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なぜ、自宅練習のように歌えない!(涙)[音源付き]

 声楽のレッスンに行ってきました。

 まずは発声練習から。今回は、子音の音程について注意を受けました。先生がおっしゃるには、子音にも、母音同様に、正しい音程をつけて歌うこと。私は子音の音程について、特に考えもせずに歌っているので、それではダメって事です。ちなみに、子音の音程に無頓着な人(たいていは子音の音程が低いのだそうです)は、イタリア語が下手に聞こえるそうです。ま、私の場合は子音の音程を抜きにしても、イタリア語は下手なので、せめて子音の音程くらいはちゃんとしないとダメっすね。

 高い音を出す時は、自分の足の指を見るつもりで歌うと、背中や頭の後ろのポジションが使いやすくなるので、そうした方がいいと言われました。気をつけているつもりだけれど、やっぱり、高い音の時は上を向きがちなんですね、私。

 さて、コンコーネです。8番で受けた注意は…声は顔の前で開かないで、頭の奥を開くように歌う(これは前述の足元を見て歌うことで、いくらかは解消できます)。高い音は、無理やり発声するのではなく、まずは軽く当てるところから始めよう。無理に歌おうとして、変な音程で歌うのはサイテー。声が裏返ってしまったとしても、正しい音程で歌った方がずっとマシなので、まだまだチャンと出せない音でも、とりあえず音程を当ててみる事から始めること。そのためにも、声のポジションは、常に高めキープを心掛けること。実は、ポジションを高めでキープするのが、私にとっては、一番難しい事だったりします(笑)。で。8番はこれで終了でした。

 さて、コンコーネ9番です。この曲は…難しいですね。とりあえず、テンポ&リズムをしっかりキープすること。Asも軽く当てて歌う事。この曲は持ち越しです。次回のレッスンは…コンコーネの9番と10番が宿題です。

 メインイベントでございます。

 「Sogno(夢)」は、本日仕上げ予定でしたので、細かいところまで勉強してきて、しっかり暗譜までして(自分なりに)万全に準備していたつもりでしたが…レッスンでは、全然歌えませんでした。ああ、悲しい。悲しすぎる。あまりのひどさに、歌いながら、ちょっとクラっと来ました。

 私は本来、人前では全然緊張しないタイプの人なんですが、最近のレッスンでは、緊張のような感覚を感じる事があります。いや、レッスンだけでなく、歌劇団の練習の時もそうなので、私もついに、人並みに“緊張”するようになったのでしょうか? とにかく「Sogno(夢)」も、自宅では割と楽に歌えているのですが、レッスンでは「Fまでは危なげもなく歌えているのに、Gが残念」と先生もおっしゃるほど、メタメタな出来になってしまいました。

 なので、本当は仕上げ予定のはずでしたが、ひたすらGの発声ばかりを練習しました。どんな練習かと言うと、頭の後ろを開けて、軽く当ててpで歌う練習です。練習でも、そんなに上手くできません。「pとGはまだだけど、他の部分はまあOKなので、この曲は“保留”にしましょう」と、フルートに続いて“保留”宣言が出ました。

 がっかりです。

 あんまり、がっかりしたので、その晩、自宅について、すぐに「Sogno(夢)」を歌って録音しました。私はレッスンの時に、こういうふうに歌いたかったんだよ~。で、今回は、その録音をアップします。

 悔しさでいっぱいで歌ってますので、細かいところまで神経が行き届いてない歌い方ですが、仕方ないです(ちょっと残念)。伴奏はいわゆるカラオケCDなので、歌と微妙に(ところどころ、はっきりと)合っていませんが、それはご愛嬌ということで…すいません。

 「Sogno(夢)」は“保留”なので、ひとまず終わりです。次回から、ヴェルディの「Il poveretto / 哀れな男」になります。私自身が「哀れな男」にならないように練習してきます。

 …今度の曲こそは、自宅で歌っているように、人前でも歌えると…いいなあ。

 さて、「Sogno(夢)」の歌詞と訳文を以下に乗せておきます。訳文は、当然、すとん訳でございます。こいつを見ながら、音源を聞いてやってくださいな。

【Sogno 夢】

Ho sognato che stavi a’ ginocchi,
私はあなたがひざまずいている夢を見た。

Come un santo che prega il Signor …
まるで神に祈りを捧げる聖人のように…

Mi guardavi nel fondo degli occhi,
あなたは私の瞳をじっと見つめ、

Sfavillava il tuo sguardo d’amor.
あなたの愛のまなざしは、きらめいていた。
 
 
Tu parlavi e la voce sommessa…
あなたはささやくように私に話しかけた

Mi chiedea dolcemente merce…
「どうか私に優しくお情けをください」と。

Solo un guardo che fosse promessa,Imploravi,
(あなたは私の)許しのまなざしだけを切に求めて、

curvato al mio pie.
私の足元で身をかがめていた。
 
 
Io taceva e coll’anima forte
私はおし黙り、そして(私の)強い魂は

Il desio tentatore lotto.
(あなたという)誘惑者が示す欲望と戦っていた。

Ho provato il martirio e la morte
苦難と死を感じていたが、

pur mi vinsi e ti dissi di no.
しかし私は(その誘惑に)打ち勝ち、あなたに「それは無理だ」と言った。
 
 
Ma il tuo labbro sfioro la mia faccia…
しかし、あなたのクチビルが私の顔にそっと触れた時、

E la forza del cor mi tradi.
私の心は(私の理性を)裏切り

Chiusi gli occhi,ti stesi le braccia…
私たちは目を閉じた。私はあなたに手を伸ばし…

Ma,sognavo…E il bel sogno svani.
…だが、それは夢だったのだ。そして私は、その美しい夢から覚めてしまったのだ

 音源はこちらです。

コメント

  1. おぷー より:

    家で出来てたのに、先生の前で出来なかった、と言うのは、私も経験ありです。
    まあ、あまり気にしないで、リラックスした方が良いですよ。
    ワインを一杯飲みましょう。

    歌を拝聴させて頂きましたよ。
    音楽の感じ方は良いなって思いました。
    言葉を繋げるのにもう一つ工夫されると良いかと思います。
    音無しでリズム読みをされると良いのじゃないでしょうか?
    母音で伸ばす音は、その次の子音を次の言葉の前ぎりぎりで
    発音すると繋がる感じになります。
    頑張って下さい!

  2. すとん より:

    >おぷーさん

     そうですね、リラックスが足りないんでしょうね。問題は、リラックスって奴が「リラックスが足りない~!」と自覚してしまうと、余計に足らなくなるという、ちょっと天の邪鬼な性質だってことでしょうね。なんとかして、そのあたりの折り合いって奴をつけられるようにしたいです。

     言葉は難しいですね。時に私は、イタリア語が話せるわけでもなければ、読み書きだってできるわけでなく、いわば一種の符牒として使っているだけなので、分かる人が聞けば「???」ってなるはずです。歌っている私自身が、確証を持てないまま歌っているわけですから。

     そこの所が、外国語で歌うことの難しさって奴だと思います。言葉は悪いですが、所詮はサルマネでしかないわけです。もっとも、サルマネなら、いっそ徹底的にマネしてみるというのも、一つの解決方法だと思います。つまり、練習が足りないってことになるのかな?

     リズム読みは今回は頑張ったのですが、

    >母音で伸ばす音は、その次の子音を次の言葉の前ぎりぎりで発音すると繋がる感じになります。

     そういう練習はしてませんでした。練習もやみくもにやればいいというものではなく、もう少し、頭を使ってやらないとダメですね。反省です。アドヴァイス、ありがとうございました。

  3. キングz より:

    おはようございます。

    早速家ではどんなのだろと録音を聞かせていただきましたが、
    技術的や発声的にはレッスンでお話するとして。

    これ伴奏が全音さがっていませんか?

    たしかBdurだったと思うのですが、この録音はAsdurに聞こえます^^;;

  4. すとん より:

    >キング先生

     え? このカラオケは全音低いですか? うわー、そりゃあ、確認してませんでした~。いやあ、そんな事、カケラも思わず、当然のごとく、原調(って、私の持っている全音の譜面どおりって意味です)だと思ってました。

     全音低かったら…そりゃあ、楽に歌えるはずですね…。ぬかってました(汗)。事前に気がついていれば、全音高く移調して練習しておいたのに…。言い訳をすると、自分でmidiから作るのが面倒で、アリアリの既製品を使ったのが、ある意味、失敗の原因ですね。やっぱり、カラオケも自分で作らないとダメだな。

     途端に、今、練習している、ヴェルディが心配になりました。カラオケの調性を確認しておかないと…。

     あ、もう一つ、言い訳をしておくと、ちゃんと音取りは、自分でキーボードを叩いて、フルート吹いてやってます。なのに、なぜ、カラオケが全音低い事に気がつかない!

  5. 婆猫 より:

    録音聞かせていただきました。
    いい声ですね!
    キング先生とのやり取り最高に楽しいです。
    すみませんが笑ってしまいました。
    私は高い声を出す筋力作りとして、胸の前で、胸の高さに上げた手を合掌
    し強く押し合いながら声を出します。又は指をまげ引きながら声を出します、
    結構背筋が付きますよ。
    キング先生にこれって正解か聞いてくださいね。
    独自の方法なので間違っている可能性もありです。

  6. すとん より:

    >婆猫さん

     声を誉めていただき感謝です。

     やはり、あの音源の歌唱は、キング先生のご指摘のとおり、はりAs-durでした(涙)。家で毎日As-durで練習していて、レッスンに行って、いきなりB-durで歌うなんて、ギリギリのところを練習しているのですから、そりゃあ歌えるはずないです。

     すごく基本的な確認を怠って、本当に間抜けな失敗をしてしまいました。でも、絶対音階の無い私のような人間にとって、調性を取り間違えるなんて、日常茶飯事でしょ(え? 違いますか?)。

     幸いにも?、B-durのカラオケも持ってましたので、今度は、こっちもちょっとチャレンジしてみるつもりです。もちろん、新しいいただいたヴェルディについても、練習用のカラオケの調性も確認したところ、こちらは楽譜と同じで安心しました。

     今にして思えば、As-durとB-durの両方のカラオケを比べて、歌いやすい方のカラオケを選択して練習していたのですが、そりゃあキーが低けりゃ、歌いやすいわな(笑涙)。

     不覚でした!

    >胸の前で、胸の高さに上げた手を合掌し強く押し合いながら声を出します。

     これは以前、グループレッスンを受けていた頃に、キング先生に教えてもらったような気がします。やっぱり、歌に必要なのは、腹筋背筋ですよね。私は、この手のインナーマッスルが弱いと常日頃から先生に指摘されています。自分的にはちょっとずつ鍛えているつもりなんですが、なかなか必要十分なだけの筋力が身に付かないみたいです。

     でも、諦めずに、ちょっとずつでも前に進んでいくつもりです。

  7. Cecilia より:

    聴かせていただきました。
    ひとつ思ったのはすとんさんならもっと王子様っぽい声が出るはずなのですが(以前の録音はそんな感じ。)低い調のせいかちょっと違う感じに聴こえます。(キング先生のコメントを拝見し、そうなのかと思ったのですが。)
    楽に歌える調だと声のテンションというか張りが変わりますよね。
    pで歌うのもなかなか難しく勉強になりますよね。
    密度の高いpで歌いたいのですが私もなかなかうまくできません。
    是非レッスンの調でアップしてください~。
    私も歌いたくなりましたが伴奏を録音するまでに時間がかかりそうです。
    (この曲やこの前の曲の伴奏は弾きやすいので良いのですが、譜めくりが面倒で・・・。)
    今度はヴェルディですか。
    実は私ヴェルディってやったことないです。

  8. すとん より:

    >Ceciliaさん

     アップした調は確かに楽に歌えるのですが、私の声に合っていたのかと言われると、確かにちょっと低いかもしれません。楽に歌えるキーと、声が映えるキーはちょっと違うのかもしれません。

    >是非レッスンの調でアップしてください~。

     アップできるほどに仕上がるかは、甚だ不安ですが、少しトライしてみます。レッスンでは常に撃沈していたので、全音上げて歌うのが、なんかトラウマになっているポイので…ああ、不安です。

    >この曲やこの前の曲の伴奏は弾きやすいので良いのですが、譜めくりが面倒で…。

     『コピーして横に並べる』んですよ。「Sogno」は見開きで3枚ですよ、並べて並ばない長さじゃないでしょ。私も譜めくりが面倒なので、3枚のコピー(もちろん、楽譜そのものも持ってます)をテープで貼って一枚にしたものを広げて練習しています。

    >実は私ヴェルディってやったことないです。

     譜読みを始めたところですが、ヴェルディはやはりヴェルディです。何気に歌っていると、声を使いすぎてしまいそうになります。なので、それこそ声をセーブしながら歌わないと、あっと言う間にノドが変になりそうです。要注意な作曲家だなあ…って思いました。でも、その代わり、すごく歌いやすいんですよ。

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