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セーム革(とフルート)のお手入れ方法

 皆さんはフルート磨きにどんなクロスを使ってますか? 楽器屋さんで売っている楽器用のクリーニングクロスでしょうか? あるいはメガネ用のクリーニングクロス(トレーシーなど)でしょうか? あるいは、いつでもフルートがピカピカでないと気が済まないあなたは、ヤマハのシルバークロスでしょうか?

 以前にもちょっとだけ書きましたが、私は、カメラのレンズや宝飾品を磨くのに使われる、セーム革を使ってます。

 セーム革とは何か? 鹿のなめし革のことです。色々とグレードがあるみたいですが、私はカメラ屋で売っている、普通のグレードのものを使ってます。

 良いですよ、セーム革。何がいいかと言うと、フルートをセーム革で軽く拭くだけで、ほとんどの手垢や指紋や汚れが取れてピカピカになります。力を入れてゴシゴシ磨く必要はほとんどありません。普通に軽く拭けばOKなので、楽ちんです。

 セーム革自体は、汚れても洗えば、また新品同様になるので、何度も使えてお得ですし、洗ってもその効力は落ちません。さすがは天然素材。なかなかのものです。

 ただし、一応、革なので、お手入れというか、洗い方に注意が必要なので、自分のためにここに書いておきます。

 まず、セーム革は、普段遣いではクロスと同じように扱ってますが、これは布ではなく、動物の皮革なので、その点を注意して洗ってあげないとダメです。基本的には、自分の手の革(皮)を洗うのと同じような感じで洗ってあげるといいでしょうね。

 手荒れの原因になるような洗剤で洗ってはいけません。ぬるま湯に石鹸という組み合わせがベストでしょう。

 布を洗うようにゴシゴシ洗ってはいけません。布と違って、汚れが繊維の中にしみ込むなんてことはありえません。汚れは、革の表面に付着しているだけですから、石鹸をつけて、表面を軽くこすり洗いをするだけで、汚れはきれいに落ちます。

 洗い終わっても、セーム革を絞ってはいけません。あなたは手を洗った後、手を絞りますか? そんな事しませんよね。洗い終わったら、濡れたセーム革の表面の水分を乾いたタオルなどで吸い取り、あとは干して、自然乾燥です。

 干す時も基本は陰干しです。生乾きの時に少しもんで上げると、仕上がりが柔らかくなります。もちろんアイロンは厳禁です。そんなことをしたら、革が変質してしまいます。また、布よりも乾くのに時間がかかりそうです。

 もし、乾かしてガチガチになってしまったら、少量のハンドクリームまたはワセリンを塗ってあげると良いでしょう。ただし、生きている人間の手と違って、すでに新陳代謝はしませんので、ハンドクリームを塗って、しばらくしたら、今度はそのハンドクリームを軽く洗い流してあげないといけません。そうでないと、フルートにハンドクリームを塗り込めることになってしまいますから。

 セーム革は天然皮革なので、丁寧に使って上げれば、いつまでも使えますので、大切に使ってやってください。

 私は、普段遣いは、厚くて抵抗感少なめのセーム革を使い、汚れが目立つ時は、薄めで抵抗が強いセーム革を使い分けています。セーム革は天然モノなので、モノによって違いがあります。私はたまたま二枚持っているので、その違いによって使い分けています。

 なぜ二枚持っているか? それは最初の一枚を洗う時、思わず布のような洗い方をして、一度ダメにしてしまった(乾いたらスルメみたいになってしまいました)からです。ダメにしてしまった最初のセーム革ですが、ワセリンをたっぷり塗って一か月ほど放置したら、回復しました。さすが天然素材。何とでもなるのですね。

 というわけで(どんなわけ?)、セーム革、フルート磨きのクロスとして、お薦めですよ。少なくとも「私のフルートは、宝石やカメラのレンズのように、ピカピカにしたいの」とお考えの方にはお薦めですね。

 しつこい汚れで、さすがのセーム革でもゴシゴシこすらないと落ちないようなモノは、少量のエチルアルコール(いわゆる“消毒用アルコール”)をティッシュにつけて、軽くぬぐってます。それで落ちます。アルコールは銀を腐食させる作用があるので、多用は禁物ですが、ゴシゴシこするよりは、ずっと良いので、たまに使います。

 同様に、ライザーの汚れも、綿棒にアルコールを付けて、軽くなぜています。ただし、ライサーの汚れはかなりしつこいです。リッププレートはアルコールで簡単にキレイになりますが、ライザーはなかなかキレイになりません。何か良い方法はないかと、ただいま研究中です。今のところは、ライザーの汚れは、なるべく気にしないようにしています。

 あと、いくらセーム革やアルコールでも、サビは落ちません。気になる人は、サビはきちんと、シルバーポリッシュやシルバークロスを使ってください。私は、銀のサビは本体の音を良くするという伝説を信じているので、リッププレート以外のサビは落とさない事にしてます。

 あと、セーム革で拭けない狭いところは、豚毛のブラシ(平筆の8番、画材屋さんで600円で購入)で、シュッシュッとやってます。これが結構きれいになるから不思議。

 こんな感じで、私、フルートのお手入れをしてます。みなさんはいかがですか?

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2012年9月7日 本文を一部訂正しました

コメント

  1. 小夜子 より:

    私もセーム革です。「キョンちゃん」と呼んでます(^^)
    「楽器用」という大きめのを買ったのですが…細かいクズがすごくて、最初は使い物になりませんでした。
    何度か洗ってみたものの、大量のクズは一向におさまらず。。。
    で、強硬手段に出ました!!
    洗濯ブラシで「ガ~!!」とやってみました。
    表面のヌメリが取れるのも気にせず、汚れた雑巾を洗うくらいの勢いで、ガリガリ洗いました。
    そうしたら、とても使いやすい状態に(^^)
    掃除しても全くクズも出ないし、それでいて拭き取り能力はそのままです。
    今ではかなり汚れるまで気にせず使って、普通に優しく洗ってます♪

  2. すとん より:

    >小夜子さん

     ようこそ、セーム革仲間さん(笑)。それしても、細かいクズがすごいって、そりゃあ大変! ううむ、天然モノだけに個体差が激しいな…。でも解決して良かった。でも、そのクズって、なんだったのでしょうね?

     私の持っている二枚も、おもしろいほどに、かなり個性が違いますよ。本当に個体差を感じる一品です。

     そうそう、私の疑問なんですが、セーム革って、裏表があると思いますか? というか、拭き取りを片側に限定してますか? それとも気にせず、両面を均等に使用していますか。

     と言うのも、セーム革って、裏表でだいぶ性質が違うような気がしてますので、私、ヌメリが強い方を使ってますが、どっちを使っても変わりないような気もするので、他の人はどうなのかな? って気になっているのですよ。

  3. お散歩さんぽ より:

    ムラマツのクロス。薄茶っぽいものを使ってます。革を使っている方も多いですね。毎回拭くのはリッププレート周辺、あとはホンのたま~に拭くくらいです。感想肌なので何でも良いかなあ(笑)

  4. すとん より:

    >お散歩さんぽさん

     ムラマツのクロスですか。ググりました。これもとても良さそうなクロスですね。特に洗濯可能な点が、セーム革にも負けず劣らずのグーなクロスですね。

    >毎回拭くのはリッププレート周辺、あとはホンのたま~に拭くくらいです。

     うらやましいです。私は毎回10~15分ほどかけて、ゆっくり吹いてます。一応、私も人後に落ちぬ乾燥肌な人ですが、それでもやはりフルートを拭かないでいると、フルートが曇ってきます。軽くですが、セーム革で全体を吹いて上げると、曇りが取れます。

     私も手には汗はほとんど書きませんが、それでも一応生き物なので、肌の老廃物とかフルートに付着して悪さをしているみたいです。

     リッププレートはすごいですよ。あっと言う間にシロサビ、クロサビだらけにありますので、最低週に一回はサビ落としをしてます(笑)。このサビ落としの作業が面倒なので、音は大嫌いですが、リッププレートだけでも金メッキの頭部管に代えてしまおうかしらと考えてしまいます。金ならサビないから、汚れを落とすだけでいいものねえ…。

  5. 小夜子 より:

    セーム革は表裏があります。
    毛羽の少ない方が滑らかな面が表皮で、拭き取りには毛羽立っている裏側を使います。
    私の言うクズは…毛羽の抜けたのっていうか、細かい粉状の物が使う度にパラパラと落ちてきて、始末が悪かったのです。
    購入した時にオマケでつけてくれたメガネ拭きは薄手で、毛羽落ちもなかったので個体差なのでしょうね。

  6. ship-papa より:

     お久しぶりです。

     僕はもっぱら「YAMAHA・お手入れセット」に付いてきた紺色(今は水色なのかな)の「ポリシングクロス」を使っています。
     YAMAHAのプロクリーニングクロス(セーム皮風のやつ)やシリコンクロスも買いましたが、使用感を確かめぬまま、長男のトランペット用や次男のトロンボーン用になってしまいました。
     シルバークロスは最近、使ってません。前のフルートの時、汚れが良く落ちるのでゴリゴリ使っていたら、メッキが剥げましたから。シルバークロスは使い過ぎに注意ですぅ。(T0T)

     豚毛の刷毛は良いアイディアですね。ポストの周辺やロットやバネの下辺りを掃除するのに、綿棒では上手く出来ないので悩んでいました。今度試してみます。

     歌口の部分は、水を吸わせた綿棒で丁寧に掃除しています。ここに汚れが付着すると吹き心地から音色まで変わってしまいますから。女性の方だと口紅が付いていることがあるそうですよ。

     また、お邪魔します。

  7. すとん より:

    >小夜子さん

     やはり表裏ありますよね。しかし、私は毛羽だっている方が表(体表面)だと思っていましたが、滑らかな方が表でしたか。まあ、私も毛羽立っている方で拭いているので、支障はありませんが、へえーという感じです。

     小夜子さんは楽器用の大きめの奴をお使いと聞き、最初は?と思ってましたが、そりゃあ、大きめの方がいいですよね。私はフルートを拭く時、綿の手袋をはめてしてますので、キョンちゃんは小さめでもかまわないので、大きめと言う発想がありませんでした。

     個体差も良い方向での個体差ならうれしいのですが、トラブルの方向の個体差は、ちょっといただけませんね。メーカーさん、しっかりしてください(エラそうで、ごめんなさい)。

  8. すとん より:

    >ship-papaさん

     ああ、あの便利セットの「YAMAHA-お手入れセット」ですよね。あれは便利そう。私も思わず買ってしまいそうになりました。

     何も持っていないとか、一式丸々欲しいなら、便利ですね。

     それにしてもシルバークロスは強力ですね。メッキを落とすとは…。メッキの楽器だと、怖くて使えないですね(私のアゲハは銀無垢なので、平気ですが…)。

     豚毛のアイデアは私のオリジナルではありません。こちらにもコメントくださる、めいぷるさんから教えていただいた知恵です。細かい部分の掃除にはとてもいいですよお。

     歌口(ライザのことですよね)の汚れはだいぶ影響があるみたいですね。私のフルートはだいぶ汚れているのですよ。真剣に掃除をしないといけないかな? しかし、水を吸わせた綿棒程度ではすでに落ちないくらいに汚れてます。ううむ、どうしよう。やっぱり時間をかけて丁寧にアルコール洗浄かなあ…。

  9. sigma より:

    銀のフルートには劇薬になってしまうかも知れませんが…。

    バイクやクルマを磨くのにはこんな製品があります。
    WAKO’Sのメタルコンパウンド。
    YAMAHAで言えばメタルポリッシュ相当ですね。
    http://www.abit-tools.com/ippin_pages/etc2/wako_meta_ippn_a.html
    研磨剤の粒度はメタルポリッシュよりシルバーポリッシュ寄りと思います。シルバーポリッシュほどは細かくありません。
    効果のほどは
    http://www.abit-tools.com/ippin_pages/etc1/saizaru_ippn_a.html
    ということで。

    あと、自分で色々研磨剤使ってみた限りでは、WAKO’Sだと研磨剤成分が銀には強力すぎるかも知れないので、化学的汚れ落しは同等の効果で研磨剤を含まないブルーマジックというのも良かったです。
    http://www.astro-p.co.jp/cgi-bin/search/meisai.cgi?0077336500122
    こちらは、宝飾品の磨きにもよく使われているそうですよ。
    妹の友人が指輪工房に勤めていますが、そこはもっぱらコレだと言ってました。

    入手方法は、地元に工具屋さんや大き目のホームセンターがあればWAKO’Sは大抵置いてあると思いますが、ブルーマジックは工具屋さんでも知らないかも知れません。楽○やY!Shoppingあたりで検索掛けてみてください。

    ただ、両製品とも磨いた後で口を付けることは考慮されてない製品なので使った後はアルコール拭きが必須ですね。
    …ケミカル臭、結構スゴイのですが残らないかな?

  10. すとん より:

    >sigmaさん

     なんか、とてもすごそうですねえ…。近いウチに、ホームセンターさんに行ってみたいと思いますが…これ、使っても平気なの? とても不安。

     おそらく導入するにしても、ブルーマジックの方かな? 一応、対象金属に銀が入っているし、メッキのモノでもOKって書いてあるから、大丈夫なんだろうけれど…。宝飾品の磨きに使っているものなら、おそらくフルートでも成分的には問題ないでしょう。

     あとは、臭いですか? 臭いは結構、切実な問題ですよね。これも、ホームセンターで実際に臭いを嗅いでみたいと思います。

  11. sigma より:

    メタルコンパウンドは忘れてもらったほうが良さそうですね(笑
    ブルーマジックのほうは米国原産なので、(作ってるのは米国内じゃないかも)ホームセンターでも「Simple Greenの英語表記」を置いてあるようなところでないとナイと思います。
    ※↑コレも日本語表記のは並の中性洗剤ですがアチラもんは効きの桁が違います。

    磨きケミカルの世界も奥が深くて…。
    下手なもの使って保護皮膜が残ったりすると響きに影響するんじゃないか?とか書いてても心配だったり。
    (WAKO’Sは保護皮膜作りますがブルーマジックは拭き取ると皮膜はほとんど残らないですね)

  12. すとん より:

    >sigmaさん

     話を聞けば聞くほど分からなくなりますが、たかが磨き剤ですが、奥深そうです。

     保護皮膜って、残留薬剤が膜状に残るってことでしょうか? とにかく現物を見ないと話になりません。ホームセンターに行かないとね。

  13. 初心者 より:

    二年も遅れての書き込み。誰か読んでくれるかな。
    私もフルート手入れにカメラ用セーム革を使用してます。書き込みで裏が毛羽立ってると書かれてるのを読みました。其れはセーム革では無くて「ピッグスキン」でしょう。セーム革なら表が滑らかですが表裏の差は殆ど在りませんよ。其れにカメラ用のセーム革なら細かいクズ埃は出ません。だってカメラは埃厳禁ですからね。一度カメラ専門店でカメラ用セーム革をご覧になり比較なされば良いと思いますよ。
    私の困ってる事はキー周辺の細かい所に銀特有の色が着く事ですね。皆さんどうなさってるんでしょうね。細かい所は放置して年季の色が増すのを楽しまれてるのかな。

  14. すとん より:

    初心者さん、いらっしゃいませ。二年遅れでも、全然歓迎ですよ。

    >其れはセーム革では無くて「ピッグスキン」でしょう。

     かな? 一応「セーム革」と明記されたものを、カメラ専門店で購入しました。セーム革は、現在、三枚ほど持っていますが、どれもこれも全然違いますね。個体差がだいぶあるみたいです。あ、一応、三枚とも、表裏の区別はありますね。

     もしかすると、私が使っているセーム革はグレードが低いものなのかもしれませんね。でも、とりあえず、私の用途には十分足りているので良しとしています。

    >私の困ってる事はキー周辺の細かい所に銀特有の色が着く事ですね。

     黒ずみと言うか、青くなってしまうことでしょうか? 私の楽器にはそういう気配はありませんが、もしも気になるようでしたら、豚毛の筆を丁寧にかけるのが良いかなって思います。

     現実的には、半年に一回のフルート調整の時に、職人さんが、部品の一つ一つまで分解して、それぞれを磨いてくれるので、たぶん、私の場合、それで黒ずみがついていないのだと思います。ですから、初心者さんも、ご自分の楽器を調整やオーバーホールに出した時に、職人さんに一声かけておくと、そのあたりをキレイにしてもらえると思いますよ。

  15. 幼稚園のお友達?さん より:

    消毒用アルコールがメチルアルコールだって・・・?
    幼稚園でお勉強したんでちゅか?

  16. すとん より:

    幼稚園のお友達?さん

     お名前を書かれるのが恥ずかしかったようなので、“幼稚園のお友達?さん”と呼ばせていただきます。次回からは、ご自分が呼んでほしいお名前でコメントをいただけると幸いです。

     幼稚園のお友達?さん、消毒用アルコールはエタノールですね。エタノールのボトルを毎日のように眺めているのに…うっかりしてました。エタノールとメタノールでは、一文字違いですが、大きな間違いですね。うっかり間違いのご指摘を心より感謝いたします。

    >幼稚園でお勉強したんでちゅか?

     すっきりされましたでしょうか? きっと今日は、学校あるいは職場でイヤな事でもあったのでしょうね? ブログの記述ミスを見つけて、うれしかったのでしょう。鬼の首でも取ったお気持ちでしょうか? しかし、私に対して幼児語で話しかけることで、私を見下したおつもりなのでしょうが、ちょっと…痛いかな? 私はあなたに見下されようと、別に何の実害もありませんから、別にかまわないのですが、一応、こんなブログかもしれませんが、毎日、大勢の方が見にいらっしゃいますので、ご発言の仕方にご注意いただき、もう少し、ご自分を大切になさった方がよろしいかと存じます。

     それと、幼稚園は、学校教育法第1条で定められた正式な教育機関です。あなたは幼稚園で、あたかも嘘が教えられているかのような書き方をしていますが、それは幼稚園教育に携わる方々、および日本の教育に携わる人々に対する侮辱だと思います。幼稚園では園児の年齢に合わせて、物事を簡略化したり、抜粋した形で教える事はあっても、決して嘘を教える事はありません。そこのところ、お考え違いのないように。

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