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作曲者不明な曲を歌います

 さて、ブログ再開です。まずは書きたい事はたくさんありますが、アップするのを先延ばしできない記事からアップするとなると…昨年末の声楽レッスンの話からです。これは2023年最後のレッスンの話となります。

 実は、この前のレッスンは、私がコロナに罹ってしまったためにお休みをしてしまったので、約1ヶ月ぶりの、久しぶりのレッスンだったし、私自身、コロナそのものは治っているけれど、なんかまだ本調子ではない感じがしている中でのレッスンとなりました。

 まず最初は、次の課題曲の話です。今回のレッスンでは、イタリア系もドイツ系も新曲になるので、次の課題曲を決めておかないといけません。そこで今週はイタリア系の曲決めをしました。

 実にあっさり決まりました。次は、作曲者不明の「Fenesta che lucive/光さす窓辺」です。

 この曲は作曲者不明なのだけれど、なぜ作曲者が不明なのかと言うと、誰が作曲したのか分からないからです(当たり前)。なぜ分からないのかと言うと、あまりに古い曲なので、誰が作曲したのか、いつ作曲されたのか、それが分からないらしいのです。

 この曲は、イタリア民謡やナポリ民謡の楽譜集、あるいはイタリア近代歌曲の楽譜集に入っている事が多いので、最近の歌と勘違いされやすいのだけれど、実はかなり古い曲です。そもそもは、エンリコ・カルーソー(約100年前のテノール歌手)のレパートリーで、彼がよく歌っていたので「あの曲、かっこいい。俺も歌いたい」って多くのテノールが憧れて、それで知られるようになり、今や“テノールにとっての基本的レパートリー”という扱いになった曲なんだそうです。

 ちなみに、100年前に出されたカルーソーのレコードには、この曲の作曲者は、テオドロ・コットラウ(Teodoro Cottrau)と書かれていますが、それは現在否定されているので、作曲者不明ってなっているわけです。じゃあなんで、カルーソーのレコードにはコットラウ作曲となっているのかというと、コットラウという人は、カルーソーの時代の作曲家でもあったけれど、古いナポリ民謡の収集をする研究者でもあって、彼が集めた古い民謡を当時(20世紀初頭)の音楽として歌えるようにアレンジした楽譜も出版していたので、カルーソーはそのアレンジされた譜面で歌っていた…という事らしいなです。なので、作曲者と編曲者を取り間違えてしまった…というわけなのでしょうね。

 ちなみに、コットラウは、この曲以外にも「Santa Lucia/サンタ・ルチア」も編曲しているそうです。つまりサンタ・ルチアも、実は作曲者不明なナボリ民謡…なのかもしれません(現在は、一応、コットラウの作曲って事になってます)。

 まあ、どっちにせよ、著作権なんて、とっくの昔に切れているので、誰が作曲者であっても大した問題ではないのかもしれません。

 この曲を知らない人のために音源をアップしておきます。本来ならば、オリジナルとも言うべきカルーソーの音源を貼ればいいのでしょうが、YouTubeにあるカルーソーの音源は、さすがに古すぎて音質が悪いです。私は21世紀になって伴奏だけを新録したカルーソーの音源を持っていて、それならかなり音質も改善されているのてすが、その音源はYouTubeにはありませんので、ここではパヴァロッティの歌唱のものを貼っておきます。

 Y先生は「発声を学ぶのに良い曲ですね」とおっしゃっているので、頑張って歌ってみたいと思いました。

 ドイツ系の課題曲は、次回のレッスンの時に決める事になりました。

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