声楽のレッスンに行ってきました。今回はカップルレッスンの日でした。
部屋に入るなり「ザッフーン教室へようこそ!」と言われました(笑)ので、さっそく先生のザッフーン演奏を聴かせていただきました。かなり、いい感じです。さすがはキング先生、マルチ音楽家を名乗るだけあって、ザッフーンを始めて、さほどの時間がたっていないにも関わらず、かなりいい感じです。これで演奏のスタミナがつけば(最低1時間は吹き続けられないとコンサートは無理でしょうね)、日本初のプロザッフーン奏者も夢ではないです。すごいなあ…。
さて、ザッフーン演奏の流れで、そのままレッスン前にも関わらず、雑談へ突入しました。で、今年は別にシュトラウスイヤーというわけでもないのに、なぜあちらこちらで上演されるオペラの演目に、ヨハン・シュトラウス二世作曲の「こうもり」がやたらと目立つのでしょうか?という質問をキング先生にぶつけてみました。
いや、実際、なんか、今年は「こうもり」が多いような気がします。私たちもすでに「こうもり」は一本見てますし(記事はこちらね)、来月も見に行くし、夏になる前にも一回見に行くだろうし、もしかすると秋も見に行くかもしれないんですよ。別に私は「こうもり」フリークと言うわけでなく、なんかそういうチャンスがたまたま重なっているだけなんですが、それってつまり、それだけ「こうもり」の上演が多いって事じゃないかと思うのです。
キング先生がおっしゃるには、おそらく震災の影響で「こうもり」が多く上演されるのではないかって事なんです。
オペラの企画と言うのは、通常、公演日の半年から一年ぐらい前に行われるものなんだそうです。だから、これから行われるオペラ公演の大半は、震災直後ぐらいに企画されたものではないかって話なんです。震災の直後なら、やはり気分的に悲しいオペラは敬遠されるだろうし、人が死んでしまうオペラ(プッチーニなんて全部そう:笑)も遠慮されちゃうでしょう…。震災の影響も考慮すれば、大規模なオペラ上演はリスクがあるだろうし、派手で華々しいオペラもちょっと…ってなるでしょう。おまけに、実は2013年はヴェルディ・イヤーなので、2012年はヴェルディ作品の上演は、どこも控えるだろうし、そういう風に色々な条件を考え合わせてみた時に「こうもり」が消去法で残ってくるんじゃないかって事です。
なにしろ「こうもり」は喜劇だし、音楽は軽くて深刻さがないし、上演規模は小さくてもOKどころか、最悪、演奏会形式でもOKだし、ストーリーには罪がないし、人は死なないし、劇中劇の部分で、如何様にも上演できるし、ヴェルディとは全く毛色が違うし…って言われると「ああ、なるほど~、そうなんだ」って思います。つまり、今年「こうもり」の上演が多いのは、オペラ界のそんな事情があっての事で…興行って、ミズモノのナマモノですからね。なんか納得しちゃいました。
さて、レッスンです。
コンコーネの6~10番までの連続歌唱ですが、とりあえず歌ってみて、色々と注意されましたので、書いておきます。
まずは、歌い始める前のブレスの取り方を注意されました。私のブレスのやり方では、伴奏しづらいよ~って事なんです。
歌い始める直前のブレスと言うのは、指揮者の前振りと同じで、そのブレスで、曲のテンポが指示出来ないとダメなのに、私のブレスでは、どんなテンポで伴奏したら良いのかが分かりづらく、また伴奏を始めるタイミング的にも分かりづらい…という事なんです。
具体的に、私自身が歌い始める前にきちんと自分の中でリズムを感じて、そのリズムに乗って“一拍”の長さでブレスをして歌い始めれば、それが伴奏者には(文字通り)阿吽の呼吸となって、その曲のテンポが伝わり、また確実に、伴奏者と同時に演奏し始める事ができるので、そこをきちんと心がけるようにしましょうって事です。
ああ、フルートのレッスンでも、似たような事を言われていたような気がします(涙)。
確かに、今の私は自分のために、これから歌う曲のテンポや伴奏の流れやメロディーの歌い出しの音などを確認してから歌うようにしてますが、具体的にリズムをとって、そのリズムに乗ってブレスをする…という事はしてませんでした。と言うのも、自宅練習だと、やはりカラオケを使って練習する事が多いですが、カラオケ練習だと、こちらから合図する必要ってないじゃないですか? あくまでもカラオケ演奏に乗っかって歌うって事になりますが、実際の歌唱では、伴奏者にこちらの意図を伝えながら歌うわけですから、そういう呼吸の仕方も大切なわけです。今後はそのような事にも気をつけていきたいです。
私の発声は、最近はだいぶ落ちついて来たようで、まあ『ひとまずは良し』という感じらしいのですが、その分、発音の方が先生的には気になるようで、発声は変えずに発音をもっと深くするように言われました。特に“i”とか“e”の発音を深めにするように言われました。
歌い込みが足りないのはもちろんだけれど、楽譜の先読みが足りないと言われました。楽譜は常に『今歌っている箇所の二小節先』を見ているように言われました。先を見ていないので、色々な準備が不足したまま歌っているのが見えるんだそうです。
さて、ミュージカルの方の練習です。最初は「All I ask of you」です。
実は私、まだハモリの箇所がうまく歌えません。音取りが出来てないんですよ。いやあ~何度も練習しているのですが、どうしてもメロディを歌っちゃうんですね。どうも私は、体質的にメロディを歌いたがる傾向があるみたいで、何度やってもメロディを歌ってしまい、ハモリパートが歌えないんですよ。ああ、情けない。これに関しては、理屈ではなく、カラダにハモリパートを叩き込まないといけませんね。
それとこの曲のテノールパートは、ラウルという役が歌っているのですが、ラウルという人の性格上、絶対にテノールが前に出て、オラオラオラ~的に歌ってはいけないのだそうです。ラウルは控えめな人なので、常にクリスティーヌ(ソプラノ)をたてて、彼女に寄り添い、彼女を優しくつつみ込むように、一歩引いた感じで歌わないといけないので、終始、甘く優しい声で歌わないといけません。ボリューム的にも弱めの柔らかめで歌うんですよ。
ま、普段の私は「俺様の歌を聞いてみやがれ~」的な歌い方をする(って、テノールってそういうモンでしょ)ので、それは、この曲に関しては封印をした方がよいでしょうって事です。ううむ、そういうものなら、仕方ないです。自分をちょっと引っ込めて歌いましょう。
さて、今回のプログラムでは二重唱は二曲あるので、もう一曲の「The phantom of the opera」も歌ってみました。この曲はミュージカル全体の主題歌でもある曲で、当然、我々のプログラムでもトリを取る曲なわけで、今回のメインディッシュとなる曲です。とにかく、ソプラノがスゴく大変な曲です。なにしろ、全盛期のサラ・ブライトマンにアテガキされた曲ですから、ミュージカル・ナンバーと侮ってはいけない曲です。
歌ってみました。この曲は、楽譜上では全体的に低いので、慣例に従って、テノールは部分的に1オクターブ上げて歌ってみました。妻はサラのパートを歌うので、サラと同じ音域で歌ってみたのですが、それでは難しいので、テノール同様に、部分的に1オクターブ上げて歌ってみたらどうですか?と、先生から妻へアドヴァイスがありました。(つまり、サラ・ブライトマンって、それだけ使える音域が広い歌手だけど、アマチュア歌手である妻には“無理はしなくていいよ”って事です)
「The phantom of the opera」ってどんな曲?って人のために、今回もYouTUBE画像を貼っておきます。今回は…やはりオリジナル歌手であるサラがコンサートで歌っているものにしました。と言うのも、初演の時もそうだし、実は最近の映画版でもそうなんですが、それらで歌われているこの曲の歌詞が違う(ミュージカルでは現場現場で歌詞を変えるなんて日常茶飯なんですよ)ので、私たちが歌うバージョンと同じ歌詞のものは…と探してみたら、これになりました。ちなみに、ファントムを歌っているのは、ハリウッドスターでもあるアントニオ・バンデラスです。この人は、ロイドウェーバーの「エビータ」がマドンナ主演で映画化された時のテノール役を歌った人でもあります。実にかっこいいよなあ…。2004年版の「オペラ座の怪人」でも、歌に難がある、ジェラルド・バトラーではなく、この人がファントムをやった方がよかったんじゃないかって、私などは今でも思ってます。
先生がおっしゃるには、夫婦でデュエットするのは、実は難しいので、そこは気をつけるように言われました。どこが難しい?って話になりますが、夫婦とか恋人同士でデュエットをすると、ついつい日常生活が歌に反映してしまいがちで、その時に夫婦仲がラブラブならいいのですが、ちょっと機嫌が悪かったり、ケンカしていたりすると、それが歌に反映されてダメになってしまうので、日常生活と歌はきっちりと分けないといけないのだそうです。そのためにも、歌になったら互いを役名で呼び合うとか…それくらいの事をしないといけませんと言われました。まあ、残念な事に、我々夫婦は日常的に仲が良いので、歌がギスギスする事はないと思いますが、先生の言葉は、よくよく胆に命じておきたいとおもいます。
それと、現在、私たち夫婦は、カップルレッスンを月に2回、私のプライベートレッスンを月2回やってます。つまり、妻はカップルレッスンだけなのですが、3月からは、私のプライベートレッスンを月1回に減らし、その分を妻のプライベートレッスンに割り当てる事になりました。まあそうしないと、妻のソロ曲「Think of me」(この曲もなかなかの難曲です)をレッスンする時間がないから…という事です。まあ、そうかもね。
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