先日のレッスンの話の続きです。
私が高音ミの発音にあまりに苦労をしているので、先生が楽器の調子が悪いのではないかと疑いを持ち、点検を兼ねて、アゲハを吹かせてほしいとおっしゃいました。
はい、もちろん、お願いしました。先生がおっしゃるには、実用レベルでは演奏には支障がないという事でした。それどころか、アゲハは高音域が鳴りやすい楽器だし、もちろん高音ミも鳴りやすい楽器だと思ってもかまいませんとおっしゃいました。つまり、私の音がひどく、高音域で苦労をしているのは、アゲハのせいではなく、私の側の問題なのだそうです。ははは、がんばります(涙)。
実はこの話は、意外なオチがありまして、レッスンのすぐ後に楽器店で(予約を入れてあったので)アゲハを調整に出したところ『かなり調子が悪いです』ということでしっかり調整してもらいました。つまり、リペアの人から見れば「要、調整品」だったのです。でも、先生から見れば「ちょっと大変だけど、まだ十分吹ける範囲」ということなのでしょう。そういう意味でも、早く十分に上達したいものです。
もちろん、調整済みのアゲハは、とても吹きやすく高音ミも楽々と出るようになりました。やはり技術の足りない初心者には、高いレベルできちんと調整されたフルートが(もしかすると練習を重ねるよりも大切で)必要ですし、プロ奏者は調整うんぬんよりも、多少の不調は、楽器をねじ伏せられるだけの音楽的な腕力が必要なんだなあと思いました。
それはともかく、先生が久しぶりにアゲハを吹いてくださいました。いやあ、アゲハって、すごく良い楽器だと思いました。惚れ直しましたね。
先生がご自分のフルートで奏でられる音は、まろやかでやさしい音を基本としながらも、実に多彩な音色を出す、それこそ、いかにもジャズ系フルートの音なんです。イメージ的には、厚手で柔らかめの布のような手触りの音なんです。ボサノヴァのあのサウンドにピッタリの音なんです。ところが、その先生がアゲハを吹くと、微塵もジャズではなく、正統的なクラシカルな音になるから、とてもおもしろいです。
先生がアゲハを吹くと、優しい音だけれど、同時に凛とした音になります。例えて言うと“コロラチューラを得意とする白人の若いソプラノ歌手が比較的楽な音域で歌っている”ようなイメージと言うと、私的にはピッタリなんですが、この例え、分かりますか?
クラシカルな音と書きましたが、その音はモーツァルトのイメージではなく、もちろんバッハでもブラームスでもシューベルトでもなく、ドビュッシーやフォーレのイメージかな? ドイツというよりはフランス。少なくとも瀧廉太郎やガーシュウィンではありません、つまり日本やアメリカの音とはちょっと違います。まさに私の大好きな音色です。ま、自分で選んだフルートなんだから、好きな音がするのは当たり前なんだけれど(笑)。
でも、アゲハ、私が吹くと、多少なりとも和のテイストがあるんだけれど、笛先生が吹くと、完全に洋モノって感じになります。いやあ、フルートって、奏者で本当にイメージ変わりますね。それと、やはり楽器による音色の違いも厳然とありますね。先生がご自分の楽器を吹いた時の音、アゲハを吹いた時の音は、やはり全然違いますからね。
特に奏者がきちんと吹ける人だと、楽器の違いもより際立つようです。私だと、ここまでアゲハの特徴を引き出せませんから…。
アゲハ。その音色も良くて、うっとりしましたが、もっと感心したのは、その音量というか響き。レッスンの部屋はたぶん15畳程度の防音をした、さほど広くない部屋なのですが、その部屋中にアゲハの音が響き渡るというか、轟くというか…。もちろん、先生が楽器の点検のために、わざとpp~ffの強さまで吹いたから、部屋中に響き渡ったのだけれど、特にffの時なんて、びっくりするぐらいに音が響きました。いやあ、そんな迫力のあるフルートの演奏なんて聞いたことがないから、びっくりしちゃいました。
もちろんffだけでなく、普通に吹く(mf)程度の音量でも、アゲハの音は、音量があるというか、部屋中がアゲハの音だらけになるというか、実に遠くまで音が響き渡るフルートだと予感されるような鳴りッぷりでした。
アルタスフルートは『音量小さめ!』と思いきや、いやいや、アゲハがちゃんと鳴らないのは、楽器のせいではなく、私のせいだと、本当によく分かる演奏でした。何しろ、奏者が先生だと、まるで水を得た魚のように、生き生きと鳴り響くのだからネ…。奏者の腕前で、こんなに如実に音を変えてくるとは…アルタスフルート、侮り難し。
そう言えば、アゲハを購入する時に、楽器選びを手伝ってくださったプロの方が「このフルートなら、オーケストラでも使えますよ」とおっしゃっていましたが、その言葉の意味が今ならよく分かります。これは確かにオーケストラでも十分使える。使えるどころか、お釣りが来そう。それくらいの高いポテンシャルを持っている楽器なんだと確認しました。そういう意味では、アゲハは本当に奏者を選ぶ楽器なんです。ああ、改めて思うけれど、私にはオーバースペックというか、分不相応な楽器だよ。ほんと、未熟な奏者を鍛え上げるコーチとしては、なかなかの腕前だわ、アゲハちゃん。
ああ、でもこのままじゃあ、アゲハがかわいそうだ。早く私が上達して、きちんと鳴らしてあげないと、これだけの楽器が本当にもったいない。ああ、もったいないもったいない。
そんな、もったいない感情に浸っていた私に、先生がこんな話をしてくださいました。
「フルートは、曲を演奏するたびに壊れてしまいます。だからライブに行って、演奏すると、必ず翌日はフルートの建て直しから始めます。毎日毎日、フルートを建て直しては、ライブに行って演奏をしてフルートを壊して帰り、またその翌日は、建て直しです。そのくり返しをずっとやっています。フルートってそういうものです。壊れやすいものなのです」
もちろん、ここでおっしゃる「フルートが壊れる」は物理的に壊れるのではなく、音楽的に壊れる事を意味しています。音楽的に壊れるとは、音色も含めて、フルート演奏のベストの状態からズレて行ってしまうことを言ってます。曲を演奏する時は、音楽優先なのであって、楽器(の演奏法)優先ではないのですから、無理やムチャな演奏(特にジャズなんて、そういうムチャな演奏が多そう…)をしても、音楽を成立させるためなのだから、ある意味当たり前と言っては当たり前。そういう無理やムチャが利くのか利かないのかと言うと、フルートは利かない、つまり楽器として、繊細な部類に属する楽器なのでしょう。
別にこれは笛先生個人だけの話ではなく、どんな音楽ジャンルであれ、多かれ少なかれ、多くのフルート奏者の方々全般的に言えることだそうです。だから日々練習しないといけないのだそうです。いつも自分の調子を確認し、音楽的なメンテをしていかないといけなのだそうです。もしもそれらを怠って、フルートを壊れたまま数日放置してしまうと、すぐに治らなくなってしまうので、気をつけてくださいとも言われました。
それと関連するのでしょうが、考えもなしに遊び吹きをすると、やはりフルートが壊れるそうです。そして、今回の私の件は、遊び吹きも、一つの原因でしょうと、先生がおっしゃってました。はっきり言っちゃえば「ジャンバラヤを吹きすぎて、フルートが壊れてしまった」ということです。何せ、ジャンバラヤはリズミックな曲で、ノリと勢いの曲であって、音色の美しさとか求める曲ではないですからね。
笛先生は遊び吹きを否定する方ではありません。遊び吹きをする事で、音楽的に得るものがあると考えていらっしゃいます。しかし、まだ学習途上にある人は、少し考えてやらないといけませんとのことです。今回の件で、ちょっと反省ですね。ファイフやリコーダーは、当面、凍結です。あと、リズミックな曲もね。
「すとんさんも、少しずつフルートのことが分かるようになりましたね」と言われました。うれしいです。「良い音がどんなものか、だんだん分かってきたので、自分の音に不満を持つようになったのだと思います。これはスランプと思うよりも、一段(階段を)上がったんだと思った方が良いです」と励ましていただけました。本当に感謝です。
さあ、頑張って、以前よりも美しい音でアゲハを鳴らせるようになろう。すぐには笛先生のようにはできないけれど、あの響きが一つのゴールなのだ。あそこを目指して精進すればいいのだと分かると、なんか元気が出るし、励まされたような気になります。
ガンバ。
コメント
>“コロラチューラを得意とする白人の若いソプラノ歌手が比較的楽な音域で歌っている”ようなイメージ
このような表現を、私も使ったことがありますよ。今年の2月に高校生のソロコンテストがあったのですが、東高からピッコロの子が出場しました。
その生徒をみていた時に、このような表現を使ったのです。ピッコロだから、比較的楽な音域ってわけではないところもありますが、ピッコロでも大事なのは低音域の音色なんです。
東高の音楽の先生が声楽なので、コロラチューラを含むソプラノ歌手のCDを聞かせて、イメージを持ってもらいました。
ソロコンテストの結果は金賞、その他に指導者協会長賞やビュッフェクランポン賞なども、いただいてびっくり。
レッスンした時に、その生徒が使っているピッコロの調子も見たのですが、少し気になるところはあったものの、直すほどではないかという感じでした。
すとんさんの笛先生も、同じように思われたのでしょうね。それから、リペアの方の技術の高さも感じます。なんてったって、私が見たピッコロは調整から返ってきた後だったんですから…。
>たかさん
コロラチューラうんぬんのたとえは、私的にはぴったりした表現なのですが、他人には伝わりづらい表現だなあと思ってましたが、たかさんもお使いの表現とは…、みなさん美しい笛の音に対して、同じように感じるのでしょうね。
その生徒さんはなかなかの腕前ですね。すごいや。
>少し気になるところはあったものの、直すほどではないかという感じでした。すとんさんの笛先生も、同じように思われたのでしょうね。
おそらくそうでしょう。あと、調整には(本来)お金がかかりますから、そのあたりも気を使っていただけたんでしょうね。何しろ、「これ、調整に出さないとダメ」と先生から言われたら、生徒の立場としては、少々高額でも調整に出さざるをえなくなりますからね。先生的には、調整よりも何よりも、まだこれくらいなら技術でカバーできるはずと思われたのだと思います。
でも、初心者には、楽器がピシッと調整されていることは、とても大切なことなんです(笑)。だって、音出しが楽なんだもん(大笑)。
>リペアの方の技術の高さも感じます。
そうなると、少々遠方でも通い続けないければなりませんな。どうも、リペアの技術にも地方間格差のようなものがあるのでしょうか…って、あるのでしょうね。良いリペア職人さんを知っていると、そういう時は強みになりますね。
いっそ、簡単な事は自分でできるように、勉強しちゃうという手もありますが…なかなかそこまではできないのが、私です。
フルートの音って、本当は結構大きいんですよね。
メーカーやモデルによって音量の差は確かにあるんだけど、その区分けの仕方が「大ホールでソロ演奏に向く(コンサートフルート)か否か」って感じ…だもんで、音が小さいと言われるフルートでもやはりそれなりの音量は持っているわけですよね。
6帖ほどの小さなレッスン室で吹いても小さな音の私は、まだまだちゃんと鳴らせていないんだなぁ~とよく感じます。
アルタスのフルートは「遠鳴りがする」と聞いたことがあります。
これからどんな音に育っていくのか楽しみですね(^^)
>小夜子さん
フルートに限らず、オーケストラで使う楽器は、ある一定以上の音量のある楽器であることは間違いありません。なにしろ、まだマイクとスピーカーのなかった時代に、大勢に人間を集めてホール演奏をしていたのですから、人々の耳に聞こえる音量の楽器でないと困るわけです。
とは言え、やはりオーケストラ楽器の中での、音量差というのは、歴然と存在するわけで、私は単体で比較した場合、一般的に、金管楽器 > 木管楽器 > 弦楽器 だと思ってます。もっとも、弦楽器は常に10名前後の合奏で音量を確保してますが、フルートはオケの中でも1~3名ですから、印象としては、やはり「音が小さい楽器」となります。
>「大ホールでソロ演奏に向く(コンサートフルート)か否か」って感じ…だもんで、
確かにカタログの記述を見ると、そんな感じですね。ま、私は、この記述を、マジな演奏会で使えるクオリティを持った楽器か否かという意味にとらえています。で、音量が大きいというのは、演奏会で使う楽器としては、必須条件ですから、そういう楽器は当然“音が大きい”と判断してます。
ですから、良い楽器は音が大きいと思って間違いないです。小夜子さんの次のフルートも、きっと音が大きいよ。最初はびっくりするかもね。
フルートもそうですが、木管楽器は常にベストの状態にいるって難しいと思います。
だからこそ、自分自身である程度調整が必要(調整が必要かわかる知識が必要)なのだと思います。
私の師匠もプロに講習会への参加を勧めていますが、駄目なご様子です。
すとんさんも是非どうぞ♪その後の飲み会にも是非参加下さい!(←こっちのほうが楽しいかも?)
>橘さん
ああ、ぜひ、橘さんのお師匠さまからフルート調整のレクチャーを受けたいです(マジね)。時間ならどーにでもするのだけれど、先立つお財布が…(涙)。
今、アゲハのローンでとっても苦しいんですよ。とにかくローンが終わらないと、自由になるお金がなくて(汗)。というわけで、ローンを返済後、貯金を始めて、それからですよ、お伺いするのは…。というわけで、今しばらくのお待ちを!
アゲハさん、確かにお高いですよね。私のソナーレの倍ですもの。(定価比較)
師匠には、すとんさんが現れるまで講習会を続けてもらえるように交渉しますので、ご安心下さい。
ちなみに、ソナーレの返済も結構大変って、元の収入が少ないだけなんですけどね(笑)
>橘さん
そうです。アゲハちゃんこと、アルタス1307Rは高いフルートなんです。
ついつい、高級フルートの試奏を繰り返し、カタログを眺め、ゴールドフルートにボケーとしていると、何となくアゲハを“安物フルート”じゃないかと思ってしまいがちなんですが、それは大きな勘違いで、比較検討対象を間違えているだけなんですよ。
と言うか、やっぱりフルート界ってお金持ちの世界。それともバブリーな世界? うっかり金銭感覚がマヒしちゃいますが、一般常識で考えるなら、大人の趣味こと道楽のための笛一本に、いくらかければ気が済むんだいって話ですよ。
フルートを始めたばかりの頃、一万円のチャイナ娘だって「高い楽器だなあ…」と思いましたもの。7~8万円のYFL-221だって「こんな高い笛、誰が買うんだろう」って思ったし、近所の楽器店のガラスケースの向こうにあったムラマツEXに至っては、セレブな人々のお買い物だって思ったもの。
それがねえ、一年たたないうちに、総銀フルートのオーナーですよ。世の中、分からないものです。
>師匠には、すとんさんが現れるまで講習会を続けてもらえるように交渉しますので
それじゃあ、貯金のペースも早めないといけませんね。申し訳ないです。
でも、ローンって苦しい。思ったより苦しい。よくよく考えてみれば「借金をして、そのお金を道楽につぎ込む」という、人聞きの悪い状態な私なんです。あれ?
アルタスは奏者を選ぶんですね。私も緑音にふさわしい相手になるように頑張っています。
楽器を育てると思っていましたが、楽器に育てられているのかもしれませんね。
>野鳥さん
>アルタスは奏者を選ぶんですね。
本当はアルタス以外の会社でも、そうなのかもしれないけれど、少なくともアルタスのフルートは、奏者を選ぶと思う。これは単純に私の経験不足で、他のメーカーについて言及できないので、とりあえず「アルタスは~」というモノの言い方してます。
でもね、ちょっと正直に言っちゃうと、アルタスって「本当の初心者」を相手にした商売をしていないと思う。たぶん、一番たくさんフルートを買ってくれるのは、本当の初心者や入門者だと思うけど、あえてそこに向かって商売してないんだ。
「本当の初心者」を相手にした場合は、まず楽に音が出せないとダメ。楽しく曲が演奏できないとダメ。乱暴に扱ってもヘッチャラなようにタフに作っておかないとダメ。何より入手しやすいように価格も低めに設定しないとダメ。…だけど、その辺、全滅だよね、アルタスって。
その代わり、音色がとびっきりキレイだったり、一つの理想像を目指してみたり、銀の素材やフルートの造りにこだわってみたり、スケールにこだわってみたりと、ある程度フルートの事が分かっている人に受けるところで勝負をしているわけよ。そういう意味では、チャレンジャーなメーカーなんだと思う。
でも、何にチャレンジしているのだろう?
もちろん、奏者を選ぶとは、ある程度の力量のある人を対象に作られているということね。そういう点では気位が高いフルートを作っているメーカーなんだと思います。
>楽器を育てると思っていましたが、楽器に育てられているのかもしれませんね。
今、スランプの真っ只中にいる私は、まさにそんな状態です。アゲハ先生のムチは結構、痛くて癖になりそうです(笑)。
私も、笛の調子がイマイチでブーっとした目で先生に訴えたとき、ちょっと貸してみて、って吹いてくださったことがあります。
すんごいよく響く音でクロマチック上昇下降をパーッと駆け抜けて、カデンツを三種類くらいピーッピーッと吹いて、「はい、どこも悪くないわよ大丈夫!」って返されました。
あまりの音色にびっくりしましたね。ちょっと調子が出ないのをすぐ楽器のせいにしたがった自分の怠慢を恥じた一瞬でした。
>ダリアさん
どこの先生も似たような事をおやりになるのですね。
おそらく先生は楽器うんぬんではなく、「気持ちが負けてる! もっとファイト出して、やりなさい」って言いたかったのではないでしょうか?
本当に笛の調子が悪いなら、文句を言わずにサッサと調整に出してしまえばいいのだと思います。私も「あれ、アゲハの調子が変?」と思っても、仕事の都合で日程調整がつかず、そのまま約一カ月ほどたってしまったので、今回のようになってしまったのだと思ってます。
調子が悪いと思ったら、すぐに調整に出す。文句を言う前に調整に出す。そうすれば、ベストな状態で練習に臨めますし、何より不調の原因が自分なのか楽器なのか、すぐに分かりますからね。
そういう事を私は今回の一件で学びました。問題は、調整にはお金がかかるということかな? そこだな、問題は。
>すんごいよく響く音でクロマチック上昇下降をパーッと駆け抜けて、カデンツを三種類くらいピーッピーッと吹いて、「はい、どこも悪くないわよ大丈夫!」って返されました。
そう、フルートで上手い人が吹くと、すんごくよく響く音が出るんだよね。いやあ、驚きだよね。
>本当はアルタス以外の会社でも、そうなのかもしれないけれど、少なくともアルタスのフルートは、奏者を選ぶと思う。
私が吹いてみたメーカーの、こういう観点での感想を述べますね。
ヤマハ…初心者用から上級者用まで、幅広いラインアップをしていて、選択肢が広い。上級者用は音色にも特徴がある。鳴らすのに技術のいる楽器もあるけれど、総じて鳴らしやすい。音色もアメリカン、フレンチ、ジャーマンといろいろ取り揃えている。個人的にはビジューなんかいいなあと思っている。
ムラマツ…あまり技術がなくても、そこそこ音量は出る(生徒に吹かせてもそうです)。鳴るポイントを楽器が教えてくれる。一昔前のADモデルは音量もあり音色も良かった。音色はジャーマン系。
サンキョウ…技術のある無しに関係なく、奏者によって、合う合わないがある。(いい音が出せる生徒とダメな生徒がいる。アルタスを持っている生徒にサンキョウを吹かせたことがあるけど、全然鳴らせなかった)鳴るポイントが、ある意味独特。音色はパリのアメリカ人系という感じ。
アルタス…鳴るポイントはサンキョウよりも普通(ムラマツに近い)。ただ、技術がないとちっとも鳴らない。ムラマツと違って、鳴るポイントを楽器が教えてくれない。(個人的には鳴るポイントに柔軟性があると思う。ムラマツにはそれがない)音色はオールドフレンチ系。
と、いったところでしょうか。で、私が買い替えを考えた時、最終的には、ヤマハのビジューか、アルタスの1607を考えたのです。その時は、葉二がやたらと鳴ってくれて、どちらも葉二よりは鳴らないなあと思っちゃったんですね。自分が鳴らせなかっただけだったのですが、今思えば100万円近い出費をしないで済んだから、まあいいか…。
>たかさん
これは興味深いコメントをありがとうございます。
乱暴にまとめちゃうと、『ヤマハとムラマツは誰にでも鳴らしやすい』『サンキョウは(相性や適性といった面で)奏者を選ぶ』『アルタスは(技術の有無で)奏者を選ぶ』と言ったところでしょうか?
それにしても、サンキョウは「パリのアメリカ人」ですか? なんか愉快なたとえですね。サンキョウって私の中では、ちょっとイメージが薄いメーカー(メーカー、およびオーナーのみなさん、ごめんなさい)なので、今度試奏をして、その辺のイメージを味わってこようかな? って思ってます。