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2012年 ラ・フォル・ジュルネに行ってきたよ その3…拾えぬ拾い物と、思わぬ拾い物

 楽しみにしていた、フィリップ・ジョジアーノ氏のコンサートを諦め、次の会場に向かった私たちでした。

 次のコンサートは、丸ビルと東京国際フォーラムの中間にある、丸の内ブリックスクエア一号館広場で行われる、フルートとクラリネットとチェロのコンサートです。丸の内ブリックスクエアの一号館広場って、オープンスペースなんですが、なかなか良い感じの会場で、私は好きなんですよ。

 で、会場に着いたら、会場変更の案内が…。そりゃあそうか。この日は大雨でした。大雨の日に、オープンスペースでの演奏は、やはり無理ですね。観客も辛いけれど、演者も大変ですよね。特に、チェロなんて、雨に打たれたら、楽器が壊れちゃうものね。

 で、変更場所は…TOKIA。おお、良い場所だけれど、ここから行くと、国際フォーラムを突き抜けて反対側に行かないといけないじゃない? うわ、遠い。

 痛い腰をかばいながらTOKIAに向かいました。ちょうど、演者の皆さんが舞台に上がった頃、会場に到着しました。当然、すでに座席はなく、立ち見になってしまいました。ううむ、腰がつらい…。
 
 
フルート、クラリネット、チェロ コンサート

 演奏者は、フルートが南部やすか氏、クラリネットが小口佳代氏、チェロが堀沙也香氏でした。「あ、あのフルートの人、昨日のNHKで、ラ・フォル・ジュルネの宣伝していた人だ~」とは妻のセリフです。そうか、前日に公共放送の電波使って、ラ・フォル・ジュルネの宣伝をしていたのか…。それにしては、今年のラ・フォル・ジュルネは…なんか、閑散としているぞ。あきらかに、人の出足が例年になく…悪い。テレビの影響力が弱くなったのか、ラ・フォル・ジュルネ自体の輝きが失われてしまったのか、単純に雨で集客できないのか(でも、駅周辺はイヤになるほど人であふれていたけれど…)。

(作者を聞き落としました):クラリネット・ソナタ
サンサーンス:白鳥
カッチーニ:アヴェ・マリア
チャイコフスキー:くるみ割り人形より
    序曲、小行進曲、中国の踊り、アラビアの踊り、ロシアの踊り
モンティ:チャルダーシュ

 フルートとクラリネットとチェロ…なんていう組み合わせで、普通はコンサートをしないので、この三者専用の楽曲なんて…少なくともポピュラーな曲にはありません。ですから、今回の演奏は、すべて彼女たち専用のアレンジで、おそらく、今回のこの演奏を終えたら、もう一生日の目を見ないだろうというアレンジだそうです。そういう意味では“一期一会”ですね。曲を楽しむと同時にアレンジも楽しむという気持ちで、コンサートを聞きました。

 最初に、クラリネットとチェロが活躍する曲をやった後は、ずっとフルートメインの曲でした。いやあ、実にたっぷりとフルートを聞きました。お腹いっぱいです。

 午前中に聞いた、声楽コンサートでも感じたけれど、やっぱりTOKIAは良い会場です。フルートメインで聞くには、ふさわしい音楽会場です。マルキューブで凹んだ気持ちが、少しだけ軽くなりました。

 本当は最後まで聞きたかったのですが、次の予定もあるので、チャルダーシュを演奏している最中に、そこから離れなければならなかったのは、残念でした。
 
 
イーゴリ・チェチュエフ ピアノコンサート

 TOKIAを出て向かったのは、東京国際フォーラムの“ホールD7”です。はい、いわゆる“有料コンサート”って奴ですね。

 ラ・フォル・ジュルネは、ほとんどのコンサートが無料で楽しめる音楽祭なのですが、それでも有料コンサートのチケットを持っていないと、足を踏み入れることができないモノがいくつかあるので、最低でも、一日に一つは有料コンサートを見に行かないといけないのです。で、この日の 私の有料コンサートは、コレだったのです。

 本当は、このコンサート、ブリジット・エンゲラー氏のコンサートだったのです。私たちは、曲目なんて、どうでも良くて、単純にエンゲラー氏のピアノが聞きたかったのです。だって、エンゲラー氏のピアノって、すばらしく良いんですもの。

 ところが、エンゲラー氏が急病で倒れてしまったので、急遽、演奏者の変更があったというわけです。払い戻しも可能だったし、一時は払い戻しも考えたのですが「もしかすると、思わぬ拾い物に出会えるかもしれないし…」と思って、払い戻しをせずに、このコンサートを聞くことにしました。

チャイコフスキー:ドゥムカ
チャイコフスキー:「四季」より~3月「ひばりの歌」
チャイコフスキー:「四季」より~4月「松雪草」
チャイコフスキー:「四季」より~5月「白夜」
チャイコフスキー:「四季」より~10月「秋の歌」
チャイコフスキー:「四季」より~11月「トロイカで」

スクリャービン:エチュード
ラドフ:ミュージック・ボックス
プロコフィエフ:「束の間の幻影」より第2番

 しかし、ホールD7って、アクセスが悪いです。ホール自体は建物の7階にあります。まずはエレベーターで6階まで上がって、その6階をグルっと回って、そこから急な階段を歩いて登って7階に上がります。ホール自体も下から入って、上に登って座席を探す構造になっています。最近よくある、前から入場するタイプの映画館と同じ構造…って言うと分かりやすいかな? 実際、このホール、映画館みたいな構造をしてました。

 この前の、フルートのコンサートで立ち見だった私には、かなりコクな会場でした。腰がすでに限界近くになってましたので、階段がつらいつらい(涙)。6階から7階に歩いて上がるのが、本当に、つらかったです。階段の途中で帰りたくなりましたが『行くも地獄、帰るも地獄』ってわけで(おおげさでなく)悲鳴をあげながら階段を昇りました。幸い、妻と係の人ぐらいしかその場にいなかったのが、救いです。ようやく、7階にあがって、会場に入ったところで、またまた階段を登って、自分の座席を探すわけで…もう、目の前が真っ暗になりました。幸い、私の席は、前から4番目だった(それも通路側)のが、不幸中の幸いでした。

 元々、このコンサートは、エンゲラー氏がチャイコフスキーの「四季」を中心としたプログラムを立てていたので、代役のチェチュエフ氏も、それに準じる演目としたようです。

 それにしても、ホールD7って、吸音タイプの会場で、音の反響って奴が、気持ち良いくらい無かったです(笑)。

 で、肝心の演奏でしたが、周囲の見知らぬお客さんたちには好評でしたよ。むしろ、演奏者が変わって良かった…と言っているお客さんもいました。でも、私は、元々、エンゲラー氏の演奏が楽しみだったわけで、代役のチェチュエフ氏が、エンゲラー氏とは全く違ったタイプのピアニストさんだったので…ちょっとガッカリでした。

 チェチュエフ氏は、ピアノを“奏でる”と言うよりは“弾き飛ばす”って感じの方で、「四季」を中心としたプログラムでは、はっきり書いちゃいますが、面白くなかったです。むしろ、アンコールで弾いた、スクリャービン以降の曲の方が面白かったです。上手いピアニストさんだったと思うけれど、私の好みのタイプじゃなかったな。ま、仕方ないか…。拾い物としては拾うことができませんでした。

 それでも小一時間は座れたので、私の腰も少し休めたようで、帰りの階段は、大声を上げずに降りる事ができました。しかし、やっぱり、このホールはアクセスが悪く、ホールを出たところから、ずっと行列を作って待つんです。何を待つのかと言うと、エレベーターがやってくるのを待つんです。なにしろ、エレベーターしか移動手段がないんですから。200人以上も入るホールなのに、たいして大きくもないエレベーターしか移動手段がないって、どーゆーこと? 地震があったら、たとえ建物が崩れなくても、人々がパニックを起こして、大変な事になりそう。

 お客さんたちは、みな、早く移動したい(ラ・フォル・ジュルネでは、大抵の人がタイトなタイム・スケジュールで動いてます)のに、移動できないので、イライラしてます。すごく、場の雰囲気が悪かったですね…。

 アンコール曲を書いた紙が掲示されましたが、その紙を見に行くことはできませんでした。だって、ちょっとでも列から外れると、もう戻れない…そんな雰囲気でしたから。ちなみに、このコンサートのアンコール曲は、後日、インフォメーションで問い合わせて確認しました。

 やっとの思いで、ホールD7を出た私たちは、本日三回目のマスタークラスの整理券をもらいに行きました。今度は整理券をゲットできました。やったね。

 マスタークラスまで時間があったので、休憩をしましょうって事で、展示ホールに行きました。展示ホールでは、たまたま、ナマオケサロンというグループがコンサートをやっていました。で、予定外でしたが、その最後の曲を聞くことができました、ラッキー。
 
 
ナマオケサロン by 曽我大介

 ナマオケサロンは、私のマイミクさんのムコ殿さんも合唱で参加している団体です。アマチュアの方々でオーケストラと合唱団を作って、何か楽しい事をしようという趣旨の団体さんです。展示ホールでの演奏が告知された時は、見に行きたいと思ったのですが、すでに有料コンサートのチケットを購入済みだったので、時間のダブりもあって、あきらめていたのです。あれ、そう言えば、この団体、とっくの昔に終わっていないといけないのに、なぜまだやっているの?

 展示ホールでの演奏って、1団体20分というのが相場なのですが、なぜかこの団体だけ1時間の演奏時間をいただいているみたいなんです(驚)。なので、幸い、終わりの部分だけでしたが、その演奏を聞くことができたわけです。

 私たちが聞いたのは、チャイコフスキーの「大序曲1812年」です。これを、フルオーケストラと張出バンドと混声合唱のコラボ・バージョンで聞けたわけです。おぉ、すっごい楽しい演奏だあ。

 アマチュアの演奏って、大好きです。その熱意が素晴らしいでしょ。合唱団のロシア語が明らかなカタカナ発音なのは、ご愛嬌です。ホルンが音を引っくり返しちゃうのも、ご愛嬌です。オケの音の縦の線が、かなりの頻度で崩れてしまうのも、ご愛嬌です。いや、むしろ、この曲を、途中で空中分解せずに、最後まで演奏しきったところは、大拍手ですよ。

 いやあ~、良かったなあ。なんか、心が洗われた様な感じがしました。ホッとしました。上手い演奏なら、朝からたくさん聞きましたが、リラックスできる演奏は、これが始めてかもしれません。いやあ、よかったです、ナマオケサロン。来年は、ぜひ最初っから聞きたいです。

 で、少し休憩をして、展示ホールから出ようとした時、たまたまサイン会を終えた、トリオ・ヴァンダラーの面々が移動する中に混じってしまいました。緊張しちゃいました。だって、私、トリオ・ヴァンダラーのファンだもん。妻が「話しかけちゃえ~」って、けしかけてましたが、私、これでもチキンなハートの人なので、そんなの無理ですって。だいたい、ヴァンダラーの皆さん、お疲れのようだし…。それにしても、ミュージシャンの皆さんって、どなたも、すっごいオーラを出して歩いているんですねえ…。

 で、会場を一度出た私は、小腹が空いたので、おやつに、神戸屋でパンを食べました。そうです、今年から東京国際フォーラムに神戸屋さんが進出したんですよ。美味しいパン屋さんは、いくらあっても困りませんからね。おかげさまで、私は屋台村で食事をする事が無くなってしまいました。そりゃあ、屋台村でわけの分からないもの(世間では“エスニック料理”と言うそうです)を食べるよりも、神戸屋さんで美味しいパンを食べた方がいいじゃん(笑)。

 そうこうしているうちに、時間になったので、マスタークラスを見学するために移動を開始しました。

 続きはまた明日。

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