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ウィーン・フィルのニュー・イヤーズ・コンサートをテレビで見ました

 というタイトルだと、まるでウィーン・フィルの演奏を論評しそうだけれど、それはなし。あえて書けば「ウィーン・フィルってうまいなあ…。近所の市民オケとはダンチだなあ(両方に失礼!)」くらい。いやあ、実際に、オーケストラを論評する語彙を持ち合わせていないもので…。え、クラシックファンとしては失格だって?。ま、私はオペラ系テノール限定のクラファンなものでして…、へへへ。

 それはともかく、ニュー・イヤーズ・コンサートって、お正月恒例行事ですね。子どもの頃は「芸能人隠し芸大会」がそうでしたが、長じては、専らウィーン・フィルでお正月を感じてます。

 しかし、このコンサート。毎年、指揮者が変わります。音色とか、細かなリズムの癖とか、ハーモニーの重ね方などの部分は、指揮者が誰であれ、あまり変わらない。たぶん、この部分はウィーン・フィル独特のものだからだと思う。特にウィンナーワルツは、なんかいい。拍の独特の間延び感が絶妙。聴くだけだと、それこそ「間延び」なんだけれど、きっと踊るとバッチリなんだろうね。

 それでも、指揮者が変わると、音楽は変わる。もちろん選曲とか演奏される曲の速度なんかも変わるけれど、それ以外に、音楽の風味みたいなものが変わる。そういう意味では、指揮者って怖い。

 今年の指揮者、ジョルジュ・プレートルって、私には、マリア・カラスの[晩年の録音の]指揮者ってイメージなのね。トスカとかカルメンとかのね。どうしても、カラスとペアになってるのよ、私の頭の中だと。

 だから今年のニュー・イヤーズ・コンサートの指揮がジョルジュ・プレートルって聞いた時、え、カラス出るの?(そんな馬鹿な!)って思いました。いやあ、トンチンカンな奴ですね。

 2008年のジョルジュ・プレートルは御達者なおじいちゃん指揮者でした。こんな人がカラスと組んで、あの濃厚なカルメンを録音したなんて、信じられないなあ…。

 サラっとした後味の良い演奏でした。場を大切にし、オーケストラを大切にし、お客さんを大切にした、ほのぼのとした演奏でした。なんて言うのかな? 消え物っぽい演奏って言うのかな、その消え物感がグーだね。後に残らないって、普通はダメ出しに使う言葉だけれど、そうでなく、ほめ言葉として、後に残らない演奏。

 このウィーン・フィルのお正月公演の演奏は、イベントなんだし、新年を寿ぐための演奏なんだから、その辺をよく心得た、場に即した演奏でとても良かったと思います。ジョルジュおじいちゃん、ナイスジョブ!

 それに毎年挿入されるバレエが、また今年も良かったね。特にサッカーぽいバレエは、男性ダンサー中心で力強くて良かったです。あと、これも毎年だけれど、騎馬バレエって言うの? お馬さんのバレエというか、行進というか、馬場馬術がいいね。あと、客席まで来て踊ったカップルのダンスもグッね。

 そうそう、このコンサート。私の毎年の楽しみは、ちょっとだけ映す客席の様子。もちろんオーストリアなんだから、白人さんがたくさんなんだけれど、その中に混じって東洋人が映っているでしょ。男性はスーツ姿が大半だからよく分からないけれど、女性は洋装の方もいるけれど、和服姿の方が大勢いる。和服の方はおそらく日本人でしょ。和服の女性の隣に座っている男性もおそらく日本人でしょ。和服の女性の隣に座っている洋装の若い女性もきっと日本人でしょ。ああ、ウィーンにはたくさんの日本人がいるなあ。皆みんな、頑張っているんだなあ…と、なんか意味はないけれど、うれしくなりますし、励まされます。ウィーン在住のMegiさんは、どこにいるかなと探しました。顔も知らないし、コンサートに行ってるかどうかも分からないのにね、お馬鹿ちゃんな私。

 それにしても、和服ってキレイだよね、美しいよね。色々ある民族衣装の中でも、特にキレイな衣装だよね。まあ、その分、高価なんだけれどね。でも、ここ一発の和服姿の女性って、本当にキレイだよね。

 チャイナ・ドレスやチマ・チョゴリ姿の女性は、ニュー・イヤーズ・コンサートでは、今まで一度も発見できませんでした。いるのかなあ? ウィーンには中国人も韓国人もたくさんいるだろうに、皆さん楽友協会には行かないのかしら? それとも民族衣装は着ないで、専ら洋装なのかしらねえ? よく分からん。

 中国関係の曲をやる時にアップになった男性二人組は、きっと中国大使かなんかだろうね。その前にもあの二人は、アップになっていたけれど、「なんか楽しくないぞ~」オーラがバンバン出てて、なぜそんな人がここにいるの?って思っていたけれど、そういうわけだったのね。せっかくのウィーン・フィルなんだし、あのコンサート自体がお祭りみたいなものなんだから、もっと肩の力を抜いて楽しめばいいのに…なんて、よけいなお節介だよね。

蛇足。年越しはテレ東の「ジルベスター・コンサート」でした。これもここ数年の習慣。この番組のカウントダウンと一緒に、妻と「明けましておめでとうございます、今年もよろしくね」と新年の挨拶をしてます。今年の「アッピア街道の松」って曲、よく知らない曲だったな。やっぱ、カウントダウンは、なじみのある曲の方がいいな。

蛇足2。今日はNHKの「ニュー・イヤー・オペラ・コンサート」だ。これも毎年の楽しみ、楽しみ。

コメント

  1. Megi より:

    明けましておめでとうございます!

    記事に私の名前が出ていて思わずびっくり!光栄ですっ(笑)!私はもちろん、この場に・・・はいませんででしたよ(笑)。ニューイヤーのコンサートチケットは、おそらく今日の時点で、来年の分完売してると思います。1月の最初の仕事日。つまり2日に売り出し、売り切れ。年末にお客様をご案内していた時に、ダフ屋さんがよってきて、昨日のチケット買わないか、とか言ってきたんですか、いくらだと思います?30万円ですよ!!!ちょっとぼりすぎ!でも、満席だったからどなたかが買ったんでしょうねぇ。いやはや。

    今年も素敵でしたよね!プレートルは確かにあっさりめでしたね。サッカーの映像が多めだったのは、今年、オーストリアとスイスでヨーロッパカップがあるためだと思われます(4年に一度です)。

    ワルツはやっぱりウィーンフィルが一番ですよね!おっしゃるとおり、指揮者なしでも、彼らの地にワルツが流れてるから、十分素敵な演奏をしてくるでしょう。それでも、指揮者によって、微妙にニュアンスが違うのも楽しいですよね!

    ニューイヤー・オペラコンサートも楽しんで下さいね!思わず長くなってしまいました。スミマセン。

    今年も素敵な年をお過ごし下さい!

    Megi

  2. すとん より:

    >Megiさん
    うわあ、ニューイヤーのコンサートって、すごいプラチナなチケットなんですね。ダフ屋で30万円! こっちの感覚でも十分ボってますが、そちらは平素のチケット代がお安いんですよね。そりゃあ、もう、ウルトラボリボリ価格ですねえ。そんだけの人気公演というわけだ。
    エラそうな事を書いてますが、私、ウィーン・フィルってテレビや録音でしか聞いたことありません。そちらにお住まいだと、ウィーン・フィルを生で聴くチャンスもあるでしょうね…。とてもうらやましいです。神奈フィルなら、何度も生で聴いたことあるんですけど…。

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