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息を止めるな、吐き続けろ!

 今回も声楽レッスン記事の続きです。声楽のレッスン記事ばかり、三日も続けてごめんなさい。声楽ファン以外の方には退屈だろうけれど勘弁してください。それくらいY先生のレッスンは濃いめのレッスンだった…って事だと解釈してください。

 さて、グルック作曲「O del mio dolce ardor/ああ私のやさしい熱情が」が終わりになったので、それでは、次からは新しい曲にしましょうって事になりました。もちろん“Questa o quella”じゃありません(笑)。

 「久しぶりにトスティ行きますか?」
 「いいですね」と言うわけで、先生、トスティ歌曲集の楽譜をめくり始めました。

 「歌いたい曲はありますか?」
 「“理想”を歌いたいです」
 「あれは、リズムが難しいから、ダメ」
 「あれあれ…」
 「Sognoはどうですか?」
 「いいですね。前の先生のところでやりましたが、その時は、きちんと仕上げられなかったので、リベンジしたいです」

 と言うわけで、次の曲は、トスティ作曲「Sogno/夢」となりました。

 「前の先生のところでやった曲なら、譜読みに時間がかからないだろうから、もう一曲準備しておいてもらおうかな…」と言って、さらに楽譜をめくっていきます。で、もう一曲準備しておく事になりました。それは「April/四月」です。おぉ、この曲も私が歌いたいと切望している曲の一つですが、なにしろ季節ものの曲ですから、なかなか学べるチャンスがなくて残念だなあって思っていました。

 なにしろ、発表会とかコンサートとかって、たいてい夏~秋にかけて行うわけで、そこで四月の歌は…歌えないよね(笑)。白けちゃうよ。なので、歌いたいと思いながらも、学ぶチャンスもないままに、きっと歌わないまま終わってしまう曲になるんだろうなあって思ってましたので、今回レッスンとは言え、取り上げてもらえて、学べるなんて、うれしいです。

 で、次の曲も決まったので、本日最後の曲、プッチーニの「Recondita armonia/妙なる調和」のレッスンに取りかかりました。

 通して歌ってみました。だいたい、いい線なんですが、色々とダメな点があります。

 まずは、フレーズの切り方がダメだと言われました。もっとスパッとフレーズを切って歌えるようにしないと、休みが取れないし、結局歌い疲れてしまうと注意されました。

 私のフレーズの終わりの声の処理が下手くそってわけなんです。今は、水道の蛇口をひねって水を止めるように、声も蛇口をひねるようにグイっと量を減らして、声を止めています。このやり方では、蛇口をひねる時間分だけ、声がダダ漏れになるわけで、声がスパッと切れるわけではないんです。

 私が普段、歌う場所は、当然ですが、響きがあまりない普通の部屋です。響きがない分、その響きっぽいものを自分で作り出そうと無意識にしているんだろうと思います。だから、音のキレが悪いんです。これは私のフルートでのフレーズの切り方と共通しているので、Y先生に注意を受けた時には「ああ、H先生に注意されたアレの事か!」とピンときたものです。

 やり方は、声楽もフルートも同じ。スパッと音を切ればいいんです。つまり、声楽なら声を止めて息だけを吐き出せばいいわけだし、フルートなら、鳴りのポイントをハズして、息だけを吐き出せばいいんです。そうすれば、音はスパっと切れるし、息を吐き出してしまえば、次の瞬間に次のフレーズに必要な息がスッとカラダの中に入ってくるわけです。

 でも、それがなかなか難しいのです。

 あと、歌う箇所としゃべる箇所を考えて歌うように言われました。アリアだからと言って、全部を歌っていたら疲れてしまうので、きちんと歌うところと、しゃべるところを、楽譜を見て、しっかり把握をしないといけないのです。

 中間部の“L’arte nel suo mistero~”の箇所は当然しゃべる箇所ですから、しっかりしゃべってノドを休めないといけません。意外なのは、最高音を含むフレーズの直前のフレーズである“ah! il sol pensier sei tu!”の部分は、ついつい歌いたくなりますが、ここは歌うよりも、むしろしゃべっておいて、エネルギー取って置き、次の“Tosca, sei tu!”という最高音を含むフレーズをたっぷり歌った方が効果的だと言われました。ううむ、ついつい高いAをフレーズに含むところから、“ah! il sol pensier sei tu!”の部分も歌いあげたくなりますが、プロの方々の録音を聞いてみると、確かにこの部分、歌っている少ないかも…。音程は守りながらもしゃべっている人の方が多いかも。ここは省エネでやり過ごして、次でドカーンとやる…のがプロの手口ってわけですか。分かりました。

 で、分かったところで、その最後の“Tosca, sei tu!”が歌えるかというと、話は全く別です。なにしろ、最後の決めのBは、今回、面白いぐらいにダメでした。

 あんまりBがダメなので、そこだけ取り出して練習してみましたが、やっぱりダメなものばダメでした。

 「Bが出ないのは、すとんさんが、Bの直前で声の出し方を変えるからです。そこまでの声の出し方と変えずに行けば、Bを出せるはずなんですよ」と言われました。別に意識的に発声を変えているつもりはないのですが「次は高い音だな」と思うと、無意識に身構えてしまうだけの話です。

 そこで意図的に発声を変えずに歌ってみたところ……やっぱり失速しちゃいます。

 「Bの直前で、息が止まるんですよ。それで、声が後ろに引っ込むんですね。それではダメです。息は流しつづけるんです。音が高くなるほど、むしろ息をたくさん吐いて、声を前に飛ばすんですよ」

 うむ、息を止めてしまうのも無意識でしたから、今度は意識的に息を止めずに、むしろ息を前に飛ばすようにして歌ってみたら、今度はすんなりBが歌えました。あれ? 簡単すぎませんか?

 そこで、曲に戻って、再チャレンジをすると…やっぱりダメです。

 「単独で出せば出せても、歌の中では、まだまだ難しいですね。前回までのレッスンでは、Bもイケると思ったけれど、今回の様子ではまだ難しそうですね。とにかく、お腹をしっかり動かして、息を飛ばさないと、この曲は歌えません。まあ、しばらく、この曲は横に置いておく事にしましょう。また、調子が出てきたら、歌うことにしましょう」というわけで「妙なる調和」は、しばらく塩漬けする事になりました。

 ま、それもしょうがない事です。なにしろ、最後のB以外はまあまあ歌えるようになったわけだし、最後のBは、今回の学習目標には入っていなかったわけだから、これができなくても、この曲のエチュードとしての役割は果たしたって事で、今回の課題的にはクリアです。ただ、最後のBが歌えなければ、曲として仕上がった事にはならないので、塩漬けになったわけです。

 でも、声の出し方をAまでと変えずに、さらに息を多く流していく事で、簡単にBが発音できる事は分かったので、今度はそれを確実にできるように練習しておくぞ。Bが出れば、次はHで、その次がCだよ、Hi-Cだよ。なんか、それも私の努力次第で手に届きそうな気がしてきました。ううむ、なんか新年早々、幸先がいい感じです。

 でも、焦っちゃダメだ、まずはGやAを安定的に出せるようにする事が先決だな。

 これで今回のレッスンはすべて終了。最後の最後に雑談をしました。話題は先日NHKで放送された『ニュー・イヤー・オペラ・コンサート』の楽屋裏での話。ううむ、ファンの夢と希望を打ち砕くような楽屋話を山のように聞いてきちゃいました。ああ、ネットにアップしたい…でも、それは止めておかないと(笑)。

 番組の舞台裏は、我々が思っている以上に色々なことが起こっているんですよ。やっぱりNHKはプロ集団なんだなって事です(なんのこっちゃ)。

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コメント

  1. Sonata より:

    すとんさん、初めまして。いつも愛読させて頂いています。
    すとんさんとおそらくほぼ同じエリアで働き、ほぼ同じエリアで声楽を習っています。
    あ、あとほぼ同じくらいの年齢です。きっと(笑)。
    私も次、Aprileなので、つい嬉しくて初めて書き込んでしまいました。
    サビのところ、カッコいいですよね。
    Tostiは息を流して歌うための練習にはもってこいだと思います(難しいですがm_ _m)
    お互い頑張りましょう!

  2. すとん より:

    Sonataさん、いらっしゃいませ。

    >すとんさんとおそらくほぼ同じエリアで働き、ほぼ同じエリアで声楽を習っています。
    あ、あとほぼ同じくらいの年齢です。きっと(笑)。

     だとすると、どこかですれ違っているかもしれませんし、どこかで私、Sonataさんの歌を聞いているかもしれませんよ。なにしろ、私の趣味の一つが「余所の門下の発表会を聞きに行く」ですからね。

    >私も次、Aprileなので

     Aprileはカッコいい曲ですよね。おまけにたっぷりと、声をひけらかせるし(爆)。まさに私好みの曲です。ああ、なんかドツボにはまりそう…。

    >Tostiは息を流して歌うための練習にはもってこいだと思います

     おぉ、私はそんな事など、つゆほどにも考えたことありませんでした。そうか、そうなんだ、なるへそ。私はTostiの曲って『イタリアンな魂を燃やす練習をする曲』だと思ってました。きっと、そんな事ばかり考えてしまう私は、バカヤロウなんだと思います。

     だって、テノールなんだもん、仕方ないじゃん。

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