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音楽にはタメとかユラギとかが必要

 フルートのレッスンに行ってきました。

 ああ、確実に私は疲れている。今週は、本当にもう~ダメダメです。最初は例によって、姉様とのロングトーン練習だったのですが、なんか音が合いません。先生からも「今日は全然音痴じゃん」と言われました。ううむ、耳が疲れているのかな?

 実は今回は、いつも使っているヤマハのチューナーを忘れまして、iPhoneアプリの“iTuna”と言う無料アプリを使ってみたのですが…まあ、アプリのせいにはしたくないですが、このアプリは削除して、次からは別のチューナーアプリに代えてみようと思いました。

 さて、レッスンはミニヨン・エチュードの10番です。さっそく吹いてみました。

  
 …今週はたっぷり練習してきて、いい感じなんだよね。一発合格…いけるかな?

 ♪(出だしの)ソ~ラ~

 「ダメダメ、やりなおし。吹き過ぎです。そんな音はフルートの音じゃない!」

 …そうかそうか、オーバーブロー気味で、音量はあるけれど、汚い音になってたな。気をつけて、弱音でやさしく吹こう。それが美しいフルートの音色ってもんサ。

 ♪ ソ~ラ~

 「ダメ。今度は速すぎます。アンダンテなんだから、そんな速度で吹かないように…」

 …おお、確かにこの速度じゃ速すぎなあ。ゆっくりにしよう。

 ♪ ソ~ラ~

 「ダメ。なんでも吹けばいいってモンじゃないですよ。きちんフルートを吹く前に、自分がどんな音楽を演奏したいのか、心に描いてから吹き始めなさい」

 …う、確かにいきなり吹いてた。よし、ちゃんと音楽を想像してから吹き始めよう。

 ♪ ソ~ラ~

 「ダメ。あなたの演奏にはリズムが感じられない。この曲6/8なんだから、スウィング感を出して演奏してください」

 …ん? スウィング感? これクラシックじゃないのか? ジャズほどではないだろうけれど、ちょっと音楽を揺らせばいいのか?

 ♪ ソ~ラ~、シ~ラシラレ~

 「ダメダメ、三拍目が短いよ。そんなとこ、はしょらないで」と言いつつ、先生はピアノの上に置いてあったメトロノームを鳴らし出しました。「これに、合わせて!」

 …おぉ、ついにメトロノームが出てきたよ(涙)。

 ♪ ソ~ラ~、シ~ラシラレ~…

 …やっと、演奏させてもらえました。それにしても、メトロノームに合わせて演奏するなんて、手かせ足かせをつけて農作業をしているような気分だよ、窮屈でイヤだあ~。

 
 いやあ、今回は最初の一小節目でダメ出しが多かったです(涙)。

 とにかく、リズムが全体に甘いことと、譜読みを間違えているところがあったので、それを訂正してもらいました。ま、先生の前で初めて曲を披露する時は、だいたいこんなモンですが、それにしても、今回はつっかかった、つっかかった(汗)。

 「次回まで、八分音符120の速さ(これはかなり遅くて、アンダンテと言うよりもラルゴの速さです)で、ゆっくりとみっちりとメトロノーム(嫌!)を使って、正確なリズムで練習をしてきなさい」ラジャーです。

 さて、今回の雑談は、レッスンの流れでリズムの話になりました。

 「この曲は6/8なんだから、きちんとスウィングしないとダメだよ。イメージは振り子なんだよ」とおっしゃいました。「1.2.3.1.2.3…」と言いながら、先生は腕を振り子のように振ります。「こんなリズムで少しリズムをタメながら演奏するんだよ。あなたの演奏にはタメが足りないのね」

 「6/8って二拍子ですよね」

 「そうだけど、2/4とは違うよ」と言いながら、腕を左右に直線で振ります。「こういうきちっとした二拍子が2/4で、6/8にはタメがあるんだよ」

 「6/8は一拍の中が三つに分かれているから、2/4の一拍を三連符にすると同じになりますか?」

 「数学的には同じだけれど、音楽的には全然違う」とおっしゃって、腕を左右に直線で振りながら「1.2.3.1.2.3…」と言いました。「2/4の三連符だと、こんな感じになりますが、6/8はこんな感じ」と言いながら、今度は腕を振り子のように振ります。

 「では3/4はどうなりますか?」

 「3/4はワルツでズンチャッチャッだから…」と言いながら、今度は腕をグルグル廻し始めました。

 「音楽は数学じゃないからね。それぞれの拍子には固有のリズム感があって、それぞれにタメとかユラギとかあって、それが大切なんだよ。だから、単純にコンピューターで音楽をするとつまらないわけよ。コンピューターで音楽をやるプロは、入力する時に、しっかりタメとかユラギまでも考えながら入力するから、大変らしいよ」だそうです。

 ううむ、音楽は数学じゃない…深いですね。

 「でも、あなたの場合、まずはメトロノームに合わせて、カチッと出来る様にしてきてください。それが出来てから、タメやユラギのことを考えましょうね」

 はい、そうですね(汗)。でもでも、メトロノームは大嫌い。別に合わせられないわけじゃなくて、メトロノームが鳴っていると歌うように吹けないから、イヤなんだ。ああ、フルートで歌わせておくれよぉ~。…わがままですね。

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コメント

  1. いがぐり より:

    ハチロク難しいですよね(笑)私も苦手です。日本人にないリズムなんだもん(こういう言い訳は通じないか)
    とうとう「音楽とはなんぞや?そうだ!基礎から学ぼう」とテレマンのレッスンを開始してもらいました。
    こちらは冷暖房をきちんと管理してくれる方の先生です(笑)
    二人の先生に習っているとタイプが違うのでおもしろいです。
    先生的には気に障る方もいらっしゃるのでしょうが、どちらの先生も快くレッスンしてくれています。
    もともと、テレマン先生を紹介してくれたのが灼熱冷蔵庫レッスン先生なんです。

    あ、話がそれました(汗)
    12のファンタジーの2番です。
    気持ちよく吹いていたら「ロマン派かっ」とつっこみをもらい、メトロノームでまずはきっちりかっちりでした。拍子感も忘れずに。
    すとんさんと一緒(笑)
    2番の中にハチロクが出てきます。そこだけ、出来ない^^;
    先生に大笑いされました。

    どちらの先生も「まずは正確に演奏すること。」を仰います。
    自分を出すのはその後。
    正確に吹けた章は「どういうイメージか、音色や感情やいろんな想いを入れてみて」とのことで自由に吹いてみました。
    ところが、始めに気持ちよく吹いたのと違うんです!もちろん、気持ちいいんですよ。フリーだけど拍子感はすごくはっきりして驚きました!

    冷蔵庫先生の方はメトロに合わせる+極限のピアノで練習
    というのもあります。
    そうすると鬱積された感情がほとばしるというか、素直に「ああしたい。こうしたい」って想いが出てきます。
    私って表現がオーバーっていうか、下品なんです^^;
    そういう表現しかできないから、もっと繊細な表現方法も身につけないと!
    あ、また話がそれました。

    ハチロクは宿題です(*^m^)

  2. すとん より:

    いがぐりさん

     テレマンっちゃあ、深遠なるバロックですわな、古楽ですわな。私はどうもオペラファンという事もあって、人間がロマン派寄りみたいなので、なんかバロックのように、カッチリしたものが苦手のようで…放し飼いにしてくれると味が出るタイプのようです(言い訳)。

     もっともバロックは(楽譜上では)カッチリしておりますが、誰一人楽譜通りに演奏しないというファンキーの部分もあるみたいだし、通奏低音なんつう、現代のコード演奏のような概念もあって、やっぱ、一筋縄ではいかないようです。むしろ『バロックはロックの親戚じゃい!』などと、オヤジギャグをかましたくなります。実際は、ロックと言うよりもジャズの方に親和性が高いのでしょうが…。

     ハチロク…むずいです(涙)。メトロノームに合わせて演奏して、やれやれと思って、メトロノームを外すと、ついついマイペースな演奏に逆戻りしちまいます。

     まずはハチロクのリズムをカラダに入れるところから始める…んでしょうね。ま、習うより慣れろ、でしょう。ハチロクのリズムが自分のものになると、マイペースに演奏してもいい感じになるんでしょうね。ガンバロ。

    >私って表現がオーバーっていうか、下品なんです^^;

     私もよく言われます(汗)。

  3. 音羽 響 より:

    その気持ち、よく分かります。私もベートーヴェン大好き人間で、メトロノームが嫌いなところもありますが、これってだめなんですよね。拍子固有のリズムはまずしっかりとメトロノームで演奏できないと出せないと曲が崩壊してしまうことを、小学生にして知った時は、「音楽ってなんて嫌なやつだろう」と思いましたし、両親に高級メトロノームを誕生日に貰った時はいじめだと思いましたね(笑)
    それからかれこれ10年程経ちましたが、メトロノームとはお友達です。拍子の違いは中学の部活で先生の指揮を見て学び、頭で考えなくても体に染み付いるのですぐに出てくるようになりましたが、新しい曲をやる時はそれを打ち捨てて、まずはテンポでちゃんと曲が通るようになってからと決めています
    そのお陰で毎日手が死んでますけどね(笑)

  4. すとん より:

    音羽さん

     私、メトロノーム自体は嫌いじゃないんです。だいたい、ポピュラー音楽なんて、ビートを感じながら演奏するわけですから、あれってメトロノームと一緒に演奏するようなものなんです。いや、一歩踏み込んで言うなら、メトロノームは“簡易ビート発生マシーン”ではないかと思っている私なんです。

     だから、メトロノームに合わせてポピュラー音楽の練習するのは全然OKなんです。だけど、クラシック音楽のような非ビート系音楽をやるのに、ビート発生マシーンであるメトロノームに合わせて演奏するのは、イヤなんです。

     はい、屁理屈です。クラシックであれ、なんであれ、まずは規定されたリズムとテンポで演奏できないといけないし、そのための手助けとなるマシンがメトロノームなんですね。

     まずはテンポでちゃんと曲が通る事が大切…ですよね。それが出来ないのに、ビートやら、タメやら、ユラギやらを語っても「一昨日おいで」って事になります。まずは、テンポどおりの演奏するためには、メトロノームとお友達になる必要があるってわけです。

     「九九も出来ないのに、微積を語るな」 こんな感じが今の私なんだと思います。

     でも、やっぱり、メトロノームに合わせてガリボルディを演奏するのは…やっぱりイヤだなあ。ハチロクができないばかりに…ああ、不甲斐ない不甲斐ない。

  5. いがぐり より:

    バロックってジャズだと私も思います^^
    いろんなジャンルの音楽を聴いてビート感を掴んでいこうと思ってます♪
    最終目標はバッハのコンチェルトがばっちり出来ることです。

    フランスものやロシアもの、オペラを題材にしたものなら得意なんですが^^;

    そうそう!灼熱冷蔵庫レッスンから解放されました(笑)
    先生に暖房のことを言ってから何回かあったレッスン、すべて暖かかったです!
    よかったよかった!!!!!
    おかげで昨日のレッスンも絶好調!後は自分の技量不足だ!と納得のレッスンでした(笑)

  6. すとん より:

    いがぐりさん

    >バロックってジャズだと私も思います^^

     ああ、意見が一緒の人がいて、安心しました。バロックって指揮者不在で演奏される事も多く、通奏低音などもあって、基本的にビート音楽なんだろうなあと思います。あと、即興演奏が奨励されている点もジャズ的ですね。

    >灼熱冷蔵庫レッスンから解放されました(笑)

     おめでとうー! やっぱり先生は悪い人じゃなかったんですよ。きっと、いがぐりさんに言われて、色々と考えてくれたんだと思います。話せば通じる人…でよかったですね。とりあえず、音楽以外の室温などで気が散るのは、レッスンの本意ではないですからね。よかったよかった。

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