先日、スズネの黒色が薄くなって灰色っぽくなった事を書きました(こちらの記事)。
今回の記事はある意味、その記事の続きなんですが、その灰色っぽくなったスズネですが、あっと言う間に、ほぼ銀色になりました。つまり、黒い色が体から抜けてしまいました。
全身が銀色になったのでは、もちろんありません。尾びれ、背びれ、腹びれ、胸びれなどは以前と変わらずに黒です。顔も顔本体は黒です。ただし、頭についている肉瘤は黒がだいぶ抜けて、かなり灰色になりました。なので、いわゆるボディ部分が銀色になったわけです。
ボディが銀色で、顔と手足(?)が黒いんですよ。まるで、パンダちゃん? え? 何かの奇病? もしかすると…ヤバイの?
飼い主として、ちょっと焦りました。だって、悪い病気ならイヤじゃない。だから、ネットを始め、色々と調べてみました。
そしたら、分かった事があります。スズネは青文魚(せいぶんぎょ)という種類の金魚なんですが、この青文魚は幼い時はみな青文魚なのですが、成長過程で個体差が生じ、時折、別の種類の金魚に変わるんだそうです。ってか、別の呼び名の金魚に変わっていくと言うのが正しいのかな?
それは「青文(せいぶん) -> 羽衣(はごろも) -> 白鳳(はくほう)」と変わるのだそうです(白鳳と書いて“パイフォン”と中国音で読む人たちもいます)。
もちろん、大半の青文魚は青文魚のままです(当たり前)。しかし、青文魚のうち、何割かの金魚が羽衣になり、羽衣になった金魚の何割かが白鳳になるそうなんです。
青文魚そのものが、日本ではそんなに流通していない(ってか、人気薄?)で珍しいのですが、そこから派生する羽衣は、なかなか珍しい金魚って事になります。そして、羽衣から派生する白鳳に関しては、かなりの希少価値のある高級魚って事になるそうです。
青文魚と言うのは全身がスキマなく黒い金魚です(体色の“黒”を“青”と表現しているので、青文っていう名称になっているわけです)。以前飼っていたカスミは、確かに全身がほぼ黒でしたから、この子は間違いなく青文魚だったと思います。
対して、羽衣というのは、いわば“サラサ青文魚”で、お腹の周りだけ白くなって、他は普通の青文と一緒というパターンの金魚で、つまり“シロクロ金魚”の事です。
一方、白鳳は、最初は黒々とした青文魚なのですが、年を経るにつれ、カラダから色素が抜けてゆき、やがて全身が脱色されてしまう金魚で、馬で言うところの“芦毛”のような存在です(馬の世界の“白馬”と言うのは芦毛の完成形です。これらは、子馬の頃は、黒かった体色が、青年期には灰色[この段階を芦毛と言います]になり、やがて大人になって真っ白になるわけです)。
で、スズネですが、名前(スズネ=錫音)から分かるとおり、最初から真っ黒というわけではありませんでした。黒は黒なんだけれど、鉄の黒サビ色(灰色の濃い奴)でしたし、お腹は実は最初から銀色でした。妻はよくスズネの銀色のお腹を見て「黒い金魚なのに、ここだけ銀色で気持ち悪い」と言ってましたもの(飼い主に気持ち悪いと言われる金魚って、どんなもん?)。
不勉強で知らなかったのですが、スズネは青文魚として売られていましたが、実はすでに青文魚ではなく、我が家に来た当初から羽衣だったのです。そういう意味では、金魚屋は、高く売れる金魚をそれなりの値段で売っちゃって、商売的にはヘタこいたわけです。もっとも、買っちゃった私も、羽衣の存在を知らない…その程度の素人だったので、どっちもどっちってわけですけれど(笑)。
青文魚から羽衣に体色が変化した金魚の多くは、そのまま羽衣で定着するのだそうです。実際、スズネがどの段階で青文魚から羽衣に変化したのかは、私には分かりませんが、我が家に来て、約一年たちますが、この一年間はほぼ羽衣状態でした。
それがこの一カ月足らずの間で、あれよあれよと体色が褪色しはじめてました。おそらく、今、羽衣から白鳳に変化している最中なんだと思います。
白鳳と言うのは、青文の体色の色素がなくなって、ほぼ全身が色抜けしてしまった金魚の事を言うのだそうです。通常は“白い金魚”扱いですが、実際はウロコの部分は銀色、そうでない部分はベージュっぽい色になります。なので、最初から真っ白な金魚は白鳳ではないそうです。あくまでも、黒い金魚である青文魚が脱色して白くなった金魚が、白鳳なんだそうです。
ってわけで、現在、スズネのボディ部分の白鳳化はほぼ終了し、肉瘤もかなり白鳳化しています。あとは、ヒレと顔の色素が抜けてしまうと、完全な白鳳になってしまいます。
いいのか? それで!
スズネは、ヒレがどれもこれも長いし、最近は肉瘤も隆々としてきて、今やブニョ並の見事なものになってきました。その上、白鳳に変化してしまうと…なんか、ものすごい高級魚に成長しちまうよ、こいつ。そんな超高級魚がウチの水槽にいて、いいのか?
もっとも、完璧な白鳳化には、それなりの時間が必要なようです。つまり、スズネが完全な白鳳になるのは、まだまだ先です。
しかし、スズネの白鳳化の前に立ちふさがるのが、今年の猛暑です。夏は金魚には鬼門なんだよね。特に暑い夏は、金魚がドンドンお星さまになってしまうのだよぉ。スズネの白鳳化の前に、この子たちをどうやって無事に夏を乗り切らせるか…そっちの方が大問題です。
ま、それはともかく、今、我が家の水槽で、すごい事が起こっているようなんです。
…スズネが白鳳になったら、好事家の方に売り飛ばしちゃおうかな?(ないない)。
コメント
白鳳ってこんな感じですか?
堂々としてますね!
http://youtu.be/OkHhqviS5gc
>おぷーさん
ウチのスズネは白鳳化の途中なので、このビデオほど美しくはありませんが、頭部の肉瘤の感じなどは、こんな感じです。きっちり白鳳化が進むと、こんな感じになるのではないかしら?
私も色々な金魚を見てきましたが、こんな金魚、リアルでは見たことないですよ。確かに、とても珍しい種類の金魚だと思います。こんな金魚を飼っていたら、金魚のヲタクさんたちに羨ましがられるでしょうね。
私は、金魚は元気でかわいければ、それでいいと思っている普通の金魚好きのオッチャンであって、別に金魚ヲタクではないので、そんなすごく珍しい白鳳が思わず手に入って、うれしい反面、戸惑っています。
すとんさま
金魚って言ってもいろんな種類がいるんですね(驚
子供のころ、お祭りで金魚すくい(今思うと鯉?)やっておうちの池で飼っていました。
なつくと餌の時寄ってきて愛想ふりまきますよね♪
偶然ですが、ワタクシの今日のblogはお馬さんです。
すとんさまが書かれている『葦毛』についても書いております。
普通の方は『葦毛』を「白馬」と思われますが、正確には「白馬」は『白毛』だと思います。
まあ、ふつうにみたら成長した『葦毛』は白いので間違いとも言えませんが。
なにはともあれ、共通の話題があると面白いですよね!
>夢見るお姫様さん
そうでしたね、白毛というお馬さんがいましたね。失念していました。ご指摘感謝。
でも、私、リアルに白毛の馬って見たことないんですよ。私が見てきた(と言っても、大した数じゃないですが)白馬は皆、芦毛でした。普通に神社にいる御神馬って、ほとんどが芦毛でしょ。乗馬の白馬もほとんど芦毛じゃないかな?
白毛ってのは、アルビノだからカラダが弱くてダメだ~って(厩務員さんだったかな~、それとも牧童さんだったかな~?が)言ってたのを思い出しました。でもウィキ見たら、白毛とアルビノは別って書いてありますね。ううむ、私のお馬に関する知識なんて、そんなもんなんだな。
ちなみに、私の中の白馬のイメージって、種牡馬になってからのオグリキャップかな? 私はマヤノトップガンと言うお馬さんが大好きで、現役時代は競馬場で、引退後は牧場に見に行ってたのですが、そのトップガンとオグリキャップって、牧場ではよく隣同士の馬場に放たれていたので、トップガンを見に行くと、ついでに(笑)オグリも見たものです。現役時代のオグリは汚い灰色でしたが、種牡馬になってから、きれいな白馬になってましたよ。…気がとても荒そうでしたが(笑)。
ちなみに、金魚と鯉の見分け方は簡単ですよ。クチヒゲがあるのが鯉で、無いのが金魚です。お祭りにいる金魚の大半は、和金(わきん)。それも素赤和金(すあかわきん)と言われる種類の金魚で、金魚界の最下層(?)にいる子たちです。金魚すくいですくわれたり、肉食系熱帯魚のエサとして売られていたり…という扱いの子たちです。カラダが赤い以外は、ほぼフナと言ってもいい子たちです。お姫様に池で飼われていたなんて、素赤和金としては、シンデレラストーリーというか、玉の輿にのったわけですね。
お詳しい方に失礼申し上げました^^;
でもワタクシも『白毛』は見たことないですよ。 ふつう『葦毛』ですよね。
オグリちゃんは引退後の方が綺麗だったというお話は伺ったことがあります。
ワタクシのお知り合いに、競馬場で調教師をされていたおじいちゃまがいらっしゃいます。つてを使ってなんとか競馬場に潜り込みたいと画策いたしております(笑)
ええぇっ!! エサになちゃうんですかぁ???
し、しらなかった・・・。 もっと金魚すくいしとくんだった・・・(涙)
でも池が小さかったので、あんまり飼えなかったんでよ。 けっこう大きくなるでしょ?
おじいちゃんがかわいそうだって。
そういえば、池をつぶしたとき(家を売ったので)金魚たち、どうしたんだっけ?
記憶がありません・・・。 強制的に成仏してもらったのかなぁ。
音楽にお馬さんにペットまで、共通点が多そうですね!
これから楽しみです♪
>夢見るお姫様さん
私はちっとも詳しくないですよ。ただ、共同馬主をやっていたので、色々な情報が自然と私のところに集まってきただけの話です。なので、ここ数年の事は全く存じあげていません。
でも、今でも馬は大好きです。だって、馬って、美しい生き物でしょ。あの姿を見ているだけで私はホレボレとします。その上、彼らに乗る事だってできるんですよ。もう、たまんないですよ。
池をつぶすと、中の生き物たちは強制的に成仏でしょうね。私にも苦い経験があります。
以前、私はビオトープという池を作った事があります。そのビオトープは大成功で、メダカが何百匹、カエルも百匹前後、ヤゴやタニシなんかは数えきれないほどいて、水鳥たちが休憩に来るは、トンボはその周辺を飛び回っているような…そんな池でしたが、色々な事情があって、つぶしちゃいました。残念でしたねえ。
何だかんだ言って、水生小動物大好きな私でした。
すとんさま
しつこくコメントいたします(笑
ビオトープ! これまたすごいですね!
個人宅ではなかなかできないものですよ!!
もしかして、お金持ち? (スリスリしちゃお♪)
ところで、すとんさまは教職におつきだったんでしたっけ?
以前記事で見たような気がして、そこそこ見返したのですが、ヒットしませんでした。
ワタクシもメダカ好きですよ♪ 飼ってたし。 野鳥大好きだし。
カエルは昔苦手でしたが、最近かわいいやんって思います。
田舎に住んでいた時は身の回りに、川があり山がありたんぼありで、今思うと贅沢なんですが、いろんな小さな生き物がすぐそばにいました。川にも入ることができたし、そこで観察会やメダカ取って帰って繁殖させたり・・・。楽しかったです。
こういう経験していない人って、きっと音楽にも影響があるんじゃないでしょうか?
もしかして、理科の先生?
>夢見るお姫様さん
私は以前、小学校のセンセをしていた事があって(今はしがない研究所勤めです)、その時にビオトープを作りました。お察しの通り、当時は理科の教師をやっておりました。教材研究と言うよりも、自分自身の勉強のために、ビオトープも作ったし、田んぼで稲作もやったし、畑で各種野菜を育ててみたり、炭も作ってみました。『授業で教える範囲の事しか勉強しない教師は、底の浅い授業しかできない』と信じておりますので、実に色々な事を、勝手に(笑)勉強しておりました。
なので、お金持ちじゃあありませんよ。それにお金に困る生活は、それこそ困りますが(笑)、お金持ちの生活も色々と大変そうなので、私は自分の身の丈に合った、今の生活レベルで幸せなんです。
そう言えば、今日はやたらとホトトギスのサエズリを聞きました。ツバメが巣作りに励んでいました。なんか季節がズレている?ような気がします。
すとんさま
当たった♪ なんとなく理科のセンセっぽい♪
ワタクシの高校時代の理科(生物)のセンセになんとなく似た感じがします。
ホトトギスって、もう繁殖終わるころですよね?
ツバメもそうですよね?
あれかなぁ、ダーウィンフィンチみたく、気候が良いと何回も繁殖するとか。
最近、『フィンチの嘴』寝る前に読んでいます。
>夢見るお姫様さん
でも、私が理科のセンセをやっていたのは、たった6年間だけだよ(笑)。でも、その6年で、実に色々な勉強をしたなあ…って思います。小学校の理科って、理屈や理論じゃなくて、体験体感が中心となる、感じて学ぶ、生活の延長にある科目ですからね。そういう意味では、いわゆる“理科系”とはちょっと違うんだよね。
ホトトギスもツバメも変なんですよ。きっと、もっと色々と観察してみると、他にも変なことがたくさんあるんだろうと思います。今年は、色々と自然界に異変が起こっている…ような気がします。