声楽のレッスンの続きの続きです。シューベルト作曲の「Erlkonig/魔王」です。思えば、こんな有名曲で発表会に臨めるなんて、私もなかなかの幸せ者かもしれません。だって、アマチュアの声楽発表会でも「魔王」はなかなか聞けません。有名曲だけれど、チャレンジして発表するには、あれこれハードルが高い曲(ピアノが大変でピアニストが嫌がるとか、歌詞が長くて暗記が大変とか、音域が広くて歌唱自体が大変とか…)なのでしょうね。それを、私が人前で歌うチャンスを与えられるわけで…この幸せを神様に感謝しないといけませんね。
それはさておき、ドイツ語はまだまだ怪しいのですが、それでも音楽を止めずに流して歌えるようになりました。ですから、ドイツ語をきちんと歌えるようにチェックを受けつつ、少しずつキャラ付けをし始めてみました。
子どものパートは…巣のまま歌っても特に問題なさそうです…ってか、私の声の響きに子どもっぽい雰囲気があるようです(それは還暦過ぎだ爺さんとしては、どうかと思われる事案ですが…)。ナレーションの部分は、落ち着いて歌えれば、今のままでもOKでしょう。
問題は、父親と魔王です。父親のパートを歌うには、私の声では威厳が足りません。まあ、人間が薄っぺらですから、声に威厳なんて最初から無いので仕方ないのですが、だからと言って、意識的に威厳のありそうな声を作ると、声が胸に落ちてしまいがちです。声を胸に落とさない程度に、声を威厳ありそうな感じに作って歌えると良いのでしょう。
魔王は、声がどうのこうのと言うよりも、魔王というキャラが歌っていますという演技力が必要かなって思いました。なので、声を作るというよりも、魔王を演じる事を考えた方が良さそうです。
魔王はどんなヤツなのか? まずは人外であり、誘惑者です。つまり、人間っぽくないわけで、ある意味、魂が過剰な存在なのでしょう。そんな存在を歌うには…声に色気が必要なのではないかと思ったわけです。
声に色気…私が歌っていて、よく先生から求められるモノです。私の歌声に大いに不足している成分なのです。その不足成分である色気を声に加えて、魔王を演じて歌えるなら良いのだろうと思います。そのためにも、演劇的なアプローチが求められているのだろうと思います。
そういう意味でも、魔王のパートを歌うのは、私にはなかなか難しいのです。頑張らないと…。
この曲の最後の“ in seinen Armen das kind ”の部分は、いかにも「私ですか? ドイツ語、もちろん、得意だよ」ってな感じでハッタリかましながら、語り優先の感じで歌い、続く“ war tot ”の部分は(やり過ぎは禁物だけれど)印象的に歌う必要があります。いや、歌い方によっては、音程がなくなって語ってしまってもいいかもしれません。どちらにせよ、“ war tot ”はこの曲のキモなので、歌い方をよくよく考える必要がありそうです。
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