フルートのレッスンに行ってきました。もちろん、遅刻は無しでした。でも、姉様が先週に引き続いてお休みだったので、先生は私を待ちくたびれていた様子でした、申し訳ない。
お教室に入って、さっそくロングトーン練習です。このロングトーン練習って、実に効果があるんだなあって思いました。というのも、今回もバッチリバリバリだったですよ。もう、最近は、以前のような汚い調和(って日本語が変ですね)で吹くこともなく、その場に二人いるのに、笛の音は一人分しか聞こえないくらいに、バッチリ音も音色も合わせて吹けるようになりました。うむうむ、ほんと、私が上達しているのを感じます。
時々、音が濁る事がありますが、そんな時は、大抵、私の姿勢が悪いですね。なので、音に濁りを感じたら、背筋をピンとして、フルートを高々と高くかまえると…またまた先生とドンピシャな音で吹けちゃうのでした。姿勢にまで気をつけてフルートを吹ける余裕が生まれてきて、それがいい方向に回っているのがうれしいです。
さて、アルテ15課10章es-mollです。6番と7番の課題はサクっと合格。8番の「es-mollのスケールとアルペジオ」もサクッと合格する予定だったのですが、なぜか先生の前では、アルペジオの部分が何度やってもきちんと吹けなかった私です。練習でも苦手意識を感じながら吹いていたわけだから、そりゃあ先生の前でちゃんと吹けるはずないよね。
練習不足だな。次までにたっぷり練習をしておかないとダメなんだな。
プチ・エチュードの2番は、しっかりテンポアップして練習してきたので、そいつでトライをしてみましたが…テンポをアップすると、それに比例して、指が暴れて、ミスブロー続発なんだな。
で、結局先生に「いくら速く吹いても、間違いがあったら台無しです。大切な事は間違えないこと。自分が間違いなく吹ける速度で練習してきなさい。練習で間違えてはいけません。練習で間違えるというのは、その間違いを身につけるって事だからね。だから、練習では間違えないようにしてくる事が大切。それで、間違えないようにしながら、少しずつテンポアップをするんだよ」と言われました。いきなりテンポアップではなく、間違いなく吹けるようになってから、徐々にテンポアップというのが正しかったみたいです。うむ、気ばかりが急いていたようです。
そうそう、この2番は、ノンブレスで吹かないといけない長いフレーズが2カ所あります…ってか、そもそも長めのフレーズが2つ続いているのに、先生が「そこでブレスを取るのは音楽的におかしい!」と言い出して、その長めのフレーズを連続してブレス無しで続けて吹かなければいけないハメになったので、長いフレーズをノンブレスで吹くことになったわけです。
事件は、その長い2つのフレーズのうち、最初のフレーズを吹いている時に起こりました。その長いフレーズの箇所をなんとかやり過ごした後の話です。
その長いフレーズを吹いていた時、やはり途中で息が足りなくなりました。それもあとちょっと…ってところの、音符で数えると、残り音符3という場面で、燃料不足となりました。もちろん、そこまでで肺の中の息はほぼ使い切っています。これが自宅練習なら躊躇なくブレスをしちゃいますが、今はレッスンなので、ちょっとは格好をつけないといけないので、禁断の『残存空気の活用』をする事にしました。
『残存空気の活用』? 別に大したことじゃないです。人間のカラダって、息を吐ききったと思っていても、それでもまだ若干の息がカラダの中に残っているものです。だって、人間のカラダには骨があって、肋骨の内部がペシャンとつぶれるわけもなく、胸の形を維持するだけの空気は常に入っているわけです。いわば、それがゼロ水準なわけです。で、そのゼロ水準の肺に、さらに圧力をかけて、肺の中に残っている空気を無理やり吐き出して、いわば肺の中の気圧をマイナス状態にして笛を吹く…ってだけの話です。
イメージ的には「胃袋を裏返しにする感覚で息を吐く」って状態でしょうか? フルートに限らず、声楽でも頭の中にエマージェンシーコールが鳴り響くと使う、割と陳腐なテクの一つです。
で、今回の2番も、残り音符3つの状態で息が無くなったので、残存空気の活用をすべく、胃袋をひっくり返して息を吐いたわけですが…腹筋を体内にさらに深く絞って息を吐ききった時に…左の脇腹に激痛が走りました。ピキーッって音がしたような感じがし、一瞬感電をしたような感覚が走って、それが強い痛みに変わってジワ~と襲ってきました。あんまり、痛かったので、思わず演奏を止めて「タンマーッ!」と叫びました。
腹筋がつった? いや、そういうわけではなく、単純に筋肉を引っ張りすぎて(筋繊維がブチブチ千切れて)痛みが生じたようです。つまりただの『筋肉痛』って奴です。ですから少し時間が過ぎると、痛みが収まりだしました。
「鍛え方が足りないんじゃない?」と先生に言われましたが、まさにその通りですね。鍛え方が足りないんだと思います。筋肉の動かし方は知っていても、その運動量にカラダが追いつかなかったわけですから、明らかにトレーニング不足です。
どうも、腹筋周り(ってか体幹部)は弱点だな…。
とにかく、そんなこんなもあり、プチの2番の合格は、まだまだ先のようです。
で、今回の雑談なんだけれど、先生がいきなり「弟子が言うには、インターネットに私の事がたくさん載っているそうだけれど、それってほんと?」と尋ねてきました。もちろん返事は「載っていないわけではないけれど、そんなに“たくさん”ってほどじゃないし、先生のプライバシーはきちんと守られているから大丈夫ですよ」と答えておきました。自分の知らないところで、自分の情報が飛び交っていると思ったらしてく、不安がっていたようなので…。
「私は自分でネットに書き込みなんてしないよ。それなのに、私の事がネットに載っているなんて、気持ち悪いじゃない?」
「コンサートの主催者さんとかが、宣伝として先生の事を書ていたり、ファンの方がコンサートの感想を書いてアップしていたりするんですよ。私が見たところ、悪評の類はないですよ。先生が知らないところかもしれませんが、そういう方たちが、いわばボランティアのようなカタチで、先生の宣伝をしてくださっているわけですから、ありがたいことじゃないですか」
「でも、自分の知らないところで、知らない人に知られているなんて、ちょっと気味悪いだろう?」
「ネットって、本来、気持ち悪いところなんですよ。それを気にしていたら、ネットなんてできませんよ」
…と言っておきました。確かに、先生はネットを見るけれど、ネットで発信はしない人だから、自分の事がネットに掲載されているっていう状況が、不思議だし、気味悪いんでしょうね。…自分が知る人ぞ知る有名人だと言う事をすっかり忘れているのが、なんか面白かったです。
ま、H先生は…はっきり書いちゃえば“現役バリバリ”と言うよりも“昔の名前で出ています”ってポジションの方なので、ネットでの情報は極めて少ないのですが、先生的にはそれでも“たくさん載っている”って感覚なんでしょうね。
「コンサートの情報とかは、インターネットなんて見なくても、チラシとかチケットとかが送られてくるから、それで分かるじゃない」
「それは先生だからです。お友達のスジとかお弟子さんの関係とかから、その手のモノがたくさん送られてくるから、そう思うだけで、我々一般人には、誰もチラシもチケットも送ってきませんよ。我々は、インターネットなどを駆使して、近隣のホールで開催されるコンサートを探しては、チマチマと出かけるんですよ」
「そうか、なるほど…。道理で、ここ数年、見知らぬ人たちがコンサートに来るなあ…って思っていたんだよ」って…先生のコンサートって、長いこと、知り合いとファンの人(それも顔なじみのファン)だけで成り立っていたわけね。一見の客無しでも、プロの音楽家として生活できたわけで、それもすごい話だな(笑)。そんな先生のコンサートに、見知らぬ人…ってか、新たなるファンがやってくるようになったわけで、ネット様々じゃないの?
「この前、始めてのところに呼ばれて行ったら、お客が知らない人ばかりで、ビックリしちゃってね。で、コンサートが終わったら、昔の弟子がやってきてね『先生、ネットで見かけたので、やってきました』とか言うじゃない。ネットってすごいんだね」との事です。そうなんです、ネットって、すごいんです。
で、そこから別の話に飛びました。「そう言えば、この辺にCD屋ない?」と先生が尋ねてきました。
「以前はそこそこありましたが、今は一軒もないですよ。全部、つぶれました。今はCDが欲しかったら、アマゾンで買う時代ですよ」
「でもさあ、そのアマゾンで買えないCDはどうしたらいい?」
「アマゾンで買えないなんて…(あるのかな?) ところで先生は何が欲しいのですか?」
「ベルリンフィルが100周年とかで、記念のCDボックスを出したらしいんだけれど、これが欲しいんだよ。ドイツグラモフォンで輸入盤なんだよ」
「クラシックのボックスセットなんて、ましてや輸入盤のボックスセットでしょ? そんな売れないモノなんて、リアルな店に置いてあるわけないじゃないですか? お店に行って注文をしようにも、輸入盤なら店頭に置いてあるCDカタログに載っていないですし、それ以前に、輸入盤なら問屋が扱っていないですから、まずは注文もできませんよ。それこそ、お取り寄せしてまで欲しいのなら、さっさとネットで注文して買うのが、今の普通のやり方ですよ。それがイヤなら、今から銀座に行って、注文しますか? それならなんとか手に入ると思いますが…」
「やっぱり、ネットで注文か…。でも、アマゾンで“ベルリンフィル”って入力しても、全然出てこないんだよ」
「“ベルリンフィル”? “berliner philharmoniker”じゃないんですか?」
「え?」
「輸入盤を検索する時は、現地語か英語で入力するのが、検索の鉄則ですよ。日本語で入力しても、日本盤しかヒットしませんから、気をつけてください」
「なるほど」ってわけで、一件落着です。
ちなみに、先生が欲しがっていらっしゃるボックスセットって、たぶん、これ。
しかし、CD50枚で約1万円、1枚あたり200円。いずれも歴史的名盤って奴が1枚200円。価格破壊もいいところだな。こんな値段で売っちゃっていいのだろうか? でもこれくらいの値段なら、興味がちょっとある…程度の人でも購入できるから、良い値段設定だと思います。
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コメント
こんばんは。
変なところに反応してしまいました。
> 今はCDが欲しかったら、アマゾンで買う時代ですよ。
> アマゾンで買えないなんて…(あるのかな?)
事務所の備品ほとんどすべて、シャチョーがアマゾンで揃えてしまい、ビックリしたばかりです。
AKB48ができるよりはるか昔、アキバはよく通っていました。CD-Rに焼いただけで再生できるかも疑っていた怪しげな非正規のCDが今では宝物だったりします。アマゾンではこういう怪しいものは流通できないか、とおもいます。
普通にCD探すときは都内では渋谷のタワレコあたりがモノとしてはあるところでしょうか。
輸入盤のセットで1枚あたり200縁というのはごく普通の価格です。ただ50枚を一度に買ってしまうと、通して聴く時間がとれるか、難しいです。
tetsuさん
アキバの非正規CD…懐かしい(涙)。昔はよく裏路地で路上販売してましたよ。確かに、こいつはアマゾンでは購入できません。あと、西新宿で販売されている非正規CDもアマゾンでは買えませんね。なにしろあの界隈は、アーチストさん本人が自分のCDを買いに来ちゃうくらいですから(笑)。あと、中野や池袋の非正規本も…アマゾンで買えるわけないか。
>都内では渋谷のタワレコあたりがモノとしてはあるところでしょうか。
でしょうかね。以前なら、同じ渋谷でもHMVの方が品揃えが良かったと思いますし、逆上れば、六本木のWAVEは垂涎ものがゴロゴロしてましたがね。今やCDはリアルな店舗で購入するものではなさそうですからね。
>輸入盤のセットで1枚あたり200円というのはごく普通の価格です。
歌ものはそこまで安売りしないですね。だから、1枚200円と聞くと、ちょっとビックリしましたが、これが普通ですか(歌ものって高いんだな…)。
ネット通販で色々と便利になったのはいいけれど、リアルな店舗が身の回りから無くなってしまうのは、ちょっと寂しい気がします。
こんばんは。
当時、アキバはマハポーシャも一時期売ってたくらいで、怪しげな雰囲気はありました。
私が購入したのは路地裏ではなくて、一応今も残っている店舗のCD売り場です。
当時まだ正規盤では売っていなかったチェリビダッケとか、今も正規では売っていないとおもわれるアルゲリッチのライヴ録音とか買い集めていました。録音は詳しくありませんが、客席ではなくてホール側での録音設備を使っているような音質のものがほとんどです。
自己弁護ではありませんが、怪しいと言いながら、極端には怪しくありません。失礼しました。
> リアルな店舗が身の回りから無くなってしまうのは、ちょっと寂しい気がします。
いつもニコニコ現金払いで、現物確認しないと納得できないタチなので、金額に関わらず実際にみたい、というところです。
tetsuさん
マハポーシャ! …懐かしい…と言ってはいけませんね(キリッ)。でも、懐かしい(微笑)。買い物こそしなかったけれど、何度か店内をウロウロしました。ビラ配っているお兄ちゃんとの問答が楽しくて楽しくて…あの頃はセクトの方々を調伏するのが趣味だったので、彼らを何度も言い負かせて…きっと呪われていたろうなあ…。ああ、イヤな客だ。
私はここには書けないような、本当に怪しいものを持っていたかもしれません。そういう怪しいものとめぐり合うのも、当時のアキバの楽しみの一つだったと思います。私が出入りしていた店は…もうほとんどアキバに残ってません。今のアキバを見ると、時代の趨勢を感じるし、私の時代は終わったんだなって思います。