声楽のレッスンに行ってきました。まずは発声練習からですが、今回は、実に気持ちよく発声できました。先生からもお褒めの言葉をいただいたくらいです。「何を考えて歌っている?」と尋ねられたので「今まではピアノの音に負けないように歌っていたけれど、今日は負けてもいいか…という楽な気持ちで歌ってます」と答えました。
先生がおっしゃるには、むしろ今日の方がいつもより声が出ていますよと言う事で、いつも歌っている、レッスン室の真ん中付近ではなく、ピアノのすぐそばの部屋の隅の方に立って、壁に向かって歌ってみました。レッスン室はかなり広い部屋なのですが、部屋のあっちこっちから私の声が響いて聞こえてきます。
「声に力みがなくなって、押さなくなったのが、良い結果になっているんだと思う」と言われました。このように、力みを無くし、声を押さないようして、響きを増やしていくのが、発声として正しい方向だと言われました。次いで、私の隣に先生が立って「こういう風に発声してみると良いよ」と実演してくれました。…すごく響きます。マネはできませんが、良い目標になりました。
とにかく、大きな歌声というのは、大きな声で実現するのではなく、部屋の響きを最大限に活用して出す声なんだという事が実感できました。なので、大きな歌声を確保するためには、ノドや息に力を入れるのではなく、口の中を広げる事で得られる事がよく分かりました。私も、ちょっと進歩したかな?
それと、もう一つ誉められました。今回はいつになく、音程が良いのだそうです。毎日、音叉を聞いているのが良い効果になっているのでしょうか? 先生がおっしゃるには「ちゃんとチューニングされた楽器のように、音程が正しいです」との事でした。今まで私の歌声は、チューニングされていない楽器のようだった…というわけですね。音叉、侮るべからず…かな?
逆に注意された事は、ブレスの時に声を立て直さないようにしましょうと言われました。ブレスは、もちろんしても良いのだけれど、ブレスの前と後では、何も変えないようにしないといけないそうです。何も…と言うのは、口の開き方や喉の状態など、色々な事です。それをブレスの間も変化させずに歌い続ける事が大切で、私の場合は、それを立て直してしまいがちで、そのために音色も音程も変わってしまうので、本当に注意が必要なんだそうです。
で、いい気分で、コンコーネに入りました。
コンコーネ9番は、Asとその周辺部以外は悪くなかったと思います。やはり、Asの周辺は緊張してしまうせいか、うまくいきません。声にフタがかかるような感じがします。先生がおっしゃるには、そのフタは自分で開け方を見つけるしかないし、その開け方が見つけられなければ、これでお終い、この先には進めないと言われました。
先生自身は、自分のカラダで色々と試行錯誤を重ねて、ついに声のフタを開ける感覚を見つけて、力づくでそのフタを開けるようにしたのだそうです。このフタの開け方は、個人個人の体内の感覚なので、自分で見つけるしか手がなさそうです。さあ、どうやって開けるもんだか…。とにかく、無理はしないで、でも真剣に探さないといけません。
力むとフタが強力に被さるような気がするので、力みを除きながら歌っていく事で、なるべくフタが被さらないように、もしも被さっても、少しは開けられるようにしたいと思います。そのためにも、高音は弱い声でもOKという事で頑張りますよ。
先生がおっしゃるには、フタがされて、変な声で歌うよりも、声が引っくり返った方がまだマシ(あくまでも“マシ”であって“良し”でありません)なので、声の引っくり返りを恐れずに、フタのない声で、当面は弱々しく歌っていきたいです。
とにかく、As以外はOKなので、9番は今回で終了です。次回からは10番です。それと、9番のAsを含んだフレーズは、パッセージ練習として、これからも毎日やるように言われました。
ヴェルディの「哀れな男/Il Poveretto」は、だいたいOKだそうです。とは言え、まだ暗譜していないので、もう少しやらないとダメですが…。とにかく、演技というか、詐欺師のテクニックを歌で表現しましょう、とりわけpとfの落差がこの曲の肝だそうですから、その部分の表現をもっと工夫してきましょう、と言われました。特に、pの時に、ささやきながらも響く声をうまく出すことが、工夫のしどころだと言われました。
あとは、最後のバースの表情づけ(哀れみと下品さの表現ですね)と、最後の最後の音の切り方(これが下手くそなんです)にも工夫が必要だそうです。頑張ります。
次の曲は、Tostiに戻って「さようなら/Addio!」となりました。この曲の最高音がAsなんですよ、どうしましょう? それとこの曲、先生のレパートリーなんだそうで…キビシクいくよ~!…と宣言されました。ははは。
あ、この曲の出だし、As-G-Gs-F-E-Esだよ、クロマチックの下降音列だよ。音叉でAを取ったら、半音ずつ下がっていくというフレーズだよ。おお、これはまさに私が今一番必要としているフレーズじゃん。うむうむ。
今回からレッスンが毎週になりました。次のレッスンまで一週間しかありません。宿題をやっている時間が…ないよぉ(涙)。
コメント
おお!トスティのアディオ!
夏よさようなら! って歌詞だからとってもタイムリーですね。
わたしもこれむかーしむかし歌いました(笑)
半音ずつ下がるのが素敵ですよね。
新しい曲、がんばってくださいね♪
>ミルテさん
そうなんですね、夏の終わりとか秋の始まりに歌うとちょうど良い歌です。先日、ヒーヒー言いながら訳したんですが、最初は季節を惜しむ歌かと思っていましたが、結局、恋人への未練の歌にすり変わってました。イタリア人って、何を見ても、恋人の事ばかり考えているんですね…。情熱的と言うか、年がら年中発情していると言うか…。そんな彼らの思考パターンがおバカすぎて大好きな私です。
やっぱ、あいつら、ヘタリアじゃん(笑)。
もしも日本人に生まれなかったら、イタリア人に生まれたかったかもしれない。
うらやますぃ、発声が褒められるなんて!
私なんて先週のレッスンでは45分間の内30分発声やってました。(^^;)
とにかく軟口蓋をあげたまんまで上から下まで全部やってぇと言われ、
涙、出そうでした。(^O^;)
といっても辛かったのではなく、面白かったですけどね。
新たな発見がちょっと色々有馬記念。
そうそう、先生に目の前でスコーンと抜けた声を出されると、
お願いだからそのまま歌っててくださいと言いたくなりませんか?(^^;)
>BEEさん
発声が誉められた…と言っても、あくまで「当社比」ですからね。お間違いのないように(笑)。
45分中30分も発声? それも軟口蓋あげたまま上から下まで? たぶん、できない(汗)。それって、つら過ぎるでしょう。
>先生に目の前でスコーンと抜けた声を出されると、
お願いだからそのまま歌っててくださいと言いたくなりませんか?(^^;)
それがねえ、キング先生は、よく歌ってくれるのよ~。もう、サラっとお手本を示してくれるんですわ。私のレッスン記録の録音の中には、たくさんのキング先生のアカペラ歌唱がありますよ。「百聞は一見にしかず」でして、アレコレ言われるよりも「こうやるの!」と言って、実演してくるので、よ~く分かります。問題は、分かっても、私ができるかどうかってところなんだけれどね。
おはようござります。
>45分中30分も発声? それも軟口蓋あげたまま上から下まで?
これ、半分は私がお願いしたばかりにそうなったのです。(^^;)
どうしても最低Dまでは出るようになりたい、
どういう練習をすればいいのかというところから、発声の見直しがはじまりーの。。。(^^;)
だって、一応ソプラノですから。
そもそもDが出ないとヴィオレッタもルチアもオリンピアも歌えないじゃないですか。
先生からはとうとう、ま、最後は勢いってこともありますねっ!なんて言われてしまいましたが。
実は本当の目標は夜の女王だったんですが、自分的にはあきらめムード満天です。
これまた先生からは、出ると思いますけど、分かりませんねと、どっちだよみたいな解答を頂いています。
私の場合、高音になればなるほどどうしても力が入って喉で押してしまいグェグェ声になるので、今頃になって軟口蓋を上げたままの発声練習をやってるんです。
ただ、やり始めてわかったんですが、発声やってても喉が全然楽です。(^^)v
>BEEさん
>どうしても最低Dまでは出るようになりたい、
うむ、その気持ちは分かります。「本当はFまで出したいけれど、贅沢は言わないから、せめてDまでは~」って感じでしょ。アマチュアテノールの「本当はHi-Cまで出したいけれど、贅沢は言わないから、せめてAまでは~」と同じですね。
まあ、テノールもソプラノも「高い声だしてナンボ」の部分がありますからね。どうしても“高音命”になってしまいますね。私も高い声をラクラク出してみたいです。そのためにも、地味に頑張っていかないと。
ちなみに私は今、Asにチャレンジ中です。Asが確実に出せるようになると、ネモリーノが歌える…そうですから(汗)。ああ、ドニゼッティの「人知れぬ涙」、歌ってみたいなあ…。