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世界文化社の『DVD決定盤オペラ名作鑑賞』がオススメかも?

 デアゴスティーニ社の「DVD 世界のオペラハウス名演コレクション」の刊行が、途中放棄されて、やさぐれている私です。全80巻の予定が、5巻で終了って事で、悔しくて悔しくて、どうにかなってしまいそうです。まあ、終わった事をいつまでグダグダ言っても大人げないので、後は心の中で呪詛しまくるだけです(あぶねーなー)。

 で、デアゴスティーニの代わり…になるわけもありませんが、ちょっとおもしろい情報を書き込みます。

 オペラDVDをシリーズ化して発売するのは、別にデアゴスティーニ社だけではありません。今でも、割と簡単に入手できるものとして、小学館から出ている『魅惑のオペラ』があります。1冊4000円で全30巻、それに別巻として1冊5000円のモノが4冊あって、全34巻のシリーズとなっています。私も『愛の妙薬』と『エフゲニー・オネーギン』を購入しましたが、よく出来ているシリーズだと思います。

 でも、たぶん、今、普通に購入できるオペラのシリーズものって、これだけだと思います。以前は、この小学館のシリーズと一緒に、世界文化社の『DVD決定盤オペラ名作鑑賞シリーズ』というオペラDVDシリーズもあって、よく見かけたのですが、最近はトンと見かけなくなりました。どうしたのかなと思っていたら、どうやら絶版になってしまったようです。絶版とは…内容が良いのに残念だな…と思っていたら、どうやらいわゆる“在庫”というか売れ残りというか、かなりたくさんのブツが中古市場に流入したようで、現在、あっちこっちの古本屋さんで新古品として売られていたり、ワゴンに集められてバーゲン本として売られているようです。

 この世界文化社の『DVD決定盤オペラ名作鑑賞シリーズ』って、面白いんですよ。と言うのは、一冊の中に、同じ演目で違う演奏のオペラが2つずつ入っているという趣向なんです。つまり“オペラの二本立て”なんですよ。で、同じ演目ですから、当然「この2つの上演を見比べてください」という趣旨なんですね。で、このシリーズに入っているDVDの演奏が、これまた実にマニアックな演奏ばかりで、オペラ初心者には薦めづらい(だから絶版になったんだと思う)のだけれど、お好きな人には結構たまらないラインナップだったりするんです。

 二本立てという事もあって、元々の価格は約5000円と、この手のシリーズものとしては、ちょっぴり高価で手が出しづらいのですが、今回、新古品になってしまったので、市場では一冊1500~3500円程度で販売されているんですよ。この値段で、マニアックな演奏の二本立てときたら、そりゃあ買っちゃうでしょ(笑)。で、この度、私、全10巻を買い揃えましたので、この情報をネットに開示したいと思います。

 いやー、だって、自分が買い揃える前にネットに情報を開示して、私が買い揃えられなくなったらイヤじゃない(笑)。

 とにかく、お好きな方にはたまらない『DVD決定盤オペラ名作鑑賞シリーズ』なんですよ。1冊1冊、説明させていただきます(笑)。

 まず、私が推すのは、8巻目の『蝶々夫人』です。これのDisc1が、林康子主演・浅利慶太演出の1998年のスカラ座公演なんですよ。すごいでしょ? で、Disc2が若き日の八千草薫さんが蝶々さんを演じているオペラ映画なんです。「八千草薫って歌えたっけ?」 もちろん歌えません。歌はイタリアのソプラノ歌手さんの吹き替えです。ほら、マニア向けだけれど、マニアにとっては垂涎モノの1冊でしょ?

 同じような組み合わせだと、1巻目の『アイーダ』のDisc1が、マリア・キアーラとパヴァロッティによる1985年のスカラ座公演で、Disc2が、若き日のソフィア・ローレンがアイーダを演じているオペラ映画です。で、こっちの映画がすごいのは、アイーダの吹き替えをレナータ・テバルディがやっているという事。ほら、すごいでしょ。

 いかにもマニア向けというと、2巻目の『椿姫』のDisc1もすごい。と言うのも、2001年のパルマ王立歌劇場の公演なのだけれど、この公演で使われた楽譜が1853年に作曲された初演版のモノなんです。で、演出も1853年のヴェネツィア歌劇場でのモノを再現したという、オペラマニア以外には、どーでもいいような公演なんです。さらに言うと、ここでアルフレードを演じているのかサバティーニなんだけれど、彼がアルフレードを演じているDVDって、これだけなんだそうです。ほんと、マニア以外には何の訴求力もない情報です(笑)。

 定番中の定番の公演と言えば、3巻目の『ボエーム』のDisc1なんて、パヴァロッティ&フレーニ主演の1988年のカリフォルニア歌劇場の公演なんです。ほんと、ド鉄板でしょ?

 4巻目の『フィガロの結婚』はDisc1が、通常のドイツ語上演なんだけれど、Disc2は、なんと、フランス語上演なんです。まあ、たしかにボーマルシェによる原作はフランス語で書かれた戯曲なんだけれど、オペラそのものは、舞台はスペインだし、オーストリア人によってドイツ語で作曲されたオペラなんだよ。それをフランス語で上演なんて…わけわからないよ。ちなみに、このフランス語版では、通常は女性歌手によって歌われるケルビーノを男性歌手が歌ってます。いやあ、ゲテモノ上演だなあ…。

 5巻目の『ドン・ジョヴァンニ&コジ・ファン・トゥッテ』は、同じ演目の二本立てではなく、同じ歌手による二本立てで、チェチーリア・バルトリのファンに向けた1冊となっております(笑)。普段はメゾのバルトリなんですが、『ドン・ジョヴァンニ』ではドンナ・エルヴィーラを、『コジ・ファン・トゥッテ』ではフィオルディリージを、歌っております。両方とも、本来はソプラノの役なんですが、そこにメゾのバルトリがチャレンジしているっていう趣向なんです。ああ、マニアックだ。

 6巻目の『セビリアの理髪師』なんかは、Disc1がロッシーニの作曲したオペラで、Disc2が、なんと、パイジェッロが作曲した同名オペラなんです。同じ原作から違う作曲家がそれぞれに作ったオペラを楽しみましょうという、ほんとマニアだけのお楽しみ的な1冊なんです。で、パイジェッロの『セビリアの理髪師』もなかなか良いですが、やはりロッシーニの天才には呆れるばかりです。

 7巻目の『トゥーランドット』は、Disc1が、エヴァ・マルトンとホセ・カレーラスとカーティア・リッチャレッリの1983年ウィーン国立歌劇場の公演なんです。ああ、定番中の定番だ! Disc2はテレビ放送用にイタリアRAIによって製作された白黒オペラですが、ここでカラフを歌っているのが、フランコ・コレッリだったりします。こんなモノ、よく見つけたものです。

 9巻目の『カルメン』は、まあいいや(笑)。シリーズ化するにあたって『カルメン』は外せなかったんでしょうね。

 10巻目の『トスカ』のDisc2では、1961年のレナータ・テバルディがトスカを歌ってます(ただし白黒映像)。ちなみに、この巻のみ、三本立てで、Disc2には、他に白黒のオペラ映画も入ってます。オペラ映画の良い所は、舞台中継よりも映像表現にこだわれる事で、オペラでは歌詞で説明されている事が、映像でも説明してくれるので、ストーリーが理解しやすくなっている事かな?

 いやあ、実に実に、マニア向けのオペラシリーズでしょ? これが、今ならかなり安価に入手できるんです。なので、お好きな方々は、無くなる前に、ぜひ入手した方がよいですよ(笑)。

 マジで、オススメです。ただし、オペラマニアに限る(爆)。

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コメント

  1. アデーレ より:

    わーい!情報ありがとうございます!早速、探してみよう!!私的にはランメルモールのルチアや清教徒や夢遊病の女、あたりが欲しいのだけど
    、、。昨夜のBSでもオペラありましたね!爆睡してました、、笑

  2. すとん より:

    アデーレさん

     『ランメルモールのルチア』とか『清教徒』とか『夢遊病の女』のような、マニア向けのベルカントオペラは、さすがに世界文化社や小学館の、初心者向け書籍扱いDVDには、ありませんよ(笑)。そういうのは、きちんとマニア向けのところを探さないとね。

     それらのオペラは、デンオン(日本コロンビア社のレーベルです)から出ている、オペラ廉価DVDシリーズの“オペラクレスタ”から出ています。1枚ものが2400円、2枚ものが3400円です。まあ、お安いでしょ?

     ただ、これらのシリーズもどうやらメーカーは、すでに生産していないようで、市場に出回っている在庫がなくなり次第、廃盤となるはずです。と言うのも、おそらく、契約の問題があるんじゃないか…って私はにらんでいます。

     実は、中止になってしまったデアゴの新オペラシリーズのラインナップは、デンオンのオペラクレスタと多くがカブるんですね。つまり、デンオンとの契約切れ&デアゴとの契約ってカタチで販売されるはずじゃなかったかなって思っているわけです。ですから、オペラクレスタシリーズも、欲しいものがあるなら、急いでゲットしないと、無くなっちゃいますよ。

  3. tetsu より:

    こんばんは。

    > オペラマニア

    こちらは全然オペラマニアではありませんが、先日BSで放送された「小澤征爾×ドナルド・キーン 音楽、オペラ そして人生」でドナルド・キーン(1922-)にはビックリしました。
    10代からメトの定期会員(最初はお金がないので立ち見席から)で毎週オペラを見ていたようです。
    雑誌の企画でオペラのベスト3で選んだオペラの1位は1941年のメトでのワルター指揮、フラグスタートによる「フィデリオ」、2位は1952年のコヴェントガーデンでのマリア・カラスの「ノルマ」。
    「ノルマ」の録音は最初は海賊盤しかなかったったようですが、正規盤も出て、最後のBravaはドナルド・キーン自身の声が残っているらしいです。
    毎週手軽に(最初は1回か月単位か記憶にありませんが1$)オペラが見れる聴けるというのはいいですね。

  4. すとん より:

    tetsuさん

    >「小澤征爾×ドナルド・キーン 音楽、オペラ そして人生」

     その番組、録画したけど、まだ見ていないや。今は、風邪気味なので、なるべく寝ることを優先しているわけです(っていいながら、遊びには行っている、矛盾したヤツです、私)。

    >10代からメトの定期会員(最初はお金がないので立ち見席から)で毎週オペラを見ていたようです。

     アメリカとかヨーロッパでは、よく聞く話です。日本でも、歌舞伎座等には一幕見席があるでしょ? たぶん、あんな感じ。どっちにしても、都会に住んでいないと利用できないサービスですね。

     日本では、クラシック音楽って言うと“交響曲”ってイメージがありますが、彼らにとってクラシック音楽って“オペラ”なんですよね。オペラが音楽の基礎基本なんですよ。ですから、向こうのお好きな方は、本当にオペラ通なんですよ。そこが、我彼の違いなんだろうと思います。

     私も平均的な日本のクラオタの中ではオペラに詳しい方だと思いますが、それでも向こうのお好きな方の足元には、全然及びません。残念。

  5. tetsu より:

    こんばんは。

    あまりご無理をなさらないでくださいませ。
    この放送では実際のオペラとかの音源は一切流れません。倍速飛ばしで聞いていてもMCの余計な振りが多くて聞きにくらいでした。

    > クラシック音楽って言うと“交響曲”ってイメージがありますが、

    小澤征爾は師匠の齋藤秀雄からは「オペラを教わっていない」そうです。
    カラヤンから「オペラもやれ」と言われてその結果「交響曲、室内楽まで演奏表現の幅が拡がった」、ような話をしていました。
    「初めて聴いた音楽」、とか、音楽へのイメージは多種多様にありそうです。

    こちらはピアノが結構おもしろくて弾きもしないのに聴いています。

  6. すとん より:

    tetsuさん

     オペラは言葉の壁もあり、昔の日本人(いや、今もかな?)の多くは、食わず嫌いをしているんだと思います。ヨーロッパ人たちだって、オペラには壁があるんですよ。オペラって、大半がイタリア語歌唱ですし、残りはドイツ語やフランス語ですが、ヨーロッパ人なら、誰もがイタリア語が分かるわけじゃないし、ドイツ語やフランス語も然りです。ただ、彼らは言葉が分からない事くらいでビビらないだけの話です。

     「習うより慣れろ」 たとえ言葉が分からなくても、芝居を見ていれば、どんな場面なのは分かるし、それを重ねていけば、何となくイタリア語もうっすらと分かるようになるものです。まあ、彼らの使う言葉は、我々の日本語よりも親和性が高いので、我々よりは有利な地点にいるのは事実ですが、だからと言って、そんなに簡単なものではないみたいです。

     それに今の時代なら、各国語の字幕付きDVDが普及していますから、言葉が分からないなんて、オペラ鑑賞の妨げの理由にもなりません(笑)。

     日本から、オペラの食わず嫌いがなくなる事を願っています。

     ただし、やっぱり音楽は趣味なんだから、好きなモノを好きなだけ楽しむのもありだと思ってますので、交響曲オンリーな日本人気質も、それはそれで有りって思っています(笑)。

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