フルートのレッスンに行ってきました。ちなみに、次回は職場の都合でレッスンはお休みせざるをえなくて、その次は先生の都合でレッスンがありません。ですから、次のレッスンは三週間後というわけで、今回は、久しぶりのレッスンであるって事も加わって、結構マジマジな気持ちでレッスンを受けてきたりしたわけです。
ロングトーン練習から気合入りまくりです。でも、音楽って奴は、気合が入ったからと言って、それで良しではなかったりします。でも、久しぶりに気を抜かずに(おいおい)ロングトーン練習をしちゃいました。よくやったね>自分。
先生に「連休はお休みですか?」と尋ねられたので「ええ、久しぶりに休みなんですよ」と、うっかり真面目に答えたら「じゃあ、練習、たっぷりできますね」と念押しされちゃいました。…(汗)…ははは、連休中はストレス発散優先で遊びまくるので、笛の練習できません…とは言えないよなあ。
GWは悩んだけれど、やっぱり今年もラ・フォル・ジュルネに出かけるつもりだし…。しかし、ラ・フォル・ジュルネも一時期の沸き立つようなエネルギーが無くなって、すっかりワクワク感が無くなってしまったんだよね。やってくるミュージシャンも、ちょっとばかり小粒になってしまったような気もするしね。だから、今年はやめちゃおうか…とも思ったけれど、なんとなく行くことにしました。なんとなくで申し訳ないけれど、とにかく行けば、新しい音楽との出会いもあるだろうしね。そんな事をちょっぴり期待しているのですが…どうなんでしょうか。
さて、閑話休題。エルステ・ユーブンゲンは9番と10番です。ロクに練習していませんから、こんな簡単な曲でも、うっかり間違えちゃうわけです。しかし、吹く度に思いますが、真剣に練習できたら、あっという間に暗記できそうな曲ですね。でも、ロクに練習ていないので、全く覚えていません。ダメだな。例によって「音はいいよ。音色は素晴らしい」と誉められました。ま、音が良いのは、私の手柄というよりも、使っているフルートがアルタスだからだよなあ。全く、アルタス様々ですよ。
プチ・エチュードは10番です。前回までは装飾音符抜きで吹いてましたが、今回は装飾音符を入れて吹いてみました。そしたら途端に迷子になりました。
一応書いておくと、装飾音符抜きなら、なんとかサマになる程度には吹けるようになったにも関わらず、装飾音符を入れた途端にガタガタになっちゃいました。自分でも笑っちゃうほどです。特にヒドいのは、装飾音符を入れた途端にリズム感…というか、拍感がなくなって、リズム的に曲を見失ってしまう事です。この曲は、八分音符と符点八分音符と三連符が混在して、リズム的に厄介な曲なんですが、そこにたくさんの装飾音符が加わるものだから、拍的に迷子になってしまいました。
なので、今回は装飾音符を入れた状態で、先生と一緒に譜読みをしました(情けない…)。いやあ、あれこれ間違えてますね…。でも、ひとまず、先生と一緒に譜読みをしたので、あれこれ間違えていた所がチェックできたのは良かったです。
この曲も音色の良さだけ誉められました。全く音色以外に誉めるところがない私です。次のレッスンまでには、音色以外の所を褒めてもらえるように頑張ってきます。
さて、今回の雑談は「音楽の先生は不足気味です」って話です。
日本の学校には、小中高大と音楽の授業があって、それぞれに専任教師が担当しています。日本全国津々浦々に学校はありますから、全国津々浦々で音楽の先生が必要とされているわけです。そこで働く音楽の先生を養成するため音楽大学というものがあるわけです。
はい、私は、音大という学校は、演奏家を育てるための学校ではなく、学校の“音楽の先生”を養成するための大学だと認識しているわけです。それに実際、日本中の学校の音楽の先生方は、ほぼ皆さん、音大か、総合大学の教育学部音楽科をご卒業されているわけですから、私の言っている事も、そんなに大きく間違っていないと思います。
とにかく、日本中に音大があって、毎年のように大量の卒業生を輩出しているわけです。いくら、全国津々浦々に学校の音楽の先生のポストがあるとは言え、どの学校には専任教師は1~2名いれば足りるのが現状です。ポストの数と、毎年卒業する音大生の数を比較すると、正直、どう考えても過剰に養成しているとしか思えないのですが…実際は、音楽の先生は不足気味のようなんですね。
それはなぜかというと、つまり、音大を卒業しても、音楽の先生になる人が少ないので、先生が不足している…みたいなんです。
その理由は、やはり音大を卒業すると…演奏家になりたがる人が多く、なかなか学校の先生になってくれないからなんだそうです。
そう言えば、私の知っている音楽の先生方も、大学卒業してすぐに先生になった人もいるけれど、結構多くの人が、中年以降、演奏家としての限界を感じて、学校の先生に落ち着く…という路線の人がいます。やはり、音大を卒業した以上、先生になるよりも、演奏家として生きていきたいんでしょうね。
H先生が、ある地方都市でコンサートを行った時の話です。コンサートが終わって、打ち上げの時に、近隣の村の村長さんがやってきて「ウチの村には音楽の先生が一人もいないので、ぜひ来てくれないか」と、かなり真剣にスカウトされたんだそうです。きちんと正規雇用をして、給料もかなりの高額を出しますよ…と言われたそうです。条件的には悪くなかったものの、演奏家としてバリバリ活躍しているH先生が、そんな地方の村に引っ込んで学校の先生なんてやるはずもないので、即効で断ったわけだけれど、それでも村長さんは引き下がらず、H先生がダメなら、誰かお弟子さんを紹介して欲しいと頼まれたんだそうです。
その熱意に打たれて、お弟子さんのうち、全然音楽で食えず、芽も出そうもない子たちに、声をかけたんだそうです。君の場合、いくら頑張ってもプロになれそうもないんだから、ここらで踏ん切りつけて、堅い商売に替えなさい…って言ったわけです。
結局、誰も、その村には行かなかったんだそうです。皆さん「今はまだダメかもしれないけれど、あきらめられないのです。まだ勉強を続けたいんです」と言って、せっかくの就職口を断ったんだそうです。
そりゃあそうだよね。青春を音楽にささげて、ヨーロッパまで行って勉強してきたのに、地方の村の学校で先生になれ…じゃあ、あまりに酷かもね。
たとえ学校の先生であっても、首都圏の学校で時間講師として働くなら、先生業と演奏活動との両立も可能だろうけれど、地方都市(ってか村)で、正規雇用されてフルタイムの学校の先生になったら、演奏活動はやめざるをえないものね。夢を追いかけている人には…そりゃあ、ツライよねえ。
そんなわけで、音大卒業生は多くても、音楽の先生は、ちっとばかり不足しているんだそうです、特に地方では。なんとも、そうだったわけですね。
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コメント
実話に少し脚色をして(お許しください、固有名詞が絡みますから)、書きます。
友人宅を訪ねた際、電話が鳴って、手が離せない友人のため、
私が電話に出たところ、某小学校の教頭を名乗る方からの、丁重な電話。
当然、私を、その家のご主人と思い、
教頭「奥様はご在宅ですか?」
私「いいえ、出かけておりますが。」
教頭「お仕事ですか?お勤めですか?」(みたいなご質問。かなり丁重な聞き方でした)
教頭先生のかなり丁重な聞き方に対して、
私も、うっかり、丁重になってしまい、個人情報っぽいことなのに、
私「いいえ、ちょっと、そこまで、買い物に出ているだけでございます。
仕事じゃなくありません。専業主婦ですし。」とか答えてしまったら、
教頭「よかったーーーーー。是非、当校で、音楽の代理教員を、
お願いします、お願いします、お願いします。」
と、電話の向こうで頭を下げまくっているのが、手に取るようにわかりました。
行きがかり上、私が話を聞いたところ、
その小学校の音楽専任の女性教諭が産休を取ることになり、
代わりの音楽の先生を探すのは、教頭先生の仕事(なのですね、すとん様?)。
教育委員会に言えば、探してくれる、というものではないらしく、
教頭先生自ら、ツテ・コネを使って、あっちに電話こっちに電話。
それがまた、どんなに電話をしても、見事に、みんなに断られているそうで、
やっとこさ、元音楽専任教員にして、現専業主婦の我が友人奥様に辿り着き、
まあ、色々あって、結局、奥様は、この話をお受けにはなりませんでしたが。
あの時の、電話の向こうの教頭先生の必死な感じ、
やっとこさ、可能性のある奥様に辿り着いた喜び、手に取るようにわかります。
そんなことを思い出した、今日のすとん様エッセイでした。
おしまい
こんばんは。
> 私は、音大という学校は、演奏家を育てるための学校ではなく、学校の“音楽の先生”を養成するための大学だと認識しているわけです。
仰る通りです。法学部入ったらみなさん弁護士になるとか、文学部入ったらみなさん作家になるとかありえないわけで、音大も同じ、とおもいます。
大好きな内田樹からの引用です。
http://seikeyuho.seesaa.net/article/268671621.html
> 学校教育の機能の一つは、子どもたちの無根拠に高い自己評価を、適切に下方修正し、身の丈に合った生活設計やキャリアに軟着陸させることにありました。
子どもたちの過度に肥大した自尊感情を下方修正し、適切な自己評価を受け入れさせることは、実際には子どもたちの潜在的な才能の開花を支援するのと同じくらいに重要な教育的課題なのです。
かみさんは某ピアノメーカー系列楽器店でピアノ講師をしていますが、最近の志望者の方々の経歴は海外留学は珍しくないです。別件ですが、都内の音楽の先生の試験は競争率がメチャ高い、と聞いたことがあります。
operazanokaijinnokaijinさん
>代わりの音楽の先生を探すのは、教頭先生の仕事(なのですね、すとん様?)。
いいえ、校長先生の仕事です。しかし、校長の代行(と言うか、校長が仕事を丸投げして:笑)教頭先生とか教務部長とか事務長とかの管理職の教職員が行う事もあります。どちらにしても、人探しはホント~~に大変な仕事なんです。
人が見つからなければ、校長や教頭がやるしかないですしね(校長とか教頭は、すべての教科を教えられる資格があるんです)。あるいは、音楽を趣味にしている他教科の先生に臨時免許を発行して授業を持ってもらうとか…。教える方も教わる方もつらい話です。
本当に、先生探しって、大変で苦労の多い仕事なんですよ。
tetsuさん
>> 学校教育の機能の一つは、子どもたちの無根拠に高い自己評価を、適切に下方修正し、身の丈に合った生活設計やキャリアに軟着陸させることにありました。
私もこの説には、全面的に同意します。夢や希望も大切ですが、それらをあおるだけでは無責任というものです。夢や希望を持たせる一方で、現実との折り合いをつけさせるのも、大切な教師(ってかオトナとして)の仕事だと思います。
>最近の志望者の方々の経歴は海外留学は珍しくないです。
海外で本物に触れながら学ぶ事は良い事だと思いますし、それが特別でなくなってきた事は、とても良い事だと思います。それも、私達の国が、平和で豊かで生活に余裕があるから、子女を海外留学させられるんですけれどね。
>都内の音楽の先生の試験は競争率がメチャ高い、と聞いたことがあります。
実際、高いですよ。だから、都会、とりわけ東京で音楽の先生になるのは、かなり大変です。また、今、プロ奏者としてブイブイ言わせているような腕前の人でも、大学出たての頃は、中学校や高校で音楽の時間講師をしていた…なんて人は、掃いて捨てるほどいます。逆に言うと、たかが学校の音楽の先生であっても、都会だと、それくらいの腕前がないとなれません…って事なんですよ。厳しい話です。
私の高校の時の音楽の先生は驚くなかれひどく声のかすれたおじいちゃんでした。教科書の歌を順番に歌うだけ、二部合唱でも上のパートを歌わせるだけ、下のパートがメロディでもお構いなし。採点は歌を一曲歌わせるだけ。私は最低点でした。楽典の勉強は一切ありませんでした。(中学のとき音楽のペーパーテストは満点だったのに。)
非常勤講師の給料はよっぽど安かったものと思われます。
こうじさん
>非常勤講師の給料はよっぽど安かったものと思われます。
安いですよ(笑)。最初は時給2000円弱から始まって、キャリアが長くなると、少しずつ時給も上がって、確か5000円程度が天井じゃなかったかな? これは小学校の非常勤講師でも、大学の非常勤講師でも、同じようなものです。
「時給2000円! 高いじゃん」って思わないようにね。時給と言っても、授業をしている時間ですからね。だから普通は、一週間で、せいぜい8時間とか、多くても18時間とか、そんなもん。頑張って12時間ぐらいの学校を2つ掛け持って24時間なんていう猛者もいないわけじゃないですが、それだけやると、かなりヘトヘトになります。
仮に時給3000円で16時間働くと、月にすると19万円ほどになりますが、そこから税金や共済関係を引かれると手取りは15~16万円ぐらい? まあ交通費の支給があるだろうから、多少はプラスされるにしても、大卒&国家資格保有者(教員免許は国家資格ですよ)の給料じゃないよね。
非常勤なんてバイトみたいなものだからね。やっぱり働くなら、正規職員として雇用してもらわないと、話にならないと思います。
6.7年前にバイオリンの記事を拝読し、最近は良くフルートの記事を拝読してます。私も細々とどちらもしてます。
私は、30くらいなのですが、音大卒の知り合いは、非常勤講師の経験者が多いですね。
それも、リン免で小学校とか
自治体もコスト削減で、非正規拡大のようですし、音楽大学を出て演奏のお仕事でくらせるのは、一握りですからね。
数学と小学校の免許もちの犬さん、いらっしゃいませ。
>自治体もコスト削減で、非正規拡大のようですし、
そうなんですよね。学校の先生って、基本、地方公務員で、安定を絵に描いたような職業だったはずなのに、非正規拡大なんすよね。単に派遣扱いの非正規だけでなく、中にはバイト扱いの時間給で働いているセンセもいるわけで、センセの待遇を悪くすると、センセの質が下がってしまい、それが回り回って日本人の質の低下につながっていくって事は、誰も気づかないのかな…と心配しております。
>それも、リン免で小学校とか
そうなんですよね、中高の音楽の先生って、席が少ないし、なかなか空かないから、そこに座れないんですよね。で、小学校の先生を希望するわけだけれど、こちらも実はかなり厳しいです。中高の音楽の先生よりは席に余裕があるとはいえ、採用する側からすれば、小学校の先生なら、音大出身者よりも、教育系の大学出身者を選びたいし、百歩譲っても一般大学出身者を選びたいわけです。
ま、別にそれはガッコのセンセに限った話じゃないけれどね。演奏のお仕事以外なら、音大卒業生よりも他大学の卒業生を選んじゃのが、世間一般の人事の人の発想だと思います。
音大は、ほんと、卒業した後、就職の事を考えると難しいね。就職しなくても生きていける人でないと、今の時代、音大には行けないですわ。