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30分、アドリブ一本!

 やっと、ラ・フォル・ジュルネ関連の話が終わりました。ああ、我ながら、長かったなあ…。さて、これでようやく、通常運転に戻れます。長期連載をしている間に、色々な事をしました/起こりました。まずは時間を逆上って色々書いていきたいと思います。

 と、言うわけで、フルートのレッスンに行ってきました。しかしながら、今回の記事は直近のレッスンの話ではなく、二つ前のレッスンの話です。つまり、ゴールデンウィークが明けたばかりの頃のレッスンの話です。うわ、完全に時期を外していますが、勘弁してください。

 で、アルテの13課をやってきましたが、結論から言えば、ひとつも合格しませんでした。残念。理由は二つ。

 一つは練習不足です(笑)。何しろ今回は、ゴールデンウィークが間にあったわけですが、このゴールデンウィークの少し前に風邪をこじらせて、体調を崩してしまいました。で、ちょっと良くなると…せっかくの連休だからと言って、遊びに出かけちゃうので、また具合が悪くなって寝込むし、連休中はお医者さんも休みだし、もらった薬は無くなるし…。そんな繰り返しの中で、時間を見つけては練習をしていたのですが、やはり練習の絶対量としては、かなり少なめになっていました。

 楽器と言うのは、きちんと練習をすれば、それなりに上達しますが、練習をしなければ、やはり上達はできません。そういうことです(笑)。

 もう一つの理由は、ラ・フォル・ジュルネ関係の記事の中で書きましたが、アルタスの田中会長のアドヴァイスに従って、フルートの組み立て方を変え、頭部管の向きを変え、フルートの構えやら吹き方やらを変えたので、それに私自身がまだ順応しきれていないためです。

 この新しいスタイルですが、笛先生には好評でした。ピッチも音色も格段に良くなったそうです。ただ、慣れていないせいか、私のクチビルが固くなっているので、高音部は発音に苦労し、低音部は息もれが目立つそうです。ま、習うより慣れろという部分もあるので、しばらくは音作りのレベルから始めて、このスタイルに慣れることにしたいと思います。

 と言うわけで、アルテは一つも合格しませんでしたが、まあ、長い人生、そんな日もあっていいかなって思います。とにかく、今はこのフルートの組み立て方に慣れることが先決。特に、現在の大きな課題はクチビルかな? たしかに硬くなっていると思います。まずはこのクチビルをほぐすところから始めないと、いくら指の練習をしても上達しません。ははは…。

 で、早々にアルテが終わってしまったので、残りのレッスンの時間を使って、30分一本勝負をしてきました。どんな勝負かと言うと…

 …アルテの13課は、私にはなかなか難しいです。確かに練習時間も少なかったし、スタイルも変更したので、いつもより大変だったということはあるけれど、それでもやはり13課は難しいです。何が難しいかと言うと…A-dur(イ長調)。これが難しいです。なにしろ、#が三つですからね。それに、第三オクターブのEとFisとGisという、フルートだと嫌いな音がバッチリ出てきちゃいますからね。特にイヤなのがFisとGisの連結。指がガタガタしてしまうので、フルートの構えまでガタガタしてしまいます。それでポイントを外すんですね。

 と言うことで、私はA-durがあまり得意ではないので、このA-durの練習をたっぷりしましょうと言うことで、アドリブ練習をする事になりました。

 やる事は簡単です。先生がピアノで、A-durのバッキングをしてくれるので、私はそれを聞いて、そこに適当なメロディを即興でドンドンはめていくっていう、ただそれだけの練習です。

 始める前に受けた注意は、アドリブだから、何をやってもいいけれど、間違った事だけはしないで欲しいということです。

 へ? 間違った事? そうです、アドリブに正解はないけれど、間違いはあるんです。そこを念押しされました。…いやあ、いつも間違ったアドリブ(世間では“デタラメ”と言います)ばかりやっているからなあ(汗)。

 最初は、A-E7を繰り返すだけのバッキング。これは簡単…と言いたいけれど、やっぱり、慣れていないので、ちょっと大変。でも、コードチェンジが単純なので、フルートもコードの音だけを演奏していけばハマるので、まだ楽です。先生がコードを変えれば、それに応じてフルートもコードを変え、先生がリズムを変えれば、こっちもリズムを変えていくだけです。それの繰り返しだし、簡単なアドリブだけれど、なかなかおもしろいです。

 そのうち、コード進行が複雑になりました。例えばA-F#m-Bm-E7とかね。もうここまで来ると、私の手に負えません。コード内の音だけ使ってなんて…どのコードなのか分からなくなっちゃうので、無理です。

 そこで登場するのが、スケールです。

 どのコードが鳴っているか分からなくなったら、ひとまずA-durのスケールでアドリブです。当然、スケールの中にはコード外の音もありますから、ハマる音とハマらない音があるのだけれど、ハマらない音は、即座に経過音として流して、ハマる音をチョイスしながら演奏をするわけです。これが結構おもしろい。もう、何がなんだか分からなくなったら、ルートのAか、5thのEを吹いていれば、とりあえず治まる(笑)。それでも間違えると…なんかアラビア音楽っぽい響きになります。

 ときおり、アラビアっぽくなってしまったけれど、大体において、良かったと思います。先生から言われた事は、もっとリズムを細かく刻んで演奏するとよいでしょうという事です。私は四分音符を基準にメロディを組み立てたけれど、これを八分音符とか十六分音符を基準にメロディを作れると、“経過音”の処理がもっとうまくできるので、なるべく細かいリズムを刻んで演奏するとよいのだそうです。

 今までコードを使ったアドリブばかりを考えてきましたが、スケールを使ったアドリブってのも、なかなかおもしろいなあと思いました。とにかく経験を積んでいかないとね。
 こういう風にスケールを使ったアドリブをかましていれば、指にスケールが染み込むわけですね。いい練習だと思いました。だいたい、楽しいし(笑)。

コメント

  1. smilekumi より:

    30分一本勝負されたのですね(笑)
    いつもながら楽しそうなレッスンで♪
    私は先生の前で譜面通りに吹くだけで緊張してしまいます。
    アドリブなんてとてもとても・・。
    指がついていかなくて脱線アドリブはありますが(^^;)

    フルートは♯より♭の方が吹きやすい構造なんでしょうか。
    ド♯の音が浮ついていつも注意されます。小指一本ですしね。

  2. すとん より:

    >smilekumiさん

     はい、30分一本勝負でした。…時々、疲れちゃうので、短いインターバルは入りましたが(笑)。ええ、とっても楽しいレッスンでした。

     なにしろ、フルート教室であると同時にジャズ教室でもあるので、アドリブは必須課題です。習うよりも慣れろで、実地でガンガン学んでます。

    >指がついていかなくて脱線アドリブはありますが(^^;)

     私もたくさんやってます(汗)。

     フルートは、たぶん、ブリチアルディキーのおかげもあって、♭の方が吹きやすいのだと思います。ただし、Cisの音が浮ついているのは、♯系が苦手と言うよりも、半ば構造的な問題なんだそうです。

     実は、Cisのトーンホールは、本来あるべき場所からちょっとズレたところに空いているし、大きさも不適切なんだそうです。それは、Cisホールとオクターブホールを兼用するための苦肉の策なんだそうです(アルタスの田中会長がおっしゃってました)。ただ、どのメーカーも、その問題に対して、黙って指をくわえて見ているわけではなく、メーカーごとに色々と工夫はしているそうです。アルタスは、Cisホールの背丈を伸ばし容量を増やすことで、正しい音程が得られる様に工夫しているそうです。

     工夫はしているとはいえ、構造的な問題ならば、やはり完全な解決というのは難しく、演奏者側で、色々と対応してやらないといけないのだと思いますよ。ちなみに私は…思いっきり音を曲げて対応しちゃいます(笑)。

  3. アリサ より:

    Cisは、他の音よりも自由というかどこかに行ってしまいやすい音ですね。
    構造的な問題なのですね。よくわかりました。

    アドリブレッスンいいですね。
    私もコードの音を打ち込んである(ずーっとイーブンのリズムですが)ので、やってみます。
    A-durは、ピアノではそれほど難しくないし、音色も好きなんですけど、フルートでは運指が難しいかもしれませんね。

    コードの名前を見て即座に何度とかわかりますか?
    また、音を聞いてすぐコードがわかりますか?
    私はすぐにわからなくて。
    一度、属七というのはさすがにわかりますが、後に出てきた方のコード進行は、鍵盤をみないとわかりませんでした。
    (フラッシュピアノ使いました笑)

    スケールのことが出てきましたね。
    リズムと耳で聞いて感じるコードにあわせて、スケールをすると、指の訓練にも耳の訓練にもなって、すごくいい練習に思えます。
    フルートから聞こえる音が、実際どういう風にきこえているのか(かっちり吹いてるつもりでもフルートの音はぼやけて聞こえるみたいです)ということも重要なので、独学ではなく先生にチェックされながらするのがいいんでしょうね。

  4. すとん より:

    >アリサさん

     アドリブレッスンはいいですよ。楽しいですし、スケールの中の音を満遍なく使いますから、いい練習になります。A-durはフルートだと、ちょっと運指がイヤですね。やっぱり、フルートでは♯系の音楽は難しいです。

    >コードの名前を見て即座に何度とかわかりますか?

     いいえ、分かりません。…と言うよりも、演奏している時は、何度って考えてません。AはAであって、E7はE7です。でも、演奏する前には、一応、数えておきます。

    >また、音を聞いてすぐコードがわかりますか?

     いいえ。でも、メジャーかセブンスかメジャーセブンスかナインスか、そのくらいの区別は…たぶん分かります。でも、そのセブンスがC7なのかD7なのかE7なのかは、分かりません(汗)。つまり、私は和音を響きで覚えていて、音高で覚えているわけじゃないんですね。だから、バッキングを聞きながらソロをする時は、和音の名前は分からないけれど、とりあえず吹いてみて、合わせる事はできます。いや、合わせると言うよりも、気持ちいいか悪いかだけでやってます(笑)。だから、時々、変なテンションコードになっちゃう時もあります。

    >独学ではなく先生にチェックされながらするのがいいんでしょうね。

     先生もいいけれど、そういう場を数多く持つ事が肝心だと思います。アドリブって…エラそうに書きますが…まずは経験値が必要だと思います。経験値が増えないと、理論とかやり方とかその他が分かっていても、何もできないと思います。

     先生には、そろそろ自分の音楽のパートナー(ピアニストとかギタリストとか)を探すように言われていますが、なかなか…ね。自分が二人いれば、話は早いんだけどね。

     ま、言えることは、人前で演奏するのが苦手な人には、アドリブって絶対無理だと思います。だから、まずはそこを打破するためにも、経験が必要だろうと思いますよ。

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