「アルタスフルートフェア2009秋」に行ってきました。目的は「無料調整会」と「アルタスフルートの試奏」です。
さっそく行ったところ、私の姿を見かけるなり、アルタスの営業さんの方から挨拶されちゃいました。すっかり顔なじみになってしまったようです(照)。
さてさて、アゲハの調整です。営業さんから今回の職人さんのご紹介がありました。アルタスの製造部門のエラい人のようです。
さて、調整の前に、みんなでアゲハの検分です(笑)。営業さんがおっしゃるには「だいぶいい色になってきましたねえ」との事。“いい色になる”とは硫化の進み具合の事です。アゲハは管体の表面はまだまだキレイですが、中は少しずつ黒ずんできています。この黒ずみがフルートの音色に良い影響を与えるのだそうです。1307は硫化を楽しむタイプのフルートなので、黒くなればなるほど、本領発揮する(はずの)フルートですから、この一年で、だいぶアゲハも成長してくれたということなんです。
目立った故障もないと言うことで、さっそく調整開始です。
例によって、アルタスのフルート職人さんと、対面で色々な濃ゆいオタク話などをしながらの調整となりました。私が感じている不都合とか、どんな音が欲しいのかとか、そんな話を世間話を交えながらしていきます。それを聞きながら、職人さんが調整をしてくれるわけです。
いやいやいや~、今回、驚きの事実が分かりました。と言うのも、アゲハの調整してくださったSさんは、実はアゲハの製作者の方でした(驚愕!)。この人がアゲハを作ってくれたのです。今、アゲハは、製作した職人さん自らの手で調整されていると思うと、なんとも感無量でした。
なぜ、このSさんがアゲハの製作者かと分かったと言うと、Sさんから工場でのフルートの作り方のオタク話を聞いていた時のこと。フルートはみんなで分担して作っていくモデルと、一人の職人で作っていくモデルの二種類がありますって話で、この1307は一人の職人が作っていくモデルなんですよという話が出ました。そこで私が「ならば、シリアル番号から調べれば、どの職人さんがどのフルートを作ったかは、すぐに分かりますね」と尋ねたら「そんなことをしなくても分かりますよ。これは私が作ったフルートです」と即答。「え? なぜ分かるんですか」と尋ねると「職人それぞれに、やはり癖がありますから…。このフルートの作り方は、私の癖がはっきり出てますから、これは私が作ったフルートに間違いないです」と言いました。私らユーザーから見れば、同じアルタス1307であっても、職人さんから見れば「これは○○さんが作った1307、こっちは◎◎さんが作った1307」と即座に分かるのだそうです。
へー…って感じの話です。この人がアゲハを作ったんだ。つまり、アゲハは今、実家のお父さんに来てもらって、調整してもらっているわけなんだ。まるで、天馬博士にメンテされているアトムのようなものだな。
さらに驚きの事実がありました。このSさん、実はウチの近所の人でした(驚)。もちろん、今はアルタスの工場のある安曇野に住んでらっしゃいますが、それ以前はずっとウチの町内の人で、私が一丁目なら、彼は三丁目の人でした。その事実が分かるや否や、今度は濃ゆい地元話になりました(笑)。
アゲハは、ウチの近所の人がフルート職人になって作ってくれたフルートなんだと思うと、何か不思議な縁を感じます。ならば、私がアゲハを手にしたのも、必然の出来事だったのだと思えます。
それはともかく、調整の話。
今回のアゲハさんの調整のポイントは、低音のキレを良くしてもらうことです。全般的な調子はすごぶる良いアゲハなのですが、やはり低音の方のキレがあまり良くありません。シシリエンヌでの低音Cには苦労しています。もちろん、私のテクニック不足(ポイントを外し気味)もありますが、それはそれとして、せめて楽器の方だけでも、ピシッとして欲しいと思いましたので、そういう注文で調整をお願いしました。
無料調整会でしたけれど、Sさん、さっそくアゲハを分解。まずは全部のパーツをばらして、磨き始めました。そして、バネの一つずつ、パッドの一つ一つをチェックして、中の薄紙を切ったり貼ったりして微調整を始めました。実に丁寧な仕事です。
フルートのパッドは、生体(フィッシュスキンですね)を使っている以上、必ず経年変化をするのだそうです。アルタスでは、二枚のフィッシュスキンを両側からフェルトで挟み込んだものをパッドとして使っているそうでが、このフィッシュスキンがどうしても時間が経つにつれてゆがんでくるのだそうです。だからこまめに、この生体部品の変化に合わせて、薄紙で微調整して、パッドの表面を平らな状態にしておかないといけないのだそうです。
さらに言うと、この微調整も、どこまでやるかが難しいのだそうです。シビアに追いこんだ調整をすればするほど、フルートのパッドに遊びが少なくなり、すぐに次の調整が必要になるのだけれど、ある程度遊びを確保して調整すると、次の調整まで時間が稼げるのだそうです。その代わり、遊びの分だけ、調整も甘くなってしまうのだそうです。だから、どの程度までの調整をするかが、難しいところなのだそうです。調整というのは、いたづらにシビアにやればいいと言うものではないようです。
そんな話をしながら、Sさんが一通りの調整をしてくれました。まずはSさんが試し吹きをしました。…涙が出るくらい、美しい音でアゲハが鳴っています。こんなにキレイな音でアゲハが鳴るのは、私がアゲハを購入して以来、始めてかもしれない…。こんなに素敵な音色で鳴るフルートを聞いたのも、もしかすると始めてかもしれない…と思いました、冗談抜きで!
「どうでしょうか?」と言うわけで、私が吹いて確認してみました。アゲハのグレードが一つも二つもアップしたような音で鳴っています。調整の威力って、すごいです。一通り試したあとで「だいぶ、調子が良くなっていて、いいですね。低音も、以前よりもキレが良くなってます。ただ、私のテクニック不足なのか、やっぱり低音は難しいですねえ…」とつい(!)言ってしまったものだから、Sさん、職人魂に火がついてしまったようで「…もう一度貸してください」と言って、またまたアゲハを分解しちゃいました。
軽い感想が、Sさんにはダメ出しに聞こえてしまったみたいです。も、申し訳ありません(謝)。
もう一度、アゲハを分解して、今度は部品の一つ一つを微妙に曲げ始めました。「このフルートは銀でできているので、柔らかいんですよ。人の力で、微妙に曲がってしまうんですね…」と言いながら、アゲハの部品のゆがみを一つ一つ取り始めました。…無料調整会なのに、ここまでお世話になっていいんですか?
「さあ、今度はどうでしょう…」と言いながらSさんが試奏します。
試奏の段階ではっきり分かりました。アゲハの管体が音によく共振しています。ちょっと、これ、すごいですよ…。
私に手渡されて、吹いてみました。…低音のキレが良いどころの騒ぎではありません。なんですか、このフルートは! 低音Cですら、軽く息を入れただけで、キレイに響き渡るような音を出しちゃうじゃないですか。もちろん、他の音は言うまでもありません。第三オクターブなどは、楽に吹いても、耳が痛くなるほど響きます…ってより、響き過ぎです。キーンキーン来ます。…耳痛いです(涙)。
あと、少なめの息でもたっぷり鳴るようになり、小音量での音のカスレもかなり改善されています。反応がすごく良くなったので、今まで滑っていた十六分音符もクリアに吹けて、驚きました。今まで、十六分音符がうまく吹けなかったのは、フルートのせいだったんだ…。もちろん、高音EとかFisとかも、何の意識もしないで通りすぎるくらいに楽に吹けちゃいました。ううむ、調整って大切なんだな。
なんか、とんでもない精度の調整をしていただけたようです。…無料調整会なのに、すごぶるバッチリです。調整だけで、軽く1時間オーバーでした。これ絶対、無料調整会での調整の範囲越えてるよなあ…。
Sさんから、お手間をかけて申しわけないと言われました。この1307は、マメに調整をしないといけないタイプのフルートなんだそうです。そういう意味ではデリケートなフルートなんでしょう。良いフルートなんですが、気難し屋で繊細な部分があるんです。マメに調整して、いつも良い状態で吹いてくださいと言われました。なんか「ふつつかな娘で面倒ばかりおかけしますが、今後ともよろしくお願いします」って言われたような気がしました。いえいえ、私の方こそ、これだけのフルートを作っていただいて感謝です。
とにかくアゲハがシャレにならないくらい、反応が早くて、よく響く、無敵なフルートになっちゃいました。もう、演奏のミスは、フルートのせいにはできないです(笑)。
しかし、総銀フルートでも、調整さえしっかりすれば、こんなにすごい事になるんですね。音量を稼ぐとか、音のキレが欲しいとか、そういう目的でゴールドフルートを所望しているならば、ゴールドは要らないです。ちゃんと調整すれば、総銀でもかなりのレスポンスが得られます。少なくとも今の私にとって、アゲハは明らかにオーバースペックなスーパーフルートになっちゃいました。すごいよ、このフルート、マジで。
とは言え、ゴールドにはゴールドの音色はあるし、やっぱり物欲的にはゴールドは、ぜひ欲しいフルートです(笑)。
さて、調整を終えた私とアゲハ。当然のように、私はフルートの吹き比べをしに行ったのです。その話は…長くなったので、また明日。
おまけ。今回分かった、もう一つの事。フルートの音って…これは私だけの感覚かもしれないけれど…指から手や腕に伝わって胸に響いて、それが息に乗って、もう一回フルートに入るような気がします。
と言うのも、調整されたアゲハを吹いていると、指や手や腕がすごく良く共振しているのが分かるし、胸はかゆくなるくらいにビリビリ来ている。こんな体験始めて…。
あ、でも、フルートが当たっているアゴの骨から首~背骨を経由して肋骨に振動しても、胸がかゆくなるか。アゴがビリビリするのは以前からだから、あまり気にしてなかったけれど、こっちの線も濃厚だな。どちらにしても、胸がかゆくなるのよね、ビリビリして。これが妙にいい感じなんだよね。
コメント
> 指から手や腕に伝わって胸に響いて、
> それが息に乗って、
> もう一回フルートに入るような気がします。
ネガティブ フィードバックならぬ、
ポジティブ フィードバックですね。
車でいうならターボー?
この手の楽器は、購入費用だけ考えていてもダメで、
メンテナンス費用も考慮しておかないと、
パフォーマンス発揮できないんですよね。
多分調整後は、キーに軽く触れるくらいで
音が鳴っているのではないですか。
キーの当たりが悪いと、
ギュッと握るようにキーを押さえるので、
せっかくの共振を押さえてしまいますからね。
(ギュッと押さえると指の動きも悪くなりますからね。
そして、キーの当たりも良くも悪くも癖がついてきますから、
また調整にいかないといけなくなるわけで…)
すとんさんは2年目にして凄いですね!
私が数年かかって越えた最初の壁を、ささ…とクリアしてる感じデス。
フルートの発音原理は、ご存知の様にエッジで空気の流れを分けて空気の波を作る事ですが、細かい体の使い方の話は抜きにして、体全体に共鳴させて響かせるんですよね。体がばよりんでいう箱のような役割もするそーです。
自分で練習していて指が痺れて(振動で)来ちゃった…って言う奏者もいましたねぇ。
だからガリガリの小柄な女性は響かせるのが相対的に難しいのだそーで、シュマイザーか誰かのグループレッスンで「あなたはもう少し太った方が良い」と言われている女性がいました。
>もう、演奏のミスは、フルートのせいにはできないです(笑)。
笑…そうですね! 頑張ってくださいねぇー♪
>ひょっとこさん
>多分調整後は、キーに軽く触れるくらいで、音が鳴っているのではないですか。
当たりです。元々私は、そんなにキーを強く押さえる人ではありませんが、それにしても、軽く軽くフェザータッチでやってます。
>この手の楽器は、購入費用だけ考えていてもダメで、メンテナンス費用も考慮しておかないと、パフォーマンス発揮できないんですよね。
…ですね。でも、一般の人やフルート習いたての人は、そんな事知りませんから。たぶん、楽器を買って「やれやれ、これで一安心」と思っているところで、定期的に(半年に一回程度?)メンテが必要と分かると、ちょっと割り切れない思いをする人もいるでしょうね。
私は、メンテなどに手間がかかるのが、ちょっぴりうれしいタイプの人なので、全然平気ですが(笑)。そうでない人は、メンテの回数が少なくてもなんとかなる、タフなタイプの楽器を選んだ方がいいでしょうね。
>めいぷるさん
ほう、そこは壁だったンですか? おっしゃる通り、知らぬ間に通り抜けてしまいました(笑)。
まあ、それについてはたぶん、ハンデがあるんだと思います。私は長い事、合唱とかやってましたし、今は声楽やっていますから、他の人よりも音波が身体に共振しやすくなっているんだろうと思います。
それに、ほら、デブだし(笑)。
あと、やっぱり、楽器のおかげという部分はあります。だってアゲハは、フルートコーチとしても、なかなか手ごわい子ですからね。この子だから、楽器の振動を身体に共振させるという事が分かったのだと思います。他の楽器だったら、まだまだワカランチンだったかもしれません。
でも、この指や腕や胸が響く感じは気持ちよいです。でも、きっとすぐに慣れちゃうんだろうなあ…。アゴや頭にフルートの音が響いた時も最初はすごく感動したけれど、時期に当たり前になっちゃったし…。人はすぐに慣れてしまうから、そういう感動をきちんと言葉で記録しておく必要があるんだと思います。
調整に出したらそんなに変わるんですね。
すごいです。
発表会前に見てもらってよかったですね。
私も調整後半年経つので、昨日パールフルートに送りました。
遠出なものでどうしても直接行く時間がなくて・・・
工場に出してもらう予定なので調整が済んだら行ってきます。
>sakuraさん
>調整に出したらそんなに変わるんですね。
変わる時は変わるし、変わらない時は変わらない。と言うのも、ブログで書くのも、はばかられる話だけれど、調整って、所詮は職人技なんですよ。
だから、職人さんの腕の差もあるし、考え方の違いもあるし、また得意不得意もあるし、こちらが不満に思っている事や希望する調整の方向が、どれだけ職人さんに伝わるのかも不明なので、調整に出せば、概ね調子は良くなるだろうけれど、どれくらい良くなるかは、全く不明って感じです。
そういう点が分からないので、私は地元の楽器店ではなく、電車に乗って、わざわざ東京まで出かけて調整するのは、そういう理由からです。だってね、ヤマハならともかく、地元でアルタスフルートの調整ができるかって疑問だよ。
だいたい、まず地元じゃアルタスフルートは売ってないんだから(笑)。こっちじゃ、フルートと言えば、まずヤマハ。ちょっとお金持ちさんがムラマツやサンキョウを使います。たまにミヤザワとか(なぜか)ソナーレが激安価格で販売している事があります。で、お終い。そんな感じです。だいたい、パールとかアルタスとかは売ってないんだから。なので、職人さんもアルタスをほとんど取り扱わないだろうし、その癖だって、どれだけ知っているか心配なのよ。
sakuraさんのように、工場で調整してもらうなら、まずは一安心ですね。でも、ローズちゃんがお泊まりに行っている間、寂しいでしょ。私はそれがイヤなので、持ち込んで、その場で調整してもらう事にしてます。だって、アゲハとは片時も離れていたくないもので…(笑)。
アゲハちゃんの生みの親、天馬博士(勝手に命名)は凄腕の職人さんですね。
そういう人に巡り会ったというのも、またびっくりです。
アゲハちゃんは、来るべきしてすとんさんの所に来た…のですねえ…。
調整も「無料」でここまでやってもらえるなんて、凄すぎです。
キィを分解して、オイルさして、…っていうかんじで、バッドの狂いの微調整までしてもらったことなんてありません。
ムコ殿の熱意の表れに、実家の親として答えた…のでしょうね。
すとんさん体を共鳴させているなんてすごいなあ…
レッスンで、ハミングのように頭蓋骨に共鳴させて…なんて習ったことがあったけど
私はまだまだ、指先で振動を感じるレベルです。
また、がんばろう~っと。
メーカーの職人さんに調整してもらえるというのは羨ましい事です。私が住んでいる地域では考えられない事です。田舎はこういう場合辛いですね。ムラマツの無料調整会が時々、自動車で2時間くらい走ればたどり着けるお店であるようですが、とある事情で私は利用できないようです。
ですので、もっぱらフルートマスターズに送って調整してもらっています。楽器が手元を離れるのは不安ですが、N響の菅原さんも利用なさっているらしいので、なら任せられるかなと…。実際、楽器を見て電話で問題点を教えてくださり、どういった調整を行うかなどを説明してくださるので安心してお任せしております。が、すとんさんのように職人さんと対面でお話をしながら調整してもらうというのには憧れますね。
楽器の製作者さんに会われたというのは、凄い事ですね。
製作者直々の調整を受けられたというのもそうですが、調整は残念ながら時間がたてば必ずまた狂ってしまいますので一時的な事。羨ましいのは、製作者に自らの手で調整した楽器を目の前で吹いてもらっていらっしゃる事。おそらくその楽器を世界で一番熟知していらっしゃる人の音を聴かせてもらうというのは、大変貴重な経験なのではないでしょうか!?楽器の性能を引き出した音を聴かれた事は、今後の演奏に少なからず良い影響があるように思います。私だったらそんな機会があれば、楽器の持ち方や口の当て方、身体や息の使い方などを食い入るように観察する事でしょう(笑)。
調整ってすごいですよね。新車のエンジンも、チューナーがばらして組み直すと、それはそれはとんでもない状態になったりしますし。
職人魂に火がつくと、採算度外視の仕事を始めてしまうアルタスの職人さんのお気持ち、少しだけ分かる気がします。特に腕に覚えのあるお方ならなおさらで。違いが分かる人が来てくれると、ついつい力が入ってしまいます。アルタスの職人さんも、職人さん冥利に尽きる仕事ができて楽しかったのではと想像いたします。
>指から手や腕に伝わって胸に響いて
しかしもって、すとんさんの上達はお早いと思います。体への音の入り方、出方が直接お聞きできないので想像になりますが、多分、今私が乗り越えようとしている壁と同じあたりに立たれているような気がします。フルートの先生に是非ご相談なさってみてください。面白いお話がお聞きできるかと思います。
>まきりんさん
アゲハの天馬博士に出会えたのは、本当に奇跡のような話だと思ってます。この出会いをこれからも大切にしていきたいと思ってます、名刺ももらっちゃったし(はぁと)。
たかが、無料調整会ですが、そんな時でも真摯な対応をしてもらうと、メーカーに対する信頼とか愛着とかが増えてきます。元々、フルートに惚れてアルタスを購入したのですが、今まで二回の無料調整会での職人さんの仕事に対する態度を見ていると、ますますアルタスという会社が好きになります。
聞けば、どこのメーカーさんでも、職人さんたちはみんな真摯でマジメだそうですね。だからこそ、メーカーの職人さんがやってくる調整会は、これからも、ぜひぜひ参加したいです。もちろん、自分のフルートのメーカーの職人さんが来る時がベストですね。まきりんさんなら、ムラマツの職人さんが来る時が狙い目ですよ。
>詩音さん
ウチも詩音さんのところほどではありませんが、やはり地方は地方ですよ。調整の時に、職人さんから「わざわざ電車賃をかけて、来てくださってありがとうございます」って言わたほどですから(笑)。ま、それでも何とか駆けつけられるのだから、やはり恵まれているのだとは思います。
自動車で片道2時間かけるというのは、さすがに遠いですね。おそらく、もっと交通の便が良くないところにも、フルート愛好家はいらっしゃると思います。そういう方々は、さぞやご苦労なされていらっしゃる事だと思います。
>私だったらそんな機会があれば、楽器の持ち方や口の当て方、身体や息の使い方などを食い入るように観察する事でしょう(笑)。
し、しまった! うっかりしてました。覚えている事は、頭部管をしっかり深々と入れて、かなり極端に内側を向けて組み立てて、さらに歌口のほぼ真上から息を優しく入れていた事です。おそらく、かなり細い息じゃなかったかなって思います。そうやると、鈴を鳴らしたようなリリンッって感じの音が鳴ります。この音って、ほんと、すごくキレイです。たぶん、あれがアゲハのベストポジションなんだろうな。
そうか、テストで言えば、模範解答を見せてもらったようなモノだもんな。ううむ、今度Sさんに調整してもらうチャンスがあったら、次はバッチリその辺を観察してこようっと。
>ムラマツEXⅢさん
そうか、なるほど、車のエンジンのチューニングみたいなものだと考えると、調整次第でフルートがガラリと変わってしまうのも納得です。なるほど、なるほど。
>体への音の入り方、出方が直接お聞きできないので想像になりますが、
腕の骨の中の骨髄を伝わって、フルートの管体の振動が、波の様に胸に響いてきます。まるで心臓のあたりにバイブレーターを入れた様な感じって言うと分かりやすいかな。無論、アゴの骨から振動が入ってきて、頭蓋骨の中も、目の裏側(おそらく副鼻腔のあたり)に小型バイブレーターを仕込まれた様な感じになります。
出方ですか? 子どもの頃に、扇風機に向かって「アーーーーー」って声を出して遊んだことありますか? なんか、あんな感じなんですよね。振動を伴った息が口から出て行く時は、耳の中側と目の奥が開いて、ブルブルブル~って感じに息がマッサージをしながら出て行く感じです。まるで、ハミングにも似た感じです。
分かります? あくまで、私の個人的な感じ方なんですけれど。