方の音色は、全体的に太めの暗めで、一般人が思うフルートの音色とは、ちょっと違うかもしれないけれど、楽器の音としては、なかなかに美しいです。
1曲目はあっという間に終わり、すぐ最後の『ウンディーネ』になりました。この曲、4楽章まであって、演奏時間も20分程度あるので、今回のコンサートは、こちらの曲がメインになるわけです。
しかし、このライネッケのフルートソナタ。フルートの演奏会に行くと、割りとよく聞きます。いい曲だと思うけれど…フルートオタクしか知らない、隠れた名曲なんだよね(溜息)。フルート音楽的には名曲になると思いますし、耳当たりだって悪く無いと思うのだけれど、やはり聞いた後、観客の心に爪痕を残せるタイプの曲とは違うので、一般的な名曲の中には入れてもらえないんでしょうね。で、フルート音楽って、たいてい、こんな感じの曲ばかりだよ。「悪く無いんだけれど、なんか残らないんだよね…」って感じの曲ばかりになってしまうのが、フルート音楽の悲劇なんだと思います。ピアノ音楽におけるショパンのような作曲家が、フルート音楽には現れなかったって事なんだろうなあ。
演奏自体は、良かったと思うけれど、ライトのせいもあって、どうしても気が散ってしまいました。と言うのも、フルート全体はシルバーだろうと思ったけれど、リップの部分が、どうしてもゴールドに見えてしまって、最後まで「あのフルートのリップはシルバーなのかしら、それともゴールドなのかしら」と、そればかりを考えてしまいました。
と言うのも、フルートの音がね…なんとなく、ゴールドっぽい感じがしていたし、目で見た感じもゴールドなんですよ。でも、ライトは黄色でシルバーも黄色く見えちゃう照明なんですよね…と、音楽自体とは関係ない部分に気が散ってました。ごめんなさいです。
ポピュラーコンサート(田代華菜:ソプラノ、内田尚志:テノール、三浦千佳:フルート、久保朱那:ピアノ、田町公美:ピアノ)
その次は、今年のパソナの新入社員さんたちによるポピュラーコンサートでした。
情熱大陸[葉加瀬太郎]
ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)[サティ]
オー・シャンゼリゼ[ウィルシュ&ディーガン]
トップ・オブ・ザ・ワールド[カーペンターズ]
銀河鉄道999[ゴダイゴ]
ミュージカル「アニー」より『トゥモロー』[ストラウス]
1曲目の『情熱大陸』は、原曲はヴァイオリン曲ですが、今回はピアノ連弾(一台のピアノを2人で弾く)でした。ヴァイオリンがピアノに変わっただけなんですが、それだけで、曲のイメージがガラッと変わります。ヴァイオリンは泣き節だと思うのだけれど、ピアノだと泣けない分、無闇に音数が増えてしまい、それを受け付けられない人だとダメだと思うけれど、私は楽しみました。
2曲目の『ジュ・トゥ・ヴ』は、ソプラノ+フルート+ピアノの演奏でした。この曲は、そもそもシャンソンであって、歌詞も男性歌手用と女性歌手用の2つあるそうですが、今回は女声用の歌詞で歌ったそうですが…フランス語なので、よく分かりませんでした…と言うよりも、この曲って、男性歌手用の歌詞がある事を知らなかったのでビックリでした。そうか、男性が歌ってもいいんだ…と思った次第です。
歌ったのが、クラシック系ソプラノ歌手さんでしたから、いわゆるシャンソンのイメージとは違った感じでしたが、なかなか良かったです。個人的には、シャンソン系のぼそぼそ歌唱よりも、思いっきり声を出して伸びやかに歌う、クラシックスタイルの方が好きです。
3曲目は、テノールの人でした。片手にフォークギターを持って登場したので、あれあれあれ…と思っていたら、ギター弾き語り+ピアノの組み合わせで歌い出しました。ちなみに、歌にはきちんとマイクを使い、ぼそぼそとポピュラー発声で歌っていましたので「だったら、テノールって名乗るなよ」とちょっぴり思いました。
まあ、テノールには、オペラとロックやポピュラーの二刀流の人もたくさんいるので、この人もそんな感じの人なのかなって思ったわけです。で、今回は、ポピュラー歌手として歌ってくれているんだなあ…と納得させながら聞きました。それにしても、この曲、ギターが似合わないよなあ(笑)。伴奏は、ピアノだけでも良かったんじゃないかしら?
4曲目は、カーペンターズの「トップ・オブ・ザ・ワールド」です。歌手も男性と女性の2人がいるので、てっきり、カーペンターズ並に男女デュオで歌ってくれるのかと思ったら、フルート+ギター+ピアノという演奏形態でした。ああー、ヴォーカルラインをフルートで吹くわけだね。
勝手に期待して、勝手にがっかりするのは、私の悪い癖です。でもまあ、確かにカーペンターズの曲って、フルートが似合うよね。
5曲目の『銀河鉄道999』は「何か昭和っぽい曲を…と思って選曲しました」って紹介していたような…。まあ、確かに昭和の曲だけどさあ…。これも男性歌手がいるんだから、ノリノリで歌ってくれるのかと思ったら、ピアノ連弾で歌はありませんでした。演奏は頑張っていたけれど、なんか色々と違うんだよなあ…と、ゴダイゴファンとしては、苦言を呈したいです。少なくとも、ミッキーのオルガンソロの部分は、あのニュアンスを再現してくれなきゃイヤだよぉ。
最後の『トゥモロー』は、全員総出の演奏でした。今回、テノールの人はマイクを使わないで歌っていたので、彼の歌唱は全然聞こえませんでした。そりゃあ、ポピュラー発声のままで、マイク無しはキツイよね。ここは、クラシック発声に切り替えるか、マイクを使って歌えば良かったのにね。残念なのは、そこだけで、後は良かったです…ってか、このコンサートで一番良かったのはこの曲かもしれません。
この人たちは、1時間後に同じステージで、今度はクラシック系コンサートをしてくれるので、それを楽しみに待つことにしました。
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コメント
ふむふむ。たまにクラシックでないのもよいですよね!シャンソンか、、シャンソンは苦手です。あの、ボソボソと語る感じがちょっとね、?
フランスオペラやフランス歌曲はよいけどね!
アデーレさん
シャンソンって、リートと同じで、言葉を優先している音楽だと思うのです。あるいは、表現を優先している音楽と言ってもいいのかな? つまり、音楽よりも、言葉や身体表現が優先している音楽。だから、あのぼそぼそ歌っているのだって、きっと理由はあるはずなんだけれど、私はフランス語が分からないから、ただぼそぼそ歌っているようにしか聞こえないわけです。
そこへ行くと、イタリア語や英語の歌って、歌詞に意味がないモノが多くて、基本的に音楽優先でしょ? 言葉の分からない外国人的には、そういう音楽の方が取り付きやすいんだよね。
きっと、シャンソンだって、言葉がべらべらだったら、楽しいんだと思うし、いっそ、日本語でシャンソンを歌ってくれたら、とっても楽しいと思うんだよね。