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共稼ぎが普通になったのは何故なのか?

 それは日本人が貧しくなったから。貧しくなったから、男性の稼ぎだけでは生活できないので、やむなく女性も働きに出ざるを得なくなったから、共稼ぎが普通になったのです。

 …と言われがちだけれど、私はそれはちょっと違うと思います。

 まあ、日本人が以前よりも貧しくなったというのは、同意します。少なくとも、バブルの頃と比べれば、物価は上がっているのに、相対的な稼ぎ方は、今の方が悪くなっているとは思います。

 でも、暮らせないほど稼ぎが悪くなったとは思いません。昭和の時代のように、一馬力で生活する(男は働き、女は家事をするというライフスタイル)が全く不可能になるほど収入が激減したわけではありません。大半の家庭では、一馬力でも全然十分に暮らせるでしょう。ただ、今の人たちは、一馬力での生活をしたいとは思わなくなっただけです。それで二馬力…共稼ぎを選択している…と私は考えます。

 そもそも、一馬力で生活できないのなら、シンママやシンパパたち(シングルママ、シングルパパ、いわゆる片親家庭)は生活できないはずでしょ?  でも現実は、苦しいながらもなんとか生活しているわけだし、子どもだって立派に育てているわけです。それを見ても、一馬力で生活は無理ではないわけです。でも、今の若い人たちは、一馬力での生活を避けているのです。

 なぜ、一馬力の生活を避けて、共稼ぎを選んだのか? それには二つの理由があります。一つ目の理由は、昭和の時代よりも生活レベルが上がり、若い人たちは、昭和の時代よりも贅沢な現代の生活が、普通の生活だと思っているから…です。

 一度上がった生活レベルって、なかなか下がらないよね。

 大人になって家庭を持った時に、自分が子どもだった頃の親たち世代の生活レベルと同等の家庭を作りたい…って普通に考えてしまうのが人間です。でも、若い人たちの稼ぎなんて、親世代のそれと比べれば少ないのは当然です。おまけに景気だって悪いのです。そこで、子供時代の生活レベルから落とさないために、足りない分を補うために、共稼ぎをする…ってことです。

 つまり、高い生活レベルを維持するために、高い稼ぎが必要で、そのために共稼ぎを選択するわけです。

 幸いにも、共稼ぎを選択する2つ目の理由がここに関わってきます。それは、家電の進化のおかげで家事が省力化でき、主婦たちに圧倒的な余暇時間が生まれた…ということです。その余暇時間を労働に回せば…共稼ぎ家庭の誕生なのです。

 そんなわけで、今の若い世代は、共稼ぎが普通なだけで、それは決して、貧しくて、共稼ぎをしないと生活できない…ってわけではなく、親たちと同じ生活、自分たちが普通だと思っている生活レベルを保つために、積極的に共稼ぎを選択しているだけなのです。

 そもそも日本の歴史を見てみれば、専業主婦なんて稀有な存在なんですよ。まあ、古来より富裕層のマダムたちは専業主婦でしょうが、庶民たちの間で専業主婦なんてのが存在したのは、昭和の高度成長期からほんの数年ぐらいの間であって、それ以外の時期は、基本的に日本の庶民は、男も女も朝から晩まで働きづくめだったのが当たり前なんです。だから、令和の現在、若い夫婦たちが共稼ぎになっていくのは、単純に、日本人的には当たり前の当然のことなのだと思います。

 それだけ、高度成長期~バブル期って、幸せで豊かな時代だったのだと思います。

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