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響きを高く上げよう

 声楽のレッスンに行ってきました。

 実は我々の伴奏をよくしてくださるピアニストのMさんが、最近Y先生のところで声楽のレッスンを受けるようになったそうです。もちろんきっかけは、我々との共演なわけで、本番に向かって我々のレッスンにお呼びしてピアノを弾いてもらったりしているうちに、Y先生との面識もできて、声楽にもチャレンジしてみようと考えられたわけです。

 まだ、習い始めて日が浅いのですが、Y先生づてに聞く、そのレッスンの様子は、実になかなかのようです。いやあ、かなり真剣でガチなレッスンをしているようなのです。

 レッスンでは、発声練習の時から、ほぼアカペラの無伴奏のようです。これはレッスンをする方も受ける方も絶対音感を持っているから可能なんだろうなあ…って思いますし、発声練習にせよ、その後の曲練習にせよ、1音ごと1フレーズごとに指導が入っていくようなレッスンで、曲はイタリア古典歌曲をやっているようですが、あまりに指導が細かいために、曲がほとんど進まないみたいです。おまけに、Y先生の指導が入る前に、Mさん自身が「今のは無しです、やり直します」みたいな感じで、セルフダメ出しもガンガン入っていくそうです。いやあ、実にレベルの高いストイックなレッスンだなあ…。

 これって、絶対に、あっという間に上達するよなあ。Mさんは、そもそもの音楽的な素養が我々とは全く違う(一般大学の卒業ですが、下手な音大卒のピアニストさんよりも、かなり達者にピアノを弾きます)わけで、そんな人がこんなにガチなレッスンに真剣に取り組んでいるんだもの。このまま、歌も上達したら、我々の伴奏なんてしてもらえなくなるかも? なんか、ちょっと危機感を覚えました。

 ちなみに、次回のレッスンからピアノ合わせになりますので、そんなピアニストさんのMさんと一緒にレッスンを受けます。

 先生から「すとんさんもMさんのようなレッスンにしますか?」と誘われたけれど…そんなガチなレッスンは、まだまだ私には無理だよね。速攻でお断りをしました。

 さて、ハミング練習から発声練習へと、いつものレッスンが始まりました。

 今回は、音程を上げずに響きだけを上げる練習を中心に頑張りました。ポイントは腹圧です。声を出しながら、腹圧を高くして、ノドを開けて、でも音程は変えないで、響きだけを上げていきます。難しいです。

 響きとは…声色の一部です。声色のうち、高い声の成分が多く含まれているモノを響きと言うのだと理解しています。つまり“響きを上げる”とは、声色を作っている声の成分のうち、基音部分は変えずに、高い音の成分だけを多くして、音色的に明るくて硬めの声にしていく…ものと考えているわけですが…合っているかな?

 とにかく、私にとっては“音程を変えずに”という部分が難しいです。響きを上げようとすると、釣られて音程まで上がりがちなのだけれど、それはダメなので、音程はキープしたまま響きだけを上げる…のですが、ああ、難しい。

 腹圧を上げようとすると、釣られて肩まで上がってしまいます。肩はむしろ下げる感じで腹圧を上げていくと…ようやく響きだけが上がります。問題はかなり限界近くまで腹圧を上げない響きの変化が感じられない事です。それでは先が無いので、あれこれ色々と足りません。本来は、少しだけ腹圧を上げて、それで充分なほどにしっかりと響きが上がれば良いのですが、それが全然できません。

 響きだけを容易に上げられるようになると、高音発声がだいぶ楽になるそうだし、G4より高い音を発声する時や、跳躍音程で上に上がる時は、必ず事前に響きだけを上げられるようにするべきなのだそうです。いやあ、難しいです。

 この“響きだけを上げる”ことを、簡単に言うと「準備をする」という事なのだそうです。ん? そうなると、以前よく言われた「音程は上から取る」と言うのは「響きの高い声で歌いだせ」って事になるのかな? 

 まだまだ、このあたりの事が分かっていない私でした。

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コメント

  1. 如月青 より:

    お疲れさまです。
    〉1音1フレーズごとの指導
    私の今の先生がこのタイプです。とにかく耳がよくて、発声練習の段階から細かく体の使い方を指摘します。
    30分のレッスンで曲に入るのが10分くらい。それでまた1音ごとの指導なので、1年半習っていて、発表会以外の曲はまだ1曲できたかどうか。

    音程は腹筋で調整、音の上げ下げは横隔膜を広げて、というのがこのごろようやく分かってきました。音域の上昇を意識すると無意識に重心が上がるので、反対に膝を折りぎみにして姿勢を低くしていくこと。

    難しいのは、声を出しているときペンを軽くみぞおちに当ててそれを跳ね返せ、と。これをやると肩のほうに力が入ってしまいます。位置はやや下ですが、ズボンのウエストがきつい状態を保つくらいで許してもらおうかと。

    〉響きを高く
    私の先生のいう「バイオリンの音色」でしょうか。マスクを上げて眉間に息を通す感覚で、低い音からこれをやらないと高音は出ないそうです。女声だとこれで声が裏返るのですが、男声の場合はどうなのでしょう。

  2. すとん より:

    如月青さん

     私は歌が上手くなりたいし、歌唱技法だってドンドン身につけていきたいのだけれど、その一方で、たくさん歌いたいんですよ。たくさん…と言うのは、曲数の話で、世界の有名曲を全部全部歌ってみたいし、レパートリーを増やしたいのです。何しろ、人生は短いですからね。死ぬまでに後悔が少なくなるように、歌いたい歌を次から次へと歌いたい人なのです。

     だから、丁寧なレッスンはありがたいけれど、そのために歌う曲数が減ったら、すごく残念なんです。

     一時期、コンコーネをレッスンでやっていただいていたけれど、コンコーネをやると、テクニックは身につくだろうけれど、曲を歌う時間がやたらと減るんですね。あれは辛かったです。なにしろ、レッスン時間は有限ですから。

    >私の先生のいう「バイオリンの音色」でしょうか。

     先生ごとに用語が違いますから、なんとも言えませんし、私はテノールですから、どう逆立ちしてもヴァイオリンの音は出ません。出ても、チェロ止まりです。もっとも一般的に、テノールは楽器としてトランペットに例えられます。

    >女声だとこれで声が裏返るのですが、男声の場合はどうなのでしょう。

     男声は声を裏返すのは禁忌ですからダメです。でも(ウチの先生は言いませんが)男声でも高音はマスクで歌うことを重視する先生方がいますから、似たようなやり方があるのかもしれません。

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