ガラコンサートに向けてのピアノ合わせをしてきました。場所は、キング先生のご自宅のレッスン室。いつもながら、先生のお宅に行くのはドキドキです。と言うのも、ちゃんとたどり着けるか、実に不安なんです。ご自宅への道筋には、特にこれと言った目印がないので、結構迷います。なので「今日は無事にたどり着けるかな?」と、ドキドキのバクバクなんです。それでも、iPhoneという強い味方があるから、最終的には何とかなるけれど、このiPhoneも使い方がよく分からない(笑)ので、色々と困っております。
このピアノ合わせ、本来は二重唱ばかり歌う私たちですから、妻と二人で行くべきでしょうが、妻は別件で忙しかったので、今回は私一人で行きました。
“ピアノ合わせ”と言うのは、本番ピアニストさんと我々出演者が、直接色々な事を打ち合わせる事を言います。例えば、舞台の出入りのタイミングとか、そのきっかけとか、歌う曲のテンポの確認とか、大きく歌が揺れる所なども事前に言っておきます。
今回の本番ピアニストさんは、前回の門下発表会で伴奏してくださった方と同じピアニストさんで、凄腕のピアニストさんです。ピアノの腕も半端ないのですが、歌の事を何よりもよく分かっている方なので、私たちのようなアマチュア歌手には、もったいないと言うべきか、味方としては、実に力強い方と言うべきか、とにかく舞台に上がったら、自分とピアニストさんしかいないわけですから、最後の最後にすがるべき方としては、実に頼もしい方なんです。
で、ピアノ合わせをしたわけですが、とにかく、本番ピアニストさんは、基本テンポを速めに取る傾向があります。キング先生は割とゆったりとしたピアノを弾かれるので、それに慣れている私なんかは、ちょっとビックリしちゃいます。
でも、歌に合わせてくださるピアニストさんなので、たとえピアノが速いテンポで弾きだしても、そのテンポに負けずに、自分のテンポでゆっくりと歌い続けていると、やがて歌にピアノのテンポを合わせてくださいます。問題は…ピアニストさんのテンポに、負けずに引きずられずに、どこまで我を通して歌い続けられるか…です。うっかり、ピアニストさんのテンポに合わせて歌ってしまうと、ピアノもノリノリになってしまい、ドンドン、テンポアップしちゃいます。もっとゆっくり歌いたいと思っているのに、テンポアップしてしまうと…たぶん、本番では大失敗しますね。
まあ、それを避けるために、ピアノ合わせの時に、自分の歌いたいテンポを打ち合わせするのですが…。
私はやっぱりダメだなって思いました。
何がダメか言うと、ピアノ合わせをして、その場で色々と感じていても、私の場合、それってモヤモヤしているんですよ。言葉にうまくならない。で、だいぶ経ってから、やっと言語化できるんですが、その時には、すでに“後の祭り”になっている事が多いので、後悔ばかりが残ります。
今回もピアノ合わせが終わって帰る途中、アレコレと後悔ばかりをして、悔しくて無力で情けなくて、臍を噛む思いで、トボトボと歩いていました。あの事を伝えたかった。この事は話しておかないといけなかった。あそこは我慢せずに主張しておけばよかった…と悔やむばかりです。
まあ、これは今回に限らず、いつもの事なんです。つまり、ピアノ合わせをする度に、自己嫌悪に落ちるのが、私という人間なんです。声楽だけでなく、フルートの時もそうでした。いつもいつもモヤモヤした気持ちを抱えてピアノ合わせを終え、色々と後悔を抱えたまま、本番を迎え、違和感の中で演奏するわけです。そんなのですから、本番でうまく演奏できるはずないし、仮に上手くできたとしても、やはり「これは違うよなあ…」という感覚が残るのです。
これが私のいつもの姿なんです。ま、単なる“打ち合わせ下手”なだけですけれど。
私は、精神活動における反射神経が鈍いんです。よく言うと『じっくり考えてから反応するタイプ』、ひと言で言うと『グズ』とか『ノロマ』なので、時間に追われ、リアルタイムでアレコレ考える事は苦手なんです。そういう意味では時間芸術である音楽には、本当は不向きな人間なんだろうなあって思います。
ちなみに、クチゲンカでは、いつも言い負かされるタイプです(で、自己嫌悪に陥って、激しく自分と相手を呪うわけです)。殴り合いなら、滅多なことでは負けない自信はあるんだけれど…クチゲンカでは勝てないんだよなあ。
クチゲンカ…ではないのですが、今回のピアノ合わせでも、曲のテンポ設定などを、きちんと、ピアニストさんに伝えられなかったです。
心の中では「そのテンポじゃ歌いづらい…」とか思っても、ついついピアニストさんのテンポに合わせてしまうんですよ。一応は、こちらからも、少しは要望を言ってみるけれど、キング先生が「それは伝えてある!」と言って、私の言葉を遮るわけです。信頼しているキング先生が、事前に打ち合わせしておいてくださっているのなら…と、私はその先の言葉を飲み込んで、ピアノ合わせを先に進めるわけです。でも、なんか違うんです。だから言っておきたいんです。でも、なんか言ってはいけない雰囲気が、ピアノ合わせの部屋に漂います。
元来、人見知りの激しい私だし、よく知らない人には遠慮の気持ちが強く働くわけだし、どこまでキング先生からピアニストさんに伝わっているのかも分からないし、どうにもこちらの要求を強く主張できなくて、適当なところで妥協してガマンして、OKを出して、ピアノ合わせを終えてしまいました。で、帰り道に激しく後悔するわけです。
ダメだな。やっぱ、音楽には不向きだな。
一組30分ずつのピアノ合わせの時間が確保されているのに、それを15分強で切り上げてしまって、終わってから『あれも言いたかった、これも伝えてたかった』では、何のためのピアノ合わせだか、分かりません。
特に今回は二重唱がメインなんだけれど、それを一人で打ち合わせに行ったものだから『私はこのテンポがイヤだけれど、妻はなんて思うだろ…』って思うと、いつも以上に言葉が弱くなります。言いたいことも言えなくなります。
そういう意味では、今回のピアノ合わせは、あまり意味が無かったと思ってます。やはり、二人揃っていけないなら、ピアノ合わせには、行かない方が良かったんだと思います。
おまけに、今回のピアノ合わせでは、私の前の人や後ろの人と比べて、私の時の先生が、明らかに不機嫌でした。それは、私の歌があまりにひどかったからです。特に発声がダメになっていて、その件ではしっかりとお叱りを受けました。
叱られても仕方のない歌だった(つまりバクチに大負けしてしまいました)ので、それはまあいい(本当は良くない!)として、でも、他の人は皆さんどうしているんでしょうね。
何の話かと言うと、発声練習の件です。
ピアノ合わせのような場合、レッスン室に入っても、発声練習などはしません。自分の順番がやってくると、いきなりフルパワーで歌うわけです。これって、準備体操もせずに全力疾走をするようなもの…でしょ? 朝起きて、色々と忙しく活動をして、時間にあまり余裕なくレッスン室に飛び込んで、ピアノ合わせです。事前に発声練習をしている余裕もなく、ある意味、起き抜けに近い声で、本番レベルの歌をいきなり歌うわけです。
最近は、ガラコンサートに向けて、それなりの練習を毎日していますから、いきなり歌っても、ある程度の声は出るには出ます(その代わり、常にノドが炎症を起こしていて、イガイガヒリヒリしている状態です)。でも、やはり準備不足は否めないわけで、そういう、準備不足でもやむをえない状況での準備って、どうするんでしょうね。何か裏技のような、準備の方法があるのかな?
さらに言うと、実は私、発声に関して、先生の言いつけをきちんと守っていません。先生は「今は発声方法を変えてはいけない」と私に言いつけていますが、実はそれをを守っていないのです。と言うのも“痛い”のはイヤだからです。
詳しい事は、こちらの記事に書きましたが、私、歌うと激しい頭痛がするような、変な発声をしていた人です。おまけに、その頭痛を伴う発声方法は間違った方法なので、そんな歌い方をしている限り、頭は痛いは、うまく歌えないは、何一つ良いことがないのです。しかし、ガラコンサートが間近に迫っている今、発声方法の見直しをしてしまうと、歌えなくなってしまうので、今は間違った発声方法でいいから、その発声法のままで歌いなさいと言われていますが…やっぱり痛いのはイヤだし、それが間違っていると分かった以上、痛みを我慢して歌うのも、イヤなんです。
なので、最近は、半ば無意識ですが、頭が痛くなりそうになったら、色々とセーブをして痛みを回避してしまいます。だって、痛いのはイヤでしょ。
いや、実は痛みを回避しているつもりでも、なかなか回避しきれてなくて、やはり歌終わると頭痛に苦しんでいるわけです(ダメじゃん)。今回も、帰りの電車の中で、キーンと頭が締めつけられるような激しい頭痛がして困りました。一人きりだったので『痛みでどうにかなったら、やばいなあ』とヒヤヒヤドキドキしていたくらいですから。
そんな状態なので、なるべく、痛くならないような歌い方になってしまってます。
そうやって、無意識&意識的に、痛みを回避しているため、発声がグダグダのダーダーになっているんだろうと思います。最近では、妻からも「発声が変になっているよ~」と注意されてますが…でも、痛いのはイヤだな。もう、あんな思いをして歌うのはイヤだな。かと言って、痛くならない歌い方は知らないから、どうしても発声がグダグタのダーダーになってしまうわけです。
とにかく(ピアノ合わせとは直接関係ありませんが)歌うのがつらくて苦しいという状態は何とかしたいです。あんまり痛みが治まらないなら、ガラコンサートが終わったところで、しばらく声楽を辞めてもいいかもしれません。
閑話休題。結局、私が一人で歌う“The music of the night”以外は、次のピアノ合わせ(実はもう一回チャンスがあります)で、打ち合わせを、きちんとやり直さないとダメだなって思いました。ってか、私が一人で行った打ち合わせは…妥協の産物なので、白紙に戻さないとダメだと思います。
やはり、二重唱の打ち合わせに一人で行っても、意味ないですし、特に私のようなグズでノロマが一人で打ち合わせをしたって無駄ですね。
例えば、“The phantom of the opera”は、ピアニストさんのテンポがとても速かったなあ。あの速度の2/3ぐらいで歌いたいのだけれど、それを言えなかった。と言うのも、この曲は妻から歌い出す曲だし、彼女は結構柔軟性があって、どんなテンポでもくっついて歌っちゃう人だから、ピアニストさんが気持ちよく弾けて、ソプラノが対応できちゃうのに、私一人が文句をつけるなんて…できないよなあと思ってしまったわけです。でも、あのテンポでは、あんまりに速くて、歌っていて、舌が回らなかったし、あれこれ雑になってしまいます。けれど、妻がこの速度でいいと言うかも…って思うと、何も言えませんでした。で、帰り道に、妻がどうであれ、自分が歌いづらいと思ったなら、きちんと注文つけるべきだったのに…と激しく後悔するわけです。
こんな事ばかりなんですよ。溜息が出ちゃいます。実は当日は色々と忙しくて、当初の予定の時間ではピアノ合わせができなさそうだったので、順番をわざわざ入れ変わってもらったにも関わらず、こんなテイタラクなんです。残念極まりないです。
さらに、私が一人で歌う“The music of the night”に関しては、ピアニストさんとのピアノ合わせは、まあまあ、それなりにできたと思ってますが、私の歌に関して、先生から色々とダメ出しが出ました。音楽表現的には、ちゃぶ台返しのような指摘だったので、大いに悩んでしまいました。
今更ですが、これまでカラダに染み込ませてきた歌い方をボツにして、ゼロから根本的に歌い方を作り直さないといけないかなって思ってます。
最近はレッスンに行っても、打ち合わせが多くて、コンコーネをみてもらうくらいで、ガラコンサートの曲に関しては、これと言った指導はしていただけないので、“The music of the night”にしても、やはり自分なりに考えて、先生の意図をくみ取って、音楽を作り直しておかないといけません。さて、次回のピアノ合わせに間に合うでしょうか(笑)。ってか、あと、本番まで、一カ月しかないよ。今から歌い方を作り直しても大丈夫なのか?
家に帰って、この日の報告を妻に話したら叱られました。ちゃんとピアノ合わせができなかった事…ではなく、15分で帰って来た事を叱られました。
だいたい二重唱ばかりなのに、一人で行っても、きちんとピアノ合わせができるはずはないと思っていたようなので、ピアノ合わせそのものが、うまく行かなかった事は、想定の範囲内の事だったようです。それよりも、ピアノ合わせは『レッスンしながらピアノ合わせで30分』という事になっているのに『レッスン無しで15分で帰って来た事』を叱られました。
「前回のレッスンだって無しだったし、今回もレッスン無しとは…レッスンもピアノ合わせもタダじゃないのよ!」って事です。
まあ、確かに、発声がダメと言われたなら、そこで引き下がるのではなく、食い下がってでも、アドヴァイスの一つぐらいもらって、ワンポイントでも稽古してもらえばよかったのです。実際、他の人たちはレッスンしてもらっていたわけだし…。私だけが、叱られただけで、それでサヨナラってのは、解せないってわけです。ま、財布を預かる身としては、ひと言もふた言も言いたい事でしょう。申し訳ないです。
それにしても、先生に叱られて、妻に叱られて、散々な日でした。打ち合わせもロクにできなかったわけだし、やっぱり、一人でピアノ合わせに行くんじゃなかったな。激しく、後悔しています。
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コメント
反省はしても後悔はしない!!
ドンマイ!!
フミエさん
励まし、感謝です。「反省はしても後悔はしない!!」 いい言葉ですね、次から使わせてもらいます。
そんな時もあります!
どんまいです!!
すとんさま
では今がガラコン前のどん底の状態ということで、あとは上向いてくることを期待します♪
いつの間にやら私のランキングが2位になっていたのには驚きましたが、
(ひとこと、に書いていただいてありがとうございます。)最大瞬間風速でしょうから
あとは黄金の中盤に落ち着いていくことでしょう。サッカーで言えばボランチあたり。
門下でワンツーフィニッシュ、きっとキング先生の後光の賜物ですね。
椎茸さん
>そんな時もあります!
『そんな時“も”』ならいいんですよ、『そんな時“ばっかり”』なんですよ。これはたぶん、私個人の資質の問題だろうと思うんですが、いつもそうなんです。
つくづく、音楽をやれる人間ではないんだなあって思います。音楽はやるものではなく、聞くものにしておいた方が無難かなって、思い始めてます。
どんまいですね、はい、どんまいです。
モナビーナスさん
>今がガラコン前のどん底の状態
いや、どん底ではなく、私の場合は、バクチなんです。基本的なテクニックと才能と資質に大きく欠けるので、ムラがあるだけなんです。本番の日に、マグレが起こる事を期待しています。
モナビーナスさんのブログは、順調に順位を上げてきたと思いますよ。まあ、順位はミズモノですから、モナさんのブログに限らず、ここのブログだって“瞬間最大風速”なんだろうと思ってます。でも、その風速に感謝しちゃいましょうよ。門下で、ワンツーなんて、狙っても達成できるわけじゃないんですから。
>きっとキング先生の後光の賜物ですね。
ですね。
声が出せなくて発声ができないときは
リップロールだけでもかなり違いますのでお試しあれ。
はじめっからみんなできたらプロになれます。
発声もコンサートが終わったらゆっくりじっくり取り組めばいいですよ。
やめたらもったいないですよ?
ピアニストさんには遠慮はしないこと。
コンサートではステージで2人っきりで音楽作るんですから、あわせで撃沈して何ぼだと思います。
いい音楽になればいいのよ、要は。
なので考え方変えてがんばってくださいね!ファイト!
みるてさん
リップロールですか、確かに有効そうですね。ならば、ハミングも有効かな? ハミングとリップロールをやると、それなりに効きそうです。感謝。
>はじめっからみんなできたらプロになれます。
…ですね。今はできないから学んでいるんですよね。そこを忘れちゃダメだね。
>やめたらもったいないですよ?
辞めるつもりはないですが、しばらく歌から遠ざかってもいいかもって思う、と言うか、悩んでいます。離れることで、何かつかめるかもしれないと思ってます。
>ピアニストさんには遠慮はしないこと。
分かっているのですが、ピアニストさんには遠慮し、先生には気を使い…という性分なんです。こう見えて、気は弱いんです。すぐに他人には遠慮してしまいます。気が弱いので、弱さを克服するため、若い時は格闘技をやってカラダを鍛えていたんです。でも、いくら暴力を身に付けても、気は強くならなかったです(汗)。努力の方向を間違えたみたいです(笑)。
>考え方変えてがんばってくださいね!ファイト!
はい、がんばります。ありがとうございました。