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回転寿司の事件、何を今更大騒ぎしているの?

 今回は、回転寿司屋でのいたずら(犯罪?)動画の件です。

 まあ、やんちゃな男の子たちが、回転寿司のレールの上をまわっている(他人が食べるであろう)寿司に、わさび塗ったり、唾をつけたり、皿から一貫抜いたりとか、あるいは席にある醤油差しや湯呑をベロベロ舐め回して元に戻すとか…「衛生的でなければならない飲食店で何をやっているだ~、お前たちは!」と怒り心頭になっている方々が多いですねえ。

 確かに、これらのいたずらについては、怒って良いと思うし、店側も毅然とした態度をとって、犯人たち(いたずらをした当人はもちろん、撮影者や動画を最初にアップした仲間も含めて)を警察に突き出すべきだと思うし、民事による損害賠償を請求してもいいと思います。ちなみに損害金額は…全国CMの放送料とほぼ一緒でいいと思います(かなりの高額になるでしょうね。親が支払う事になるのでしょうが、お気の毒です)。それくらいの被害を当該寿司チェーン店および業界にかけたと思いますよ。

 でもね、それはそれとして、私は「何を今更?」と、今回の事件の報道に関して、ちょっとばかり白けた気持ちになってしまうのも確かです。

 と言うのも、こんないたずら、回転寿司がこの世に登場してから、ずっと行われてきた事でしょ? 昔からこの手の噂は耳にしてきました。ただ、それが大っぴらに言われなかっただけ…だと思います。今回だって、たまたま他に大きなニュースが無かったたら、全国ニュースとして取り上げられただけでしょ? 

 こういういたずらは、なかなか可視化できなくて、昔は噂を聞くだけでした。だからいたずらが発覚する事はなくて、昔はみんな、やんちゃ坊主たちがベロベロした寿司を食べていたわけです。それが今の時代になって、SNSが登場して、彼らのいたずらが可視化出来るようになって、大騒ぎしているわけですよね。

 そりゃあ、この手のいたずらは起こるべくして起きたモンでしょ?

 だって、回転寿司って魅力的じゃん? もしも私にやんちゃ心があって回転寿司屋に行ったら、この手のいたずらをやりかねないもの。それでもやらないのは、私はオトナだから、事の善悪ぐらいわきまえているし、その後を想像できるだけの知性を持っているからやらないだけで、その辺が緩かったら、ほんとやりかねないです。それくらいに、あの回るレーンって魅力的だし、キラキラしているし、それくらいに無防備なシステムでしょ?

 自分の目の前を寿司が無防備で流れる現場って「どうぞ、オイタをしてください」と誘われていると錯覚するくらいに魅力的だもの。それくらい、あの回転寿司のレーンって、魅力的だし、本能的にワクワクしちゃうんだな。つい、いたずらしたくなる気持ちは、痛いほど共感します。

 だから、今回、回転寿司のいたずらが報道されても驚かないです。

 昔から、常にある一定数のやんちゃな子たちっているわけです。で、彼らは常にオトナから見ればバカなことばかりやってきたわけです。バイクをブンブン言わせてそこらを走り回ったり、暇さえあればケンカばっかりしていたり、暇持て余してコンビニの前でウ○コ座りしてタバコふかしていたり…とにかく、オトナたちが顔をしかめるような事ばかりを率先してやっちゃうわけで、そんな子たちが回転寿司に行けば…そりゃあおとなしくしているわけないよね。

 だから、昔から彼らは、常習的にあの手のいたずらを行ってきたんだと思ってます。ただ、昔はSNSがなかったので、そのいたずらを全国的にヒャッハーできなかっただけです。

 そんなわけで、この手のいたずらそのものは、昔からあったし、今もあるし、今後もあり続けるのですよ。(理解できない人もいるだろうけれど)だって、こういういたずらって、不謹慎で愉快でしょ? やんちゃな子なら、オトナが顔をしかめるような不謹慎な事を、やりたくてやりたくてウズウズしちゃうわけですよ。

 ただ、それらの愉快ないたずらの多くは、今も昔も、あくまでもローカルで仲間内のものだったのです。それが今は、一部のおバカちゃんがSNSにアップする事を覚えて、さらに愉快度がアップしちゃったんだと思います。そういう意味ではSNSって罪深いよね。一度のおふざけで人生棒に振っちゃうなんて、ほんと、おバカちゃんです。

 さて、そんなおバカちゃんたちはさておいて、回転寿司なんて、安い店でしょ。安い店は、安さを維持するために色々と工夫しているわけです。客側もそのあたりの事を納得した上で、低価格なサービスを享受するべきでしょ? 例えば、店員が少なくてサービスが不十分だとか、バイトばかりで教育が足りていないとか、低価格なために低所得な人たちがいっぱい集まって、あっちこっちで(今回の事件ように)ヒャッハーしている事だとか、騒がしい環境とか、やたらと待たされる事とか…、つまり、低価格を維持するために、かなりリスキーな環境となっている事です。

 何のリスクも負わずに、自分だけいい目を見ようなんて、そりゃあ虫が良すぎるってモンです。

 そもそも論で言えば、あれだけ大勢の人がいる空間の中を、寿司がレーンに乗って、人々の間をむき出しで移動しているなんて、冷静に考えれば、かなり非衛生的な風景だと思うよ。流れる寿司のすぐそばで大声で話していたり、咳き込んでいたりとか、そりゃあ日常茶飯事じゃん。回転寿司なんて、衛生的なわけないじゃん。

 一部の店では行われているようだけれど、せめて、皿をラップで包むとか、透明ケースに入れるとか、注文された寿司は直接店員がテーブルに運ぶとか…そういう工夫が欲しいけれど、それをやると寿司の価格が上昇しちゃうだろうからね、簡単にはできません。やはり、ある程度の不衛生と安さはトレードオフなんだよ。

 客としては、そういう安さのために省かれている諸々のサービスの不足を承知の上で、回転寿司店を、安い店としてチョイスすればいいだけの話なのです。

 ちゃんとしたサービスを受けたかったり、衛生的できちんとした品質のモノが欲しければ、それなりの出費をしなければいけないのは、資本主義の大原則でしょ? 出費は惜しむけれど、サービスはちゃんとして欲しいなんて、それは虫が良すぎます。安い店に、そこまで求めるのは酷というモノです。

 この世には「安くて良いもの」なんて、あるわけないのよ。あるのは「高いけど良いもの」と「安価な普及品」だけです。その普及品で我慢できるなら使えばいいし、我慢できなければ、もっとお金を出せばいいだけの話です。

 「これは許せない!」と思ったなら、文句なんて言わなくてもいいんだと思います。ただ利用しなければいいだけです。これもまた、資本主義の大原則でしょ。

 リスキーだけれど安い店、にも一定の需要はあるのです。それがたとえ自分の気にいらなかったとしても、自分好みに改善してくれと要求するのは、傲慢というものです。選択肢はいくらでもあって良いのです。Aという店が自分好みでなければ、自分好みのBに行けばいいのです。それが自由というものです。

 たぶん、回転寿司というシステムそのものが、安さを追求する余り、あれこれガバガバになり、リスキーになり過ぎて、かつては大衆向けの業態だったのかもしれないけれど、営業拡大をしているうちに、大衆よりも下の階層の人たちも取り込む業態に変化してしまったって事でしょ?

 一般論として、そもそも飲食店で人件費をケチったら、ろくな事にはならないって。飲食店って、食事の値段だけではなく、店の雰囲気とか店員のレベルとかの総合力で選ばれるモノなんだからね。飲食店では、価格設定って大切で、それで客を選別している部分もあるわけで、ただ安ければいいというわけではありません。

 今回のいたずら犯は当然バツを受けるべきだけれど、彼らを厳罰に処しても、それは氷山の一角に過ぎず、決して回転寿司屋が安全で衛生的になるわけではありません。回転寿司屋という業態そのものが非衛生的なんだから仕方ないし、あの魅力的なレーンがある限り、必ず第二第三の馬鹿者は湧いてきます。

 だから、利用者は回転寿司店での飲食がリスキーである事を理解して利用すればいいと思うのです。

 ちなみに、私はそもそもめったに回転寿司店には行きません。安い寿司を食べるなら、回転寿司ではなく、もっぱらスーパーの寿司を食べてます。それもタイムセールで3~5割引になったヤツばかり(笑)。だって、そんな割引の地元のスーパーの寿司は、チェーンの回転寿司よりも安くて美味しくて(これはホントよ)衛生的だからサ。正直な話、回転寿司屋なんて、中途半端に高いし、人混みだし、騒がしいし、落ち着かないし、客層にうんざりしちゃうし、行く気になれないんだよね。

 どうせ高い寿司を食べるのだったら、私はいっそ、回らない寿司屋に行くよ。そっちの方が、むしろコスパもタイパもいいと思うからです。それに地元の寿司屋なら、チェーン店では食べられない、地魚の寿司が美味しく食べられるし…ね。とは言え、やはり安さを求めちゃうから、スーパーの割引寿司で落ち着く私なのです。

 寿司って、そもそも高級で高価なモノなのです。それを安価に食せるんだから、多少の不自由は受け入れなくてはいけないのですよ。私の場合は、それがスーバーの割引寿司ってわけなのです。割引寿司って、簡単には入手できなくて、食べたい時に食べられるというわけではない…というリスクを、私は背負っています。

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コメント

  1. reyus より:

    回転寿司って昔はもっとイタズラをしにくい環境だったと思います。

    というのも回転寿司が流行りだした頃って、客席から全体を見通せるくらいオープンだったと記憶しています。

    自分の食べたいものが遠くから段々と近づいて来て、もうすぐ食べられると思っていたら手前で取られて食べられなかったなんてこともよくありました。

    今は周りから見られながら食べるのを嫌がる人が多いのか、客席が囲まれていてかなり見通しが悪くなった印象です。

    コロナ禍で冷凍餃子の無人販売所が爆発的に増えましたが、よくまああんな盗ってくれと言わんばかりの商売方法を思い付くなぁと関心します。

    農家の売れなかったB級品を無人販売で売るのとは訳が違うと思うのですが……。

  2. すとん すとん より:

    reyusさん

     思い出しました。確かに昔の回転寿司はカウンター席ばかりでしたね。さらに言えば、レールの内側には職人さん達がいて、職人さん達が寿司を握っているのを見物できました。あれが結構楽しかったなあ。なので、個別に注文するにしても、職人さんに直接声がけをして注文していたなあ。お茶も自分で入れるのではなく、お運びのお姉さんが持ってきてくれていたと思います。で、時々やってきて、お皿を確認して、定期的に下げてくれていたと思います。

     それが今では、職人さん達(いるのかな?)は厨房の奥に入ってしまったし、注文もタッチパネルだし、お運びのお姉さんもいなくなって、皿はダストシュートみたいなところに入れる感じだし…。

     確かに最近の回転寿司屋は、店の中で店員さんの姿を見かけなくなってしまった…かもしれません。なにしろ、最近の回転寿司屋は混雑しているからね。誰が店員で誰が客なのか、よく分かりません。とにかく、混んでいるんだよね。

     昔は、今ほど混んでいなかったと思うし、それにだいたい、今ほど安くなかったと思うんだよね。やはり、今と昔では、同じ回転寿司屋と言っても、その業務形態は大きく変化してしまったようです。

     客単価を下げて、薄利多売にして、人件費削除のために店員減らして儲けを確保し、接客サービスが低下して、それでお馬鹿さんたちが闊歩するようなお店になってしまった…のかもしれません。そう考えると…これは自業自得で、店側が招き寄せた結果と言えなくもないです。

     安くしすぎるから、こうなった…と言えなくもないですね。昨今の回転寿司屋という商売の形に無理があると言えますし、システムエラーを起こしているとも言えます。きっとそうだと思います。

     餃子の無料販売店は、当然、盗難リスクを込みで商売しているもの…と私は思っていました。ある一定量はロスとして盗まれてしまうってね。そういう価格設定をしなきゃ、やれないでしょ? それをすべてのお客が正直に購入してくれると思っているのだとしたら、それは人間という生き物の本質を知らない、お馬鹿さんだと思います。

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