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たまにはチャイナ娘を観察してみよう

 毎日毎日フルート吹いてます。吹けば必ずお手入れをします。本来はルーチンワークなんですが、なんか最近は結構気を入れてお手入れをしているので、色々と観察しながらやってます。そこで観察した雑感を書いてみたいと思います。

 まずは、頭部管。フルートの音色の大半はここで決まるくらい大切なパーツです。メッカーによっては、頭部管のみを製作販売している会社もあるくらいです。とにかく頭部管は大切なパーツなんです。そんな我がチャイナ娘の頭部管を観察してみました。

 リッププレートが黒ずんでます。クチビルの形に黒ずんでます。さらに歌口(息を吹き込む穴です)が私の息を吹き込む形に黒ずんでいます。一体私の吐く息のどこがいけないのでしょう。ニッケルメッキを腐食させる私の息。何なんでしょう。少し気分が盛り下がります。

 試みに指ではじいてみました。キーーーンという硬くて響きの良い音がします。キレイな鐘の音です。でも良いフルートは柔らかい素材でできているので、指ではじいてもボツッって感じの鈍い短い打撃音しかしないそうです。チャイナ娘はそこそこ硬い素材でできていると言うわけね。

 さらに頭部管の根本をよくよく見ると、メッキがはがれています。メッキがはがれて、下の地金が見えますが、この地金…ほんのり黄色なんです。まるで五円玉のような黄色です。まさか真鍮? きっと真鍮? おそらく真鍮? 真鍮真鍮真鍮…、つまりブラスですよ、ブ・ラ・ス。いやあ、ブラスなフルートだったんだ、チャイナ娘。

 ブラスなフルートって、ご存じですか? いやあ、珍しいもん、みちゃったなあ…。

 ちなみに管体もよく見ると、メッキされていなかったり、メッキがはがれていたりします。管体そのものの地金を見ると…やっぱり黄金色。ブラスだよ。この娘。

 キイのメッキされていないと思っていた部分は、よくよく見ると、光っていないだけで、一応コーティングはされている。くすんだ白。白くて艶消しな感じ。たぶん上手にメッキできなかったんだと思う。キイはどこもメッキがはがれていないので、素材は分かりません。でも、本体がブラスなんだもん。キイをそれよりもいい材料で作るとは思えないから、おそらくキイもブラスでしょう。

 メッキは見える部分だけにしか丁寧にされていません。管体をひっくり返すと、あっちこっちからくすんだ白が見えます。見えるところさえ光っていればOK、ああ、モーマンタイだね。

 お手入れをする時は丁寧に拭かないと、管体のアッチコッチに布がひっかかって、お手入れクロスがケバケバになってしまいます。見た感じは分かりませんが、部品の加工精度に遊びがたっぷりあるんでしょうね。

 頭部管ほどではありませんが、管体もやはり曇りはじめました。どこが曇るのかと言うと、私が触っている部分。キイはもちろん、右手の親指とか左手の人指し指など、楽器を支える指が当たっている部分もそう。特に右手の親指部分は結構顕著です。うっすら楽器が黒ずみだしました。最初は汚れかと思ったので、ゴシゴシ拭きましたが、どうやら違うみたいです。リッププレートと同じ感じの、イヤンな黒ずみです。

 メッキが私の体液(汗とか唾とか手垢とか)に負けてるの? いやあ、メッキをも腐食する我が体液って、いったい何?

 以上、チャイナ娘をじっくり観察してみました。

 しかし、ブラスなフルートだったとは、まさに「お金で買えないものもある!」なんて感じですか? 私のチャイナ娘は実は金管楽器だったんだよ。金管なフルート! ヤマハやムラマツにはないタイプのフルートだね、ウキウキ。

 金管なフルートの音が聞きたけりゃ、私のところにおいで! って感じ?

 ちなみに検索してみたところ、中国の安物フルートは、たいてい真鍮製だそうです。そういう意味では、チャイナ娘は、由緒正しい安物だね。

 でもね、メーカーサイトの、今はもう無いページには「ニッケル・フルート」って、はっきり書いてあったんだ。だから私はてっきりチャイナ娘は「ニッケル・フルート」だとばかり思っていたのけれど「ブラス・フルート」だったとは、驚き。

 今の日本では、フルートはどんなに安くても洋銀どまりですが、その昔、まだ貧しかった頃は日本でも、真鍮のフルートは珍しくなかったそうです。みなさん、真鍮のフルートを手にしながら「お金を溜めて、いつかは洋銀のフルートを買いたいなあ…」と憧れていたそうです。

 私も憧れてみようかな…洋銀のフルート。

 蛇足。

 先日のレッスンの時、笛先生が結成した新しいバンドの話をされていた。ワールドワイドな人員構成なので、連絡を取るのも国際電話なので、時差やら料金やら、色々と面倒らしいのだが、それでも新しいバンドということで、張り切ってらっしゃった。

 今後のライブの予定とか色々教えていただいたのだが、家に帰ってきて、それらの話がすっかり頭から抜けていることが判明。いくらレッスンに集中していたからと言って、先生の新バンドの事を忘れてはいけませんな。私は悪い弟子です。さすがにバンド名だけ(インパクトがアリアリな名前だったので)は忘れていませんでしたが…。夏から秋にかけて、ババンと活動するみたいです。近場でライブがある時は、見に行かないとネ。

コメント

  1. Cecilia より:

    朝から大爆笑(大きな声で笑えないので、小声で大爆笑)してしまいました~!!

    >いやあ、メッキをも腐食する我が体液って、いったい何?

    うちのチャイナヴァイオリンは私の体液で腐食してないなあ~!
    ちょっとヴァイオリンを練習したほうがいいかな・・・と思い始めています。
    例の講座絡みですが・・・。
    早く弓の毛換えをしようっと。
    楽器の調整もしたいけれど、安物なので何て言われるかなあ??

  2. すとん より:

    >Ceciliaさん

     ヴァイオリンはメッキでなく、ニスですから、たぶん大丈夫でしょう(笑)。

     ヴァイオリンの調整費用の相場を知らないので、なんとも言えませんが、フルートでは調整費用は決して安くはありません。

     ので、安い楽器の場合、調整費用と新品購入費用のバランスを考えないといけないのが、やっかいですね。いくら安くても我が愛器ですから、大切に使ってあげたいのですが、調整する値段で、新品が買えてしまったら(実際に調整内容によっては、学生向けフルートが買える値段になるんですよ!)、考えものですよね。

     しかし、金属製の楽器の場合、本体を浸食する腐食は問題です。チャイナ娘は、すぐにどうこうはないにせよ、腐食の進行が少し心配です。貴金属製のフルートだと、そういう心配はないのでしょうけれど…。

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