スポンサーリンク

日本人のドイツ語は…偽モンじゃん

 英語やイタリア語だって同様だろうけれど、日本人が日本国内で日本人の先生から習ったドイツ語は所詮偽物で、訛りがひどくて聞きづらいか、発音の美しさに特化して意味を取りづらいか…どちらにしても言語としてのバランスは悪いでしょう。
 ただし、そんな偽物ドイツ語しか使えない人であっても、ドイツに留学して、ドイツ語で生活してくれば、偽物ドイツ語使いから本物のドイツ語話者になれるとは思います。
 でも、そんな本物のドイツ語話者になったとしても、日本に帰ってきて日本語で生活するようになると、本人が本物のドイツ語話者であったとしても、教師としては残念な事に偽物ドイツ語を教えざるを得ないでしょうね。だって、ここは日本だもの。学びに来るのは日本人だもの。いくら教える人が本物のドイツ語話者であっても、学ぶ人間の耳が日本語仕様の耳だし、脳が日本語仕様の脳なんだもの。そりゃあ本物のドイツ語を日本仕様にアレンジしなければ、日本人相手に教えるのは難しいし、学ぶ側だって本物を習得するのは、なかなか難しいよね。
 結局、語学って道具なんだよね。道具だから実際に使ってみないと、ちゃんとは身につかないんだよね。いくら丁寧に取説読んで学んでも、実際にその道具を使って会得した人とは違うわけよ。
 語学って経験の積み重ねで習得するものであって、机上で学ぶものではないのです。
 何が言いたいのかと言えば、プロはともかく、アマチュアにとっての外国語歌唱というのは、所詮、偽物外国語で歌っているという開き直りが必要なのかなって思ってます。だって、目的は歌う事であって、その外国語でコミュニケーションをする事ではないでしょ?
 もちろんプロ歌手は、そうであってはダメだろうと思います。少なくとも、その言語を母語としている人たちの前で歌っても、全然問題の無いレベルで歌えるべきだと思うし、そのために留学までして語学習得に励んでいるわけじゃない?
 でもアマチュア歌手が外国語をそこまで極める事はマストではないだろうと思います。所詮、旦那芸なんだから、言葉が拙くても、それはそれで味ってモンでしょう。無論、本物の外国語で歌えるなら、それに越したことはないのだけれど…サ。外国人が片言で歌を歌うのもオツなモンだよ。

↓拍手の代わりにクリックしていただけたら感謝です。

にほんブログ村 クラシックブログ 声楽へ

にほんブログ村

コメント

  1. 如月青 より:

    ドイツ語の発音については、私も悩みです。
    ただYoutubeなどで聞く限り、nativeの歌手でも年代や出身地で微妙に差があるようだし、その言語の特徴がある程度出ていて、曲の世界が表現できているなら、「〇〇語風」ヴォ―カリーズと割り切っても聞くほうは納得するのでは?
    歌舞伎のセリフ回しのように「古典芸能」としての型が決まっていればいっそ楽なのに。
    合唱だと先生の指導のとおり全員がそろわないといけない、というのが辛いです。
    年末にリモートでベートーベンの小品を、と誘われて練習しているものの、「er」語尾の発音がつい十代のときに叩き込んだ巻き舌になってしまい(今はプロでも口語的に英語と同じ発音でやっているので、今回の指示もそのとおり)、これが直せないと参加は難しいかも・・・

  2. すとん より:

    如月青さん
    >今はプロでも口語的に英語と同じ発音でやっているので
     そうですよね、英語と同じ…と言うよりも、あの発音が現代ドイツ語の標準的な発音なんだそうです。巻き舌の強い発音は、昔々の発音なんですが…日本にドイツ音楽が入ってきた当初が、もはや昔々なので、その頃の名残がまだ日本には残っているとは言えそうです。
    >合唱だと先生の指導のとおり全員がそろわないといけない、というのが辛いです。
     そうですね、おっしゃるとおりですから、真面目な人はつらいと思います。
     ウチの地元の第九演奏会では、本番を振る指揮者(毎回違います)の指示で、現代風だったり、そうでなかったりと、ドイツ語の発音が変わります…が、歌っている人がお年寄りばかりなので、現代語の指示があっても、みんな昔ながらの発音で歌っていますし、そのまま本番に乗っちゃいます。たぶん、第九演奏会だから許されているんだろうなあって思います。これが常設の合唱団なら、そうはいかないでしょう。
     私? 私ですか? 私は昔風の発音で指示されても、一貫して現代語で歌ってます。私もお爺さん達同様、器用じゃないんです(笑)。それに、私は声の問題もあって、常設の合唱団には入れてもらえないし…(ぐすん)。

タイトルとURLをコピーしました