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とにかく正確に演奏しましょう

 フルートのレッスンに行ってきました。

 今回はいつもどおりの時間にレッスンに行きました。教室の前まで行くと、いつもの上手な姉弟子さんと先生の二重奏が聞こえます。「先生を待たせないで済んだなあ~」と思いながらドアを開けると……先週、私とバッティングした姉弟子さんが座って待っていました。

 意趣返し? 前回、私が彼女のレッスンの時間に乱入したから(と言っても、順番は譲ったんだけれどね~)、今回は彼女が私のレッスン時間に乱入? まさか? まさか?

 ……ま、おそらく、前回、私にレッスンに時間に乱入されて、それがイヤだったので、彼女の方で時間をズラして、私とバッティングしないように考えて、お教室に入ったんでしょうね。で、ズラした先に、またまた私がやってきたって事でしょう。

 あれ? 嫌がらせをしているのは、私の方??? 違う違う、私はいつもの時間に来ただけで、何も考えてないのよぉ~。

 とにかく上手な姉弟子さんのレッスンをたっぷり聞いて(今回は長かった~)、それで先生を除いたお弟子三人衆でロングトーンの練習をして、レッスンがバッティングした姉弟子さんのレッスンを聞きながら、じっくりと自分の番を待っていました。…いや、じっくりと…じゃないです、途中で寝ちゃいました(笑)。上手な姉弟子さんのレッスンだと絶対に寝ないんだけど、私と同じようなレベルの人のレッスンだと、聞いていて退屈で退屈で(笑)。おまけに、仕事帰りで疲れていたんだも~ん。机にうっぷしてガッツリ寝ちゃいました。

 たぶん、寝てたのは5~10分くらいだと思います。ふと目覚めて、気合を入れ直していると、まもなくレッスンは終了。うむ、レッスンの待ち時間なんて、寝てれば一瞬だな(爆)。

 で、私のレッスンになりました。今回はミニヨンの3番です。はい、合格いたしました。だって、この一週間、頑張って練習したもーん。結構面倒くさい運指のところも諦めずに反復練習したさ。だから、ほぼノーミスで行きました。かなりうまく行ったので、曲の終わりにちょっと油断して、最後の3Gの音がうわずってしまいました。第三オクターブの音はうわずりがちになるので、いつもは気をつけて音を押さえているのだけれど「うまく吹けたじゃん、やったねー」なんて、ついつい考えたせいか、最後にヘマしました。

 油断大敵、火がぼうぼうだね。

 でもまあ、そこは勘弁してもらいました。最初はつかみどころのない曲だなあと思ったミニヨンの3番でしたが、ちゃんと譜面を読み込んで演奏すると、案外おもしろい曲でした。この曲、私は結構好きかもしれない。

 しかし、教わる先生によって(私の)演奏スタイルも変わるもんだなあって思いました。

 今のこの演奏では、笛先生なら不合格でしょうね。と言うのも、この私の演奏は遅い(この曲はモデラート指定ですが、私のテンポはアンダンテですね)し、テンポ揺れすぎ(ルバート&アッチェレランドかけ過ぎ:笑)なので、笛先生なら「次回、もう一回やりましょうね」って事で、アウトでしょうね。でもH先生だと、たとえテンポが遅かったり、一定していなくても、運指やアーティキュレーションが正確ならば、合格にしてくれます。

 笛先生だって、もちろん、運指やアーティキュレーションの大切さをよく言っていたし、いずれは直そうと思っていたと思うのですが、それよりも大切な事は、速い速度で演奏出来る事、少なくとも楽譜に書かれた指定速度でミスなく吹けるのが最低ラインの合格条件。まずはそこが優先されるので、運指やアーティキュレーションは、ついつい後回しになっていたんだと思います。

 笛先生のレッスンでは、常にバンドでの演奏を念頭においていたと思います。だから、速い速度に対応できる事で、何があっても音楽を止めない事を優先していました。実際、バンドとセッションする時に、バンドの速度についてこれないのではダメだし、ミスをしたからと言って、立ち止まったり吹き直しをしたら、バンドに迷惑がかかりますからね。それは禁忌です。

 一方、H先生は、音大受験生の面倒を見るのが仕事です。そのために、入試を突破する力をつけるという事を考えているみたいで、私のような趣味のオジサン相手でも、そのあたりの方針はあまり変わらないようです。ですから、H先生のレッスンでは、正確さを何より求めます。いくらテンポが正しくても、正確でない演奏はダメなんです。いや、テンポを落とすことで正確な演奏が可能なら、まずはテンポを落として、正確さを優先しなさいって事で、つまり、可能な限り、きちんと楽譜どおりに吹いてみなさいって事なんです。

 なので、現時点の私のレッスン課題は、いいかげんな運指と適当なアーティキュレーションを直す事、なのでしょう。そのため、指定速度で演奏できる事や、一定テンポで演奏する事は、逆に後回しにされているのだと思います。

 なので、私がH先生の前で、指定速度より遅く演奏するのは、単純にミス回避のためです。やはり、同じフレーズでも速度が速くなると、格段に難しくなります。そこで速度を取るか、正確さを取るかで、笛先生の時は速度優先にしてツメが甘い演奏になっていたわけですが、H先生になってからは、正確さ優先で低速演奏で行ってます。

 音楽って奴は、適切なテンポというのがあって、それよりも遅いテンポで演奏すると、大抵の曲は、その音楽としてのおもしろさが、半減しちゃうと言わざるを得ません。

 遅いテンポで演奏する事で、音楽そのものを台無しにしているので、それをリカバーするために、私の場合、ついついテンポを揺らして、歌心って奴を注入しています。で、時折、歌心を注入しすぎて「号泣しちゃダメ」って言われるわけです(汗)。

 まずは楽譜どおりに正確に演奏する事が当面の目標です。でも、H先生はそれだけじゃダメだと言います。楽譜どおりに演奏できた上で、音楽を奏でる事を求めてきます。

 私に関して言えば、音はちゃんと出ているし、音作りという点では、とりあえず問題はないそうです(誉めすぎのような気もします…)。音の強弱もきちんとつけられる。エチュードをやる分には不足ないけれど、音楽を奏でるという事になると、まだまだ物足りないのだそうです

 特に足りないのが、使える音色が少ない事。もっと多くの音色をフルートから引き出せるようにならないと、フルートで音楽なんてできないと言われました。

 数多くの音色が使えるようになるためには、もっともっと上手にカラダを使えないといけないのだそうです。特にアパチュアのバリエーション(?)を増やし、色々な吹き方ができる事が必要だと言われました。

 …今の私は(笛先生直伝の)たった一種類のアパチュアしか使えません。その一種類のアパチュアの中で、あれこれと小細工を弄して、音色を替えているわけですが、そんな小手先のテクで出来ることって限度があるわけです。それよりも、ババンとアパチュアを多彩に使い分けて音色を替えていくのが、将来的な目標になるそうです。

 …ううむ、しかしアパチュアですか? 下手にアパチュアをいじると、音が出なくなるよな……やるにしても、遠い将来の目標だよなあ…。でも、色々な音色が自由に使えるようになったら、いいなあとは思います。

 さあ、次回からはミニヨンの4番です。例によって先生に模範演奏してもらいました。…なんか、3番よりも色々と面倒くさそうな曲だなあ。これを一週間で吹けるようにしてこいっとな。…できるかな?

コメント

  1. 河童 より:

    ミニヨン・エチュードはなかなか味があるでしょう。
    運指もアクロバット的なのが少なくメロディーが良いです(いつも出勤の車のBGMにしています)
    初めは1曲/一週の意気込みでしたが、中頃からリズムの取り方や強弱・アクセントなんかが突然難しくなって無理でした(当社比)

  2. すとん より:

    >河童さん

     ミニヨン・エチュード、いいですね。耳慣れない曲ばかりなので、初聴では???となるモノが多いですが、くりかえし譜読みをし、実際に自分で吹いてみると、なかなか味わい深いですし、自分が演奏したものを録音して聞いてみると、これもまた良い味わいです。エチュードと言えども、きちんと曲としての体裁が整っているのがいいですね。

     と、同時に「ああ、フルート始めて、やっとここまで来れたか~」という感慨も湧きます。だって、いわゆる指の練習課題ではなく、先生が伴奏をつけてくれないとカタチにならない二重奏でもなく、有名な曲を簡便にしたアレンジ版でもなく、普通にクラシック系のフルート無伴奏曲ですからね。そういう曲を演奏しているのだと思うと、やっとフルート音楽の入り口に立てたような気がして、うれしいです。

  3. エーダ より:

    私の先生もまず「正確さ」を重視されますね。
    すとんさんのH先生同様、音大受験生や現役音大生の
    ご指導をされていらっしゃるのですが、速度を落としてもいいから
    まずは正確な演奏をすること、さらに加えて音楽的な演奏を要求されます。

    頭では分かっていても、なかなか思うように吹けず(技術不足・・・)、
    毎回頭を抱えてしまうのですけれどね。
    なかなか厳しいレッスンですが、出来たときは嬉しいものです。
    残念ながら、どこがどう変わったから○がもらえた・・・という点について、
    自分では分からず「何が違うんだろう???」状態ですがね。

  4. すとん より:

    >エーダさん

     音大受験の実技試験って、減点方式なんだそうです。音楽的な演奏をしても加点されず、技術的なミスをすると減点されるのだそうです。まあ、その方が、冷静で客観的な判断ができるからなんでしょうが、そういう選抜方法なら、それに備えるために、まず「ミスのない演奏」というのが第一にくるのだと思います。

     正しいリズムで、正しい運指で、正しいアーティキュレーションで、演奏する。テンポは多少、ゆっくりでもかまわないし、揺れていてもOK。音もとりあえず出ていれば、美音にこだわる必要もない。指が速く動く必要もなく、むしろ速く演奏することでミスが誘発されるなら、遅いテンポで確実に演奏した方がマシ。

     まあ、それが最終目標なのではなく、とりあえず、音大突破と目的のためのクリアラインなんだと思うし、それはそれでOKだと思います。で、それをたかが趣味人の我々に適応してくれるというのは、実はありがたい話なのかもしれません。

     「趣味の方は…曲が楽しく吹ければ、技術的に上達しなくても、それでいいのかもしれないけれど、それじゃあ、フルートをやっていても、つまらないでしょ。せっかくなんだから、フルートの上達を目指しましょう」というのが、H先生がおっしゃる事です。ああ、そうだなあ…って私なんかは、同意します。

     ま、私の場合、真面目な勉強はH先生のところで、お遊びの方は…まあ、色々考えましょう。というスタンスでやってま~す。

  5. BOA より:

    すとんさん、はじめまして。

    いつも楽しく拝見させて頂いております。
    こちらを読ませて頂くうちに
    私もH先生のレベルの高い本気レッスンに憧れ
    ぜひ指導して頂きたいと思い、何とか探し当て?!レッスンを始めました!

    ん・・・たぶん一緒の先生だと思うのですが
    違っていたら少しショックです(笑)

    まだ、最初のロングトーンからフラフラ状態ですが
    的確なアドバイスを頂けるのでH先生に大変満足しております♪
    これからも楽しく読ませて頂きます♪

  6. すとん より:

    BOAさん、いらっしゃいませ。

    >何とか探し当て?!レッスンを始めました!

     おっ、すごいね。でもまあ、そりゃあそうだろうね。今どき、ネットでプライバシーが守れるなんて思っていませんし、リングを繋いでいけば、大抵の事は分かるからね。たぶん、BOAさん、正解に辿り着けていると思いますよ。

     でも、自力で探す前に、私にメールをくれれば、よろこんで教えて差し上げたし、仲介もしてあげたのに…。

    >違っていたら少しショックです(笑)

     仮に違っていても、めぐり合えた先生が良い先生なら、それはそれでGOODですよ(笑)。ロングトーンの時に、オクターブの練習は混ぜてますか? 混ぜていたら、たぶん、一緒です。

    >これからも楽しく読ませて頂きます♪

     はい、よろしくお願いします。…えっと、そう言えば、このブログの事、うっかりしてたけれど、まだH先生に言ってないや(汗)。いや~、ほんと、うっかりしてたよ。さっそく、次のレッスンの時に、言っておかないと…。

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