声楽のレッスンに行きました。
レッスン前の雑談では、先生と次の曲の相談などをしました。トスティを二曲連続でやりましたが、これからもトスティばかりではアレなので、そろそろ次の作曲家はどうでしょうか?という話です。次と言っても、好きじゃない作曲家の曲をやるなら、せっかくダイエットした甲斐というものがないのですぅ…と渋ったところ、次にやるなら、ベッリーニかヴェルディはいかがですか?と言われました。ベッリーニ! ヴェルディ! いや~、ウエルカムですよ~! 彼らの曲なら、全然いいです。ちょっと積極的に考えてみることにしました。だってね、ベッリーニだよ、ヴェルディだよ。トスティも良いけれど、ベッリーニはもっと好き。ヴェルディはさらに好きです! ああ、楽しみだなあ~。
さらに雑談は続きました。この話は、どれくらい現実味があるのか分かりませんが、そろそろコンクールはいかがですかと、先生に誘われました。コンクールと言っても、日本には色々なコンクールがあって、正直、ピンキリなので、コンクールだからと言って、浮かれたり舞い上がったりする必要は全くないし、そんなにおおげさに考える必要はないでしょうが、私はかなりのオッサンだし、コンクールというのは、比較的若い人たちのためにあるものなので、私の外見がまだ若くみえるうち(とても50に近いオッサンに見えない私です)に、そういうものを経験しておくといいんじゃないかという、先生のご意見なんです。もちろん、コンクールに出たところで、一次予選突破すらかなわないでしょうが、そういう場を経験しておくというのは良いことだと思うので、可能なら参加しますと言っておきました。
返事としては「可能なら~」なんですが、実はウキウキワクワクしてます(喜)。ああ、コンクールかぁ~。楽しみだなあ。
さて、レッスンですが、今回は発声練習なしで、いきなりコンコーネをやりました。
コンコーネ7番は、三連符の歌い方で注意を受けました。まず、ホワイトボードに三連符を書いてみてくださいと言われたので、さっそく書いてみたら、いきなりブーでした(汗)。私の三連符の書き方はポピュラー式だったそうです。へえ、三連符の書き方にクラシック式とポピュラー式があるんだ…。
それはともかく三連符。クラシック式だと、スラーのような記号を使う(ポピュラー式だとカギカッコのような記号を使います)ので、これはスラーと考えて歌った方がいいですとの事です。つまり「三つの音符でひとつの固まり」という意識で歌うべきだし、さらにそれぞれの三連符をレガートに歌うことが大切。歌の中でも、私が取り組んでいるのはイタリア系の曲ですが、イタリアの曲は母音唱法、つまりレガートで歌うのが基本。なので、何はともあれ、レガートに歌うことを意識しましょうとの事です。で、7番は終了となりました。
次はコンコーネの8番でしたが、このあたりから、私は発声のダメさを感じ始めました。なぜか、歌っていて、とてもツラいんですよ。普段、自宅の練習では8番は気持ちよく歌えるのですが、今日はFあたりから、もうツラい。当然、コンコーネの8番なんて、歌えるはずがありません。音程もいつもは微妙に違う程度(笑)ですが、今回は明らかに違ってます。全然届いてません。声が自分のものではないみたいで、全く制御不能になりました。その原因は…ひとつには声のポジションが低いままで、どうやっても高いところに入らないんです。それと腹筋が全然使えていなかった事。腹筋だけでなく、全身のほぼすべての筋肉がうまく使えていなかったと思う。それなのに歌おうとしたので、結局全身バラバラのまま、ノドとその周辺ばかりを使ってしまい、ノド声になってしまったのだと思う。とにかく、自覚的に最悪な歌でした。自覚はあっても、解決方法が分からなくて、ダメなまま突っ走ったって感じかな。
コンコーネの9番は、さらに輪をかけてヒドかったです。先生がおっしゃるには「ムダな力が不必要なところに入り、必要なところが使われていない」のだそうですが、全くその通りなのですが、その袋小路から抜け出せないんですよ。
そんな事もあるさ…などと軽くは考えられないのです。なにしろ、二週に一度しかない大切なレッスンですから…。一つ一つをきちんとやりたいのですが、全然できません。悲しくなりますよ。
Sogno(夢)は(先生には信じてもらえませんでしたが)自宅では、結構楽しく、ラクラクと歌っているんですが、レッスンでは耳を塞ぎたくなるほどヒドい出来でした。歌っていて、ドンドンと気分が落ち込みました。途中で歌うのを止めようか思ったほどです。
とにかく歌えない、曲になっていない。歌えば歌うほど、カラダのあっちこっちが閉じていくのが分かります。負の連鎖って感じでした。
でも、言い訳してもダメなんですよね。歌に限らず、音楽は、練習でいくら良くても、人前できちんとできなければ意味がないわけでしょ。練習でラクラク楽しく歌っていても、先生の前でグダグダなら、それは練習をしてきた意味がないというものです。
とにかく声を顔の前面ではなく、奥で出すようにする事と、この曲をすべてpで歌うことが言われました。特に高い音程はfで出ても、pででなければ歌えたことにならないので、pで歌う練習をしてくる事です(Sognoは全編ほぼpの曲です)。この曲は、次回のレッスンで終了予定なので、暗譜してくるように言われました(汗)。全然できていなのに…かなり心配です。
フルートのレッスンでもダメだったし、声楽のレッスンでもダメで、一体私はどうなっているんだろ? いきなり全面スランプ? いやいや、そうではないと思うんだけれど。フルートは自宅練習でもダメなんだから、レッスンでダメでも、まあ、納得ですが、声楽は、自宅練習では、まあまあイケている(当社比)のに、これだもの。ちょっと、泣いちゃうよね…。それにしても、フルートも声楽もダメなんて、かなり落ち込みます。
レッスン前に、コンクールがどうしたこうしたなんて話をしたのに、レッスン始まったら、このテイタラクです。もう、顔がヒキツリ、心は号泣ですよ。
コメント
すとんさん
トスティお好きなんじゃないですか?
テノールノカンツォーネ!ってイメージないですか?
頭の隅にそのイメージあると
からだとのどに力が入り易いんです、トスティのメロディって。
いらないところに力が入りやすいからトスティは一回みんな声のコンディションで悩むんです。
情熱的に歌うのと、情熱的に聞こえるのは違うことなのに、情熱的に力入れて歌っちゃって声が情熱的じゃなくなるんです。
学生時代それこそみんなトスティを数曲やると悩み倒してました、とくに男子♪
だからあせらず頑張って自分の「トスティ」の歌い方見つけて下さいね!
>みるてさん
はい、トスティ大好きです。ドラマティックなテノールアリア好きだし、イタリア民謡も大好きです。とにかく朗々と歌う曲が大好きですし、そういう歌をかっこ良く歌えるようになりたいと思ってます。
>からだとのどに力が入り易いんです、トスティのメロディって。
うわっ、それは知らなかった。でも、何となく分かる…。
>いらないところに力が入りやすいからトスティは一回みんな声のコンディションで悩むんです
ええっ、そうなんですか。じゃあ、まさに「誰もが落ちる穴に落ちて、もがいている」状態なんですか? うわー、分かりやすい(汗)。
>情熱的に歌うのと、情熱的に聞こえるのは違うことなのに、情熱的に力入れて歌っちゃって声が情熱的じゃなくなるんです。
そうなんですよ。まさにそう。情熱的に歌ったから情熱的に聞こえるわけじゃないし、力込めて歌ったから力強くきこえるわけじゃないし、息をたくさん使ったから音量増すわけじゃない。みんな“頭”じゃ、よく分かっているんだけれど、実際に歌い始めると、全然できないんですよ。それこそ「理屈じゃないんだよ、歌はね…」って感じです。
だからこそ、キング先生は「pで歌ってこい」っておっしゃったのでしょうね。合点がゆきました。それと「Sognoは、すとんさんの苦手なタイプの曲」ともおっしゃってましたが、pばかりの曲を力入れて歌ったら…そりゃあ、カラダが全部閉じるよね。
自宅じゃ、当社比であっても、リラックスしながら練習している事実は否定できません。ところがレッスンでは、緊張とは違うけれど、どうしたって気合入れて歌っちゃいますからね。そのところに落とし穴があったのでしょう。
そうか、そうなのか、男子はみんなトスティで悩み倒すのか…。ならば、私もちょうどいい機会だから、悩んでみるか…。いつでもpで歌えるように、pでの歌い方を徹底的に練習してみるか。
アドヴァイスと励まし、ありがとう。すごく心に染みました。
夏で暑いのに、ちゃんと練習されてるだけでもエライですよ。
ひょっとして体が少し疲労されている事はないですか?
体が疲れていると、音も下がり気味になるし、ノドに力入ったり
しますし、良くないですよ。
たまには、ビールをごくごく飲んで、ほけっとしましょう!!
>おぷーさん
>ひょっとして体が少し疲労されている事はないですか?
もちろん、疲れています。夏負けと言うよりも、ダイエット疲れです。ダイエットというのは、身を削っているわけですから、ダイエット中は、常に疲労感と空腹感が親友なんです。ま、それでも病気にならないように気をつけていますが、気力体力が充実するというレベルまでは望めません。
今は、時間があれば、なるべく寝るようにしています。なにしろ、惰眠は疲労回復できる上に、カロリーゼロですから、積極的にとらないとね。
実は私、仕事の大きなヤマが一つ過ぎたところなので、これからは少し休養モードに入ろうというところなんです。明日はひとまず人間ドックに行ってきますよ。ここんところ、仕事が忙しかったし、ダイエットで身を削っていたので、変な病気が見つからない事を願っています。
すとんさんはじめまして!
声楽を習っている婆猫です(笑)、なかなか上達しないのですが、そのつど習ったことなど、検索していると必ずすとんさんのブログに行当ります。それだけいろいろ細かくレッスンの様子が書いてありキング先生のご指示も的確で、大変参考にさせていただいております。
今回の事もそうそう、私も家で一生懸命練習していって、先生に変な癖を付けて来たといわれたり、ダイエットでふらふらして行って、支えがなくて声が喉声になってしまっていたりおんなじです。
変に勇んで行った時より、自信なくレッスンに行ったときのほうが
良かったり、まだまだ自分の調子がつかめませんが、歌う事が
すとんさんに負けないくらい大好きです。
声質は上もでるメゾといわれています。声ででかいです(笑)
また、おじゃましてもいいですか?
>婆猫さん、いらっしゃいませ。
>変に勇んで行った時より、自信なくレッスンに行ったときのほうが良かったり、
そうですね、私もそんな事ばかりです。どうにも、歌というものは、つかみどころがないです。楽器は、やったらやっただけの成果があるし、自分の調子だって、結構、自分で的確につかめますが、歌はもう、全く分かりません。
そこが、声楽の分からないところであり、おもしろいところであり、楽しいところなんだと思います。なにしろ、自分自身が楽器なんですからね。この感覚は、真面目に声楽に取り組んだものじゃないと分からない、不思議な感覚だと思います。
>声ででかいです(笑)
ははは、それでは苦労も多い事でしょう。声は、小さければ小さいで何かと悩みもあるでしょうが、大きければ大きいで苦労するものです。ところが大きい声の人間の苦労って、なかなか分かってもらえないんですよね(嘆)。
>また、おじゃましてもいいですか?
よろこんで!