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滑落事故はシャレじゃ済まない

 フルートのレッスンに行ってきました。

 お教室に入ったら、先生がお一人で読書されていました。あれ?って感じですね。いつもなら、姉様のレッスンをしているか、お一人でフルートの練習をされているのに…。もっとも姉様は、少し遅れて、私の後からお教室に入られましたので、今回はいつもとレッスンの順番が入れ代わっただけでした。それにしても、先生がフルートを吹いていないと言うのも珍しいです。

 アレアレ…と思いながらも、まずは御挨拶から。

 「先生、前回はレッスンがお休みになりましたが、お元気になられましたか?」 私は先生が風邪でお休みと聞いていたので、気楽に話しかけたのですが、それにしては、先生のお姿が実に痛々しいわけで、よく見ると指や手には白いモノが巻かれていたりします…。不審に思っていたら「実は、山で滑落事故に遭いまして…」とおっしゃるじゃないですか! 滑落事故…つまり、山の斜面を転がり落ちたのだそうです。全身打撲の上、あちらこちらを縫ったそうで、腕や指も痛々しく負傷しているではないですか! 私は思わず「無事のご帰還、おめでとうございます」って言っちゃいましたよ。だって、滑落事故で命を落とす方って多いじゃないですか! 先生も「新聞に事故の事が載ってしまいました。普通なら即死です。本当に無事に帰って来れてよかったよ」っておっしゃってました。

 風邪でお休み…じゃないじゃん! もうちょっとで三途の川を渡るところだったんじゃん! ほんと~に、もう…。ほんとに、ほんとに、たとえ大怪我を負っても、命があってよかったですよ。

 でも、フルート奏者って自由業だからキビシイね。

 先生に「何日入院してらしたのですか?」と尋ねたところ「現地の医者には一週間入院してろと言われたけれど、一日で出てきたよ」なんだそうです。「なぜ、そんな無茶をしたのですか?」と尋ねたところ「本当はその二日後にコンサートがあって(でも出れなくなったわけ[当たり前]だから)その代わり(の出演者)を手配しないといけないので、その手配をするために帰って来たんだよ」なんだそうです。もちろん、そのコンサートだけでなく、おそらく、穴を開けられない仕事が他にもたくさんあったのでしょうね。それを痛むカラダで、あっちこっちに詫びながら、手配しないといけないなんて…。

 本当に、自由業ってキビシイですね。休めば即無収入だもんなあ…。給料の保証とか、有給休暇とか一切無いもんなあ…。私なら、職場に一発電話でもかけて「入院しました。一週間休みます」ってやっちゃうし、実際やったし、休んでいる間もきちんとお給料は出たし、見舞金はもらったし、入院医療費はぜんぶ保険でまかなったし(あの時はご迷惑かけました>関係者の皆々様)。

 ほんと、滑落事故はシャレじゃ済まないですよ。

 さて、レッスンです。まずは、アルテ15課2章の「D-durのロングトーン練習」から。今回はサラっと流してもらえました(笑)。

 で、自信満々で臨んだ第4番「D-durのスケールとアルペジオ」は…あれ? なぜかヘマばかりしました。特に中音レの左人指し指が上がらない事と、低中音ミの右小指が上がってしまう件は、どうにもなりませんでした。家できちんとできているつもりでも、先生の前でできなければ、いけません。不合格です。次回もまたこの課題です。

 第5番「D-durのクロマチック」はバッチグーでした。ふふふ、合格だよ。

 宿題が追加されました。h-mollの第6番、第7番、第8番「h-mollのスケールとアルペジオ」です。durとmollを同時に練習して、指がごっちゃにならないかしら?

 ミニヨン・エチュードの7番は、さすがにこの曲ばかり練習してきましたからね…大甘で合格をいただきました(汗)。実は例によってレとかミとかの運指がワヤクチャでした…。「曲が難しいからねえ…」という事で、そのあたりは目をつぶってもらっての合格です。ああ、すんなり合格できる実力が欲しいです。

 次のミニヨン・エチュードは8番です。いつもは先生がお手本を演奏してくださるのですが、今回は、先生がまだフルートが吹ける状態ではなかったので、遅れてお教室に入ってこられた、いつもの上手な姉様が先生の代わりに模範演奏を『初見』で吹いてくれました。…ってか先生に「ちょっと、この曲を初見で吹いてみてください」って言われてやむなく吹いてくれました(申し訳ない…)。

 「大昔に吹いたきりだから…」言ってましたが、なかなかお上手な演奏でしたが、先生にはケチョンケチョンのクソミソに言われてました。ちょっと姉様、かわいそう…。「初見演奏なんて、実力の三割ぐらいしか出せないのだから、その分、しっかりと丁寧に吹かないとね。強弱とか無視しちゃダメですよ」って言われてました。私は初見どころか、一月ほど練習したって、きっとこの曲吹けないよ(涙)。

 最後は、その姉様とロングトーン練習をしました。姉様、ロングトーンの時にしっかりビブラートをかけていて、またまた先生に叱られていました。先生、姉様にはキビシイからねえ…。もっとも、私はビブラートなどかけたくてもかけられないのですが…。

 それにしても、一年で二度もフルートの先生を代える羽目にならなくてよかったですよ、ほんと、よかった、よかった。

コメント

  1. Yテノール より:

    >本当に、自由業ってキビシイですね。休めば即無収入だもんなあ…。給料の保証とか、
    >有給休暇とか一切無いもんなあ…。

    そうなんですよ!
    私も声楽やリコーダーやフィガロ歌劇団の課題をさらっている時間、
    画業を中断しなければならないのでその分収入が減っていることになります。

    何か趣味をやるには、相当な覚悟がいるわけです。
    ハープだってザッフーンだってやってみたいけどこれ以上は無理ですね〜♪
    自然、人づきあいも悪くなるっていうものです〜笑

    あと、健康管理も半端じゃありませんよ。全部自己責任ですから〜♪
    体調崩したり病気になって制作できなければ、やはり収入がなくなってしまいますもんね。

    よく好きなこと仕事にできていいですねって言われますが、その代償は凄く大きいですよ。
    でも、どんな代償払ってもやっぱり絵を描いていたいのだからしかたがありません。
    まさに病膏肓に入るです〜♪

  2. すとん より:

    Yテノールさん

     そうそう、YテノールさんもH先生同様、個人自由業さんですよね。楽しいでしょうが、厳しい部分もおありでしょう。私のような給与所得者とは色々と違うことでしょう。

     我々は一定の時間なり、一定の量の仕事をこなせば、その日の業務は終了ですから、残った時間はオフタイムになります。ある意味、オンオフがはっきりしています。だからそのオフの時間に趣味三昧をしたり、遊んだりできるわけです。一方、自由業の人は働けば働いただけ収入につながるわけだし、休めば休むほど収入が減るわけで、オンオフがはっきりしていないと言うかと、常時オンになってしまうのでしょうね。常時オンの中に、小刻みにオフを入れていく…そんな感じかな? 決まった休日がないわけだし「休みが怖い」と言っている自由業の人も知ってます。

     自由業の場合、どうしても労働過剰になりがちですから、その仕事が本当に好きでないと、できませんが、我々給与所得者は「生活のために働く」という部分もあり、必ずしも仕事が好きとか、仕事に没頭している、という人ばかりではありません。それこそ“ビジネスライク”に働く人もたくさんいます。それ以前に、仕事に熱中して、仕事に入れあげたとしても、自由業と違って、その労働は収入には直接結びつかないのが給与所得者の特徴でもあります。

     働いたら働いただけ自分の収入になる自由業の方が正しいような気がしますが、給与所得者は、会社に守られ、生活に一定の保証が与えられ、定年までの先々の収入も保証されるわけで、そこはなかなか美味しいと思います。

     昔は、定年即年金生活でしたが、今は定年になっても、5年(次の法案では10年)後でなければ年金が出なくなりそうなので、定年即低賃金労働になります。うう~む、年を取ると、定年の無い自由業の方が、勝ち組っぽくなりますね。

  3. キングz より:

    あらあら、滑落とはとんだご災難でしたね^^;;;

    自由業の痛みは痛いほどよくわかります。
    演奏家は「その日」というのが決まっているので、
    代わりを探すのも本当に大変です。

    一本穴あければ次から呼ばれなくなることも多々ありますし、
    ある意味綱渡り人生ですねぇ。

    たまにそこそこ収入が増えてもすぐに減ったりしますし、
    安定して稼げる生活したいです(笑)

    そのためにも自宅レッスン増やしていきたいなぁw

  4. すとん より:

    キング先生

     ほんと、滑落事故はシャレになりません。自由業は、当たれば、ドカ~ンと大きそうですが、当てるのが難しいですし、当たりを維持するのも大変そうですね。でも結局、すべては才能の世界なんだと思います。ハイリスク・ハイリターンなわけで、ある意味「人生バクチ」なんじゃないですか?

     もっとも、不況が長引く事から、サラリーマンもバクチっぽくなってきました。こちらはミドルリスク・ローリターンっぽいですね。一日も早くの景気回復を願います。

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