スポンサーリンク

お腹を常にひっこめよう

 発表会後、初めての声楽のレッスンに行ってきました。

 今回のレッスンでは、たっぷり“呼吸”をやってきました。一緒にレッスンを受けている妻は、入門するとすぐに発表会だったため、その手の基礎がゴソっと抜けているので、そこから始める必要があるという事と、私にとっても、ひさしぶりの呼吸練習(発表会の準備中は歌にかかりっきり)だったので、修正をしてもらう必要があるというわけで、二人して基本の基礎の呼吸をたっぷりやりました。

 久しぶりの呼吸練習……もう少しで意識が飛ぶところでした(笑)。ヤバかったなあ…、いやあ、真面目に呼吸練習をすると、シンドイですね。

 今回、確認したのは、背筋の具体的な使い方。それぞれの筋肉のひっぱる方向とか力の入れ具合とか、そういう点。グループレッスンの時は「まあまあ、それくらい出来ていればいいか」と済ませてもらえた事も、個人レッスンなので、みっちりきっちりチェックを受けました。

 アバウトに今まで「背中」と教わってきましたが、今回は具体的にどこの筋肉をどんなふうにひっぱるかを確認。筋肉の名称も習ったけど…忘れた、ごめん。とにかく背骨の脇の大きな筋肉をグイグイグイと下へ引っ張り続けるんだな。で、同じ背中でも、そのすぐ横の筋肉たちは脱力して、内臓にかかる腹圧を逃してやるという事も習いました。息を吸っている時も吐いている時も、常に常に背中の脇の縦の筋肉を緊張させ続けることが肝心なのですよ。決して緩めてはいけないのです。

 ヨガの呼吸と声楽の呼吸の相違点も習ったけど、ブログでは割愛(長くなるし、私はヨガの事、よく知らないので間違ったらマズイし)。

 とにかく“腹式呼吸”と世間では言うし、それでもいいのだけれど、キング門下では、この声楽で使う呼吸の事を“横隔膜呼吸”と呼びたいそうです。横隔膜呼吸、いいじゃないですか。どなたの造語か知りませんが「声楽は横隔膜呼吸」、分かりやすくていいです。

 とにかく、呼吸は急務です。しっかり基礎固めをしていきましょう。

 少し前に私がブログに「声楽は日課練習みたいな事をしてない」と書いたのを、先生はご覧になっているので「呼吸の練習を、ぜひ日課練習に加えるように」とやさしくアドバイスしてくださいました。

 それなのに、私ときたら「呼吸の練習はつまらないから…(やりたくない)」とグチったところ「つまらない練習だからこそ、きちんと丁寧にコツコツとやらないと力がつきません」と言われました。確かに、その通りです。

 あきらめて、呼吸の練習を日課練習に加えることにしました。もっとも、先生から、楽しく呼吸練習をするコツみたいな事は教わったので(音楽に合わせやるって事サ)、退屈だけれど、ちょっとは楽しくなるように工夫をしながら、しばらくは毎日、呼吸の練習をすることにします。

 自宅での呼吸練習の際は、息の通り道を常に意識して行うように言われました。絶対に目的の分からない練習はしてはいけないとも言われました。それと、犬の呼吸(舌を出してハアハアやるトレーニング)は、筋トレのようなものだと思って、割り切って行った方が良いとも言われました。ラジャー、呼吸の練習を日課練習として、励むことにします。

 で、呼吸の確認のために、(呼吸で使う)背中を見てもらっていましたが、あわせてお腹の方も確認してもらいました。背中は「もう少しがんばろう」程度でしたが、お腹は全然ダメだそうです。

 お腹は、呼吸とは直接関係ありません。だって、腹式呼吸ではなく横隔膜呼吸をしているんだから、呼吸とお腹は無関係なんです。ではお腹は…と言うと、こっちは音程の保持のために使われます。つまり、お腹の筋肉が弱いと言うことは、使える音域が狭いということなんです。

 私の欠点の一つが、この腹筋なんです。ただし、腹筋と言っても、腹筋運動で鍛える、いわゆる腹筋ではなく、声楽で使うインナーマッスル系の腹筋が弱いので、高音が支えきれずに高い声がヘナヘナになったり、引っくり返ったりするわけなんです。ですから、それを予防するためには、日頃から腹筋を思いっきり後ろに引っ張り続けることが肝心なのだそうです。いわゆる“腹筋運動”をしても無駄なんですね。

 後ろに引っ張りづける感覚、引っ張るというよりも「内蔵ごと背中から押し出すつもりで」と言った感じです。かなり強く体を後ろへひっぱります。とても大変です。でもやんないとね。

 この動作、女性は子宮を上に引っ張り上げる感覚と習うそうですが…私も先生も男性なので???です。ま、ここを読んでいる女性声楽初心者のために書き添えておきます。

 常にお腹を後ろへひっぱるわけで、いくら太っていても、ベルトの上にお肉が乗っているようでは、いけないそうです。お肉が乗らない様に、常にお腹を引っ張りつづけ(つまり、へこませ続け)ていなければ、いけないんだって。はっきり言って、腹筋、釣るかも(涙)。

 そんなこんなで、背中とお腹を酷使して、ヘトヘトになった頃、ようやく歌を見てもらいました。

 今回は、サラっと一回歌って、自宅練習での成果をチェックしてもらいました。注意されたことを書きます。

 まず、楽譜に正確に精密に歌うこと。「Lascia Ch’io pianga」はよく知っている曲と言うこともありますが、耳で覚えた通りではなくて、しっかり楽譜を読み取って、きちんと歌いましょうとのことです。具体的に言えば、装飾音符の一つも、音楽記号の一つも、おろそかにしてはいけないという事。

 ブレスが多すぎ。なるべくたっぷりとしたフレージングで、息を長くして歌うこと。休符とブレス記号がある場所以外では、絶対にブレスをしてはいけないのです(涙)。例え、歌詞の区切りが良くても、音楽的に休符(あるいはブレス記号)が入っていなければ、音は続けていかないといけません。

 やれるかなあ…いや、やらないといけないことは重々承知だけれど、それをやると、今と比べてブレスの回数が減ってしまいます(涙)。酸欠にもなるし、第一、息が足りなくなります。…が、つまり、それだけしっかりと息を支えて歌え、という事です。大変だけど、ひとまず頑張ってみます。

 e che sospiri の e に注意。ここがヘマっているので、次の che が歌えてない。この che がこの曲での最高音(ソ)になるわけだけれど、まず、この che を100パーセントの声で歌わないようにする。力的には90パーセントくらいの声でいいので、むしろ、音量よりも響きに注意して歌うこと。そのためには、その直前の e(レ)と何も変えずに歌うこと。つまり、e を歌う時に、すでに体は che の態勢にしておくということです。

 本当に e che sospiri の部分は難しいです。先生と一緒に歌うとできるんだけれど、一人で歌うとなかなか上手くはいきません。一つは自信がないので、ついつい力んでしまうこと。もう一つはソの音程が体にきちんと入っていないので、ついついぶら下がってしまうこと。ここだね、問題点は。

 じっくり、取り組んでいきましょう。決して歌えない歌ではないのだから、あとは細かいところを一つずつ丹念につぶしていけば、必ずきちんと歌えるようになるはずだから。そのためにも、お腹を鍛えて、高い音になってもヘナヘナにならないようにしないとね。

コメント

  1. Cecilia より:

    フルート記事も、金魚記事も、ダイエット記事も楽しみですが、やはり声楽レッスン記事が楽しみです。(笑)

    実はキング先生のブログもこっそり拝見させていただいて、演奏も聴かせていただいています。(恥ずかしいのでコメントしない予定ですが・・・。)
    キング先生のお声、お見受けした感じからはかなり意外でした。
    もっとぱ~んと底抜けに明るい響きを想像していたのですが、もちろん響きは明るいけれど端正でリリックな感じでした。
    そこらへんがすとんさんと共通していると思いました。
    (もちろん師事しているのですからそうならないほうがおかしいのですが。)
    キング先生ってもっと”マッチョマン”かと思っていたのです。(すみません・・・。)

    呼吸法・・・うーん、面倒くさいです。
    ただし音を出さなくて良いのですからできるものならきちんとしたほうがいいですね。
    でもこれもきちんとした指導のもとにしないといけないでしょうし、難しいですね。
    犬の呼吸みたいに・・・ってそういう発声練習の歌がありますよね!
    ♪犬のお腹がハハハハハ、腹筋使ってハハハハハ・・・。犬の真似して~スタッカートの練習を~はじめ・ま・しょう~!ハ・ハ・ハ~ハハハハハ~・・・・♪

  2. すとん より:

    >Ceciliaさん

     私もなるべく声楽の記事をフルートの記事と同じ頻度でアップしようと心がけていますが、なかなかどうして、そうもいかず、フルート系の記事が多めになってしまい、声楽ファンの方々には、後ろめたい気持ちがないわけではありません。ただ、レッスンの回数が違うから(声楽が2回、フルートが3回)、どうしてもレッスンの記録を…となると、フルートの回数が増えてしまうし、その他のエッセイにしても、フルートは楽器を使いますから、楽器にまつわる話が入りますし、それでフルート系の記事が増えてしまいます。

     申し訳ないです。

     さて、キング先生の声、なかなかキレイでしょう。あれは録音だし、当日のホールは小さなホールだったので、先生も抑え気味に歌われたので、パワフルには聞こえませんが、実はかなりの大音量派で、パワーシンギングな人です。先生はなかなか歌えるオペラ歌手なんですが、日本にはオペラ劇場もオペラ公演も圧倒的に少ないので、彼のようにかなり歌える人でも、歌だけで生活を支えるのは厳しいのが現状です。ヨーロッパ諸国のように、津々浦々にオペラ劇場がある環境なら、きっと私の先生はしていないでしょうね。

     呼吸だけに限らず、声楽の練習は、一人でやるのは、色々と厳しい面がありますよね。先生を見つけて個人レッスンを受けるか、声楽アンサンブルや合唱団に加わるとかの方法がないわけではないでしょうが、Ceciliaさんみたいになまじ歌えると、地方だと色々と厳しいでしょうね。ご同情申し上げます。(大きなお世話ですね、ごめんなさい)

  3. Cecilia より:

    ああ、やっぱりパワーシンギングな方なのですね!
    そしてホールに合わせて響きを抑えていらっしゃるのですね!
    これってオペラ歌手なら当然することなのでしょうか?
    どうもそうではないような気がします。
    普通は会場が小さかろうと大きなホールと同じような発声で歌っているように見受けられるのですが?
    それに私たちのような立場であればそこまで調整できなくて、歌うのに必死じゃないですか?

    実はこのことをいずれ記事にしたかったのですが、レッスンで教わったとおりの発声で教会で歌ったことがあるのですが、その教会は小さな木造でした。
    当然会場に対して声が大きすぎるわけですよ。
    私の声は録音では小さめに聴こえるかもしれませんが、結構大きいのです。(とてもよく響くかと言われれば微妙ですが小さくないことは確かです。)
    教会の皆さんは「良かったよ~。」とお世辞を言ってくださいましたが、牧師からは「大きすぎ(=うるさい)」と言われました。(苦笑)
    でもこういうこと・・・私はどの先生からも教わってないです。

    やっぱりキング先生って”気配りの方”なのですね!

  4. Cecilia より:

    追記です。
    私は”なまじ歌えるレベル”にも達していませんが、確かに地方では厳しいのですよ~。
    近場の大都会の名古屋まで出ればいろいろあると思うのですが、月一回それをするのも結構大変なものが・・・。
    しかもネットでレッスンを検索ってなかなかよい情報がないですよね!
    誰のレッスンでもよければ事は簡単です。

  5. YOSHIE より:

    すとんさんの声楽の記事は声楽に疎い私が読むと“健康メモ”みたいです。表現が、失礼でしたらすみません‥‥。声楽の基礎トレをすると健康増進しそうな気がします。私は声が細くて通らないのでボイトレでもやった方がいいのかなぁ?と思ったことも。先日本屋をぶらついていたら『ABC‥‥あたりまえのことを、バカになって、ちゃんとやる、の頭文字』というような本がありました。すとんさんのことなのでご存じかもしれませんが・・・。って言うか〜〜うわっ!!耳が痛いぞ、自分!(あ、眼か?)。ちょっと自分にも喝入れるつもりでコメしてます。ABC‥‥ABC…ア〜バ〜チ〜だぞ、と。

  6. すとん より:

    >Ceciliaさん

     「会場なりに歌うのが基本だよ」とキング先生に言われたことがあります。これは裏返せば「響くところでは響きを最大限に利用し、そうでないところは自分で響きをたくさん作り出して歌わないとネ」という意味でもあります。もちろん、声が会場に対して足りないのは論外ですが、余ってもいけません。そんな事を私は習いました……が、実際にやるのは難しいです。おっしゃるとおり、ついつい、全力で歌いがちですからね。

     ですから、発表会の当日のリハーサルの時、会場はよく響くところだったので、先生からは「響き、響き、響きをよく聞いて、利用して」とアドバイスされ、そこに注意をして、歌ったつもりです。

     なぜ“会場なり”に歌う事が必要なのかと言うと“会場も声を作る楽器の一つとして考えましょう”とは、よくキング先生がおっしゃる事です。

    >やっぱりキング先生って”気配りの方”なのですね!

     もちろん、気配りの人なんですが、それよりも舞台経験の多さからの発言なんだと思います。

    >誰のレッスンでもよければ事は簡単です。

     そうそう、先生探しって、大変ですよね。特に声楽の場合は、先生の絶対数が少ない上に、声種の制限もあるし…。近所なら、私と一緒にキング門下に入るとか、あるいはそうでなくても、こっちはそれなりに女性の先生もたくさんいますので、いろいろと手はあるんですけれど。

  7. すとん より:

    >YOSHIEさん

     確かに声楽の記事は、読みようによっては「健康メモ」かもしれませんね、納得。でも、これは仕方のないことで、声楽って、体が楽器なんですよ。だから、体を鍛え、体調を整え、体を作り替えていく事が日常的に必要なわけで、それは確かに健康法に通じるところはあります。

     実際に声楽家は健康な人が多いですし、年を取ってもお元気な方が多いです。

     でも、その一方で、体重は多ければ多いほど良いと思われているフシがあるので、体重の多さはかなり重要ポイントとなります。だからでしょうか、みなさん、メタボだったりします(笑)。

     中にはスマートに見える声楽家もいますが、そういう人は正面から見ると普通でも、横から見るとデップリしたタイプの人です。ま、前後に太るタイプの人です(外人に多いです)。

     ですから、声楽は確かに健康にいいと思いますが、リアルな声楽家を見ると、その体型にがっかりするので、あまり期待をしないように。

  8. lovecat より:

    はじめまして
    私は声楽の教室をさがしているところです

    あなた様の習っている教室や去年の一月十四日に行かれた発表会を主催していた教室を教えていただけないでしょうか?
    katen_auge99@yahoo.co.jp

  9. すとん より:

    >lovecatさん

     後日、メールでお返事いたしますので、しばらくお待ちいただけますでしょうか。

  10. すとん より:

    >lovecatさん

     2009年7月2日に、メールで返信しました。メールボックスをご確認ください。

タイトルとURLをコピーしました