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山陽山陰の旅に行ってきた その5 大原さんにはお世話になりました

 天気は快晴です、良いですね。朝食はバイキング形式だったので、郷土料理系のものを中心にいただきました。シジミの味噌汁とか、珍しげなご飯のともとかね。とにかく、小鉢に入れて出されるような、そんなちょっとした漬物や煮物系のおかずが美味しかったのです。それ単品で食べるにはどうかな?と思うけれど、これが白飯と合わせて食べると、ご飯が進む進む…。こういうのが、昔ながらの和食の基本形なんだよなあ…と思いながら、朝から三杯、白飯をいただきました。

 バスに乗って、途中で1回だけトイレ休憩を挟み込んで、倉敷の美観地区に行きました。はい、お天気はピーカンで日差しが痛いくらいでした。美観地区の散策…なんて、暑くて出来たものではありません。それになんか街全体がオシャレ&意識高い系な感じだったので、早々に大原美術館に逃げ込みました。

 この美術館には、高校生の時に来ていて、その時にはエル・グレコの「受胎告知」に感銘を受けて、その絵を再び見られる事を期待していました…し、実際、再び見られて、うれしかったです。やはり絵画は実物を見ることでしか得られない感動があるんだよねえ…。

 今回は「受胎告知」も良かったのですが、児島虎次郎の「和服を着たベルギーの少女」がとても良かったと思いました。私は、年を取るにつれて、カラフルで光あふれる絵画が好きになってきたようです。いやはや…。

 倉敷では昼食込みでの自由散策となっていましたが、どうもこの街でご飯を食べるのは…女性向けの小洒落た感じの店ばかりが目立つので、パスをする事にしました。昼食は、帰りの新幹線の中で、ゆっくり&ガッツリといただく事にしました。そうすると、美術館だけでは見学時間が余りました…なので、美術館のそばにあった大原本邸に入りました。美術館を創設した大原一族の旧邸です。昔のお金持ちのお屋敷が、そのまま保存されているのです。角館の武家屋敷とか、佐原の伊能家にも通じる、風格のあるお屋敷です。

 …昔の金持ちって、色々とすごいよね。特に、見学コースから少し外れた、奥まった場所にある“思索の間”と呼ばれる離れの座敷に案内されたのだけれど、ここがすごく渋くていい座敷でした。確かに落ち着いてモノ考えるのにはもってこいの部屋で、こういう部屋があるってのが、なんとも知的な感じがしました。本物のお金持ちのお住まいというオーラが漂ってます。ここの座敷から見えるお庭が、渋すぎて素敵すぎるのです。

 その後、大原本邸の蔵をリノベした喫茶室で、古い書籍に囲まれてアイスコーヒーをいただきました。なまじのカフェなんかよりも、ずっと静かでオシャレで知的な空間で、30分ほど貸切状態で堪能させてもらいました。

 と言うわけで、倉敷では大原さんのところですっかり時間を使ってしまいました。

 倉敷、良かったよ。

 美観地区から倉敷駅までバスで移動して、3日館お世話になった運転手さんとさよならして、倉敷駅から、普通に山陽本線(在来線)に乗って岡山駅まで電車移動しました。団体旅行なのに、在来線の普通電車に乗るのも、なんか新鮮な感じがしました。

 岡山駅では、駅ビルの駅弁屋さんで、昼飯を購入しました。私は“瀬戸内レモン鶏めし”と“えびめしとデミカツ丼”にデサートとして“むらすずめ”を買いました。鶏めし、美味しかったです。デミカツ丼は常温で食べても美味しいカツだし、カツにかかっているデミグラスソースは、ソースというよりも味噌って感じで絶品でした。驚きはえびめしのめしで、これカレーじゃないの? でも真っ黒なご飯で、ちょっとビックリでした。むらすずめは、薄皮饅頭の一種で美味しかったですよ。

 で、思ったのは、新幹線のグリーン車での移動って…飛行機よりも時間がかかるけれど、快適だよね。飛行機は狭いところに押し込められる感じがして、ちょっとイヤなんだけれど、新幹線のグリーン車は広々としていて、ほんといい感じです。今後は、飛行機と新幹線で選択できるなら、なるべく新幹線を選択したいと思いました。快適さが全然違うんだよ。

 そんなこんなで、東京駅に到着して、二泊三日の山陽山陰の旅は終わりました。楽しかったです。ご苦労さまでした。

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コメント

  1. tetsu より:

    こんばんは。

    > 昔の金持ちって、色々とすごいよね。

    石橋正二郎
    https://www.artizon.museum/about-museum/founder/

    松方幸次郎
    https://www.nmwa.go.jp/jp/about/matsukata.html

    個人的には石橋のモネの睡蓮が一番好きです。

    >エル・グレコ
    未だに本名覚えられません。国内で見れるのもメチャスゴイです。
    大原は当時の自宅から各停で行きました。

    大原というと次の話題がありますが、

    大原美術館はなぜ贋作「アルピーユの道」を購入した?
    https://www.youtube.com/watch?v=VJlv-tnM4xoゴッホ

    当時ゴッホの名前は知っていましたが、記憶もなく、記念に買ったカタログにもありませんでした。
    大原はまた行きたいところです。失礼しました。

  2. すとん すとん より:

    tetsuさん、旅行に行っていて、コメントの承認が遅れて申し訳ないです。

     ほんと、昔のお金持ちってすごいです。美術品を収集しているお金持ちは多いですが、それを自宅に死蔵している成金はともかく、本当のお金持ちは、美術館とか財団とかを作って、我々庶民にも開放してくれているわけで、そういうお金持ちがいなければ、我々は本物の美術作品にふれるチャンスが激減してしまっただろう事を考えると、お金持ちの皆さんには感謝と感激しかありません。

     モネの睡蓮って、本物だけでも、世界に250枚以上あるそうです。ま、連作なんですよね。私も、日本各地の美術館で、色々な睡蓮を見てきました。同じ睡蓮を描いた絵でも、それぞれに個性と魅力が違い、楽しいものです。

     tetsuさんが好きだという睡蓮も、ネットで検索すれば、すぐに見つけることはできますが…ネットの画像と、本物の絵は(正直)全然違うんだよね。絵画は、ネットや画集で見て、知識を増やすのも大切ですが、本物を見ることでしか得られない感動もあるわけで、そういう意味では、絵画鑑賞って、贅沢な趣味なんでしょうね。

  3. tetsu より:

    こんばんは。
    大原の補足です。

    先日某国営放送で大原のバックヤード、という放送があり、
    大原孫三郎が児島虎次郎のために作ったアトリエ(通常は非公開)が
    紹介されていました。

    https://air-j.info/residence/rd-41/
    毎年1名のアーティストを招へいし、それぞれが一定期間、無為村荘のアトリエで滞在制作。招へい期間終了後、完成作を大原美術館にて展示。

    この建物は初めて知りました。
    「秘すれば華なり」?
    スゴイですねえ。

    失礼しました。

  4. すとん より:

    tetsuさん

     私もその放送を見ました。で、そこで紹介されていた絵師さんの作品が美術館に展示されていたので、それも見てきました。

     まあ、絵なんて好き好きだなあと思ったし、画家の育成も博打みたいなもんだなと思いました。今は昔と違って、作品なんていくらでも発表できる場があるわけだし、たぶん本物の才能を持っている人は、大原さんのお世話にならなくても、世に出てくるだろうと思いました…と言うのが、私の率直な感想です。

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