リアルな話、懸案だったフルートデュエットは、すでに本番を終えました。色々と反省すべき点はありますが、それらについて、いよいよ順序立ててブログに書いていこうと思いますので、まずは、当日を迎えるまでの練習の日々だったあたりから、書き始めてみたいと思います。
本番一週間ぐらい前から「いよいよ、本番も間近に迫ってきた!」と言うので「せめて最後の一週間くらいは、毎日練習をしようか?」と、何となく二人の意見もまとまってきたので、毎日、チマチマと時間を見つけて練習をする事にしました。
とは言え、お互い、忙しい身なのです。勤務の休憩時間中に練習できればいいのですが、なかなかそういうわけにもいかず、退勤時間後でも忙しくて、絶賛サービス残業中なので、夜になっても、二人とも職場でウロウロしているわけなんですが、そんなウロウロの状態で顔を合わせた時に「今から練習できる?」と互いに尋ね合い、たまたま時間が合っていたら、そこから小部屋に移動して、20分前後合わせる。そんな毎日をチマチマと過ごしました。
使用フルートは…後輩君は一本フルートを持っていないので、それで決まりですが、私は複数持っているので、どの子を使用しようかと色々と悩みました。やはり慣れとか吹きやすさを考えると、普段遣いの総銀フルートのアゲハが一番いいに決まってます。でもね、演奏場所が別にホールとかじゃないし、当日、ゴッチャグッチャの中での演奏って事を考えると、楽器を落としたりぶつけたりと言った事も当然あるわけで、そういう危険がある事を考慮すると、総銀フルートはおっかないって事になりました。
で、次に考えたのが、中国一万円フルートであるチャイナ娘。これなら「別に壊れても平気だから…」と思って、練習で使ってみたら、吹きづらくはないものの、やっぱり音程が結構音痴なので、悩みました。やはり、この子は、楽器と言うよりも、楽器のカタチをしたオモチャなんだと思います。特に今回は、デュオだから、私、低音域を吹く事が多いけれど、チャイナ娘だと、低音はちっとも音にならないので、その点も悩みな点です。
で、その次に考えたのが、プラ管フルートのプラ子さん。これも「別に壊れても平気だから…」なフルートだし、軽いし(意外な事に)音程も良いし、音色もなかなかだし、見かけがチャッチイ事さえ除けば、実用の範囲の楽器なので、色々と悩んだ結果、今回のフルートデュオはプラ子で演奏する事にしました。
後輩君は…キャリア半年とは思えないほどに頑張ってます。だから、息が浅くて、メロディーがぶつ切りなのも許します。スラー丸無視も許します。吹いているうちにドンドンピッチがうわずっていくのも許します。フルートを始めて間もないのに、人前で演奏するという、その度胸に免じて(褒めてます)、なんでもかんでも許してあげる気になっている私でした。
だいたい、キャリア半年だった頃、私には彼ほどの技量もなかったと思うし、舞台度胸も無かったと思います。それを考えれば、実に後輩君は、素晴らしい奴です。
まあ、なんでもかんでも許していましたが、でもそれは現状のままでいいと言う意味では、もちろん、ないので、練習の時には、ちょっとした事を、ひと言ふた言アドヴァイスまがいの事はしたけれど…ね。
それにしても、チューニングしてピアノ的な音程を合わせても、実際に二人の響きが良くなるまでは、多少時間がかかりました。理屈で言えば、基音の音程が合っていても、倍音が違っていると、きれいにハモらない…わけだけれど、まあ、そういうよりも練習を重ねるごとに、二人の音色が近づいてきて、よりキレイになってきた…と言った方が良いかな? そういう意味では、練習って奴は、した方がいいね。
本番に際し、当初予定では2曲演奏するつもりだったので、申請した演奏時間は約10分です。しかし、実際に練習を始めて「ロンドンデリーの歌」を辞め、「メリー・ウィドウ・ワルツ」1曲だけにしたわけですが、それでは、とても演奏時間的には足りないのです。かと言って「ロンドンデリーの歌」に代えて、もう一曲別のフルートデュオを増やすわけには(後輩君の力量的に)無理があるので、どうしようかと悩みました。その結果、先輩である私が責任をとる事にし、私のソロフルートで乗り切ろうという事にしました。彼にはマラカスなどのパーカッションを担当してもらえば、選曲の幅もグっと広がるわけです。そうだ、そうしよう! と言うわけで、本番約一週間前で、選曲に取りかかりました。
どうせやるなら、客に媚びた曲の方がいいし、最新の流行り歌ならなおいいでしょうと言う事で、選んだのが「恋するフォーチュン・クッキー」という曲。AKBの割と最近のシングル曲。あんまり最近すぎて、この曲にしようと決めた時には、まだピースも販売されていなかったくらい新しい曲でした。譜面が掲載されているピアノ雑誌を見つけたので、そこからメロディーを書き写して、練習しました。
歌の曲だから、基本的にはそんなに難しくないのだけれど、ニ長調で、メロディーの作り方がクラシックとは全然違うので、ミ-ファ#のトリルとか、レ-ド#のトリルとかが、結構多用されていて、吹いていて、なんか面倒でした。そういうのって、ピアノや歌だと簡単だけれど、フルートだと嫌なトリルなんですよね。結局、アルテ1巻程度の腕前では、とても正規運指では対応できず、どちらのトリルも替え指で対応しました(ちょっと残念)。
そんなこんなで数回の練習を経た、ある日の事、急に音楽が遅れだすようになりました。「むむ?」と思った私は後輩君に「もしかすると、こっち(私)の音を聞いてる?」と尋ねたら「はい、デュエットだから、なるべく相手の音を聞いて合わせようと思って…」と答えました。なるほどね、だから遅れるわけだ。
初心者の頃って「相手の音を聞いて~」と言われると、本当に音を聞いちゃうんだよね。で、リアルに相手の音を耳で聞いて、その音に自分の音を合わせて演奏するわけだから、当然、相手の演奏に対してコンマ何秒か遅れるわけで、それが重なっていくと、ドンドン音楽が遅れてくるわけです。「相手の音を聞く…」というのは、本当はそういう意味じゃなくて、息を合わせるとか、聞いた音から推測して、先回りして正しいタイミングで演奏するとか…そういう意味なんだけれど…それを初心者である今の彼に言っても無理なので、私が彼の音を聞いて、テンポや音程や音色を合わせていくので、彼はこちらを気にせずに、自分なりに自由に吹きなさいと言ってみました。それをしてもらうと、良い感じで音楽が流れるようになりました。
そんな感じで、ちょっと詰めて練習して、本番前日になりました。前日は、ステージマネージャーさんと本番の打ち合わせをしました。
で、マネージャーさんの前で本番通り演奏してみたんだけれど…そうしたら「それで人前に出るつもり?」と言われちゃいました。厳しいねえ~。
「上手いに越した事はないし、余興なんだから、下手なら下手で結構なんだけれど、中途半端に下手って言うのは、聞いていて痛いんだよね」との事。
…中途半端に下手…。まあ、これは初心者である後輩君ではなく(彼はリアルに下手なので、問題ないんです)、私の事だね。
「中途半端に下手な演奏は、聞いていて“痛い”んですよ」とも言われました。まあ、言葉の真意は分かるけれど、じゃあ一体どうすればいいんだい?って話になります。
「“痛い”演奏は舞台に出せないという方針なら、今回は、降りるよ」と言ってやりました。マネージャー氏は、別にそういう意味ではなく、今すぐ上手くなれないかという意味で言ったらしいのですが、別に手を抜いていたり、気を抜いていたりしているわけじゃないし、いますぐ上手くなれるものなら、すぐに上手になってみせるわけで、それが出来たら、別に苦労など何もないんですよ、それができないから苦労しているわけだけれど………、そんな泣き言はステージマネージャー氏的には、何の関係もありません。
結局、MCを多めに入れる事と、バックダンサーを用意して演奏の痛さをカバーしましょうって事になりました。まあ、それはそれで良いか。もっとも、バックダンサーうんぬんの件は、反故にされちゃいましたけれど(爆)。
で、本番を迎えたわけです。本番の話は、また明日。
P.S. 今回は音源ありません。念のため。
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コメント
私、今、少し怒っています。
フルートレッスン三年目に入った私は、痛い(と言われる)演奏を人前で、二十回以上行ってきました。JR の通路でも、一回だけですが演奏してきました。
ステージマネージャーの言われることは、嫌って言うほど分かっています。でも、言われた人の心の痛みとか努力って、解ってもらえないのでしょうか。
これからも仲間と一緒に努力し、私達の空間を作って行きます。
【後輩さん、大丈夫ですよね?心配です。】
今度会ったら、ストンさんの得意技で投げ飛ばし、その体重で潰してやって下さいね。(って、ウソうそ嘘)
メダカの子供が産まれ、今孫が産まれつつ有ります。もう、超満員電車並みです。
嬉しいような、ウーーン、困ったね。
カスミ草さん
確かに「痛い」はつらかったですね。いっそ「下手くそ!」と罵られた方が気が楽ですよ。でもまあ、これも仕方ないですよ。実際に“痛い”演奏だったなあ…って思いますもの。でも、いつまでも“痛い”ままではいないぞ!とは思ってます。
>【後輩さん、大丈夫ですよね?心配です。】
大丈夫です。私同様に、来年のリベンジを今から考えてますから。「来年のために、たくさん練習しないと…」と今日も言ってました。
ステージマネージャー氏は、ある面で、興行主的な役割もやってますので、出演者に嫌われてナンボって部分があるので、あんまり攻めてはかわいそうです。私が彼の立場なら、やっぱり“痛い”バンドには“痛い”からどうにかならないかって言っちゃいそうだし…。
しかし、メダカだ大繁殖しているんですね。それはうらやましい。メダカって、割と簡単に繁殖していくれるんで、飼っていて面白いですよね。私も以前、池でメダカを飼っていた時は、ワンサか増えて、楽しかったです。その点、金魚は、繁殖が難しいので、そういう楽しみがなくて、ちょっぴり寂しいです。
すみません、相談に乗って下さい。
ストンさんもメダカを池で飼ってみえて、ワンサか増えたんですね。増え過ぎたメダカは、どうされたのですか?
今、親が1匹、子が30匹以上、孫が30匹以上、卵が20個以上で、水槽は2つと金魚鉢が2つで飼っていますが、もう限界です。
色々考えました。水槽の増設も考えたのですが、来年も出産ラッシュですよね。
もし経験が有れば教えて欲しいのですが、生後3ヶ月のメダカを川に放流した場合、生き延びられるのでしょうか?
めちゃくちゃな相談で、御免なさい。販売店の人も経験が無く、縁が有って我が家に来てくれた子達の事ですので、心配で心配で。
カスミ草さん
私は池で飼ってたので、ワンサカ増えても放置です。池なので、エサもやらず、時折、池の掃除をするぐらいでした。
まあ実は水槽であれ、池であれ、魚は一定数以上は増えません。
水槽でメダカを飼っていた時もありましたが、その時もメダカは増えました。増えましたが、それでもある一定数以上にはなりませんでした。と言うのも、一定数を越えると、越えた分だけ死ぬからです。で、結果として一定数以上にはならないのです。私はその一定数の事を「その水槽の定数」って呼んでます。
なのでメダカは、水槽を増やせば増やすほど、広くすれば広くするほど、水槽の定数に余裕が生まれるので、ドンドン増えます。増えるのがイヤなら、水槽を増やさない、広くしない事です。
増えすぎて死ぬのを見たくない、とおっしゃるなら、どんどん友人知人に差し上げたらいかがでしょうか? 喜ばれますよ。小学校などは、メダカを理科の教材として使用する(時期的には5月前後なんですが)ので、いくらいても困ることはありません。
>生後3ヶ月のメダカを川に放流した場合、生き延びられるのでしょうか?
絶対にやらないでください。
メダカは現在、レッドデータブックに記載され、絶滅危惧種に指定されています。天然のメダカは各地で保護されて生きています。
日本には数多くのメダカが生息しています。と言うのも、実はメダカって、水系ごとにDNAが違っていて、種類が違うのです。そのそれぞれが絶滅危惧種なんです。
絶滅の危機に瀕している天然メダカですが、その棲息地にペットショップのメダカを放流されてしまうと、メダカの混血が行われ、天然メダカが絶滅してしまいます。なので、絶対にペットショップのメダカを川に放流してはいけません。これは生きられる/生きられない以前の、環境破壊の問題になります。
ちなみに、水槽の定数の話をしましたが、我が家の水槽の場合、現在のところ、エビの定数は3、ドジョウが4、金魚も4、タニシは100以上、メダカは0です。なぜメダカは0なのかと言うと、全部金魚が食べちゃうからです。なので、以前はたくさんいたメダカですが、今では金魚たちに食べられてしまって、我が家には一匹もいないんです。