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歌詞はきちんと発音しないといけない

 私はイタリア語とかドイツ語とかは苦手です。歌う時も、気をつけていますが、それでも結構いい加減に発音しているかもしれません。一応、歌の歌詞の発音に関しては、一語一語きちんと調べて、先生のチェックを受けて、できる限り正しい発音で歌いたいと思ってます。それでもおそらく、聞く人が聞けば、えらく舌っ足らずな発音になっている事でしょう。

 それは分かっています。分かった上で、自分の事を棚に上げて言うのですが、やはり歌詞はきちんと発音しないといけないと思います。

 例えば日本歌曲。私たちは日本人ですから、日本語の発音に関しては、かなりシビアです。変な発音で歌われるのはイヤだし、いいかげに言葉をごまかして歌われたら「なに、それ?」って思います。「ゆうやけ、こやけの、あかとんぼ」は「ゆうやけ、こやけの、あかとんぼ」と歌ってほしいのです。これを「ゆーやき、くやきの、あかつんぶ」とか「ぶーにゃげ、おにゃげど、ばかとぅんヴぉ」と発音されたら「???」だし(前者は母音の一部がダメで、後者は子音がダメ)、ましてや「にゃーニャにゃ、にゃニャにゃニャにゃ、○×△■★~」と発音されたら、それは日本語以前の問題でしょ? だったら、いっそ、スキャットやヴォカリーズで歌ってよと言いたくなります。

 我々は日本人だから、日本歌曲は、歌う人も聞く人も言葉に気をつけます。でも、外国曲の場合は、歌詞が外国語だから、歌う人の中には、外国語が苦手を理由として、日本歌曲の時ほど、気をつけない人もいるような気がします、特にアマチュアの場合は…。

 確かに歌い手の中には、自分が不得意な言語の歌詞の歌を歌う人も少なからずいるでしょう。私もその中の一人です。でも、歌う人はその言語が苦手だったとしても、それを聞く人の全部が全部、その言語が苦手とは限りません。

 例えば英語。英語は日本人の中にも、比較的得意な人と苦手な人がいます。私は比較的得意な方かな? だから、間違った英語とかカタカナ英語とかで歌われているのを聞くと、その歌が英語に聞こえず、イライラします。

 先日の某発表会で、英語の歌を歌われていた方々がいらっしゃいました。実に美しい英語で歌っていた方もいたけれど、最初は何語で歌われているかさえ分からないくらいに、いいかげんな発音で歌っていた方もいました。おそらく、元々カタカナ英語なんだろうけれど、それではあまりに英語っぽく聞こえないと思われて、自分なりに英語っぽく発音して歌っていたんだろけれど、その英語っぽくの方向が間違っているので、全然英語に聞こえなかったわけです。さらに、歌詞をきちんと覚えられなかったのか、時折、わざとあいまいな発音をして歌詞をごまかして歌っている様子が見られました。

 とても不快でした。でも、返す刀で自分自身を切らざるを得ないことも感じました。

 英語だから、その発音のいい加減さも不自然さも分かるけれど、これがイタリア語やドイツ語だったらどうだろうか? かなりいい加減な発音で歌われても分からないだろうし、その不自然さを感じる事もないでしょう。いえいえ、それどころか、自分がイタリア語やドイツ語で、いい加減に発音し、不自然な事をやっていても、自分自身は、そのいい加減さに気づかないまま、分かる人たちに不快な思いをさせながら歌を歌っているんじゃないかしらとさえ、思うわけです。

 だから、できる限り、歌詞はきちんと覚えて、きちんと発音しないといけないなあって思います。そういえば、一流の歌手の皆さんって、ほんと、耳がいいなあって思います。どう耳がいいのかと言うと、たとえ日本語が話せない人でも、日本語のお手本を聞けば、それをまねて言うのが実に上手。まるで日本語がしゃべれるんじゃないか錯覚させてしまうくらいに、流暢に自然な日本語を使います。でも、それでもやはり、それは、教えられたフレーズをおうむ返ししているだけで、それ以外はダメだし、その自然な感じのフレーズだって、意味までは把握していなかったりするんですが…。

 自分が歌う曲の言語がきちんと話せる事は理想だけれど、少なくとも、話せなくても、発音だけはきちんとしないといけないし、そのためには歌詞をきちんと暗記するのは最低限の礼儀だなあって思った次第なんです。

 ほんと、歌詞が不自然に聞こえると、音楽以前に、その変な発音に心がひっかかって、音楽が楽しめなくなりますからね。

 他山の石、他山の石。

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コメント

  1. extajiji より:

    う~ん、我が街に住む誰もが認める日本におけるロシア歌曲の第一人者、この方のロシア語の発音にはロシア人もビックリ!ご本人の口からそれらしく聞こえりゃあいいんだとの発言を耳にしたことがある。古い世代のプロにはそんなこともあるみたいですね。

  2. すとん より:

    extajijiさん、お久しぶりです。

    >古い世代のプロにはそんなこともあるみたいですね。

     昔はそんなモノだったのかもしれませんね。

     テレビドラマなどでも、昔は外人が出てくると、必ずカタコトの変な日本語でしゃべっていましたが、今は普通にリアルな外国語を話しています。もちろん、その言語を解さない人のために、字幕も付きますが。

     ちょっと前までは、多くの日本人は外国語が苦手で、よく分からなかった人も多かったの、変な外国語でも、それが許されていたんでしょうね。私は、昔の日本のオペラ歌手の音源もたまに聞くのですが、やはり昔の方の音源は、外国語の発音が妙に平べったくて、強弱もあまりなくて、とても変な感じがするものが多いです。

     今は外国語に堪能な方も増えましたし、音楽家の卵さんたちも、普通に留学をしてます。中には、Y先生のように通訳のアルバイトをしていた人もいるくらい、外国語に堪能な方が増えました。また聞き手の方も、外国語を勉強した日本人だけでなく、リアルな外国人も多く日本に住んでいますし、その外国人と結婚されて、その外国語を日常の言語として家庭を築いている方もいらっしゃるでしょう。

     ロシア語に関して言えば、私の知り合いにロシア移民の家族がいまして、その方を中心に、在日ロシアン・ネットワークも存在しているみたいですからね。ロシアに関するインチキ情報が流れると、即座に否定されてしまいます。それくらい、外国が身近になり、外国語も普通にそこにある時代になりました。変な外国語は、もはや通じない時代になったと言ってもいいんでしょうね。

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