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憲法9条で我が身は守れるのか?

 ウクライナ侵略があったせいか、ネットでもリアルでも「話し合いの通じない、問題を軍事力で解決しようとする覇権主義国家(以下、覇国と略)が日本を攻めてきた場合、国は自分や家族をどうやって守ってくれるのか?」という話題で盛り上がっています。
 「憲法9条があるから大丈夫」という意見から「アメリカと核共有をするべきだ」という意見まで、実に幅広い意見があるようです。我が国には言論の自由が保証されているので、色々な意見が盛んに交わされる事は良いことだと思います。
 非核三原則を信奉する我が国ですが、国際社会の中では、核を持たない国の立場が弱い事は、今回のウクライナ侵略でよく分かりました。
 ウクライナは、我が国同様に非核三原則を宣言している国です。
 元々ウクライナは核保有国でした。正確に言えば、旧ソ連時代に配備された核兵器を大量に保有していました。それを、1990年に非核三原則を宣言し、1996年までに国内にあった核兵器を(核兵器の元の持ち主である)ロシアに移送して非核化したわけです。
 もしもウクライナが核兵器を持っていれば、今回の戦争も、おそらくは無かったでしょう。だって、相手が核を持っていると分かっているなら、そんな国にうっかり攻め入ってしまったら、核ミサイルで反撃される可能性があるわけで、そんな愚行は誰も犯せません。たいした反撃が無い事が分かっているから、安心して攻められるのです(現実に日本には核兵器が無いので、中国も北朝鮮も韓国も日本に平気でちょっかいが出せるのです)。 核兵器さえ持っていれば大丈夫なのか? 国際社会はそんなに単純ではありませんが、少なくともアメリカは北朝鮮に対して、アレコレ文句は言っても、核を持っている北朝鮮には手出しできないという現実はありますね。ふん。
 21世紀の現在、国を守るためには核保有は必要な事です。だからと言って「日本も核保有をしましょう」とか「アメリカと核の共有をしましょう」とか言い出しても、即座に国民の同意を得られるとは、私も思いません。だって、日本人って、核にはアレルギーがあるからね。原発ですら反対する人がいるのに、核兵器だなんて、とんでもない話…って感じになるだろうなあ。
 だからと言って「憲法9条があれば安心」と言い切っちゃうのも、頭の中のお花畑が満開だなあと思います。
 日本国憲法って、日本国が守らなきゃいけない憲法であるのは確かだけれど、覇国にとっては、日本国憲法なんて外国の法律でしかなく、我々日本と日本人が他国の法律を守らなくてもいいように、彼らが日本国憲法に従わなきゃいけない理由なんて無いんです。
 だから憲法9条で拘束されるのは日本と日本人だけだから、いじわるな書き方をすれば「憲法9条があるから、日本は覇国を攻撃しちゃいけないけれど、覇国は日本を自由に攻撃しても良いし、核弾頭付きのミサイルだって打ってもいい。日本の軍事力は防衛にだけしか使ってはいけないので、覇国にミサイル攻撃をされても、できるのは発射されたミサイルを迎撃する事だけで、敵のミサイル基地を攻撃してはいけない。ミサイル迎撃なんて絵に書いた餅みたいなもので、ミサイルは打たれれば、多少は迎撃できても、必ず何発かは命中するわけだ。敵はミサイル打ち放題。日本人は殺され放題。それで日本人が殺されて、家を焼かれても、我慢しなきゃいけないし、我慢しているうちに、自分や家族が殺されたり、国土が焦土になっても、文句を言っちゃいけない。だって日本には憲法9条があるから」って事になるわけでしょ。なんかなー、オカシイでしょ?
 憲法9条は、日本が他国を侵略するのは禁止しているけれど、他国が日本を侵略するのは構わないって規則なので、日本の法律としては、明らかに間違っている気がします。日本と日本人の益にならない日本の法律って、何? いやむしろ、憲法9条なんて、日本と日本人を滅ぼしたい覇国のための憲法じゃないの?って言いたくなります。
 憲法9条もダメ、アメリカとの核の共有もダメなら、どうしたらいいのか? 何か他に良い考えはないものでしょうか?
 ちなみに国連は全く頼りになりません。少なくとも、覇国が常任理事国の場合は、国連なんて無意味です。
 日本は安全保障条約をアメリカとしか結んでいませんから、自国を除けば、いざという時に動いてくれるのはアメリカだけです。でもね、アメリカも世界の警察を止めてしまった現在、たとえ安全保障条約があると言っても、どれだけ日本のためにアメリカ軍人さんが死んでくれるものか…そう考えると、いくら軍事大国アメリカと言えども、どこまで頼れるものか…不安になります。
 こんなふうに、何も考えつかないうちに、現実社会では、あれこれどんどん問題が進行していって、ふと気づいた時には、台湾で戦争が起こっていたり、沖縄や北海道に覇国が侵略していたりするんだと思います。で、あれこれバタバタしているうちに、多くの日本人が殺されて、私もミサイル攻撃で殺されてしまうんだろうなあって思います。
 今の戦争は、大量虐殺が容易だし、そのために期間が短くなっているわけで、あれこれ迷っていたら全滅して、戦争が終わっちゃうんだよ。
 関東に住んでいる私は、作戦初期のミサイル攻撃で爆死しちゃうんだろうなあ。
 ミサイル攻撃の後は、いよいよ覇国が日本に直接乗り込んでくるし、そうなれば、覇国と米国が日本を戦場にしてドンパチやるんだろうね。覇国が勝てば日本滅亡で、米国が勝てば日本は存続するけれど国土は焦土になる…とまあ、どっちにしても、日本民族的には不幸な事になるよね。だったら、そうならないように今からアレコレ準備しておく必要があると思うけれど…尻に火がつくまで何もしないのが日本人なんだよね。
 でも、尻に火がついた段階で、全身火だるまになっていると思うんだよね。
 少なくとも、憲法9条がある限り、日本と日本人の生活は守れないって事を大前提として話し合わないと、子どもたちの未来は無いと思うんだよね。

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コメント

  1. 如月青 より:

    私は国際的信用の維持という観点から、ザルでいいから九条は持っていたほうがいいと思います。
    日本のように資源がなくて人口がいたずらに多い国で国民を養うには、経済協力できる国を増やしていくしかない。欧米はともかく、これから世界経済市場での伸びが期待できるアジア太平洋諸国では、九条があるから日本とつきあう、という気分があるでしょう。
    日本が核保有を公言したら、韓国台湾はもちろん、旧大東亜圏の国々から総スカン食って、経済規模は大幅に縮小、中国からの嫌がらせ発言にもいい子ぶった反論はできなくなる。
    軍備以前に普段の生活が成り立たなくなるのでは?
    ロシアや北朝鮮の軍事行動の背景は、独裁政権のほころびを外征で封じようというものと思えます。とすれば法改正や軍備にコストかけるより、諜報戦で政権転覆を狙うほうがって、スパイミステリーじゃないですけど。

  2. 如月青 より:

    追加です。
    私は九条は何が何でも維持しなければ、とまでは思っていません。軍備も今後必要な場合が出てくるでしょう。
    問題は(仮想)敵はどこか、日本が攻撃されたらデメリットを直接受ける国はどこかを明確にして、対象国と軍事同盟を結べるかです。
    敵をロシアとすれば、日本のように国土は狭く、資源もなくて産業が人の労力だけで成り立っている国を潰して人を殺しても、それだけでは侵略の意義は薄い(この点ウクライナとは違う)。対米拠点にするには近すぎる。
    日本を得るのは海路を確保して東南アジア・オセアニア全体への進出を図るため、と考えるのが自然でしょうか。
    とすれば、例えばASEAN諸国に↑を説き、非常時の難民受け入れや物資調達での協約を結び、憲法改正についても事前了解を得ておくのが課題となるでしょう。
    私見ですが、日本にとって、国土防衛は自分の国だけを考えていては成り立たない問題と考えております。
    にしても、日本の官民のサイバーセキュリティに関する意識の薄さには辟易します。この分野は産業的にもこれからますます人材が必要になるところだというのに、エンドユーザのアクセス制限をややこしくしてデジタル嫌いを増やすだけで、ファイヤーウォールの整備がまるでできていない。兵器使う前に情報戦で負けてます。悔しい...

  3. すとん より:

    如月青さん
    >日本が攻撃されたらデメリットを直接受ける国はどこか
     日本が攻撃されることでデメリットのある国なんて無いでしょう。日本という国や、日本人という人種が、地球上から無くなって困るのは日本人だけです。同盟国アメリカですら、別に日本が無くなっても困ることはありません。
     日本は良くも悪しくも、国際的には孤高ですからね。
     逆に直接のメリットがある国ならあります。もしも日本で戦争が起こったなら、どこが攻めてこようと、アメリカと韓国は経済的にウハウハになります。朝鮮戦争の時の日本のようなモンです。
     日本を侵略するメリットですか? 少なくともロシアと韓国は現在、日本を侵略し、日本の一部を占領しています。北方領土とか竹島周辺とかですね。中国は尖閣諸島を狙っています。メリットですか? 天然ガスとか石油とか海産資源とかでしょ?
     日本は資源が無い…と日本人は思いがちですが、実は日本の領海には天然ガスも石油も無いわけではありません。日本政府がわざと調査&開発をしていないだけです。資源調査をしないので、資源が無い…だけです。で、日本が調査しないことをいい事に、中国名で春暁を始めとする、本来は日本のガス田を中国が一方的に開発し発掘している事は、一部では有名な話です。
     また、メタンハイドレードと呼ばれる液化天然ガスは、実は世界的にも日本周辺に驚くほど大量に偏在している事が分かっています。これもまた日本政府は調査&開発をしていません。なので、日本は日本人が知らないだけで、実は資源大国なのです。
     知らないのは日本人だけで、周辺諸国はその事実を知っています。
     なぜ、日本政府は自国の天然資源を調査&開発をしないのか? それは政治的な思惑やら隣国に対する配慮やらなんやらがありそうです。私が思うに、鴨がネギを咥えたら、やられるだけなので、あえてネギを隠している…んだろうなあって思ってます。ではなぜ鴨がネギを咥えないのか? だって、日本には憲法9条があるからね。非武装を貫く限り、日本は自国の天然資源の開発なんて、怖くてできません。

  4. 通りすがりのもの より:

    核保有や軍事力の増強という選択肢はあるにはあるのですが、隣国が中国やロシアという軍事大国なので果たしてどれだけの効果があるでしょうか…。
    核武装にしても、相手の核ミサイル基地を反撃を許さずに全部叩く能力が必要ですが、中国もロシアも国土が広いので果たして全ての基地を無力化できるかどうか。
    逆に相手は日本を何重に焦土にできる核兵力は有りますし、人権意識の希薄な国々ですから、一つや二つの都市が日本に核攻撃されて国民が数十万人死んでも全く気にしないで攻めてくるような…。
    核兵器搭載の潜水艦を大量運用する手もありますが、日本にはそんな予算も運用ノウハウもないですからね。
    国防上の一番の問題点は、憲法九条よりも銃刀法が厳しいことでしょうね。ウクライナは銃規制が日本より緩いのか市民が戦闘に備えて自発的に銃を購入していますし、普段から銃に慣れているのなら徴兵しても比較的すぐ戦力になるでしょう。ウクライナ軍がもし壊滅しても市民が銃を取って抵抗するでしょうね。
    日本はほとんどの人が銃を触ったことすらないので訓練をしないと兵力にならないし、市民が自発的に銃をとってパルチザン部隊を形成して戦うことも無理でしょう。
    昔、憲法学者と政治学者が憲法九条と自衛隊との関係について議論したとき、憲法学者が、自衛隊が無くても市民の自発的抵抗で戦えると主張して、政治学者が銃刀法があるからヤクザ以外の市民は戦うことすらできないと即座に反論していましたね笑
    いや、本当に自衛隊と警察とヤクザ以外戦力になりませんからね。
    ちなみにアメリカの銃規制が緩いのは、敵国の侵略や政府が暴走したときに、民間人が自発的に抵抗できるようにするという意味があるようですね。アメリカ合衆国憲法にも書いています。
    「規律ある民兵は、自由な国家の安全にとって必要であるから、人民が武器を保有しまた携帯する権利は、これを侵してはならない。」アメリカ合衆国憲法修正第2条

  5. すとん より:

    通りすがりのものさん
     銃刀法ですか? うーむ。私はそれもそうだけれど、日本には徴兵制が無いため(無くて良いと思ってますよ)日本人は兵器の扱いに慣れていないし、本土決戦になった時に戦う気概がないでしょ? そこが心配だし、それが故に絶対に本土決戦は避けないといけないと思ってます。戦いが外地で行われているならば、戦いは軍人さんたちに任せられますが、専守防衛の本土決戦となれば、民間人も否応無しに戦わないといけない状況に置かれます。自分の命は自分で守れ!という状況になるわけで、そんな状況に現代の日本人が(私も含めて)対応できるわけないですからね。
     だからと言って、銃規制を甘くするのは、平時の犯罪率を上げるだけなので賛成しかねますし…ううむ、難しいですね。

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