コロナが収まって、世の中が平常に戻りつつあるのでしょう。めでたい事に、あちらこちらの声楽教室で発表会が行われるようになりました。そこで、私の趣味である“見知らぬ人たちの発表会見学”の復活です。
見知らぬ人たちの発表会を見学するのは、本当に色々と学びになります。自分に欠けているモノを突きつけられますし、アマチュアの歌についても、あれこれ考えさせられます。
今回見せていただいた方々の歌は、指導されている先生が合唱の指導を中心に行っている事もあり、皆さん、音程とリズムが実に適切で正しいのです。その歌の正確さに関しては、驚嘆するし、感心もするけれど、個人的には感動できませんでした。
まあ、アマチュアの歌ですからね。もっとも、私の歌だって、他人を感動させるまでにはいかないので、お互い様と言えばお互い様なのですがね。
自分の事はさておいて、偉そうに書き進めるなら…やはり声は大切だなあと思いました。いくら、音程とリズムが正しくても、声量が不足していては、たとえ狭いホールであって、ロクに聞こえません。よく聞こえない歌には…感動できませんよね。
あの程度の声量なら、合唱団ではウエルカムでも、声楽では物足りません。声量って…大切だなあ。
あと皆さん、選曲に難があるように感じました。具体的に言えば「声に合っていない」のです。あなたの声なら、もっと軽やかな歌がいいでしょう。もっと力強い歌がいいでしょう。もっと別のタイプの曲の方がいいでしょう。むしろ高く(低く)移調して歌った方がいいでしょう…そんな事を思いながら聞いていました。
選曲はどなたがしたのか分かりませんが、声の事があまりよく分からずに選曲している感じでした。自分の声を知る事と、自分の声に合った選曲って…大切だなあ。
あと、皆さん、テンポがおしなべてゆっくりでした。いや、ゆっくり過ぎる人もチラホラいらっしゃいました。私も含めて、歌い手ってゆっくり歌いたがるものですが、聞く側になると、あんまりゆっくり歌われるのも興ざめです。やはり標準的なテンポってあるじゃないですか? 適切なテンポで歌ってもらえると、うれしいなあと思いました。テンポ、大切です。
表現力に物足りなさを感じましたが、それはアマチュアですから勘弁せざるをえません。いやむしろ、アマチュアだから、正しい歌唱、楽譜通りの歌唱を心がけているのは、よく分かりました。クラシック音楽ですから、楽譜通りに歌うことは大切ですし、大事な事ですが、それだけでは人は感動しない事に気づきました。やはり、演奏には、適切なゆらぎが大切で、それをきっと人は“表現力”って言うのだろうなあと思いました。
楽譜通りに正しく歌ったうえで、そこに自分なりの表現を加えて、客を感動させる…それができたら、アマチュアなんてやってないよね。だから、アマチュア歌手に無い物ねだりなんて、しちゃダメだよって話です。まずは、楽譜通りに歌える事が、アマチュア歌手が目指す道なら、ここの教室は、それをかなりきちんと行えている人たちの教室なんだなって思いました。
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