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声楽発表会で歌って参りました

 決戦の日は、2009年6月7日の日曜日でした。天気は、イヤになるくらいの快晴。場所は横浜の京急能見台の駅から、山坂を20分ほど歩いたところにある「長浜ホール」。野口英世博士の細菌研究所の建物を保存して手を加えたホール。すばらしく音響が良いホールでしたが…到着した時は、まるで水浴びをした後のように汗だくでした(笑)。

 11時リハーサル開始のところ、少し早めの10時30分に到着。ホールに到着して、入り口でホールの人に「出演者の方の楽屋は地下です」と言われて、地下の楽屋に入ったところで、キング先生と出くわしました。挨拶もそこそこに「ここは先生方の楽屋、生徒さんの楽屋は二階です」と言われちゃいました。いやいやいや、悪いのは私じゃないよ、ホールの人がそう言ったんだ!とは一言も言わずに、素直に「失礼しました」と言って、二階へ移動。へへへ、いきなりの失敗。やっちまったな、おい。

 まさか、ホールの人は、私をプロの歌い手と間違えた? ま、体格だけなら、プロのオペラ歌手並な私だけど(笑)。

 二階の生徒さん用の楽屋は、いわゆる会議室でした。荷物を置いて、リハーサルまでは時間があったので、息を整えて、練習室に行きました。練習室に行って、軽く発声をして、その後、徹底的にハミングをしました。鼻への響きはもちろん、耳や頭蓋の中にまで、ギンギンに響くまで、ハミングを繰り返しました。とにかく、頭のあっちこっちを開きまくりました。そんなハミングをしつづけて、自分の声で頭の中がグラグラになった頃、時計を見ると、ちょうど良い頃合いだったので、ホールに行きました。

 リハーサルです。グループレッスンの時のご学友(笑)たちと一緒です。とっても懐かしい。順番に歌って、やがて自分の番がやってきたので、舞台に上がって、歌ってみる。歌は練習でやってきた事をそのままやればいいというものではありません。いい意味で、会場なりに歌い方を変えていかないといけません。その会場なりの歌い方を探すのが、本番直前のリハーサルです。

 声はどれくらい響くのか。声を出す方向で響きはどう変わるのか、ピアノの音と声のバランスはどうなのか。そういうのを、歌いながらチェックして変えていきます。事前に思っていた以上にいいホールです。すごく順調。いつもの歌い方と比べ、響きを多めにして歌ってみました。それでも先生からは「会場の音をよく聞いて(つまりホールの響きを生かして歌え、という意味)」と何度もアドバイス。その度ごとに、声と響きのバランスを取り直してみました。

 歌いながら、感情が入りすぎて、思わずこぶしを握りしめて歌ってしまったところ、先生に「かっこ悪いよ」言われました。ははは、そりゃあ、演歌じゃないものね。

 リハーサルも無事に終え、楽屋で門下一同で昼食。普段は面識の無い人たちばかりですが、同門っていいね。同じ先生に習っているというだけの共通項だけど、それだけで親しい感じになれます。みんな、兄弟姉妹って感じ? たぶん、ウチの門下は仲がいいんだと思う。

 みんなで食事をしながら、ああでもない、こうでもないと、つまらない世間話をしました。その話の中で、圧倒的多数の女性の生徒さんたちの要望で「男性がいると自由に着替えられない」という話が出たため、男性の生徒さんは、楽屋を移ることにしました。で、私を含めた男性生徒は、練習室の隅っこを荷物置き場とする事に決定。ただし練習室を楽屋代わりに使って着替えなどをすると、女性が練習室で練習できなくなってしまうので、男性の着替えはトイレで行なう事になりました。ま、仕方がないかな。ちなみに、男性の生徒さんって、私を入れて、3人だけ。女性の方は15名います。ずばり男女比、1:5。この割合って、多いの少ないの? ま、とりあえず、男性は3人なので、なんとでもなるので、それでOKです。

 食事を終えると、女性は着替えとメイクです。一通り、着替えとメイクが終了すると、キング先生による衣裳&メイクチェックが行なわれました。大半の生徒さんのメイクが「薄すぎます。もっとしっかり塗ってください」とチェックされてました。舞台化粧って、普段の化粧とはかなり違うんですねえ。大変です。ああ、男でよかった。私はすっぴんで舞台に上がります(笑)。

 それにしても、女性は色とりどりのドレスを来て、髪を整えて、ばっちり化粧をして、まさに夢々しい存在へと変わってゆきます。やっぱりステージの華だね、女性たちは。

 女性たちが着替えている間、手持ち無沙汰な私は、自分の記録用のビデオの準備を始めましたが、いざ、ビデオ機材を組み立てようとした時に、ビデオカメラと三脚をつなぐ部材が無いことに気づきました。ううむ、家忘れてきたらしい(涙)。ビデオって、荷物としては、結構大きかったんだよ(涙々)。あああ~、ビデオを三脚に取り付けずに手持ち撮影という選択肢もないわけじゃないけれど、それをやっちゃうと、今度は写真撮影&録音ができなくなる。だってビデオを手持ちで撮影したら、ビデオだけにかかりっきりになってしまうじゃない。…やむなくビデオ撮影はあきらめました。今回の発表会は、音と写真のみの記録にしました。かなり残念、無念。

 そんなこんなのうちに、発表会が始まりました。

 私の出番は、第二部の4番目。だから、最初から第一部の真ん中くらいまでは、普段着のまま会場で兄弟弟子(と言うか、姉妹弟子と言うか)たちの歌を聞いてました。アヴェ・マリアの特集コーナーを聞き終えたところで、一度、練習室に戻って、タキシードに着替えました。後は自分の出番まで、ひたすらハミング。鼻と耳を徹底的に開きました。

 やがて、ステージマネージャーさんに呼ばれて、舞台袖へ。先生の服装チェックを受けました。ちなみに、カマーバンドが上下、逆でした(笑)。あと、立ち襟と蝶ネクタイの向きをちょっと直されました。

 先生から「この曲( O del mio amato ben )は歌曲の王道です、しっかり歌ってきてください」と気合を入れてもらう。さらに「今日、一番注意しないといけないことは何ですか」と質問される。リハーサルの事を思い出しながら「響きを集めて、響きで歌うことでしょうか」と返事をすると「いいえ、口を縦に開くことです」と言われる。そっちだったかー! 「口を縦に開いてる限り、高いところもラクラク出ますから、必ず口を縦に開いて歌ってください」と念を押されました。

 前の人が歌い終わり、ピアニストさんと直前の挨拶&握手を交わして、いよいよ舞台へ。

 照明がとてもまぶしくて気持ち良い。お辞儀をして、お客さんから拍手をいただきました。とても気持ち良いです。客の入りは、会場が狭いせいもあるけれど、80%程度。なかなかの入り具合で、とてもいい感じです。

 拍手が終わると、私は舞台上でそっぽを向き、一人、心静かに、70過ぎの“歌の主人公”が私の中に降りて来るのを、舞台の上で待ちました。やがて私の中に、歌の主人公が降りてきたので、ピアニストさんに合図をしました。

 イントロが始まりました。

 イントロ、すごく速い。ゲネプロの時の速度とはまるで違う。速いだけでなく、力強い。でも、それで正解。なぜなら、ここの会場の空気がとても軽い上に、ホールの残響がとても長いので、ゲネプロの時の速度で歌うと、音の響きが生かしきれないのです。そして、それは、さっきのリハーサルで確認済みです。

 ピアノの音の上に、さらに次のピアノの音がドンドンかぶさり、ピアノの音がホール全体に次第に満ちてくるのを感じます。とても気持ちが良いです。その気持ちの良いイントロに導かれるように、自然に私の口が歌を歌い出しました。

 ああ、本当に空気が軽い。とても楽に声が出て歌となる。歌っていると言うよりも、自分の中からドンドン歌がわき出て来る感じで、本当にとても気持ちが良い。歌っている一方で、歌に酔いしれている自分の存在を感じました。ああ、気持ちがいい。この状態がずっと続くといいのに…そう思っている自分がそこにいました。いつもは4分30秒程度かかる歌なのに、今日はテンポアップをした分、約3分30秒ほどで歌い終わりました。この長さで1分違うとは、すごく速かったことがお分かりでしょう。でも、全然、忙しいという感じはなく、速いという感覚もありませんでした。このホールに即した、まさにベストのテンポで歌えたと思います。歌の最初から最後まで、ずっと気持ちが良かった。これも、ピアニストさんが上手に私を導いてくださったおかげです。ありがとうございます。

 歌い終えて、たくさんの拍手をいただいて、お辞儀をして、舞台袖に戻りました。自分でも良い手応えを感じました。舞台袖で聞いてくださっていたキング先生も「良かったですよ、今までで一番良かったですよ」と誉めてくれました(“今までで一番良かった”だけで“完璧”とか“最高”とは言ってませんので、誤解しないでください)。自分でも良かったと思いました。ここまで導いてくれた、キング先生に深く感謝です。

 歌い終えて、そのまま、客席に入って、残りの人たちの歌を聞きました。

 今回の発表会に臨む生徒さんたちのレベルは実に様々。キング門下は趣味で歌う大人たちが中心の門下です。今までの人生の中で歌は逃げ回ってきたという方から、音大の声楽科卒業後、一般の社会人として生活をしていたけれど、また歌に復活したという方まで、実に様々な経歴の方がいらっしゃます。当然、舞台の歌唱でも、まだまだ修行中ですっ感じの人もいる一方、しっかり観客の心をえぐってくる人もいました。事故もたくさんあったし、十分に力を出し切れなかった人もいたけれど、私のように普段以上の力(火事場のくそ力?)を発揮する人もいました。歌い手の一生懸命さがよく伝わる歌唱もあれば、聞いていて思わず涙がこぼれてしまった感動的な歌もありました。

 発表会を聞きながら、アマチュアの演奏会って、怖いなって思いました。私を含め、アマチュアって、みんなホームラン狙いなんだな。粗削りだし、三振したり、つまらないゴロを打ったりもするけれど、ヒョロヒョロと打った打球がポテンヒットになったり、出会い頭の一発なのか、強烈なライナーで二塁打になったりする事もある。そして、時折、満塁ホームランが出ることだってある。結果として、プロよりも鬼気せまる演奏をすることだってある。そういう意味では、本当に怖い。今回はまさにそんな感じの人がチラホラいた。なにしろ、アマチュアは、その歌一曲に全力投球をしてくるのだから。必死さがプロとは違うのだよ。私も早くあのレベルに達したいものです。

 と、思った矢先、最後の第三部で、先生の歌を聞かせていただいて、前言撤回、やっぱりプロはすごいと思う。住んでいる世界の違いを感じました。

 発表会は、先生の歌う「O sole mio」で幕を閉じました。出入り口で、お客さんたちにご挨拶をして、舞台で門下一同の集合写真を撮影しました。せっかく着飾ったのだからと、夫婦二人のツーショット写真もとりました。

 会場を片づけて、タクシーに分乗して、打ち上げ会場へ。話は早くも二年後の次回の発表会の話です。次は、いよいよオペラアリアです。先生から生徒さんたちに向かって「これから二年かけて、色々なオペラをたくさん見てください」とお願い(?)がありました。

 「来年はオペラです。すとんさんは何を歌いましょうか」と軽く尋ねられたので「私の中では、すでに決まってます。次は、プッチーニのラ・ボエームの第一幕の後半を、妻と二人で歌いたいです」と答えました。「High-Cありますよ」と先生、即答。

 ええ、難しい事は、百も承知です。でも、目標は高ければ高いほど、努力のしがいがあるというじゃないですか? 結果として、ボエームに届かなかったとしてもいいんです。そこを目指して努力するというのが大切なんだと思ってます。だから“目指せ! ボエーム”なんです。

 実は正直な話、二年後に、私がボエームを歌えるなんて、これっぽっちも思っていません。いわばブラフなんですが『嘘から出た誠』と言う言葉もあるじゃないですか。そんな“誠”を出してみたいと思ってます(汗)。

 興奮状態のまま、帰宅をして、翌日になってみれば、胴体が痛いです。胴体、とりわけ背中が筋肉痛です。ああ、昨日は激しく胴体の筋肉を使ったからなあ…。やっぱり、声楽は体育会系だよ、とほほ。

 最後に、当日の歌唱を記念として、アップしておきます。プロの演奏ではなく、キャリア3年目の学習者の歌唱、それもオッサンの歌唱だと言うことを念頭において聞いてください。ちなみにビットレートは、32(単位は不明、kbpsかな?)という一番音質が悪いものですが、我慢してください。ココログがもうちょっとアップできるデータの上限を緩くしてくれればいいのですが…、お金取っているんだから(私は有料のブログサービスの方を利用してます)、もう少し融通きかせてくれてもいいのにね。

「2009_06_07_o_del_mio_amato_ben.mp3」をダウンロード

 ケロログにも音声をアップしてみました。ココログにアップしたものよりも、多少は音質が改善されていると思います。興味のある方はこちらへどうぞ。

コメント

  1. たかさん より:

    すとんさんの歌声、初めて聞かせていただきました。なかなかの美声ですね。ゲネプロの時よりテンポがずっと速いとのことですが、聞いてて違和感ありませんでした。当日のホールの響きから、これが正解と思って歌ったのが、すごくいい演奏になったのだと思います。きっとゲネプロの後、速いテンポで歌う練習もなさっていたんですね。お疲れ様でした。

  2. すとん より:

    >たかさん

    >きっとゲネプロの後、速いテンポで歌う練習もなさっていたんですね。

     実は全くしていません(笑)。と言うよりも、ゲネプロの時に、テンポはきちんと決めたので、ゲネプロ以降はひたすら“歌い込む”事ばかりをやってきました。今さら何を変えても良いことないですからね。

     そんな事よりも、空気が本当に軽かったんですよ。逆に言うと、ゲネプロの会場の空気は、イヤになるほど重かったのです。あんまり重くて、その重さに負けちゃったのがゲネプロならば、とても軽くて、その軽さに助けられたのが本番当日でした。

     空気の軽重は心理的なものではなく、リアルな物理的な抵抗みたいなもので、主に湿度と会場の体積に左右されるのですが、いやあ、当日の快晴だったお天気がよい方向に導いてくれたのだと思ってます。ま、歌う人なら理屈抜きで分かってもらえると思いますが…楽器の人には分かってもらえるか、ちょっと不安です。楽器の人って、空気の軽重を感じながら演奏するのかな?

    >なかなかの美声ですね。

     お誉めいただき、感謝です。たとえ社交辞令でも、うれしくて涙出ます(笑)。

  3. より:

    発表会のご成功おめでとうございます。ご気分最高のことと思います。
    楽器の人は…特にリード楽器は空気の重さというか 湿度と気圧でしょうか。
    リードが乾燥すると 鳴りませんし 気圧や湿度が高いと振動しません。
    リードは 「生き物」ですから 人間同様 快適な環境が必要です。

  4. Cecilia より:

    ブラヴォ~~!!
    前と比較するとすごい差ですね!
    これはホールの力なのでしょうか?
    ホールの響きを感じて演奏されたすとんさんも素晴らしいです。
    声に力強さが加わり(力で押した強さではなく、芯のある声になったということです。)、歌詞が心に迫ってきます。
    ピッチも安定してきましたね。
    いや~、これはロドルフォが楽しみです。
    アリアもやって二重唱も・・・でしょうか?
    いいな~。
    私もレッスンではミミ&ムゼッタをやっているのですが、本番では未経験です。
    それにしてもキング先生ってメイクチェックまでするのですね!
    何から何まで細かいところの配慮がすごい先生でいらっしゃいますね。
    この発表会、うらやましい!

  5. まきりん より:

    発表会のご成功おめでとうございます!
    すとんさんの歌声聴きたくてパソコン起動しちゃいました~
    美声[E:heart04]ですね。
    2年後…奥様との歌声を楽しみにしています。

  6. 橘深雪 より:

    発表会お疲れ様でした。先生に「今までで一番良かったですよ」と言われたなんて素晴らしいです。
    次回の発表会、奥様と舞台に上がるなんて楽しみで益々レッスンに力が入りますね。

  7. すとん より:

    >杏さん

     空気の軽重について、もう少し書けばよかったですね。

     空気って障害物なんですよ。例えば、歌手とお客さんの間に距離というものがあり、その間には空気があるわけじゃないですか。で、空気の軽重によって、同じように歌っても、お客さんに軽々届く時もあれば、やっとこさ届く事もある。届かずにお客さんの手前で失速したり、逆にお客さんたちを突き抜けていくこともあります。そんな感覚を空気の軽重で表現します。

     で、歌はその場所なりに歌っていくわけですから、空気が軽ければ軽い声で軽快に歌わないといけませんし、重い時は覚悟を決めて、声に思いっきり推進力をつけて歌わないと届きません。

     本当に空気が重い時は、自分とお客さんの間に、何枚もの薄い暖簾のようなものが垂れ下がっているような気すらします。で、歌は、その暖簾を何度も何度もめくりながら、お客さんのところまで行くわけで、歌う方も、とっても馬力がいるんです。馬力の必要な歌い方をすれば、声の敏捷性とか輝きとかが犠牲になるわけで、歌い手にとって、空気は軽ければ軽いほどありがたいわけです。

     ちなみにこれから梅雨に入りますが、空気がイヤになるほど重くなります。歌っていても、ノドを痛めそうで、怖い季節がやってきます。梅雨時は無理できません。

     リードの感覚は…分かりません。声帯はダブルリードだと言う人がいますが、ダブルリードを語るほどリードについて知っているわけではないので、何も言えません。ただ、リード楽器の方がリードについて、細かく神経を使っている事は知ってます。あれを見るたびに「フルートでよかった」と思ってます。私は、ああいう細かい事に気配りをするのが苦手なタイプなんですよ(笑)。

  8. めいぷる より:

    お疲れ様でした♪
    聴かせていただきましたよ、気持ち良く歌われている様子まで伝わって来て、とても素敵です。

    今度は奥様とですか?楽しみですね。
    その前にフルートもありますよ、きっと。
    すとんさんの事だから充分楽しめる事でしょう(^^)v

  9. ikeda より:

    すとんさん、演奏会おめでとうございました。
    聴きに行くつもりでしたが、前の予定が長引いて結局伺えませんでしたが。
    録音をお聴きして、まず声が若いなと感じました。
    また、70歳という主人公の歳をかんじさせる歌い方、参考になりました。
    私も、5月から声楽を習い始めたばかりで、すとんさんの足跡がこれからの勉強に大変参考にさせて頂けると思います。
    2年後のラ・ボエームは是非聴かせて頂きたいです。期待しています。

  10. すとん より:

    >Ceciliaさん

     途中経過を知っているCeciliaさんからすれば、かなり良い出来だった事が分かるでしょう。実際、ご覧の通り、良い出来だったんですよ。

     確かにホールにかなり助けられました。ホールの音響が悪かったら、こんなにうまくは、いかなかったと思います。でも、私自身もあれから、ちょっとは進歩したんだよ(笑)。

     ロドルフォは歌いたいですね…。無論、アリアと二重唱の両方ともです。たぶん、妻のミミは何とかなるでしょうが、私のロドルフォは…たぶん無理(爆)。だって、ロドルフォって、とてつもなく難しい役じゃん。なので、ほとんどブラフで終わってしまうでしょうが、でも望みは高く果てし無く!って感じです。

     キング先生は、メイクチェックだけでなく、実は二次会の幹事までやってくださいました。ほんと、配慮の固まりみたいな先生なんです。こちらは申し訳なさでいっぱいです。

  11. すとん より:

    >まきりんさん

     わざわざ、携帯ではなく、パソコンでお聞きいただき、感謝感激です。勇気を出してアップしてみました。フルートの演奏をアップするのは、別になんともないのですが、歌声をアップするのは、やはり、相当の勇気と言うか、覚悟が必要でした。ま、当日の出来が、思った以上によかったので、アップすることにしました。

     2年後? はははは…って感じです。

  12. すとん より:

    >橘さん

     いや、実際、この歌唱は出来すぎなんですよ。はっきり言うと、私の実力は、こんなものじゃない(笑)。もっと、フニャフニャです(爆)。

     2年後は楽しみでもありますが、いやあ~、今回ほど歌えるかな? あと、2年でどれだけ進歩できるでしょうか。本人的には、今回がかなりMAXなんで、期待されると(誰も期待してないって)つらいです(笑)。

  13. すとん より:

    >めいぷるさん

     フルートの発表会は…あるのかな? いつも、先生に「発表会はありますか?」と尋ねようと思って忘れている私です。それに、発表会があっても、内容次第では出演しない(と言うか、できない)かもしれないしね。ま、ほんと、忘れなかったら、先生に尋ねてみようと思ってます。

     それよりも、伴奏者が見つかれば、秋にでも、市民文化祭のクラシックコンサートに出演したいという野望満載な私です。問題は、気軽に頼める伴奏者がいないって事だね。気の張る人なら、幾人か候補がないわけじゃないんだけれどサ。伴奏者がいなければ、出演は無理だしね。

     そこをクリアしても、次の問題は、その時は、歌で行くか、笛で行くか、はたまた両方で行くか。妄想は膨らみっぱなしです(爆)。

  14. すとん より:

    >ikedaさん、いらっしゃいませ

    >録音をお聴きして、まず声が若いなと感じました。

     ありがとうございます。ま、年令の割には歌ってませんから、使い減りしていないんだろうと思います。それよりも70歳の主人公を感じていただけましたか? それはうれしいです。自分としては、老人を感じさせる歌い方に最後まで悩みっぱなしでした。上手くできた自信はありませんが、お一人でも感じていただけたら、努力が報われるというものです。

    >私も、5月から声楽を習い始めたばかりで、

     私も2月に個人クラスに移ったばかりですから、そこからキャリアが始まった言っても過言ではありません。そういう意味では、同じような程度かもしれませんね。お互い、がんばってゆきましょう。

  15. inti-sol より:

    すごーーーーい、上手いじゃないですか。
    1曲だけでも翌日に筋肉痛になるということは、いかに力をこめて歌ったかということですね。もっとも本番の1曲だけではなく、発表会の1日のもろもろの疲れによる筋肉痛なのでしょうが。

  16. すとん より:

    >inti-solさん

     お誉めいただき、感謝です。

     本番は魔物で、アドレナリン出っぱなしで、普段以上の力で歌ってしまったため、あれだけの歌の出来になったのでしょうが、それの反動が翌日の筋肉痛だったのだと思います。ま、うれしい痛みですけれど。

     次回はアドレナリンに頼らずに、これくらい歌えるように、練習を重ねてきます。

  17. レポートありがとうございました!!
    と~~~っても面白かったというか、興味深かったです。声楽の発表会ってピアノとは違うわ…(当たり前か)

    というか。

    すとんさんの記事を読んで、改めてピアノの異質さがわかったといったほうが正しいかな?だって本番にマイピアノ持ち込むことはできないもんね。(たとえプロでもそういう人は一握り)てことは、結構出たとこ勝負みたいなばくちみたいなことを毎回、私らはやってるんだな~と、怖くなったり。

    声楽も他の器楽も、調整は自分で出来るけどね。
    で、空気が軽いって分かりますよ。重いより全然いいじゃ~ん!!そして、ある意味、アマチュアの演奏会は、濃い…。「ホームラン狙い」って受けました!!

  18. smilekumi より:

    発表会、おつかれさまでした。
    すとんさんの歌声、私が勝手にイメージしていたのより遙かにお美しい・・。正直に書いちゃってごめんなさいね。でも体格がよろしいのでもっと野太い感じだと思っていたんです。とても澄んだ素敵な歌声でした。
    ご自分の声をアップするのは大変な勇気だと思います。なんてったって生の声ですものね。またぜひぜひ聴かせてください。
    アマチュアの演奏会は高校野球が感動を呼ぶのと一緒なのかもと思いました。涙出ますもん。

  19. すとん より:

    >ことなりままっちさん

     あ、空気の軽さって分かりますか? よかった。私は歌では感じるけれど、フルートでは感じないんですよ。もっとも、それは私が笛吹として未熟だからなのか、それとも楽器を介して音を出すからなのかの判断が、今一つかないので、ちょっとアワワな書き方になってしまったのです。

     つまり、私も笛を吹く時に、空気の重さを感じられるようになれば、笛が歌に並んできたと言えるわけだな(うん)。

     そうそう、ピアニストさんは、マイ楽器を持ち込めないんですよね。他の楽器の人って、みんな異様なくらい楽器にこだわるじゃないですか。ピアノって、そういう意味じゃ、本番の時の楽器にこだわれないわけで、異質と言えば、確かに異質。でも、それがピアノなんだろうね。

     ホームラン狙い…おもしろいでしょ。でも、アマチュアは真剣に“ホームラン”狙ってるんですよ(爆)。だから、演奏会も濃いんですな(笑)。

  20. すとん より:

    >smilekumiさん

     良い方向にイメージが変わるのは歓迎なので、全然謝る必要はないですよ。ちなみに、実はデブって、たいてい声がいいんですよ。同じ人なら、太った方が声がきれいになるみたいです。

     一般的に“デブは悪声”というイメージはお相撲さんのイメージからでしょうね。お相撲さんの声は悪いのではなく、つぶれているのです。あれは、太っているからではなく、相撲の稽古で喉輪(のどに張手ね)をやるので、それでノドがつぶれているんですよ。太っている事とは関係ありません。

    >アマチュアの演奏会は高校野球が感動を呼ぶのと一緒なのかもと思いました。涙出ますもん。

     ああ、そうかもしれない。なにしろ“一期一会”の気持ちで歌っていますから。そういう意味では、負けたら後のない、高校野球に通じるものがあるかもしれません。ちなみに、私も今回の発表会で、姉妹弟子の歌を聞いて、泣きました。プロの演奏で感動する事はあっても、泣く事などありませんが、アマチュアの演奏で、うっかり泣いてしまいました。これもまさに“一期一会”なんだと思います。

  21. sakura より:

    発表会ご成功おめでとうございます。
    臨場感たっぷりで、ドキドキワクワクしながら読ませていただきました。
    すとんさん、こんなに美しい声の方だったのですね。
    張りがあってのびやかで素晴らしいです。

    そして奥様も声楽をされるのですか?
    ご夫婦で共通の趣味があるなんて素敵なことですね。
    うちの夫は音符に拒絶反応が出る人なので将来的にもまったく期待できそうにありません(泣)

  22. すとん より:

    >sakuraさん

     お誉めいただき、感謝です。声を誉められると、とてもうれしいです。なにしろ、歌は下手でも努力次第で上達しますが、声は生まれついてのものですから、努力ではどうにもならない部分です。そこを誉められると、とてもうれしくなります。

     妻は元々、歌好きな人ですが、以前はカラオケ専門でした。それが、私と一緒になってから、クラシック音楽とか合唱とかオペラとかに興味を持つようになってきた人なんです。だから、共通の趣味と言うよりは、私の趣味に寄り添ってきたというべきかな? ここ数年は、いくつかの合唱団を掛け持ちして歌っていましたが、私が声楽のクラスをグループから個人に切り換える時(今年の2月)に、一緒に個人クラスを受けることにしたので、まだ歌のキャリアは4カ月と言ったところです。

     とにかく今回の妻は、初心者の部での出演でしたが、次回は一般の部で出演となるので、可能ならば共演(つまり二重唱)できるというわけです。

  23. たかさん より:

    >たとえ社交辞令でも、うれしくて涙出ます(笑)。

     全然社交辞令なんかじゃないですっ。フルートの方はこの位のキャリアの人なら、普通はこの位のレベルだろうなんて思ったりします。ですが、それでも本当のことを言っています。誰でも、良い所と悪い所がありますから、進歩したところを言っています。悪い所は笛先生から教わればいいんですから。

     声楽の方は、そんなことわかりません。私が知っているのは、生演奏でも録音でもプロの方の歌声だけです。ココログの音質のあまり良くない録音でも、「ああ、美しい声だなあ」と思ったので、ぜひ自信を持ってください。次回の録音も楽しみにしていますね。

     それにしても、キング先生は当日、お弟子さん一人一人に気を配って大変だったと思います。その上で、ご自分も歌われるのですから、そのプレッシャーはかなりのものではないかと思ったりします。「やっぱりプロは違う」と思わせるのがプロだと思うんですが、それができるのは、すごいと思います。

  24. すとん より:

    >たかさん

     私はどこでも書いてますが、声を誉められるのが一番うれしいです。歌は下手でも上達を目指して努力していけば、必ず上手くなりますし、また、上手ですねと言われても、まだまだ上がいることは自覚しています。

     でも、声は違う。声は楽器なんです。そして、買い換えることのできない、たった一つの楽器なんです。だから、声の善し悪しは、声楽をする人間にとって、死活問題というか、レゾンデートルなんです。だから「声がいいですね」というのは「良い楽器をお持ちですね」と言われているのと同義なんですよ。

     ですから、すべての歌手が、常にヴォイストレーニングをし、最高最美の声を求めて努力してますが、努力をすれば必ず美しい声は得られるかというと、それは別の話。やはり声は天性のもの。神様がどんな声をくださったかで、その限界が決まってしまいます。

     そして声って自分自身なんですよ。だから、声を誉められるって、楽器としての自分を誉められているわけでもあるんです。

     だから、たとえ社交辞令でも、声を誉められると、楽器として、とてもうれしいですし、本気で誉めていただけているなら、楽器として、そしてその楽器の演奏者として、二重にうれしくって、もう身がよじれるほどうれしいのです。

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