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体中の空間をガバーっと開け続ける

 なぜ高い声が出ないのか? 理由は色々あるだろうけれど、キング先生がおっしゃるには、身体内の空間が塞がってしまうから、高い声が出ない。身体内の空間を広げたまま歌えれば、高い声も出せるそうです。

 身体内の空間? 医学用語で言えば、胸腔・咽喉・口腔・鼻腔が主なるところ。まずはこれらを十分に拡大し利用すること。普通の人は、この辺の空間は必要最低限しか開いていない。つまり、ほとんど開いていないわけ。これを最大限に広げるわけだ。そして一度広げたら、その状態をキープしたまま歌う。文字で書けば、それだけの話。

 さらに開けられるところは、できるだけ開ける。例えば、鼻腔とつながっている副鼻腔・耳・目も開けられるなら開ける。

 閑話休題。副鼻腔はよく分かりませんが、耳と目は開けると、すごく気持ち悪いですよお。耳なんかは『バカっ!』って大きな音がして、自分の声が耳の中へダイレクトに入ってくる。目なんかは、こめかみが音波でくすぐったくなる。頭の中が音波でマッサージ受けているような気分になります。

 話を戻します。とにかく、空間という空間を開けて、開けて、開けっ放しにする。それの態勢で歌うと、確かに声は出ます。高いところも、結構スコーンと出ます。問題は、身体内の空間を開けっ放しにするには、多大な体力が必要で、声を出すよりも、空間を開けるために体力を使ってしまいます。

 だから、これをやっていると、一曲歌うと、もうヘトヘト。そのうち疲れて、身体内の空間を開けられなくなります。それを無理して開け続けていると…筋肉が釣ります。体内のよく分からないところの筋肉が釣ってしまって、にっちもさっちも行かなくなります。

 身体内の筋肉が釣ると、ホント、どうにもならなくなりますよ(涙)。

 もちろん、これは高い声だけに限った話ではなく、低い声や中程度の高さの声の時も本質的は同じ。ただ、高い声ほど空間の広さがシビアな問題にならないだけの話。だから、歌っている間は、空間開けっぴろげで頑張る。それが肝心。

 うわー、大変。でも頑張らないと。

コメント

  1. tico より:

    そうそう!私も何度かの波はありましたが、先週のレッスンでようやく「そこらじゅうあけっぴろげ」というのを体感しました。

    筋肉がつるのは、私の想像ではインナーマッスルが動いてるんじゃないでしょうか。普通の体操やストレッチでは外の筋肉を鍛えてますが、インナーマッスルはなかなか鍛えにくいです。私は森光子さんがやっておられるというスクワット(練習方法は便座に座ろうとしたら、便座があがっててはまりそうになったので、はまらないように耐えたというところから立つ姿勢へ無事に戻ってくる)をやってます。これと声楽の筋肉と関係あるかどうかはわかりませんが、いわゆる腹筋という外の筋肉ではない大腰筋や腸骨筋が鍛えられるそうです。あとは、やはり呼吸をすることで鍛えられますね。どんどんカエルの王様状態になってきます。呼吸は横隔膜の上げ下げだけでやります。

    ヘトヘトにならない為には基礎体力かもしれません。この基礎体力の為にランニングしたりする人もおられるのかもしれませんが、私は適度に歩くくらいしか出来ないです。でも例のスクワットは最近50回に増やしたんですが、息がはぁはぁ言うくらいにすごいです。ちょっと歩くくらいの運動量になってないかなあと期待してますが、どうやって計ったらわかるのかがわからないので、なってるだろうなあってただ思ってます。森光子さんは一回70回を2セット、毎日やるんだそうです。その他にもトレーナーに付いてもらってのトレーニングもやってるそうです。

    そうそう。足首におもり(500g)を付けて家の中にいるだけで、結構足の筋肉は鍛えられますね。わざわざ歩きに行く時間がなかなか取れないので、家の中でゴチャゴチャしてます。まあ、老人の転倒予防みたいなことですけど!

  2. tico より:

    連続で失礼します。読み落としてました。
    >問題は、身体内の空間を開けっ放しにするには、多大な体力が必要で、声を出すよりも、空間を開けるために体力を使ってしまいます。

    お腹の支えが充分できると、空間を開ける為の力というのは必要なくて、息の通り道の力が抜けます。お腹で支えが出来てないから、力を入れて開けているのではないでしょうか。やはり、入門の第一歩はお腹の獲得でしょうね。つくづく思います。疲れていたり、腰が痛かったりしてきっちり支えられない時は、それをカバーする為に上半身が力を入れて支えようとしますね。きっちり支えられると首のすわってない赤ちゃんみたいに、首の力が抜けていきますね。これは快感です。私は肩凝りなので、すごく楽になります。

    このお腹を獲得すると、健康の為の呼吸法やヨガなどにも応用ができて、肩凝りの予防にもなるし、声楽を習ったおかげだと感謝しています。ちょっとしんどい時は電車でもコンサートでも人に見えないように声楽での呼吸を深~~く、何度もします。すると血液の循環がよくなって楽になります。ちょっと暖かくもなるしね。ありがたいです。

  3. すとん より:

    >ticoさん

     お腹の支えうんぬんと、インナーマッスルの件は、同意します。全くその通りだと思います。

     ただ、私は修行中の身、いわば過渡期で、一つ一つの動作を体に染み込ませている最中なので、完成された人が無自覚に楽にやっている事を、意識的に強制的に苦痛に耐えてでもやっています。これは声楽に必要な動作のうち、生活にない動作(実にこれが多いですねえ…)を習得するために、必要な手続きだと考えてます。

     意識的に強制的に苦痛に耐えてやっていたものが、いつしか無自覚に楽にできるようになります。そうすればこっちのモノです(笑)。私はこのやり方で今までやってきました。不器用なやり方かもしれませんが、これが私には合っているやり方だろうと思ってます。ま、なにしろ、合唱部でもなければ吹奏楽部でもなく、元柔道部ですから、考えるより体で覚えろってなものです。

     もっとうまいやり方があるだろうに…と思われるだろうし、実際、自分でももうちょっといい方法はないものかと思うのですが、三つ子の魂百まででしょうか、ついついこんな方法にとってしまいがちです。

    >このお腹を獲得すると、健康の為の呼吸法やヨガなどにも応用ができて、

     これも激しく同意です。短時間で体内に酸素を取り込んだり、乱れた息をすぐさま整えるのに役立ちます。あと、深い呼吸は気分を落ち着かせる働きもありますので、興奮状態を落ち着かせ、自分を律するにも役立ちます。

     これから年末に向い、簡単に血液循環を活性化でき、体内を少し暖かくする方法を知っていると、その恩恵にあずかれることが、うれしい季節がやってきますね。

     足首の重りか…。片足3Kgのが、そこにある(笑)。

  4. tico より:

    >完成された人が無自覚に楽にやっている事を、意識的に強制的に苦痛に耐えてでもやっています。

    私も先生によく言いましたよ、同じことを。(笑)
    自分が納得しないと前に進めない性格なので、回り道だとしても出来るまで、あれこれ考えながらやっていくしかないですもんね。できたらこっちのものですからねえ!途中で諦めたら今までの苦労が水の泡になると思って、乗りかかった舟だと思ってがんばっています。ここまできたら前進という選択しかないですよね、ね!!

    >片足3Kg

    へえ~!!3kgも足につけたら、私はどうなるんでしょう…。想像もつきません。孫に500gをつけたことがあるんですが、動けなかったですよ。きっとそういう状態でしょうね。

  5. すとん より:

    >ticoさん

    >ここまできたら前進という選択しかないですよね、ね!!

     全く、激しく同意です。言っちゃあ、アレだけど、もう撤退してやり直すほどの人生の残り時間がないわけで、こうなったら、前進あるのみです。マジで。

     3Kgの重りは、まあ、鉄ゲタの代用品みたいな感じですね。一日、これをつけて活動してますと、太ももの前面がパンパンになること、請け合いです(笑)。

  6. Cecilia より:

    先日楽譜を買ったときにここのブログでお馴染みの松尾さんのご著書があって、本当にほしかったのですが、輸入楽譜を買う気持ちが勝ってしまって、買えませんでした。
    いずれ買います。
    フースラーの「歌うこと」とかもほしいのですが・・・。

    やっぱりレッスンに通ってないと体を使わなくなりますね~。(反省反省・・・)

    >開けられるところは、できるだけ開ける

    どんな顔になってしまうのだろうか・・・と最近はそちらを気にしすぎてしまうかも。
    そんなことを気にしていたら歌えませんが、声楽の人の歌い方は一般の人には物笑いの種ですよね!(笑)
    もちろんレッスンではそのようなことは全く気にしません
    が。

  7. すとん より:

    >Ceciliaさん

     「美声学」も「歌うこと」も両方持ってます。事あるごとに、読み返しています。読むたびごとに発見があります…って、一回や二回読んだ程度じゃ、書かれていることのすべてが理解できませんって、自分のレベルの低さを白状しているようなもんですね(笑)。

     「美声学」の方はまだまだ出版界のニューフェイスですが、「歌うこと」の方はすでに定番図書として認知されているので、読むだけなら、最寄りの図書館を尋ねると、案外あったりして。公共施設は積極的に活用しましょう。

    >声楽の人の歌い方は一般の人には物笑いの種ですよね!(笑)

     声も容姿も残念ながら、恰好のエサですね。そこが歌をやっていて感じる“肩身の狭さ”だったりします。昔、私の友人にオペラのビデオ(DVDなんてない時代)を見せたことありますが、まるでお笑いビデオのように、楽しんでいましたよ、爆笑につぐ爆笑だったんだから…(嘆)。

     どげんとせんといかん…と思っても、私は無力だな。

  8. chiko より:

    すんません、つっこみます。
    「どげんかせんといかん」です。
    九州人なもので・・・

  9. すとん より:

    >chikoさん

     いやあ、私の嘘方言の訂正、ありがとうございます。 

     「どげんかせんといかん」ですね。そう言われればそうですね。方言のない地方(って、全く無いわけでもないんだけれど…)に住んでいると、方言って憧れてねえ…。ついつい、嘘方言、使っちゃいます。

     ま、今後もバンバン嘘方言を使いますので、気になったら、訂正よろしくお願いします(願)。

  10. Cecilia より:

    私は姉から「狸御前」と言われました。(苦笑)

  11. すとん より:

    >Ceciliaさん

     狸御前って、映画「オペレッタ狸御殿」に出てくるお姫様のこと? たしか、鈴木清順監督で、チャン・ツィイー主演の、ちょっとぶっ飛んだ映画だね。たしかに苦笑な映画だったけれど、お姫様はとってもかわいかったなあ。なにしろ、チャン・ツィイーだもんな。私は、あの女優さん、けっこう気に入ってます。「初恋のきた道」は最高だね。

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