休憩を入れることにした我々は、すぐそばの茶屋に入りました。時間もちょうどお昼だったので、休憩がてら昼食を取ることにしました。
私が頼んだのは「猪汁わさび丼セット」です。定食メニューで、猪汁(ししじる)とわさび丼と3種の小鉢が付いたメニューです。猪汁は「どうせ豚汁が出てくるんだろう」とタカを括っていたら、本当に猪の肉を使った汁が出てきて、ビックリでした。
猪は豚の近縁種ですから、肉はほぼ同じだろうと思っていたら、全然違いました。やはりジビエなのでしょうね。印象は豚肉と言うよりも、むしろ鹿肉です。少なくとも、家畜の肉ではありませんでした。味付けに使っている味噌も地元の味噌なので、食べた印象は豚汁とは全く違いました。これはまごうことなく猪汁でした。
わさび丼は、普通のご飯に鰹節がかかっていて、その真中にわずかなわさびが載っているだけの丼です。それに醤油をかけて食べるわけです。見た目はとても質素なもので「こんなモンにお金を払うのは馬鹿らしくないか」と思いましたが、食べてみたら、そんな気持ちは吹っ飛んでしまいました。これはやっぱりわさび丼なのです。
わさび丼だからと言って、ごはんにわさびが載っているだけでは、当然、辛いばかりで食べられません。ご飯を食べるには、おかずになるモノが必要です。でも、そのおかずに肉や野菜を使ったら、それがどんなに美味しくてもわさび丼にはなりません。肉丼とか野菜丼とかになってしまいます。なので、ただご飯とわさびを美味しく食べるためだけに鰹節がかかっているのです。わさびのパートナーが鰹節だから、わさびが主役になれるのです。
で、わさび丼に使われているわさびは、伊豆の本物のわさびです。少量しか丼に載ってませんが、それで十分なくらいに、キレッキレな辛さです。このツーンとくる辛いわさびを、鰹節ご飯(はっきり言っぢゃえばネコマンマ)で書き込む…これが案外に美味いんです。最初はみくびってしまいましたが、わさび丼は、なかなかにシュールで美味い丼飯でした。
猪汁にわさび丼、めったに食べられないジビエな日本料理でした、ごちそうさまでした。
注文した後、料理が出てくるまでの時間にお楽しみくださいと言って、この茶屋で作られた有平糖が出されました。この有平糖がとても美味しかったので、お土産に買ってしまいました。
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