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ミュージシャンというものは、事務所にスカウトされて、始めてプロとなる…ようです

 まだラ・フォル・ジュルネの感想文(笑)は、半分程度しかアップしていませんが、それはさておき、ゴールデンウィーク中に行ったレッスンの話とかを、先にアップしておきます。いつもとアップする曜日が違うけれど、勘弁ね。とにかく、今回はフルートのレッスンの方をアップしておきます。

 久しぶりに、フルートのレッスンに行きました。そしたら、めっちゃ久しぶりの姉様のレッスンに遭遇! 先生となにやら二重奏をやっていましたが、それが実にかっこいいんだわ。あれ、なんていう曲なんだろ。それと、姉様と二重奏している時のH先生のフルートは、結構マジで吹いていて、すごくかっこい音がボーボーしておりやした。上手な生徒が相手だと、先生も本気を出すみたいです。

 私も早く先生に本気を出させる生徒になってみたいです(夢のまた夢だろうなあ…)。
 しかし、春になったのに、なかなかフルートが温まらない私です。最初は『低い低い…』と言われて、ドンドン頭部管を押し込んでいったのに、やがて『高く…ない?』って感じで頭部管を抜きましたが、そこに至るまで一体何分かかっているの(笑)。いやあ、ほんと、私のフルートはなかなか温まらないみたいです。

 で、これまた久しぶりにH先生と姉様と私の三人でロングトーン練習をしたわけだけれど、そんなわけで、私一人が、微妙に調子はずれで気持ち悪かったです。いやあ、微妙に音が違うと、激しく気持ち悪いね(涙)。

 エルステ・ユーブンゲンは例によって9番です。「暗譜してきた?」 申し訳ないです。まあ、頑張って練習してきて、なるべく早い段階で暗譜演奏できるようになりたいと思ってます。次の10番は…途中でオクターブ迷子になっちゃいました。いやあ、恥ずかしい。

 プチエチュードは10番です。かなり出来上がってきましたが、細かい部分はまだまだです。特に、装飾音符を入れた途端に、拍感覚がなくなってしまうのは、一体どーすればいいんでしょうね。

 特に難しいのが、F#-G#-F#と細かく動く装飾音符。つい、指をバタバタさせてしまうのだけれど、ここは替え指で(ってほどじゃないけれど)左薬指は固定したまま、右小指だけで吹くんだけれど、それを教えてもらっても、すぐに対応できないのが、アマチュアの悲しさ…ってか、オッサンの悲しさか! 次までに頑張ってきます。

 で「ゴールデン・ウィークはどうでしたか?」と尋ねられたので、ラ・フォル・ジュルネに行って、フルートをたくさん聞いてきましたという返事をしました。で、事のついでに、パソナさんのミュージックエイト社員さんの話をしたところ「人材派遣会社でしょ? 音楽事務所じゃないんだよね?」と驚いていました。

 何でも、H先生曰く「音楽家は事務所と契約しないとデビューできないんだよ」と、おっしゃるわけです。それはどういう事ですか?と尋ねたら、音楽活動をする上で必要な音楽以外の事は、すべて事務所が用意してくれるわけで、事務所と契約を結ばなければ、それらを音楽家自身がやらなきゃいけないわけで、そんな事をしていたら、安定した職業として音楽家をやっていくのは無理だし、コンサートだって、レコーディングだって、事務所が世話をしてくれなきゃできないでしょ? って事らしいんです。

 だから先生がおっしゃるには『プロの音楽家になる』というのは『音楽事務所と契約をする』と同義なんだそうです。へえー。

 「じゃあ、先生。音楽事務所と契約するにはどうしたらいいんですか? オーディションとか受けて合格すればいいんですか?」と尋ねたら「オーディション? そんなのあるわけないよ。まじめに音楽をやっていたら、事務所の方から『あなたと契約をさせてください』って来るんだよ」との事でした。つまり事務所にスカウトされないと、事務所と契約できない…みたいですね。

 「事務所だって仕事だからね。いくら売り込みがあっても、使えない奴なんて一人だって抱えたくないし、使えそうな奴がいたら、地の果てまで追いかけて、我先に確保するんだよ。なにしろ商売だからね」との事でした。

 だから、どこかに、将来有望なバリバリの若手ミュージシャンがいると聞いたら、隠れて演奏を聞いて実力を確認した上で、他所と契約する前に、さっさと契約を結び、契約したらガンガン仕事入れて、こき使うんだそうです。で、若いうちはギャラも安いし、何よりキャリアを作っていかないといけないわけだから、誰もが喜んで、身を粉にして働くんだそうです。そうやってキャリアを作っていくと、ギャラも高くなって、やがて、そんなに一生懸命働かなくても食えるようになるんだそうです。そうすると、職業音楽家としては安定期に入るわけです。

 H先生レベルになると、そんなにもうガンガン働かなくても良いんだそうです。だから、最近は事務所が持ってくる仕事を片っ端から断っているんだそうです。「もう、1000人も入るような大ホールでフルート吹きたくないんだよ」との事です。

 もちろん、事務所に属していると、マネージメント料が(H先生曰く)持っていかれるのだそうです。それもかなりな高比率で(笑)。いやあ、音楽事務所という商売も、結構美味しい商売かもしれません。

 それにしても、音楽家のデビューの仕組みとか、日々の仕事の話とか、なんとなくうっすらと想像していた部分はありましたが、実際は、結構、身も蓋もなく、ビジネスなんですね。だから、職業音楽家とは、ある意味「事務所に就職」しているようなものなのかもしれません。そう考えると、いくら音楽が上手でも、事務所の人の目に止まらない限り、プロとして活躍できないわけです。それもスカウトされるのを待っているわけで、売り込みしても無駄となると…ある意味、普通の就活よりもきびしいかもしれませんね。ほんと、プロミュージシャン、甘くないっすなあ。

 そうなると、演奏が上手なのは当たり前として、プラスアルファの魅力がないとデビューできませんし、他人とキャラがカブるなんて最低なのかもしれません。やっぱ、演奏家になるのは大変なんだな。

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コメント

  1. パスピエ より:

    こんにちは 久しぶりにコメントします

    音楽事務所への所属が必要なのは、楽器によるのではないでしょうか。フルートだと、オーケストラや吹奏楽団に所属すると、そこで生活が安定しますよね。これが一番の難関だと思います。所属してしまえば、あとは個人で教えたり、音大や中学高校の吹奏楽の指導をしたり、他の楽団で客演したりなどの活動の場があるようですね。

    コメントを呼んで、はるか昔、「お嬢様ブーム」(笑)の時にデビューした美人フルーティストのYYさんを思いました。彼女の自伝によると、実力が伴っていないのに次々と音楽事務所にコンサートのスケジュールを入れられてしまい、嫌気がさして事務所をやめて留学したのだそうです。大きな事務所の力はすごいですね。あのブーニンを伴奏者に従えて、YYさんがソロを吹いていたのですから。相当ギャラは良かったのでしょうが、大変だったと思いますね。

    今はYYさんは自分で事務所を作って活動しています。これが最も理想的な活動方法でしょうね。

  2. すとん より:

    パスピエさん

    >フルートだと、オーケストラや吹奏楽団に所属すると、そこで生活が安定しますよね。これが一番の難関だと思います。

     以前なら、そうだったかもしれません。でも最近は、オーケストラも景気が悪く、お給料もガンガン減っているそうですし、解雇も多くて、それで悩んでいる人も多く、裁判沙汰にまで持ち込んでいる人もいます。ま、これもそれも、民主党政権時代の仕分けの影響であって、民主党政権によって職業音楽家の生活は確実に悪くなったようです。今や、オーケストラも、職業音楽家にとっては安定した就職先とは言えなりました。厳しい時代になったようです。

    >実力が伴っていないのに次々と音楽事務所にコンサートのスケジュールを入れられてしまい、嫌気がさして事務所をやめて留学したのだそうです。大きな事務所の力はすごいですね。

     仕事がある事を、感謝と思うか、不満に感じるか。本来、音楽家は個人事業主ですから、仕事がある事に感謝するべきだと思いますが、ただ、音楽事務所の仕事の入れ方も半端ないそうですから、そこで人格的におかしくなってしまうミュージシャンも少なくないそうです。その方の場合は、結果的に事務所をやめて正解だったのかもしれませんね。

     でもやはり、今現在、自分で事務所を立ち上げて、そこに仕事のオファーがあるのだって、最初の事務所でガンガン働いて、メディアに露出して、CDデビューしたおかげだと思います。大手の事務所と契約せず、最初から自分一人で音楽活動をしていたら、いくら若い時は美人だったと言っても、いくら今現在大変な実力者であったとしても、どれくらい仕事があるのかしれたものではありません。

  3. tetsu より:

    こんばんは。

    > 実際は、結構、身も蓋もなく、ビジネスなんですね。

    変なところに反応してしまいますが、クライバーンが冷戦下のソ連のチャイコンで優勝して、その後しばらくして引退した話を思い出しました。極端な例ではあります。
    かみさんが初めて聴き、ピアノの勉強を始めたきっかけのレコードがクライバーンの「珠玉の名曲集」です。こちらも最近CDで聴きました。
    辻井伸行さんがクライバーンコンクールで優勝したときのドキュメンタリをみて、辻井さん云々よりクライバーンが元気だったことのほうがビックリでした。

    失礼しました。

  4. すとん より:

    tetsuさん

     クライバーンに関しては、もちろん私はその演奏を生はおろか録音ですら聞いていない事がありません。今回始めて、YouTubeでその演奏を聞いたくらいです。でも色々なエピソードがある事は知っています。チャイコフスキー・コンクールで優勝しながらも、その後の音楽シーンではバッとしなかったわけで、まあ、色々と考えさせられます。ビジネスが若い音楽家の才能を潰した…という解釈が一般的だし、私もそうなのかなって思いますが、真実は闇の中です。

     売れない音楽家は、ある意味存在しないにも等しいわけで、それはそれでつらいでしょうが、売れすぎた音楽家もかなり厳しそうですね。でも、売れた方が良いのか、売れなかった方が良いのかと言われれば、少なくとも一度は売れて、チャンスをつかめた人たちの方が幸せなんじゃないかって思います。問題は、一度つかんだチャンスをどう生かしていくのか…なのかもしれませんね。

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