最近、よその声楽教室の発表会を見に行くのを、楽しみに感じるようになってきました。やはり狭い井戸の中にいてはいけないわけで、他流試合…は武道じゃないからありえませんが、他流の方々の芸を見るのも、実によい勉強になるものだなあと、門下を変わったばかりの私は、そう感じます。なので、よその声楽教室の発表会を一生懸命探しだしては(近場に限ってですが)なるべく見に行くようにしています。
という訳で、よその声楽教室の発表会を見に行きました。そこは、結構近所にある声楽教室で、Y先生のご自宅と同じ町内にある声楽教室です。ほんと、ごくごく、ご近所なんです。
そこのお教室は、発表会を二日に分けて行ってました。初日は“習い事の部”とでも申しましょうか? 子供と音大生までが出演する日で、二日目は、音大(音楽専門学校を含む)卒業生だけの“勉強会の部”って感じの発表会でした。
初日の発表会は、声楽だけでなく、ピアノの発表会も兼ねていて…というよりも、ピアノの発表会を3時間ほどやった後に“声楽の発表会を30分ほどやっちゃいました”みたいなノリの発表会でした。
ピアノの発表会は割とよくあるタイプの、小学生を中心として、音大受験生までの学生たちによる発表会でした。上手い子は実に上手かったです。
声楽の方は、音大生、音大受験生、趣味の方が歌っていました。私的には、趣味の方にシンパシーを感じました。技術的には受験生たちは違うけれど、歌っている楽しさというのが感じられるわけで、やはり趣味とプロ予備とは、色々な意味で質的な違いってのがあるんだなあ…とかまあ、そんなことを考えながら拝見しました。まあ、アマチュアはアマチュアとして、プロとは違う頂きをめざせばいいんだと思いました。実に、面白かったですよ。
一方、二日目は、圧巻でした。オール声楽プログラムで、全員、音大卒でした。中にはプロでご活躍中の方もいらっしゃっていて、そういうメンバーで発表会をやっちゃうというのが、私にはよく分かりません。ま、発表会という名称ですが、その実は、いわゆる“勉強会”的なノリで、お互いの歌唱を聞きあって切磋琢磨をする会のようで「これをタダで聞いちゃっていいの?」的なほどの、満腹になってしまう発表会でした。勉強になる…と言うよりも、聞きほれてしまう発表会でした。
町の声楽教室には、大きく分けて、3つのタイプがあるんだなあって思いました。一つは『趣味のオトナを集めて、習い事としての声楽教室』って奴です。キング先生のところが、まさにそれです。ある意味、教える方も習う方も、気楽なタイプと言えるかもしれません。
二つ目が生涯教育的な声楽教室です。最初の習い事系に雰囲気は似てますが、最初のタイプが私塾っぽい感じなら、こちらは大手塾の雰囲気かな? 校舎や事務関係がしっかりしているところが多く、学校形態を取っている教室も少なくありません。生徒は、先生に私淑するというよりも、声楽教室に入学入会する感じなので、長年習っていると、教室の都合で先生が変わったりもします。このタイプのお教室は、音楽専修学校から大手楽器メーカーの音楽教室まで、様々な形態があります。
三つ目が『音大受験および合格対策のための声楽教室』って奴で、今回聞きに行った声楽教室は、それだし、毎年、正月に聞きに行っている別の近所の声楽教室もそんな感じのお教室です。音大受験というゴールがあるため、生徒さんも、若い世代中心で、短期間で入れ代わり、お教室としては、エネルギーにあふれている感じがします。
ちなみに、現在師事しているY先生のところは、元々は、受験対策メインみたいでしたが、仕事をセーブした結果、受験生たちは合格して、お教室を巣立ち、趣味のオトナたちが残り、今では、習い事メインのお教室になっているようです。
私は今しばらくはY先生のところで学びますが、やがてはY先生のところも巣立つ日が来るでしょう。次は…希望としては、受験対策のお教室で若い世代と一緒に勉強をしたいのですが…それはムチャな野望というものでしょうね(汗)。ま、そんときは、そんときサ。
発表会を色々見て思うのは、見ていて楽しいのは、何と言っても、習い事系のお教室の発表会です。先生の個性が、善くも悪しくも見て取れます。生涯教育的なところは、生徒数が多いので、発表会になると、そのボリュームに圧倒されます。色々な曲を聞けるので、とても勉強になります。受験対策の教室は…上手な生徒さんが多くて、テクニック的な学びができます。
三者三様で、それぞれの発表会は、それぞれに楽しみ、学べるものです。
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コメント
いつも、つらつらと、つまらんコメントを書いてしまう、
Operazanokaijinnokaijin、です。
また、つらつら書いてしまうことをお許しください。
( ̄▽ ̄;)
昔、日経新聞、私の履歴書で、大物財界人が、
(誰だか忘れちゃったのが、ほんと、残念)
お見合いで結婚して、で、そのお嫁さん、
結婚するにあたって、ピアノのレッスンを続けさせて欲しい、
とお願いしたそうで、そのお嫁さんは、音大生でもなく、
もちろん、プロでもなく、でも、ピアノが大好きで、
サラリーマンの妻、専業主婦として、お家を守りつつ、
でも、ずっと、ピアノのレッスンを続けていたそうです。
ヽ(´▽`)/
発表会くらいはあったんでしょうけど、ピアノで世に出たい、
とか、ピアノで食べていきたい、とかではなくて、
純粋にピアノが好き、だから、レッスンを受け続けたい、
勉強を続けたい、っていうの、すっごくいいと思います。
ヽ( ̄▽ ̄)ノ
っていうか、旦那様がビジネスマンとして成功して、
大物財界人になれたんだから、お金の心配はなくて、
ピアノを続けられたんでしょうけど。
( ̄~ ̄;)
すとん様は、ご職業が、なんだかよくわからないのですが、
(いやあ、すみません、すみません。)
フルートも、バイオリンも、歌も、好きで続けておられる、
富や名声ではなく?、好きだから続けておられる、
んですよね?
すっごく、いいと思います。
( ̄ー+ ̄)
ああ、私も、音楽じゃないけど、好きな分野の勉強をするべく、
今日も残業しないで、早く帰ろう。
(⌒∇⌒)ノ”
operazanokaijinnokaijinさん
>すとん様は、ご職業が、なんだかよくわからないのですが、
まあ、ブログを読んでいただけると、何となく分かると思いますが“学校のセンセ”系の仕事です。昔は学校のセンセをやってましたが、今は…他人に分かるように説明するのが難しいのですが、まあ、教育系の研究所ってところで、何やらわけの分からない事をやっている、ナゾのオッチャンです。ほとんど一日中、パソコンをいじってます。いや、ほんと、私の職業を他人に説明するのは、難しいですわ(汗)。
件のお嫁さんですが、ピアノのレッスンを続けるってのは、財力だけの問題じゃないから、結婚の条件にしたんだろうと思います。だって、ピアノって、毎日、結構な時間をピアノに捧げていないと、すぐに弾けなくなってしまうそうですからね。まあ、ピアノ好きな人は、それを苦もなく実践しているわけだけれど、非ピアノ人から見れば「毎日毎日ピアノばかり弾いて、ちっとは家の事もやりなさい」って文句の一つも言いたくなる訳で、そういう文句は言わないで、毎日好きなだけピアノを弾かせてください…ってわけでしょ。そういう生き方を認めてくださいってのが、結婚の条件だったわけですね。良い話です。
私の場合も、妻が音楽への理解があるから、趣味を続けられるってのはあります。だって私、毎日、仕事が終わって帰宅すると、ずっと音楽の練習してますから(笑)。家庭の団らんなんて、後回しだもん。普通の奥さんなら、怒っちゃいますよ。そういう意味では、良い嫁です。