連休の中日は、東銀座の東劇に出かけて、久しぶりにシネマ歌舞伎を見てきました。演目は「源氏物語 六条御息所の巻」でした。
スタッフ&キャストを書いてみます。
脚本:竹柴潤一
監修:坂東玉三郎
演出:今井豊茂六条御息所:坂東玉三郎
光源氏:市川染五郎
葵の上:中村時蔵
左大臣家の女房衛門:中村歌女之丞
比叡山の座主:中村亀鶴
左大臣:坂東彌十郎
北の方:中村萬壽
つまりこれは…玉三郎を見る歌舞伎です。昨年の上演ですから、当時の玉三郎は74歳ですが…とてもそんな年齢には見えないくらいに、美しくてしっかりしていました。ほんと、すげー役者さんです。さすがに“リアル国宝”です。
お話は、源氏物語の葵の巻ですが、悩める御息所の心情を歌舞伎にした話で、いわゆる車争いのシーンもなければ、葵の上を取り殺すシーンもありませんが、別にそれで不足を感じるわけでもありません。これはこれでよく出来たお話だと思いました。
新作歌舞伎ですから、セリフも分かりやすいですし、御息所と光源氏の連れ舞も見どころです。
そして何よりも驚いたのは、衣装が平安朝っぽくって、音楽も平安朝っぽい(つまり雅楽っぽい)ことでした。だって歌舞伎って、どんな話でも、衣装は江戸時代にしちゃうし、時代設定は室町時代にしちゃうモノでしょ? だから、歌舞伎で源氏物語をやるなら、当然、偐紫田舎源氏みたいな源氏物語になってしまうと思っていたら、割とストレートに平安朝なんで、私はビックリしちゃいました。
そして、そこに不思議な違和感を感じました。もちろん、これは良い方向の違和感なんだけれど、歌舞伎の舞台に、三味線と太鼓ではなく、お琴と笛の音楽って…合わねーの、ほんと、合わねー。でも、それが面白かったです。女形のカツラも、いわゆる日本髪ではなく垂髪なのも、面白い違和感があります。さらに、歌舞伎に付き物の見えも切らないし、所作もいつもと全然違うのです。なんか、歌舞伎じゃないみたい。ストレートな時代劇、いやいや歴史劇を見ているようでした。
いやあ、これ、ほんと面白かったです。
本編の歌舞伎も面白かったですが、お芝居の前にあった、玉三郎による源氏物語の解説も、これまた面白かったです。このシネマ歌舞伎は、私的にも、オススメです。
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