銀座に行きました。もちろん、ラモサウンドさんに行って、マテキフルートを吹き倒すためです。今度はきちんと営業日も確認して、電話予約まで入れました。もう、ばっちりです。
ちょうどお店に着いたら、先客がいまして、いいとこのお嬢様(高校生かな?)がフルートをご選定中でした。学生さんが親のお金でマテキフルートです。お金はあるところにはあるわけです。あまりに私とは身分が違うので、うらやましいという気持ちすら湧きませんでした。
お嬢様のご選定が終わったので、名前を呼ばれました。そう、ここのお店は一人ずつ対応するんですよ。で、いよいよ、次は私の番です。
電話予約の時に、今吹いているフルートを尋ねられました。それでしょうね、私のためには、二本のフルートが用意されていました。Ag943ドロウーンとAg990ソルダードです。Ag943というのは、純度94.3パーセントの銀で作られている総銀のフルートという意味です。同様にAg990とは純度99.0パーセントの銀を使って作られていますという意味です。
ちなみに普通の総銀フルートは、スターリングシルバーこと、Ag925です。つまり純度92.5パーセントの銀を使用しています。用意していただいたマテキフルートは、両方とも通常のものよりも、銀の純度が高いフルートです。Ag943という銀純度は、フルートの名器、オールドフレンチのルイロの総銀フルートが、この純度なのだそうで、それにならったそうです。Ag990は純銀に近いものをご用意してくださったとのことです。マテキさんには、Ag997という、もっと純銀に近いもの(メタライズドシルバー)があるので、本当はそちらを用意したかったそうですが、ただ今在庫切れということで、Ag990のご登場となったわけです。
参考までにアゲハさんはAg958(ブリタニアシルバー)です。昔はマテキさんでもAg958のフルートを作っていたそうですが、今は止めたそうです。理由は単純で、昔はルイロの銀純度はAg958だと思われていたので、その純度の銀を利用していたそうですが、最新の研究でルイロはAg943だと分かったので、今はAg943で作っているそうです。
アルタスのカタログによれば、オールドフレンチ(ルイロのこと?)の銀純度はAg946だそうで、だからアルタスALモデルはAg946(の巻管)なんですね。マテキさんとはちょっと数値が違いますが、似たようなものなんだろうと思います。
そんなにオールドフレンチとかルイロのフルートって、すごいわけ? それなら、今度、現物を試奏してみたいものです。
それはともかく、マテキフルートを吹きました。まずは、Ag943ドロウーンです。対応してくれた職人のオジサンは「リングで大丈夫ですか? ドロウーンで申し訳ない」と言いながら手渡してくれました。いえいえ、私はリングOKと言うか、リングの方が好きだし、ソルダードよりもドゥローン(マテキ用語ではドロウーン)の方が好きですから、お気になさらずに…。
吹いてみました。あれ? これ、アゲハだっけ? なんか、出てくる音といい、キータッチといい、アゲハそっくりだよ。アゲハの生き別れの姉妹ですか? 持った印象が、アゲハよりもスリムだけれど、それ以外は本当にアゲハにそっくりです。細身のアゲハ? なんか自宅でアゲハと遊んでいるような気になりました。
私の一吹きを聞いて、職人さんが「まだ余裕がありますね、巻管にしてみましょう」と言ってくれて、サクッと頭部管を通常の奴(イチョウ)から巻管タイプに変えてくれました。
吹いてみました。途端に音出しにパワーが要るようになりました。音の印象が、アゲハから少し離れました。いい感じだけれど、これを鳴らすのは、かなり大変です。でも、ちゃんと鳴らしたけれどね。巻管を毎日吹いていたら、体力つくぞお~。
でも、巻管もいいね。巻管って、管体そのものがソルダードなんだよね(って、分かる?)。音にすごくメリハリが付きます。
で、この巻管を吹いていたら、職人さんが「お客さん、普段はEメカのないフルートを吹いているでしょう」と聞いてきました。「もちろん、Eメカ無しのインラインリング式です」「それなら、オールドフレンチがお似合いですね」と来たもんだ。やっぱりオールドフレンチはいいフルートなのかな? しかし吹いている様子を見るだけで、、普段吹いているフルートにEメカが付いているかどうか、分かるものなんですね。何か、へんな吹き癖でもあるのかしら?
さっきのお嬢様が、自分の番が終わったにも関わらず、まだ残っていて、私の試奏を聴きながら、お母様やお祖母様と何やらひそひそ話しています。店内狭いから、結構気になるんだよねえ…。きっと「お母様、あそこでブタさんがフルート吹いているわ」「そんな失礼なことを言ってはいけません。あれはブタじゃなくて、カバです、カバ」「いいえ、あれはきっとゴリラに違いありませんよ」とお祖母様…って、わけないか。
ひとまずAg943を吹き終えたので、次にAg990を吹いてみました。こんなに銀純度の高いフルートを吹くのは始めてです。なんか吹く前からワクワクします。いずれはこんなに純度の高い銀のフルートを自分のものにしてみたいなあ…。
吹いてみました。感想…吹くのにパワー要ります。そんだけでした。すごく柔らかめのいい音になるかと思いきや、案外そうでもなく、平々凡々のフルートでした。はっきり言って拍子抜け。疲れ損。
職人さんが「楽器店としては、本当は高価なこっち(Ag990)を薦めないといけないのだけれど、お客さんは安い方(Ag943。安いと言っても70万円以上します)がいいね。こっちの巻管の方がずっとお客さんに合っているよ」だって。正直な人だね。私は常に安い方と相性が良いフルーティストなのだ。
Ag990よりAg943の方が私に合っているということは、アルタスで言えば、PSモデルよりALモデルの方が私に合っていそうだな。今度アルタスフェアがあったら、ぜひ確認しないと…。
あと、巻管フルートは通常のパイプから作るフルートと比べて、吹くのにパワーが必要な気がする。今回は、頭部管だけ巻管を試したけれど、機会があれば、全部が巻管のフルートを試してみたい気もする。真剣に購入を考えるなら、今の力量ではちょっと難しい笛を買うのがコツだから、そういう意味で“今購入”なら巻管フルートは第一候補でしょうね。でも、巻管フルートは、音の粒立ちが良い分、なめらかさに欠けるような気がするんだよねえ…。あちらを立てれば、こちらが立たずみたいな?
その後も、なんか職人さんと気が合って、色々と面白い話を聞いたり、フルートの作り方をおしえてもらったり、リペアの道具を見せてもらって説明してもらったり、なんかすごく勉強になったよ。ブログネタを一カ月分くらいもらっちゃった感じ。妻が言うには「オジサンふたりでヲタク話が花盛り」だったそうです。でもね、作りかけの巻管の頭部管なんて、なかなか素人さんは見れないよね。いやあ、楽しいオジサンだ。この人の魅力で、ここでフルートを買いたくなっちゃうね。
神秘のベールに包まれたマテキフルートだけど、その実体というか、魅力は、オーダーメイドフルートだということに尽きると思う。もっとも、オーダーメイドと言っても、ゼロから作るフルオーダーではなく、型紙を利用してつくるイージーオーダーのイメージかな。
だから、出来合いのマテキフルートそのものは、普通に丁寧に作られた高級フルート、単にそれだけだと思う。そういう意味では、出来上がったフルートとか、たとえ注文であれ、標準仕様のフルートを買うなら、マテキであれ、アルタスであれ、同じ事だと思う。だいたいマテキもアルタスも値段は同じようなものだし、常に品不足のマテキ(ただ今、ご注文より半年ほどお待ちいただくことになります、だって)よりも、山野楽器に行けば豊富に在庫が取り揃えてあるアルタスの方が、そこから自分に合ったフルートを選べるのだから、むしろアルタスの方がいいと思う。
マテキフルートの魅力は、色々とオーダーをして、自分にしっくり来るフルートを作ってもらえる点にあると思う。だから、マテキが欲しければ、直接ラモサウンドさんに行って、ここのオジサンの前でフルートを吹きながら、会話をして、自分の癖を見てもらい、自分の希望を伝え、予算などといったケチくらい事は考えずに、色々と細々した調整を考えてもらって、自分にピタッとした、世界にただ一本しかないフルートを作ってもらう。これがマテキフルートの魅力だと思う。
だってね、話をしていて思ったのは、ラモサウンドの職人さんは、凄腕のフルートソムリエだと思うよ。この人は正直な人だと思うし、信頼できそう。この人と一緒にフルート選びをしたら大丈夫だと思ったね。だから、ここに来て、この職人さんと話をしてからじゃないと、マテキフルートを買うべきではないと思ったよ。ま、私の個人的な意見ですが。
職人さんが言うには「マテキフルートをお求めにやってこられたお客様でも、人によっては、他のメーカーさんのフルートを薦めることがあります」「ここでフルートをご注文なさる前に、必ずよそで色々とフルートを吹き比べて来て欲しいと思います。色々と吹いて、それでもマテキフルートがいいとおっしゃる方に売りたいです」「私は、フルートが好きで、フルートを愛している方に、マテキフルートを買っていただきたいんです」
目を見て、そう言われました(汗)。
「ここに来る前によそに行かれましたか?」と聞かれたので、素直に「ええ」と答えましたよ。「気に入ったフルートはありましたか」と尋ねられたので「パウエルの木管フルートのゴールドメカ」と即答したら、職人さん、アチャーって顔をしたのが、面白かった(笑)。そりゃあ、木管フルートが好きって答えたら、マテキの出番はないよね。
でも、素直にマテキフルートはいいなあと思いました。キーはフェザータッチでいい感じ。音色は芯のある深い系だけれど、かなり華やかです。私が勘違いするほど、アルタスフルートと同じテイスト(同じ音…というわけではない)です。たぶん、目指す地点というか、理想とするフルート像が一緒なんでしょうね。
あと、吹いていて、すごく良く手に馴染みます。この馴染み具合が、私をしてアゲハに勘違いさせた部分だと思います。例えると、靴ね。同じメーカーの同じサイズの靴でも、他人の靴と自分の靴では、履いてみるとどこか違って感じるじゃない。マテキフルートは、その手の違和感をあんまり感じないんだ。他人の靴なのに自分の靴と間違えてしまうくらいのフィット感。例えが変で申し訳ないけれど、それくらい自然に馴染んでいると言いたいわけよ。
マテキは、試奏した二本のフルートとも、すごくよく手に馴染んで、最初から自分のフルートのような気がするくらいです。良くできた手工業品というか、職人技の光る楽器です。
あと、マテキフルートは持った感じが、とても軽いです。実際は純度の高い銀を使っているから重いと思うけれど、バランスが良いので、とても軽く感じるし、あと細身で小振りに感じます。キーポストやチムニーが低く作られているから、そう感じるのではないかと言ってました。そこはアルタスとは逆ベクトルだね。アルタスはチムニーはともかく、キーポストはどっちかと言うと高めに作られているから、太くてゴツく感じると思う。私はアルタスの太く感じるところが好きだけれど、手の小さな人とかはマテキの細身のフルートはいいんじゃないかな?
私が思うに、マテキフルートは、道具にほれ込むタイプの人向けのフルートだと思う。一本のフルートを徹底的に愛する人に良いフルートだと思う。はっきり言っちゃえば、フルートオタクというか、フルート偏愛者向けのフルートです。「このフルートが私の人生、最後にして最愛のフルート」と思える人が買うべきフルートでしょうね。
だから、初級者にはマテキは薦められないと思う。それにだいたい、マテキフルートって、どちらかと言うと、鳴らしづらいタイプのフルートなので(職人さんが言うには、それでもカットを変えたので、昔のものよりもずっと鳴らしやすくなったそうです。)、今まで洋銀系のフルートを吹いていました、やっと憧れの総銀を買います…なんて人には受難のフルートだと思うよ。
また、これを持っているとフルートが愛しくなるので、コレクターのように、たくさんフルートが欲しい人にも向かないと思う。
さらに演奏家さんのように、道具としての安定性を重視する人にも厳しいと思う。マテキフルートは趣味性がかなり高くて、そういう意味では、ちょっと不安定というか、繊細なフルートです。人前の演奏で使うには、こちら側の技量が相当試されると思うので、失敗できない本番には向かないと思う。失敗できない本番には、マテキではなく、ムラマツフルートが絶対いいと思います。
どちらにしても、マテキフルートは、奏者をとても選ぶタイプのフルートだよって事です。だって、オーダーメイドフルートだもん。注文者以外には合わなくても当たり前でしょ。
私は……欲しいかも。アゲハの次の総銀のフルートを考えた時、その時の自分が、出来合いのフルートに満足できなかったら、ここに来るかも。マテキフルートはオーダーメイドだけれど、イージーオーダーだから、高級フルートにしては、お値段リーズナブルなのよね。
そうこう話をしているうちに、次のお客さんが来たので、退散することにしました。
ラモサウンドさんの次は、いつもの山野楽器に行きました。ちょうど「輸入フルートフェア」をやっていたのですが、もう、パウエル行って、ムラマツ行って、お茶の水でソナーレ吹いて、ラモサウンドさんでマテキを吹いたので、さすがにお腹いっぱい。たくさん、外国製のフルートがあって、試奏もお願いすればできただろうけれど、遠慮しました。一応、フルートサロンをサアっと見て、その足でCD売場に行って、メサイアの音取りCDを買って、玄関で福引をしてウェットティッシュをもらいました。隣の木村屋であんパンをいっぱい買って、いよいよ本日のメインイベントに行きました。
え、メインイベントって何? それは、すみだトリフォニーホールで行なわれた、コール・クライネスの「カルミナ・ブラーナ」です。すごくよかったよ。去年、一番最後に見たコンサートだったけれど、一番感動したステージでした。細かいキズが無かったわけではないけれど、何よりも迫力のあるステージに感動。カルミナ・ブラーナのような、大規模な曲は、CDでは満足に再現できないと思いました。とにかく、楽器及び合唱団の数が半端なく多いし、ppとffの差が激しい激しい。いやーよかったですよ。
巡り合わせが良くて、とても良い席で見れたので、満足満足。大人気のコンサートで、チケットを持っていたにも関わらず(全席自由だったので)入れなかった人もたくさんいたそうです。それくらいの人気コンサートだったと言うわけだし、人気にたがわぬ出来でした。
すごく感激したので、帰りにラーメン食べて帰りました。別に関係ないか。
パウエルフルートから始まって、カルミナ・ブラーナで終わった一日。とても音楽的に充実した一日を過ごせました。ちゃんちゃん。
コメント
わぁ、何だかすごいですねぇ。
パウエルといい、ラモサウンドといい…耳の良いカリスマ店員さんがいらっしゃるのですね。
私、そんな店員さんに言いくるめられてホイホイ買ってしまいそうです(現実には無理だけどさっ)
でもきっと、お店に行ったのがすとんさんだから、そういう店員さんが接客に付いたのでは???
私だったら「何だか貧乏そうなオバチャンが来たな…」って相手にしてもらえないかも(^^;
マテキフルート、これまたやはりお世話になっている楽器屋さんで1本だけ吹いたことがあります。
迫力の大音量!でした。特に低音が良く響いた印象があります。
そしてとても吹きやすかった~。
マテキって数種類の頭部管があるんですよね?
いつか吹き比べ遊びに行ってみたいです。
>くろねこさん
マテキが大音量? 吹くのに一生懸命で(だって、鳴らしづらいんだよ)、音量までは気にしませんでした。おっしゃるとおり、マテキは数種類の頭部管がありますから、頭部管でキャラクターもだいぶ変わると思います。大音量系の頭部管があるのかな?
耳のよいカリスマ店員さんがいるのは、おそらく東京だからでしょうね。接客態度が良いのも同様だと思います。地方在住者の目でみると、やはり東京の楽器屋さんはすごいです。なんだかんだと言っても、東京なんですよ。
>私、そんな店員さんに言いくるめられてホイホイ買ってしまいそうです
それは大丈夫。あの人たちはそんな事しませんから(笑)。フルートって、何度もお店に足を運んで、丁寧に選んで買うものだって、分かってますし、またそういう人を大切にするみたいです。高額商品を扱うお店の店員さんは、たいていそんな感じです。
だから、一見さんであっても、今日は買わないぞという素振りの客であっても、あの人たちは、丁寧に対応します。いつかフルートを買う時に、ウチで買ってくれるとうれしいな…的な気分なんでしょうね。
>いつか吹き比べ遊びに行ってみたいです。
楽しいですよ。おすすめです。
パウエルからカルミナ…までが「1日」なんですか?? 凄い行動力!
専門店店員さんは殆どがその楽器を専攻された方なので耳はシビアですから頼りになりますよ。量販楽器店では(何処とは言いませんが)一人で何種類も受け持ったり、楽器によっては吹ける者がいませんので、、と渋い顔をされたりしますねぇ。
>めいぷるさん
はい、パウエルからカルミナまでが一日です。我ながら、ハイパーでパワフルな一日だったと思います(笑)。ま、私は好きで動き回ったのですから、いいのですが、これに付き合って、一緒に行動してくれた(フルートにはほとんど興味のない)妻はエラいと思いました。逆の立場だったら、私はそこまで付き合えたかなあ…?
かなり疲れた事は事実です(笑)。だから、山野楽器に行ってもフルートを試奏しなかったことはご理解いただけたかと思います。ちなみに、当初の予定では、ラモサウンドと山野楽器の間に、天賞堂に行って「鉄道模型を冷やかしている鉄ヲタを冷やかす」という、何とも諧謔的でワクワクするようなプログラムも用意していたのですが、直前回避をいたしました。疲れてしまって、鉄ヲタを冷やかす余裕がなくなりました(笑)。
おっしゃるとおり、専門店の店員さんは、本当にいい耳を持ってらっしゃる。その楽器を専攻された方々と聞いて、納得しました。そうだろうなあ、みなさん、ただ者じゃないよね。
量販店の店員さんは…地方在住者の味方です(大笑)。だって、地方には専門店なんてないもん! ま、東京にヒョイヒョイ出られる私は、幸せなモノなんだろうな。
長い一日ですね…お疲れ様。
一番疲れたのは奥様でしょうか。
それにしても、東京の楽器店というのは
本当に一流ですね。
お金さえあれば、日帰りでもいいから
是非いきたいです。
あ…ムラマツ私は会員です。
会員になると、CDとか10%だったかな、
割引になります。
あと、年間4冊季刊誌が来ます。
この季刊誌はけっこう面白いですよ。
試奏、リクエストしてもいいですか?
とてもきになっている、ナガハラをおねがいしますm(_ _)m
>まきりんさん
ナガハラですか? うわー、また車が買えそうなお値段の高級フルートのリクエストですねえ。
ナガハラと言うと、ゴールウェイの現在の愛笛がたしかナガハラでしたよね。分かりました。今年の春にアゲハの六カ月健診に行こうと思ってますので、その時にお店にナガハラがあれば、勇気を出して、ショーウィンドウから出してもらって、試奏してきたいと思います。
それにしてもナガハラですか。プロでもなかなか持ってないでしょ、このフルートは。そういう意味では、私も興味シンシンですが…分かるかな、私で(半笑)。
マテキの943巻き管はよいですよね・・・・本当にウットリ・・・
このモデルはマテキでもっとも売れ筋のようですし、ファンもいっぱいおられるようです。9k、10kランクのゴールドにグレードアップするか、これにするか、迷いました。数年前ですが、今でも覚えています。
何気なく試したのですが、今のムラマツ先生が見劣り(当時)してしまったくらい。
ああ、なんでこっちを選ばなかったんだろうって、ムラマツ先生をないがしろにしたこともありました(笑)。
マテキ、これは道具を愛する人のための楽器メーカーですね。心底、この楽器が好き、この道具を愛してる!、という感じで、マニアックな感じがしますね。少し癖もありますし・・・。こだわりすぎじゃねっていうぐらい、こだわっていて・・・。 こだわり派の人にはあうと思います。
あと、なんとなく室内楽にあいそうってイメージも・・・あくまでイメージですが。
意外と「すとん」さんにもあうのではないでしょうか?ショールームの店長さん?とも気があうわけですし。
ここは職人気質を一番感じさせるショールーム?ですよね。私はこのおじさんがちょっと苦手です・・・・。圧倒されます。
私はけっこうせっかちで大雑把な人間ですから、マテキというメーカーの繊細さやこだわりぶりが意外にあわなくて、もっとも安いマテキモデルを調教できず、手放してしまいました。
そんなこともあって、マテキ943は買い求めず、ムラマツセンセイを手放すにいたらず、違う方向にいってしまいました。
でもいい楽器で、これを求めるというご縁がほしかったです。楽器とかメーカーとの出会いっていうのは、ご縁というか、何だかあちらに選ばれているような気がする今日この頃です。私はマテキには選ばれなかったのかもしれないです。
>かさん
あはあは、ムラマツと徹底的に相性の悪い私からすれば、ムラマツ先生と懇意にしている、かさんなんて憧れの存在なんですけれどねえ…。
フルートもそれぞれ、人もそれぞれだと思います。たくさん(と言うほどでもありませんが)フルートを吹けば吹くほど、悪いフルートなんて、この世にはなく、あるのは、自分と相性の良いフルートと悪いフルートだけなのではなかろうかという気になります。
ま、本当に悪いフルートと出会った事がないだけなのかもしれませんが。
私は、マテキ、結構気に入りましたよ。買うなら、ラモサウンドさんに通って、徹底的にこだわったものにしたいと思うくらいです。また、それくらいの気持ちを受け入れてくれるフルートメーカーだと思いますし。
それに私、どうやらマテキの音が好きみたいだし。
マテキの943巻管はいいですよ。でも私が試したのは頭部管だけ巻管なので、全身巻管の奴も試したいです。きっと、うっとりしますよ。
人とフルートの出会いも、間違いなく“ご縁”あってのものだと思います。
マテキ、ぜひ2本目に!!
きっとお手持ちの愛器との相性もよいと思います。アゲハさんとは少し異なるタイプをもってみるのも楽しいでしょうね。
943巻き管のソルダード、とてもよかったです。今はちょっと難しいなと思っても、続けていくうちに自分がそちらにあってくる、ということもあります。
私はソルダードだともつのに重いのでは?とか、息圧の弱さが心配・・・という講師の心配があって、いまだドローンのみなんですが、男性の方ならば大丈夫だと思います。
私の地元の女性講師はムラマツのSRなんですが、DSにはない深み、重厚さがいいです。
マテキさんとあうのであれば、ゆっくりいろいろなモデルをためさせていただくと楽しいです。私は「リップ金」なるものも試しました。リップだけ14金(アルタスではエミリー・バイノンが使っているのと同じタイプ)
ですと、またぜんぜん違うんです。それはよかったです。
>かさん
リップ金は私も薦められましたねえ…。現物がなかったので試奏には至りませんでしたが…。なんでも音の立ち上がりが早くなり、タンギングが楽になるそうです。
音の立ち上がりが早いのは確かにいいですね。実はアゲハに変えた時、最初に思ったのが「この子は音の立ち上がりが早い」ってことです。ま、チャイナ娘と比較してはかわいそうですが、音の立ち上がりが早いとそれだけで気持ちいいです。
リップ金はリップ銀よりもだいぶ立ち上がりが早いそうです。魅力ですね。もっとも、たかがリップですが、音色も変わりますので、そこがネックかな?と思ってます。何しろゴールドとは相性の悪い私ですから。
以前、ミヤザワフルートでリップ金を試した事があります。ミヤザワはスロースターターなので、簡単な試奏で判断してはいけないのですが、リップ銀よりもリップ金の方が心地よかったです…が、長いこと吹くとたぶん印象が変わります(笑)。だってミヤザワだもん。長く吹いていると、だんだんゴールドっぽい音が出てくるような気がします。ゴールド苦手…。
そうは言っても個人的にはリップ金には、やはり心がひかれます。それは「さびない」という点です。アゲハのリップはかなり強烈にさびます。一週間でかなりサビるんですよ。サビが変色だけならいいのですが、実はサビるとかなりクチビルの感触が悪くなるので、管体のサビは放置の私でも、リップのサビに関して、ほぼ毎週磨いて落としています。このサビ落としの手間がリップ金になると解決されるので、心ひかれるのです。
943巻管ソルダード(リップ金)は、確かに要チェックフルートだと思います。
「高校生のお嬢様」がって、想像できます・・・。お嬢様でけっこう頭はよくて、だから自信満々でわがまま・・
私の塾の生徒にもそういう子がいまして、遠路はるばる上京して習っていたのに、じゃあなぜか音大を目指すわけでなく、高い高いマテキ総銀製・・・ まあ、生意気
「マテキ、すごくいい音がします」
と他メーカーをこばかにしているような口調がイラっときました・・・。 おまけに自分がうまいんだってことを言葉のはしばしからアピールしてるんです。
お客様ですから、はいはいって聞いてますけど、内心のみピクピクです。早く世の中で痛い目にあいなさいと・・・。
でもお嬢様だから、お医者様のお父様のそばで裕福に暮らせるのでしょう。
そういう傲慢なクソガキ様と接するというのはなかなかストレスです。思春期というのは、まあ傲慢で自信過剰な生き物ですから、ここは大人になって我慢するしかないですね・・・
ああ、今日はフルートの話題からずれました。
>かさん
ははは、確かにお嬢様、マテキの総銀をご注文なさってましたよ。ちなみにフルートケースはワインレッドだそうです。オシャレですね。
ご注文の時に、お祖母さんが「次はゴールドなんでしょ」と言ってましたが、お母様が「でもしばらくは、これで我慢してもらわないと…」という会話がありましたよ。
はあ? マテキの総銀で我慢ですか?って感じ。
マテキの総銀は、私のお給料の何カ月分だと思っているんでしょうね。大の大人が何カ月も働かないと買えないものを『我慢』して使ってもらう…日本にも確実に階層とか身分とか、あると思います。ほんと、うらやましくなんか全然ないですね、違いすぎて…。
お嬢様のお父様がお医者様かどうかまでは、分かりませんでした(笑)。
ラモサウンドって、前を通りかかったことは何回もあります。でも、何となく敷居が高くて、足を踏み入れたことはありません。場所的には、山野楽器とそう離れていなかったと記憶していますが、山野楽器に比べてとても「高級っぽい」ように感じられるのです。生の楽器だって、高級だと思いますが。
我がEXは、実際に払った金額で確か23万円くらいでした。これでも、これまでに買った中でもっとも高価な楽器です。それも群を抜いて、です。で、別にEXで我慢したわけでは全くなくて、非常に満足しています。
>inti-solさん
ラモサウンドさんは、たしかに敷居が高いです。一見でフラッと入ってはいけませんよ。あの店は要予約の店なんです。お店に行くときは必ず電話予約を入れてくださいね。その代わり、きっちりとディープに接客をしてくれます。
場所は、山野楽器のウラって感じで、本当に近くです。あそこは、フルートをオーダーメイドで作るところなので、通常の楽器屋さんは、一味もニ味も違うお店です。あそこで、フルートを試奏するのは、色々な意味で危険だと思います。
私も楽器をソコソコ持っているオジサンなんですが、やっぱりフルートが一番高価な楽器です。
>で、別にEXで我慢したわけでは全くなくて、非常に満足しています。
はい、よく分かります。フルートの値段は上を見たらキリはないし、所有楽器の価格で楽器の優劣が決まるわけではありません。あくまで、奏者との相性が最優先ですし、演奏する音楽ジャンルや演奏スタイルでも楽器選びが変わってきます。あと、何と言っても、フルートは奏者が育てる楽器だそうです。慈しんで育ててきたフルートは、何モノにもかえられない価値があるそうです。私もわずか半年かそこらしかアゲハと付き合ってませんか、この子の前では、24Kフルートだって霞みます。私も自分のフルートにラブな人です。
ただし、パウエルの木管金メカには負けるかもしれませんが(大笑)。
> 所有楽器の価格で楽器の優劣が決まるわけではありません。
まったくおっしゃるとおりですね。かのモイーズは終生洋銀のフルートを吹いていたそうですね。もっとも、洋銀とは言っても、特注品でしょうから、安価ではなかったかの知れませんが。
九州の方のフルート屋さんで、YFL211で名曲を演奏したMP3を公開されている方がいましたが、上手い人は安い楽器を吹いても上手いんだなと思いました。逆にうまくない人が高価な楽器を吹いても、上手い演奏にはならないでしょう。
> フルートは奏者が育てる楽器だそうです。
いや、これはどんな楽器でも同じだと思いますよ。特に管楽器はそうですね。買ったばかりの笛は音が出しにくかったり音が硬かったりします。長く吹いた笛は体の一部のように吹きやすい。それで、私は同じケーナを15年以上使い続けました。ひびが入り、汚れ放題のボロボロのケーナですが、抜群に吹きやすくて(自分にとっては)、どうしても乗り換えられなかった。去年、とうとう新しい笛に変えましたけど。「これだ!」と思って購入してから、実際に人前で吹くのに使えるようになるまでに、3ヶ月かかりました。
> 行くときは必ず電話予約を入れてくださいね。
何だか、ガクガクブルブルです。とても予約する気になれません。というわけで、私には縁のない場所のまま終わりそうですね。
>inti-solさん
>上手い人は安い楽器を吹いても上手いんだなと思いました。
まったくその通りです。ただ、おそらくそういう方が高い楽器(と言うか、表現力のある楽器)を吹けば、さらに良い演奏になるでしょうね。
>逆にうまくない人が高価な楽器を吹いても、上手い演奏にはならないでしょう。
フルートの場合は、音が出ないと思います(フルートは発音そのものが難しいですからね)。あと、音が出ても、その楽器の潜在能力を引き出せないので、安い楽器を吹いたのと、結果は同じになってしまうでしょうね。
ケーナの話は興味深く読みました。素人考えですが、個体差が激しそうですね。手に馴染んだ道具(楽器を含む)はやはり自分にとってベストですね。私は子どもの頃から、下手なギターを弾きますが、音は悪くても、練習で使っているギターが一番手に馴染みます。
それとモイーズの話。そう、モイーズは洋銀フルートだったそうですね。それもカビでガビガビだったそうです。楽器は高ければいいわけではないぞ、という立派な証人ですね。