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劇団四季の「サウンド・オブ・ミュージック」を見てきました

 実は、話は昨年末の事になりますが、劇団四季の秋劇場で「サウンド・オブ・ミュージック」を見てきました。秋劇場に行ったのは初めてだったんですが、いやあ、春劇場と瓜二つでびっくり(笑)しました。

 しかし、劇団四季も大きくなりましたねえ…。今では首都圏だけでも、春劇場(「ライオンキング」上演中)、夏劇場(「美女と野獣」上演中)、秋劇場(「サウンド・オブ・ミュージック」上演中)、海劇場(「マンマ・ミーア」上演中)、横浜(「キャッツ」上演中)、自由(「コンタクト」上演予定)と、六つも専用劇場を持っていて、なおかつ日本中に専用あるいはそれに準じる劇場を多数持っているんだから、ビックリものですね。

 首都圏に住んでいる人なら、ミュージカルが見たくなったら、いつでも、手近な四季の劇場にフラっと行けば、見れるわけですよ(良い席はまず無いけれど、ぜいたく言わなきゃ、当日券はたいていある)。

 日本にミュージカル文化が根付いたのだとしたら、それはある意味、劇団四季および浅利慶太氏の尽力のおかげでしょうね。すごいね、うん、すごいわ。

 それはさておき「サウンド・オブ・ミュージック」です。私が見てきたのは、ロイド・ウェーバー版の「サウンド・オブ・ミュージック」だそうですが、どこがロイド・ウェーバーなのか、よく分かりませんでした。オケピを見たところ、生楽器がほとんどなく、大半がシンセサイザーだったので、このあたりがロイド・ウェーバーっぽいところだったのかしら?

 あの、ジュリー・アンドリュース主演の映画そのままに、いや、それよりももっと感動深いミュージカルでした。ファミリー向けミュージカルと思って、あなどっていたらイカンよ。

 役者は無名な人で揃え、ダンスシーンはほとんどなく、ストーリーは誰もが知っていて目新しいことはなく、演出も実にオーソドックスで奇をてらったところはなく…でも、すごく良かったんですよ。私はとても感激しました。そう、映画の10倍(当社比)くらい感動したかな。

 どこが良かったのかというと、音楽です。まずは当たり前ですが、捨て曲無しのすべてが名曲で構成されているミュージカルであること。そして、それを歌う歌手たちが、皆、半端なく上手であった事。名曲を実力のある歌手たちが歌えば、もうそれだけで感動ですよ。さすがです「劇団四季にハズレ無し」ですよ。

 修道院の尼さんたちの歌がすごい。精緻なコーラスなのに、すごくパワフルで、あの女声コーラスだけでも鳥肌モノです。それに加え、子役たちの歌が上手いこと、合唱が素晴らしいこと。彼らはみな絶対音感を持っているのでしょうね。アカペラでもグイグイ歌っていきます。途中でオーケストラが加わっても、全然ピッチが崩れません。すごいわあ~、子役と言えども立派なプロ歌手ですよ。もちろん、主役の二人の声の魅力的なこと…。感動しないわけがないですね。

 それに、セットは立派だし、衣装も豊富でした。特にマリアはすごい早変わりで着替えているんだと思います。ちょっと袖に引っ込んだかなって思うと、すぐ次のシーンでは別の衣装を着て出てくるんだもの。あれはお見事です。

 劇団四季のミュージカルは、いつも文句のつけようが無いのが、たまにキズです。私も辛口批評したいのですが、ほんと、キズがない上演なんですよ。…あ、一つ文句があった(笑)。場内で売っている、フルーツケーキ、一切れ200円は、かなりお高いと思います(笑)。もっとも、そのすぐそばで、コンビニ弁当食べている親子連れとかもいたので、自分でおやつを用意すれば無問題なんだけれどね。

 「サウンド・オブ・ミュージック」はミュージカルとしては、すでに古典だと思います。ですから、その作品としての作りも、昨今のものよりも、ずっとオペラチックです。物語は基本的に歌で進行していきますし、役者もまず歌手である事が求められています。なので、私のような“歌人間”には楽しいミュージカルです。…だって最近のミュージカルは、音楽がつまらないものが多いんだもん、ダンスや芝居が凝っていても、音楽や歌が魅力的でないと…ねえ。

 というわけで、劇団四季の「サウンド・オブ・ミュージック」、私は手放しで絶賛ですよ。これはすごいですよ。…しかし、この公演は毎日やっているわけだけれど、子役たちは、いつ学校に行っているんでしょうね? 他人事ながら、とっても心配です。

 って言うのも、実は、このミュージカルのオーディションのお誘いは、ウチの息子君のところにも来たのだけれど、練習やら本番やら(&送迎)のスケジュールをよく見てみると、ほとんど学校に行けなくなっちゃうんだよね。「学校に行けなくなるならミュージカルは無し」ってのが、息子君本人の考えなので、まあ、その話は断った(親としては、ちょっとモッタイない…って思ったんだけれどね)わけだけれど……。そんなわけで、あの子たちは、たぶん学校にあんまり行ってないんだよねえ…。ああ、心配。

 そうそう「ドレミの歌」は、我々もよく知っている、ペギー葉山の歌詞で歌ってました。「ドはドーナツのド~」って奴ね。やっぱり、この歌はこの歌詞でないとね。

 帰りは銀座に寄って「椿姫」のヴォーカルスコア(4300円でした、破格に安かった)と、「リッチのカデンツァ集」(たった40ページなのに3150円でした:涙)と、ムラマツの「40フルート小品集」と、「スーパーオペラレッスン」のテキストを買ってきました。へへへ、大人買いだよ。

 「40フルート小品集」を見ると、12番の「ロマンス」という曲は、私が今練習している「人知れぬ涙」のフルートアレンジ版でした。だいたい、似たような感じなんだけれど、仔細に見ると、結構メロディが簡略化されている…。…いいなあ、多少でも、楽譜は白い方が、音符の数が少ない方が、うれしいよね(涙)。おまけに高音がだいぶ削除されているし(あの難しい)カデンツァを含んだ、最後の最後の盛り上がり部分は、バッサリとカットされている…。たしかにこの楽譜だと、最後のカタルシスはないし、盛り上がりに欠けるだろうけれど、演奏するのは楽だよね。歌の楽譜もこれくらい簡単なら、楽勝なんだけれど、オリジナルのアリアは、もう少し手強いのよ…。「このフルート版の譜面で歌います!」と言ったら、叱られるだろうなあ…。

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コメント

  1. おぷー より:

    私も、観てみたい舞台です。
    女子高時代に、合唱部でこのミュージカルをしました。
    背が高くて、アルト声の私は、「トラップ大佐」でした。
    父親の背広を借りて、頑張って演じた覚えがあります。[E:notes]

  2. Cecilia より:

    うらやましいです。
    数年前、東京の四季劇場(汐留)に「オペラ座の怪人」を観にいきましたが、それ以来四季の公演を観ていません。日本のオペラもかなりレヴェルが高くなっていると思うのですが、四季や宝塚に遅れをとっているのではないのかと思うことが多いです。安心して観ることができますよね。
    子役さんたちは公演ごとに違うわけではないのですか?学校はどうしているのでしょうね。練習も含めるととんでもないことになるし、もちろん練習なしというわけにはいきませんものね。
    うちの地元のホールには子供向けの企画で年に一回四季が出張公演に来るのですが、観たいミュージカルというわけではないので行ったことがないです。(もちろん余裕があれば観にいきたいですけれど。)

  3. すとん より:

    >おぷーさん

     トラップ大佐? あ、女子高か…、びっくりした(汗)。しかし、合唱部でミュージカルですか? 全然、合唱じゃないのが、素晴らしいです。そういう経験って、なかなかできないものね。うらやましいです。

     今の日本は、ミュージカルがブーム…とは全然言えないけれど、こんな感じで徐々に広まっているわけなので、学校でも“ミュージカル部”みたいなのができるとおもしろいだろうなあって思います。日本では、もう多くの学校から合唱部が無くなってしまいました。たくさんあった学校関係の合唱祭も数が減り、残ったものも、部活ではなく、学年とかクラスの単位で応募してくるところも増えてきました。たぶん、合唱という音楽形態が今の日本の若者の心から離れてしまったのだと思います。だったら、ミュージカル?って思わないでもないですよ。

     なんとか、学校に子どもたちの歌声を戻したいものです。

  4. すとん より:

    >Ceciliaさん

     日本における、オペラとミュージカルでは、興行と言った面では、まるで比較になりません。まるで赤ん坊と大人ぐらいの差があります。オペラは、エンタメであるミュージカルとは違って、古典芸能ですからね。伝統文化って奴がない所には、なかなか根付かないのだろうと思います。でも、オペラ関係者にも頑張ってほしいなあって思います。

     さて、子役たちの話ですが、いくつかチームがあるんですよ。ですから、本番は週に数回しかないのですが、お稽古の方が結構ちゃんとあるようです。練習場と舞台と学校が近接していれば、多少は違うのでしょうが、練習場は横浜で、舞台は東京だし、我が家などは学校が湘南ですから、こりゃあ、かなりキビシイわけです。学校ですか? もちろん、出席を取って、ちょっとだけ授業を受けたら、すぐ早退ですよ(笑)。それが連日になるので、学校大好きな息子君は悩んじゃったわけなんですよ。

  5. momiji より:

    すとんさん、こんばんは。
    まぁ、、ムラマツの「40フルート小品集」、購入されたんですね。
    「ヴォカリーズ」も載っていますよね。(キラリン(~o~))

    「サウンドオブミュージック」、数日前にTVで映画をやっていましたね。
    途中から見ましたが、あの偏屈な(?)お父さんが、最初に「エーデルワイス」を歌う所で私は涙ぐんでしまうんですよ。
    劇団四季は映画よりもっと良かったとのこと。
    実は私、劇団四季の舞台、未体験…。
    確かに、今はすぐにでも見られる環境が整ってますよね。
    一度、見に行こうかな。

    ところで、すとんさんのブログを勝手にリンクさせていただいちゃいました。
    事後報告でごめんなさい。

  6. すとん より:

    >momojiさん

     リンクの件は了解。別に気にしないでください(笑)。相互リンクしましょうか?

     さて「40フルート小品集」は、実は「ヴォカリーズ」目当てで買いました。と言うか、本当は別の楽譜集で考えていたのですが、ちょっとそっちは色々と難を感じたので、ムラマツにしました。

     「ヴォカリーズ」は以前からちょっと気になっていた曲の一つなんです。なので、譜面も見たことなかったもんで、この際…と思ったわけです。で、さっそく吹いてみたら…音を並べるだけなら、初見でできました(驚)。リズムも運指も何も難しいものはないですね。まあ、問題はそこから聞かせられる音楽にできるか、それと暗譜できるか(ここが私にとっては大問題)ですね。この二つができなきゃ、レパートリーにはなりませんから(涙)。

     ま、今の私には、ちょうど良い難易度の曲かもしれません。欠点は…長い事かな? カット無しで演奏すると10分近くかかりますね(笑)。リピートを全部辞めても4分くらいかかる。長いね(爆)。人前で演奏するには長すぎますわ。

     「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台はいいですよ。色々なハードルが低いミュージカルなので、あまり舞台のミュージカルに慣れていない人でも、きっと楽しめると思いますよ。チャンスがあったら、ぜひ!(って、別に四季の関係者ではありません:笑)。

  7. YOSHIE より:

    こんにちわ。お正月にテレビで映画(デジタル・リマスター版)をやってましたね。
    クリストファー・プラマーさんって、とても素敵ですが(wikiを見ていたら、最初はピアニスト志望だったんですね!)今、80才現役で、お元気なんで…。
    長生きして欲しいです

    関係ないですが、オーケストラピットって…演奏するのどんな感じなんでしょうね。劇場にもよるんでしょうが、壁とかショボイようだし…。

    あと、これ…有名だと思うので、ご存知かもしれませんが、

    駅の広場で突然ドレミの歌ミュージカル

    Centraal Station Antwerpen gaat uit zijn dak!

    http://www.youtube.com/watch?v=0UE3CNu_rtY&sns=em
    (ご帰宅後にでも…)

  8. すとん より:

    >YOSHIEさん

     オーケストラピットですか? 私は入った事がないので、よく分かりませんが、大半の日本の劇場のオケピって狭いですよね。あの狭さがイヤですね。狭いオケピに大編成のオケを入れる時は、弦楽器の人たちは、弓を動かすスペースに苦労しているみたいです。

     地元の市民会館でプッチーニの「トゥーランドット」をやった時はオケピに楽器が入りきらず(この曲、すごい大編成のオケを使います)、打楽器がオケピから追い出されて、舞台の脇にいました(笑)。ちょっと滑稽でした。

     ビデオで見るような、海外の有名どころの歌劇場のオケピはそれなりに広いところが多いですね。メトなんかは、結構、ゆったりしているみたいです。

     オケピの壁…どうせ暗くなって見えないんだから、ショボくてもいいんじゃない?(笑)

     ビデオは後で楽しく拝見させていただきま~す。

     そうそう、クリストファー・プラマーさんって、トラップ大佐の人ですね。「カールじいさんの空飛ぶ家」で声優をやってますから、まだまだお元気なですね。80過ぎても現役なんて、すごいなあ。見習いたいものです。

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