日本のオペラ上演って、そもそも値段が高いでしょ? 国内の歌劇団で2~3万円前後で、海外歌劇場の引っ越し公演だと5万円前後ってところが相場でしょ?
そもそも指揮者とかソロ歌手のギャラは高いし、オケや合唱団は人数が多くてトータルでギャラが高くなってしまうし、大道具なんて真面目に作れば、結構な数のスタッフと予算が必要だし、小道具だってきちんと揃えると大変な経費がかかるでしょう。衣装やかつらはレンタルだろうけれど、一人ひとりに用意すると、かなりの金額になるだろうし、裏で走り回るスタッフの人件費だってバカにならないほで、そう考えるとオペラの上演って、莫大な経費がかかるわけで、チケット代なんていくら高くしても足りるわけがなく、あっちこっちから補助金やら協賛金やらもらって、ようやく上演にこぎつける…ってのは理解できますが、それは上演する側の言い訳であって、観客的には全く関係ありません。
オペラに近いイベントとして、ミュージカルが上げられるけれど、ミュージカルのチケットの相場なんて、1万円前後でしょ? ミュージカルが1万円で、オペラが3万円なら、そりゃあオペラには行かないよね。
でもオペラが、ミュージカル並の5千円から1万円以内程度チケット代なら、もっと気軽にオペラに行けるよね。オペラそのものは面白いんだし魅力あると思うんだけれど、気軽に楽しむためには、チケット代がネックだよね。
今の季節ならば、Tシャツにハーフパンツ姿程度ののカジュアルで気軽な格好…ってか、そういう衣装しか持っていないような社会階層の人たちが、気軽に足を運べないと、日本のオペラに未来は無いと私は思うんだよね。ドレスコードをしっかり守って、晴れ着で着飾った金持ちのジジババ相手の商売をしていたら、オペラ業界的に先細りは間違いないよ。
私は素晴らしい生歌が聞きたい人だけど、やはりオペラだから、芝居も楽しみたいと思ってます。芝居…と言っても、ある程度の衣装と小道具さえ揃えてあれば、例え演出が個性的であっても、芝居が棒であっても、大道具は書割であっても、演奏がテープによるカラオケや、ピアノ伴奏やエレクトーン伴奏であっても、案外、素人さんは受け入れちゃうんですよ。
つまり、ある程度の実力のある若い歌手さんたちを揃えて、派手めの衣装を着せて、舞台にあげれば、成り立っちゃうと思うのですよ。なにしろ、若い人は、若いというだけで、見栄えが良いですからね。そのレベルで何とかなると思うのです。
難しい事を考えなくても、観客が何を望んでいるのかが分かれば、経費だって下げられます。そうやって、入り口のハードルを下げないと、オペラもやばいと思うんだよね。
そうやって、親しみやすい入り口があって、初めて、今のような立派で高価な舞台がありうると思うのですよ。入り口がなくて、殿様商売ばかりをしていても、それではほんと、厳しいと思うのですよ。
先細り確定だよね。日本は人口が減っているんだしサ。オペラDVDだって、いつの間にか新盤は国内では作られなくなってきたし…。日本のオペラ業界が成り立たなくなっていくのも、そんなに遠い将来じゃないと思うんだよね。
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コメント
遅ればせながら、ふと、思い出したので、
今さらですが、書き込ませていただきますと、
大昔、アメリカに住んでいて、
3週連続で、シカゴ響のオペラを見たのですが、
衣装とかは本格的なものではなく、
男性はスーツ、
女性も、まあ、着飾ってはいるけど、
豪華というほどのものではなく、
でも、でも、お歌は素晴らしく、
特に、ドンジョバンニは、
最後、手に汗握る圧巻の出来でした。
だから何?
いえいえ、単なる「素晴らしかった」というご報告。
で、料金は、そんなに高くありまへんでした。
やる方も
見る方も
割と気楽な、そんなオペラ体験でした。
ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ
(-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ
おしまい
オペラ座の怪人の怪人さん
シカゴ響のオペラ! うらやましい経験です。さすが、アメリカ。
それはさておき、豪華なオペラがあってもいいのですが、カジュアルなオペラもあっていいと思うのです。いわゆる、ピンキリですね。ピンからキリまで、ある程度揃っていないと、ファンって増えないと思うのですよ。入門編のオペラがあって、豪華なデラックス仕様のオペラもあって…が健全な世界だと思うのです。
日本のオペラは、お高くとまりすぎているような気がします。もっと、カジュアルな公演が増えないと、お客が増えないと思うし、お客が増えないと、業界的にはダメになる一方だと思うのですよ。
…なんて事は記事にも書きましたが、要はそこに尽きるんだと思います。高くて豪華なのは当たり前。安くてもしっかりした内容の公演を、もっともっと増やして欲しいのです。