…と、大きなテーマを掲げましたが、例によって書いているのは、私ですから、あくまで「素人のオッサンの戯れ言」程度に考えてください。また、明らかに間違っている記述などがありましたら、優しくご指摘してください。
さて、今回は、フルートのスケールについて考えてみました。ここで言う『スケール』とは、フルートで説明するなら、フルートという楽器の『スケール設計』の事を指します。つまり、フルートメーカーが、フルートのトーンホールを、どういう考え方で、どんな間隔で開けていったのか…って事です。ですから、単なる『音階』という意味では使っていませんので、ご注意ください。
フルートとは、基本的に中空になった一本の金属管(木管フルートは木管ですが…)です。まだトーンホールが開いていないフルートに、息を吹き込むと、ある任意の音程の音が出ます。これがその楽器の最低音って奴です。例えば、このフルートのちょうど真ん中あたりにトーンホールを開けてあげると、最低音の一オクターブ上の音が出ます。と言うのも、トーンホールを開ける事で、管の長さが擬似的に短くなり、ちょうど半分の位置にトーンホールを開けると、管の長さが半分になるので、一オクターブ上の音が出るわけです。
このトーンホールを開ける位置を変えていく事で、擬似的に管の長さを変え、様々な音程の音が出せるようになるわけです。
さて、クラシック音楽はその伝統の中で、一オクターブを7つに分けて、それぞれの音に『ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ』と名付け、これらの音を同時に鳴らす事で和音を、時間の経過に従って鳴らす事で旋律を、作り出すようになりました。つまり、クラシック音楽では、この『ド・レ・ミ~』が音楽の基本的なパーツとなったわけです。
この『ド・レ・ミ~』の(音程の)間隔もなかなか微妙であって、美しく響く間隔と、それほどでもない間隔がある事を西欧人たちは経験と感覚で知り、やがてそれは“純正律”と呼ばれるものに固まっていきます。
ちょうど、音楽史的にはバッハの時代の少し前のルネサンス時代からバロック時代までが、そんな感じでした。純正律の時代は、ある一つの調性の中でベストに響く音程でスケールが考えられていたので“転調”という考え方がなく、もしも転調をするならば、楽器の調律を変える必要すらあったわけです。
それではちょっと不便なので、一つの楽器で、特別な調律をしなくても、すべての調(24あります)を演奏可能にしましょう…と言うわけで、それまで使われていた純正律と比べると、多少響きの悪い箇所がある代わり、どんな調性にも瞬時に転調可能なスケールを使うようになりました。これがいわゆる“平均律”って奴で、バッハの時代以降、使われるようになったスケールです。
スケールが純正律であれ、平均律であれ、声楽や弦楽には、さほどの影響はありません。なぜなら、これらの楽器では、音程のとり方と言うモノは、かなり融通がきくからです。融通がきかないのが、鍵盤楽器と吹奏楽器です。鍵盤楽器は調律の段階で、吹奏楽器は楽器製作の段階で、使用できるスケールが確定してしまうからです。
さて、フルートに話を戻します。フルートの音域が1オクターブ程度しか音域がなければ、平均律でも純正律でも、それらに対応したフルートを製作する事は可能でしょうが、実際のフルートは、倍音を利用して、3オクターブ近い音域を持つように設計されています。そうなると、例えば“ソ”という、ある特定の音であっても、低音域と中音域と高音域では、その最適な音程を作り出すためのトーンホールの大きさや位置は、それぞれに異なってしまいます(だから、高音域の運指は、クロスフィンガリングを使用するケースが多いのです)。異なるものを一つのパターンに収めようとすると、どこかに無理と言うか、癖が生じてしまうわけです。
なので、フルートと言う楽器のスケールは、どうしても癖と言うか、ある種の傾向を持たざるをえないわけなんです。
その癖は…昔々は、そのフルートの生産国ごとに、生産メーカーごとに、実際に作っていたフルート職人ごとに異なっていたそうですが、やがて、時代を経るに従って、それらの癖は次第に収斂されていったわけです。
日本がフルートを作り始めた頃のスターフルーティストは、フランス人のランパルでした。ランパルはヘインズ社という、アメリカのフルートメーカーの楽器を愛用していましたので、当時の楽器メーカーはヘインズフルートを参考にして自社のフルートを開発していたところも多く、日本の古参のフルートメーカーもヘインズを参考に楽器を開発していたそうです。
日本で言う、いわゆる『伝統的スケール』と言うのは、このヘインズのスケールの事を言うそうです。
ヘインズのスケールは、極端な内吹き(いわゆるフランス風)を前提としたスケールで、音色が全体的に甘く麗しく鳴るものの、中音域のミ~ラあたりの音程の幅が広くなりやすく、つまりミとかファの音程がぶら下がり気味に聞こえるのが欠点なんだそうです。また、内吹きであるため、どうしても音量的な不利は否めず、現代的な奏法には適さないわけで、やがて多くのフルートメーカーは、新しいスケールを模索していったわけです。
そこで生まれたスケールの一つに、クーパースケールがあります。これはクーパー=ブランネンという、世界のトップフルートメーカーが採用しているスケールで、現代のフルートの標準スケールとなっているのが、これです。特に、アメリカの高級フルートは、ほぼすべてこのスケールで作られているので、世界の一流フルーティストたちが手にしているフルートの大半は、このスケールのフルートなんだそうです。
特徴としては、現代的な中庸な吹き方で吹くと、平均律にかなり近い音程で鳴らす事ができる、音程的に極めてニュートラルなスケールなんだそうです。
さて、話を日本のフルートメーカーに移すと、ムラマツやサンキョウ、ミヤザワなどは、伝統的スケールを採用しています。と言うか、伝統的スケールを元に、その弱点を補強して、現代楽器としての改良を加えた楽器を製造販売しているわけです。
一方、パールは後発フルートメーカーという個性をいかして、現代的なクーパースケールを採用しています。
アルタスは、クーパースケールに改良を加えた、ベネットスケールを採用しています。ベネットスケールとは、音程の良さはクーパースケールのままで、さらに甘く麗しい音色を追求したスケールなんだそうです(そのために、内吹き推奨なんですね)。
ヤマハは“世界のヤマハ”ですから、独自にスケールを開発しています。それはあらゆる点で中庸であり、容易に平均律で演奏できるような癖のないスケールを目指して開発されているわけです。
つまり、日本のフルートメーカーをスケールという観点でグループ分けすると“チーム・伝統的スケール”の、ムラマツ、サンキョウ、ミヤザワに対して“チーム・クーパー”であるパールとアルタス、さらに“チーム・ヤマハ”のヤマハという、3グループに大きく分かれるわけです。
このスケールの違いってのは、大きいと言えば大きな問題だと思います。
最終的には、音楽の演奏では、純正律に近い平均律で演奏するのが、現代の正しい奏法ですし、手にした楽器がどんな楽器であれ、そのように演奏できるように訓練するのが、楽器の演奏の練習ですから、最終的には、どの楽器を手にしたところで、問題はないのですが、技術が未熟なアマチュアや、学習者の場合は、スケールの違いはそれなりに大問題です。
ですから、アマチュアのフルートアンサンブルなどでは、時折、グループのメンバーが使用するフルートのメーカーを統一するという事があるのは、ある意味、当然な話です。だって、メーカーが違えば、スケールが違うわけで、一つのアンサンブルの中で、異なるスケールの楽器が混在していれば、そのハーモニーは美しくならないからです。楽器のメーカーを揃えるだけで、簡単にキレイなハーモニーが得られるなら、それをするべきでしょう。よく「フルート買うならムラマツがいいよ」というアドヴァイスも、ムラマツユーザーが多い日本フルート界では、決して的外れなアドヴァイスではないと思います。
また、日本の吹奏楽では、ヤマハが強いのもよく分かります。ヤマハは楽器が異なっても、どの楽器も同じ思想の元、ヤマハスケールで作られていますので、ヤマハの楽器で統一された部は、異なるメーカーが混在した部よりも、簡単に美しいハーモニーを得られやすいからです。
まあ、そう考えると、チーム・クーパーである、パールとアルタスは、日本では、ちょっと分が悪いのは事実でしょう。クーパースケールは世界標準かもしれませんが、日本標準ではありませんから、日本で演奏している限り、少数民族扱い、異端者扱いされてしまうのも、仕方ないかもしれません。クーパースケールは平均律で演奏するのに適しているのですから、他メーカーのフルートとの合奏には見切りをつけて、ピアノ伴奏でその良さを発揮するべきなのかもしれません。実際、平均律であるピアノとクーパースケールは相性が良いのですよ。
…と、今回はフルートのスケールにこだわった記事を書いてみましたが、記事中にも書きましたが、スケールの違いなんて、本来は、フルーティストの腕で乗り越えるべき事であって、腕のあるフルーティストにとっては、どんなスケールで楽器が作られているなどは、あまり意味のない事です。スケールの違いが致命的な問題となるのは、あくまでも、腕の良くないアマチュアフルーティスト、つまりは、私レベルのフルーティスト限定の話しだったりします。
だから、レッスンの時に、アルタスからミヤザワに持ち替えただけで、すごくロングトーン練習が楽になったりしたのは、そういうわけなんですね。…まあ、やがて、オーバーホールを終えたアゲハが帰ってくると思うと、またまたまたまた、ロングトーン練習で苦労する日々が戻ってくるのです。なんか、ちょっぴり気分がブルーになる私でした。
蛇足 日本って、やっぱり、ガラパゴスなんだな(笑)。
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コメント
私は以前はすとんさんと同じアルタスでしたがごく最近、先生と同じムラマツに持ち替えました。アルタスだけを吹いていたときは大好きなトーンだったんですが、先生に就くようになって、なんとなく先生と違う・・・どっちがいいというわけではないけれど、違いがチクチクする・・・・という違和感が拭えず、買い替えのときにありったけのメーカーをいろいろ試して、けっきょくムラマツのスケールの気持ちよさに惹かれました。
アルタスは、音色は大好きだったんですが、スケールの小さな違和感が最後までついてまわりました。なんなんでしょうね・・・。肝心のところが決まらないというか私のセキニンなのでしょうが楽器に依存しすぎなのでしょうか。肝心なところで努力を放棄してラクがしたいおばさん笛吹きの選択なのでした。
>レッスンの時に、アルタスからミヤザワに持ち替えただけで、すごくロングトーン練習が楽になったりしたのは、そういうわけなんですね。
あらら、そうなんですね。
わたしの初めての楽器がミヤザワでした。子供でしたからどう吹いていたか、、、???
アルタスは聞く人聞く人、難しくない?と言われますが、あんまり感じませんねえ。
大手M、あそこが一番苦手な楽器。中音Eが低いの多いような。
>ヤマハは“世界のヤマハ”ですから、独自にスケールを開発しています。
そうなんだ。フルート、木管がほしいなあ、ってヤマハは吹いた事ないの。
>ロングトーン練習で苦労する日々が戻ってくるのです。
意外と楽になってたりするかも。
こんいちは。
スケールの違いなど感じられず(汗)、日々よい音を出すことだけを目標にロングトーン等の基礎練中心の日々を送っております♪
でも、レッスンにはムラマツを持って行ってます…先生もムラマツSRで、やはり最初のロングトーンの合わせはきっちり合いますね。
一度PSもっていったら、なんか会わない。音色の違いかな~って漠然と思っていましたが、実はスケール設定の差だったのかもし??
長いものには巻かれろ?
アルタスの中高音はとても好きなんだけどなぁ~修正能力不足が残念…精進ですかね?
だりあさん
アルタスは、腕前のせいもあるんでしょうが、アマチュアレベルですと、なかなか他のフルートと合わせるのが難しいですね。そういう意味では、フルートアンサンブル向きではないんだろうと思います。私も前の先生とのレッスンでは、ピアノと合わせる事が多かったので、アルタスでも気になりませんでしたが、今の先生はピアノを使わずにフルートで合わせるので、違いがそれなりに気になります。
まあ、その違いはいつも、音を曲げて対応していますので、ある意味、ロングトーン練習は、私にとっては音曲げの練習でもあるわけです。でもまあ、ミヤザワでは音を曲げずに吹いても合わせられるので、楽は楽ですね。
>スケールの小さな違和感が最後までついてまわりました。
それがベネットスケールって奴のおかげだったのでしょうね。ベネットスケールは、平均律と美しい音色の両立が可能なスケールですが、フルート同士のアンサンブルには不向きだって事なんでしょうね。ま、腕を磨けば関係ないんでしょうが。
>肝心なところで努力を放棄してラクがしたいおばさん笛吹きの選択なのでした。
いやあ、オジサンも、楽を知ってしまったので、心がグラグラ動いてますよ。
su_zanさん
>アルタスは聞く人聞く人、難しくない?と言われますが、あんまり感じませんねえ。
アルタスは、多くのアマチュアフルーティストさんには、難しい楽器なんだろうと思います。それは、スケールの違いもさることながら、決して鳴らしやすい楽器ではありませんし、音量もそんなに稼げませんからね。今のフルートの流行りは、鳴らしやすく、音も大きいというフルートです。いわゆる、アメリカンスタイルって奴ですね。そういう流行りに背を向けているのがアルタスですから、難しいと言えば難しいフルートなんだと思います。
でも、最後は相性でしょうね。私も難しいと言われるアルタスを吹いてますが、さほど難しさを感じてません。たぶん、相性がいいんです。
>大手M、あそこが一番苦手な楽器。中音Eが低いの多いような。
それは仕様ですから(笑)。
ちなみに、ヤマハの木管フルートって、金属管との違和感が少なくて、吹きやすいと言えば吹きやすいのだけれど、イメージとしての木管らしさは少なめです。でも、木管と金属管を持ち替えて吹くなら、お薦めかもね。
ぼーさん
SRでバッチリで、PSで違和感なら、それはたぶん、音色の違いではなく、スケールの違いなんだと思いますよ。ま、最初からスケールが違うので、修正が必要と思って吹いていれば、それはそれで何とかなるものです。
ま、アルタス吹きには、音曲げ(音程修正)技術は“必須”という事で(爆)。
ムラマツにはムラマツの良さがあり、アルタスにはアルタスの良さがある…って事ですよ。
ジェームスゴールウェイがクーパーのフルートを大絶賛していたのを思い出しました。
彼が持っているフルートの中で一番気に入っていると言っていました。
ただ、ピッチが低く作られていて現代のオーケストラの高めのピッチでは使えないのが残念だといっていました。
ピッチの問題とスケールの問題は違うと思いますが、クーパースケールのフルートはソロで使うにはとても魅力的な音色が出せるようですね。
ヤマハの楽器の音程が安定している理由も分かりました。
パウエルがどのスケールを採用しているのか書かれていませんが、
パウエルがどのスケールを採用しているのか判れば教えていただきたいと思います。
それにしてもよく調べられましたね。
大変勉強になりました。
有益な情報ありがとうございます。
>いやあ、オジサンも、楽を知ってしまったので、心がグラグラ動いてますよ。
おやあ? と言ってみる。笑
>最後は相性でしょうね。
でしょうねえ。わたしのは吹奏楽で吹いて、後ろまで丸聞こえなんだそう。
音程もかえ指なしでいけます。
ある意味大変。
>それは仕様ですから(笑)。
笑 ムラマツ、リッププレートの角度、わたしにあいません。
身体的な問題ですが、ムラマツは手前が高いものがあるので、それで低音がでにくいの。
サンキョウでたときはうれしかったなあ。RNS-1
頭部管、研究してみるとおもしろいですよ。
自分に合うところを探せばいいのでしょうねえ。
わたしはアルタスかパールが身体にあっています。
>ヤマハの楽器の音程が安定している理由も分かりました。
ピッコロはヤマハの意外な音程の良さにびっくりで、
ハンミッヒ派でしたが、音程の良さで考えてしまいました。
リオさん
昔はいざ知らず、今のブランネン=クーパーは、標準が442と444だし、それ以外のピッチにも注文次第で応じるそうですし、クーパースケールが標準だけれど、伝統的スケールが良ければ、それも対応してくれるそうですよ。ゴールウェイに逃げられて、そういう柔軟な姿勢に変わったとか?(笑)。
パウエルは国内メーカーじゃないので、記事には書きませんでした。海外メーカーについて書き始めたら、キリないでしょ? ちなみに、パウエルは“パウエル・スケール”という言葉があるかどうかまでは知りませんが、あそこはヤマハ同様、独自のスケール設計をしていますし、そのスケール設計も、時代とともに少しずつ改良しているそうです。ですから、オールドパウエルと現役パウエルではスケール設計が違うんだそうです。
su_zanさん
心がグラグラ動いたのは本当です。だって、楽なんだもん(笑)。でも、音色の違いはいかんともし難いし、私はアルタスの音色が大好きなので、多少苦労をしても、やっぱりアルタスがいいかな(笑)。
フルートは一般的にクチビルが薄い人の方が良いとされていますが、ムラマツはむしろクチビル厚めの人の方が良いという噂もあります。と言うのも、標準的な日本人のクチビルに合わせて作られているからだという話も聞いたことがありますが……まあ、単なる都志伝説かもしれません(爆)。
私はアルタスの標準頭部管でいいや、と思っている人ですが、頭部管探しを始めたら、もっと自分にあった頭部管が見つかるかな? でも、頭部管探しも、底無し沼のような感じがして、なかなか一歩を踏み出せません。
>音程の良さで考えてしまいました。
楽器は、音色の良さもさることながら、やはり音程は大切ですよ。特にアンサンブルで使うなら、音色よりも音程の方が大切ですって。ヤマハのピッコロ、いいんじゃないですか?
すとんさん、回答ありがとうございます。
パウエルは独自のスケール使っていたのですね。
僕はパウエルも持っているのでおたずねしました。
僕がパウエルを買う時、他のいくつかのメーカーのものを吹き比べました。
その時にヘインズがムラマツ、ミヤザワ、サンキョウのフルートとそっくりの感じがしたのに対して、パウエルが正反対の全く違う印象を受けたのです。
僕はパウエルの創業者がヘインズから別れた人だと知っていたので、当然スケールなどもヘインズのものを受け継いでいるものと思っていたので、ヘインズとのあまりの違いに驚いたのです。
それと、もしあの時ヘインズをヘインズと知らずに吹いていたら日本製の楽器だと思ったと思います。
これで、パウエルとヘインズがお隣同士に工場がありながら、持った感触や音色が全く違うことの理由が納得できました。
それから、僕の持っているヤマハですが、吹き込めばすごく良い音するし好きなんだけど、何故か無機質で味気ない音色に感じる理由も何となく納得できました。
吹奏楽や曲のジャンル、状況によってはヤマハの楽器が一番いいというのも納得できます。
ホントかどうかは確認していませんが、ベルリンフィルのフルートは全員ヤマハで統一していると言ううわさを聞いたことがあります。
いままでウソー! と思っていましたが、ケースバイケースだと思いますが、まんざらウソではない気もしてきました。
僕はヤマハの総銀製のフルートも持っていますが、好きだけど好きじゃない、好きじゃないけど好き、というハッキリしないニュートラルなフルートたどいつも感じていました。
良くも悪くもこれがヤマハの楽器全体の特徴でありコンセプトなんですね、やっぱり!
長年解決しなかったもやもやが、精神科医のセラピーを受けて解消したような、スッキリした気分になりました。
これで、今夜から良く眠れるようになりそうです。(笑い)
ありがとうございました。
リオさん
私はヘインズを吹いた事がないのですが、そんなに日本の楽器に似た感じがしたのですか? そうすると、昔はブイブイ言わせてたヘインズが、今はさほどではない(ちなみに、今のヘインズは買収されて中国資本なんですね)理由は、もしかすると、似た感じでより良質なムラマツを始めとする日本製フルートに負けた…から? だとすると、ちょっと罪作りな感じがしますね。
>ベルリンフィルのフルートは全員ヤマハで統一していると言ううわさを聞いたことがあります。
その話は初耳ですが、全く無い話じゃないですね。ちなみに、ウィーンフィルがホルンをヤマハで統一していると言うのは、有名な話です。ちなみに、現在のベルリンフィルの首席フルート奏者である、パユのフルートは、ヤマハではなく、ブランネンです。パユがソロではブランネンを、オーケストラに入るとヤマハを吹いている…って、ちょっと想像できませんが、そうなのかな?
>僕はヤマハの総銀製のフルートも持っていますが、好きだけど好きじゃない、好きじゃないけど好き、というハッキリしないニュートラルなフルートたどいつも感じていました。
分かるような気がします。そして、私はフルートだけじゃなく、ギターもリコーダーも電子キーボードも、同じような感じを受けます。まあ、以上の楽器は私が演奏した事のあるヤマハ楽器っていうチョイスなんですが、おそらく他の楽器も同じような感じかもしれません。そう“ニュートラル”って感じなんですね、ヤマハって。でも、それって、実はすごい事なんだと思います。
パユ…今年になって楽器変わりましたよ。
替えて三週間目のリサイタルを聴きに行ったけど、、、感じが違ったデス。
新宿ドルチェで購入して、ボストンへ連絡が行って大騒ぎだったとか…聞きました。
あ…、ヘインズのALL14Kです♥
めいぷるさん、最新情報サンクスです。
へえ、ブランネンからヘインズに替えたのですか? そりゃあボストン激震ですね。それも新宿でご購入? ブランネンからすれば「聞いてないよ~」の世界ですね。ちなみに、新宿で購入されたという事は…約600万円なわけで、素直にアメリカで買えば、もっと安かったろうに(って、パユクラスになると、どこで買っても問題じゃないのかな?)。
それにしてもパユがヘインズですか? ヘインズ復権の予感ですね。伝統的スケールの良さが見直されるようになるんでしょうね。ヘインズもホクホクでしょうが、ムラマツあたりもニヤニヤしていたりして(笑)。
>音程の方が大切ですって。ヤマハのピッコロ、いいんじゃないですか?
どうしましょうかねえ? 少しパウエル気になります。
ヤマハってわかんないところありますねえ。ただ、吹き込めば変わってきます。
音程がいいのは初めて。
>ムラマツはむしろクチビル厚めの人の方が良いという噂もあります。
これ本当だったら、わたし完全にむりよ。かなり薄いもん。笑
アルタスの頭部管の角度、手前が低いでしょ? それが楽なんだと思います。
ピッコロもRなんで、おなじ角度。
すとんさん、ミヤザワの楽なところ研究してみましょう。
たぶん角度です。
パユ、ヘインズですか? 購入された話はドルチェで聞いたけど。
広告のためかとおもってました。へえ。
パユ、パールのピッコロ持ってんのよねえ。
su_zanさん
ピッコロは、フルート以上に音程が厳しい楽器でしょ? オケピを覗くと、プロでも、チューナーをつけっぱなしにしてピッコロを吹いている人もいますよ。だから、音程が良いと言うのは、すごく実用的だと思います。
ま、楽器は趣味でしょうから、実用品よりも好きなモノの方が、そりゃあ良いに決まってますが(笑)。
>すとんさん、ミヤザワの楽なところ研究してみましょう。たぶん角度です。
…かもね。リッププレートの形状は大切な要素だと思います。あと、ライザーの材質とか形状とかも関係するかも。ただ、私は楽を好む人間ですが、まだまだ修行中の身ですから、楽は求めず、あえて苦行の道を歩むことも必要かなって思ってます。
でもたぶん、次にフルートを買替えるとすると、年齢的にも、楽なフルートを買っちゃうかもしれませんね(笑)。
>オケピを覗くと、プロでも、チューナーをつけっぱなしにしてピッコロを吹いている人
誰よお、それ。笑 冗談よ…。
音程、確かにいいのよねえ。パールのお姉さんにも「音程のいい楽器ですねえ」っていわれたし。ハンミッヒだったらずりあがる音程があって、ないのよねえ。
ローマの噴水のソロのところとか、ハンミッヒだったら細かく音程修正。
>実用品よりも好きなモノの方が、
ヤマハってこんなによかったっけえ。ヤマハのまわしもんではないのですが…。
あとは音色研究です。
買えないけど、ブラウンの音好きだわ。
>私は楽を好む人間ですが、
楽していいと思います。たくさん曲吹きたいじゃない?
わたしはアルタスでやっと楽になりました。
大手フルートのしんどかったこと、しんどかったこと。
音程が気になるばかり。
良い楽器でもあわないものはあわないってのをわかったの。
おそかったなあ。笑
su_zanさん
>誰よお、それ。笑 冗談よ…。
ハンガリー国立歌劇場管弦楽団とか、プラハ国立歌劇場管弦楽団とかのピッコロさんね。他にも、ヨーロッパの歌劇場系のオーケストラのピッコロさんは、結構、チューナーつけっぱなしにして演奏してる事、多いです。なので、下手だからチューナーを付けっぱなしにしているんじゃなくて、別の理由で、ぱなしにしているんでしょうね。おそらく、あっちじゃ、ピッコロ+チューナーって、割と普通なんじゃないの?
ヤマハって、ピンキリなんだと思いますよ。フルートで言うと、私には手の出しづらいモデルだと、結構、心がひかれます。メルヴェイユとイデアルは、私には垂涎モノですよ。
>ハンガリー国立歌劇場管弦楽団とか、プラハ国立歌劇場管弦楽団とかのピッコロさんね。他にも、ヨーロッパの歌劇場系のオーケストラのピッコロさんは、
そうなんだあ、勉強になりました。
>ヤマハって、ピンキリなんだと思いますよ。
らしいねえ。たまに吹かせてもらったら、音程が中音Dから低いのよ。
そんなんが多いみたいです。
>メルヴェイユとイデアルは、私には垂涎モノですよ。
ヤマハでもよかったかなあ。
su_zanさん
たぶん、歌劇場のオーケストラは、日本のアマオケはもちろん、シンフォニック・オーケストラとも条件が違うわけで、彼らは、常にオケピ、ひどい時は舞台下と舞台裏とかで演奏するのが常で「音はすれども姿は見えず」がいつもの状態なんです。
舞台の上で観客に見られながら演奏する事なんて、絶対にありませんから、ピッコロにチューナーつけっぱなしでも平気なんだと思いますよ。
>たまに吹かせてもらったら、音程が中音Dから低いのよ。
それがヤマハのスケールの特徴なのかもしれませんよ。
でも、イデアルやメルヴェイユ、それにビジューは、ヤマハの従来のスケールとも違うスケールなんだそうです。それぞれの楽器のカラーに相応しい、スケール設計をしているそうです。それも面白い話ですね。
>それがヤマハのスケールの特徴なのかもしれませんよ。
そうなの?????
イデアル、メルヴェイユ、ビジュー、すべて吹きましたが
わたしの好みはメルヴェイユでございました。
>それぞれの楽器のカラーに相応しい、スケール設計をしているそうです。それも面白い話ですね。
ヤマハ、あなどれないなあ。
su_zanさん
メルヴェイユはいいですね。私、ヤマハ買うならメルヴェイユかなって思ってます。でもでも、イデアルも捨てがたいんですよ。ビジューは評判はいいのですが、私好みではありません。
いっそ、アルタスにメルヴェイユの頭部管差してみようかな(笑)。
こんなところで質問ですが、パユのヘインズはオールドスケールではなくて、Deveauスケールでしょうか。
通りすがりさん
私はパユではありません。お気になるなら、直接尋ねてみたらいかがでしょうか?
>アルタスにメルヴェイユの頭部管差してみようかな(笑)。
わあ、おもしろそうねえ。ヤマハって素直だなって思います。
ピッコロは頭部管かえてみようかな、とは思うんですけど。
なかなかないの、今より上が。意外なのよねえ。
音程、かえ指なしでいけてるから、昨日も吹いていてビックリ。
パ○○ルってなんか音程悪いのねえ???
聴いていて、はあ? と思う部分がありました。
上のC.D低いというか? かえ指使っているそうな。
たぶん頭部管と本体の相性なんだろなあ。
安易にかえてはいけません、って言われてるみたいな日でした。ハイ。
でも、試してみたいわよねえ。フルートさんも。
su_zanさん
>パ○○ルってなんか音程悪いのねえ???
パ○○ルは、足部管と胴部管の間に指輪をはめると音程がグッと良くなるというのが、フルート界の常識だって、某フルート関係者から聞いた事があります。海外では、そのための指輪が売っているんだそうな。へえ~って感じですね。
頭部管の交換は比較的簡単には出来るんだけれど、メーカー的には推奨できないんだそうです。と言うもの、フルートと言うのは、頭部管を交換するという前提では設計されていないので、頭部管を取り替えてしまうと、楽器としての全体的なバランスが崩れてしまうのだそうです。ま、そのアンバランスさが“味”ってもんだろう…と個人的には思いますが。
でもね、パ○○ルを始め、最初ッから頭部管を交換する前提で作られているようなフルートは、何を差しても大丈夫って気がしますね。
アルタスにヤマハって…面白そうでしょ?
>アルタスにヤマハって…面白そうでしょ?
おもろそうなんやけど、いまのアルタスさんにはおそれおおくてねえ。
>足部管と胴部管の間に指輪をはめると
初耳〜! 意外と不便ねえ。どんなもんなんやろう???
アメリカって、大雑把なんだよねえ。
su_zanさん
私は現物を見た事ありますが、平たいリングですよ。リングを持っていない時は、足部管を少し抜き目にはめても良いみたいです。
確かに、恐れ多いと言えば、そのとおり。恐れ多いよねえ…だからこそ、試してみたくなるんだけれどね(笑)。
>アメリカって、大雑把なんだよねえ。
おおよそ、大雑把なんだけれど、緻密なところは結構緻密ですよ。少なくとも、アメリカでも職人さんは緻密じゃないと勤まらないみたいです。
頭部管マニアまっしぐらの浅い経験から
専門書のフルート頭部管からの発生周波数の数式では歌口エッジと息の吹き出し口との距離がはいってますよね。
私をふくめて多くのアマチュアの方は低音・中音・高音で息を吹き出す向きが左右に微妙に変わってしまいますでしょう。
頭部管の歌口には円形に近いものから楕円・四方形に近いものといろいろあります。
ここで息を吹き出す向きが左右にずれると、エッジとの距離が近くなったり遠くなったりするのが歌口の形で反対になります。
結果、頭部管ごとに音程の癖がでてきます。
チューナでみてびっくりしましたが、考えると理にかなっています。
まあ修練して、常に同じ向きに息を吹き出せられれば良いのですが・・
唇は人それぞれで、無理なものはムリ。そこで自分に合ったカットを選べばよし!
でも練習重ねると又変わってくるし、音色の好みもあるし・・で堂々巡りです。
河童さん
息の方向が乱れたときのクチと歌口の距離が、歌口のカタチ次第で、短くなったり、長くなったりなんて、考えもしなかったけれど、たしかに言われてみれば、その通りですね。ううむ、面白い。
丸い歌口(トラベルソ系)と四角い歌口(アメリカン系)では、その関係が真逆になるわけですね。それもまた面白い。
それを考えると…河童さんを前にして言うのはなんだけれど…頭部管は浮気をしない方がいいんじゃないの? あるいは、同系列の頭部管ばかりをコレクトするとか? でも、それじゃあつまらないよね。やはり、頭部管をコレクトするなら、色々なタイプの頭部管をゲットしたいでしょうが、頭部管って、見かけ以上に違いがありそうですね。
>まあ修練して、常に同じ向きに息を吹き出せられれば良いのですが・・
それもベストなポジションでね(笑)。それには、ほんと、修練修練ですね。
>そこで自分に合ったカットを選べばよし!
そうですね、あるいは、そのカットに自分を合わせればいい?(日本の伝統的発想で言えば…後者だろうね:笑)。
どちらにせよ、自分の音を聴きながら吹くことが大切なんでしょうね。
はい、修練修練だと思います。
安易に相手を自分にあわさせると、自分の偏ったクセを固定化することになりよくないと思います。
特に初級者にとって!
でもその時の自分の調子や気分で頭部管を変えて吹くのは楽しいですよ。
あと、(まれにしかありませんが)現在の最高の調子のときは、どれも音程が安定してきます。このときは微妙な唇の調整を意図的にできるんです。やはり修練が必要なことを感じます。
河童さん
なんか、河童さんのコメントを読んでいると、私も頭部管を替えたくなりますね。楽しそう。
でもまずは、難しい、今の頭部管で修練修練かなって思ってます。別に意地になっているわけではないけれど、私は「楽器はコーチ」と思っているんですよ。ツンデレな楽器って、鬼コーチだと思ってます。普段は厳しいけれど、できると、めっちゃ優しい…みたいな? だからアゲハでいいんです。
あ、って事は、頭部管を複数持っていると、コーチが複数いるようなモンか? それもまた魅力っちゃあ魅力だね。