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洋式か? 和式か?

 あー、体重はまだ計れる体調じゃない(ってか、暇さえあれば、カラダを横にしていたい時期なんですね)ので、今週もパスです。で、さっそく今回のエッセイに入ります。

 尾籠な話で申し訳ないけれど、今回の話はトイレの話です。

 家庭のトイレもそうだろうけれど、公共施設のトイレも、いつのまにか洋式の水洗トイレが標準となって、久しいと思います。和式のトイレは実に数少なくなりました。ましてや、汲み取り式のトイレを見かける事は…まずないですね。今の子どもたちは、すっかり洋式に慣れてしまい、たまに和式と出会うと、ビックリして用を足せない子もいるとか? だったら、汲み取り式のトイレと遭遇したら、一体、どんな反応をするんでしょうか?

 私が子どもだった頃は、家庭のトイレは、まだまだ和式の汲み取り式が主流だったと思います。トイレは家の隅にあって、部屋からではなく、縁側(すでに縁側のある家庭も無くなりましたね…)から入るパターンが多かったと思います。中は二部屋に分かれているところも多くて、手前が通称“あさがお”と呼ばれた男子の小用便器があり、奥に“女便所”と呼ばれていた女子用兼男子大用便器がありました。“あさがお”が無かった家は、“女便所”の床の高さを変えていたと思います。手前が低く、途中で段差があって奥が高くなっていました。男子の小の時は、手前の低いところに立ち、女子および男子の大の時は、一段上がって用を足したものです。

 汲み取り式は臭いますからね。たいてい、便器にフタが付いてました。で、用を足す時にフタを取るわけだけれど、フタを取った途端に、臭いがモワッと来るんだよね(涙)。さらに、トイレの消臭剤も、今のように“マイルドな花の香り”なんてものではなく、かなり強い消毒薬を使っていたと思います。また、溜めた排泄物が発酵して熱を出していますから、トイレの中って、なんか熱かったです。

 また、トイレットペーパーもロール紙が無かったから、いわゆる“おとし紙”を使っていました。でも、月末になって、色々と家計が厳しくなると“おとし紙”を購入する余裕がなくなり、代わりに新聞紙を使いました。しかし、新聞紙って硬くてね…。使う前によく手で揉まないとダメなんだけれど、でも元が硬いので、いくらよく揉んでも、お尻が切れてしまうんだよね。だから、我が家では、新聞紙は月末限定で使用していました。

 また今はポケットティッシュがあるけれど、昔はそれも無かったし“懐紙”なんて高級なモノなど、子どもは持たせてもらえなかったので、よく“おとし紙”を学校に持っていって、それで鼻をかんだものです。

 それがやがて、汲み取り式は姿を消して、ドンドン水洗式に取って代わられました。

 水洗式に代わって、何がうれしいかと言えば、臭わなくなった事。とにかく、汲み取り式の悪臭って、ほんと、すごかったからね。排泄物なんて、ただでさえ臭いのに、それが発酵しているんだからね。発酵と言えば聞こえがいいけれど、要は「腐っている」わけだよ。排泄物が腐っているんだよ、もう涙目だよね。

 あと、落ちる心配がなくなったのも嬉しかったな。なにしろ当時は、真面目な話、子どもがトイレに落ちる事件って、よくあったんですよ。あんなところ、落ちたら、目もあてられませんし、あそこで溺れて死んでしまう子もいたわけで、ほんとシャレになりませんでした。私も、小学校に入るまでは、必ず親に付き添ってもらって用を足してました。いや、ほんと、トイレって怖かったんですよ。

 トイレの洋式化に伴って、家庭用のトイレは一気に洋式になりました。でも、公共のトイレは、まだまだ和式が多かったです。「誰が座ったか分からない便座に座るのは、イヤだ」と当時の人々は(私も含めて)そう思ったわけです。

 でも、洋式トイレって、楽なんですよね。洋式に慣れてしまうと、和室がつらくてつらくて…。やがて、公共のトイレも洋式が増えてきて、今に至っています。

 トイレの洋式化がほぼ完了した現在、次の関心事は“お尻洗浄器”じゃないかな? 家庭用のトイレにはだいぶ“お尻洗浄器”が普及しましたが、公共のトイレはまだまだですし、またに設置されてても「誰が使ったか分からないお尻洗浄器なんか…」と思っていますが、やがてそんな事を気にせずに、公共のトイレで普通にお尻洗浄器を使う日がやってくるんでしょうね。

 そのうち、お尻洗浄器の付いていないトイレを見て「どうやって、お尻をきれいにするのか分からない」と、途方に暮れる子どもが出てくるんだろうなあ…。

 おしまい。

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