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ドイツ語は難しい…

 声楽のレッスンの続きです。まずはメンデルスゾーンの「エリア」の3番と4番です。 3番の「Zerreißet eure Herzen/汝らの衣ではなく」では、もっと流れるように歌いましょうと言われました。別に歌詞を噛んでいるわけでもなく、音程が間違っているわけではなく、ドイツ語も(今までよりは多少ながらも)しっかり歌っているのだけれど、この曲はレチタティーヴォなのだから、流れるようなレガートで歌うべきなのですが…どうもまだドイツ語を読むのに忙しくて、そういう音楽的な流れを作り出すには至っていません。もっと歌い込まなければいけませんね(溜息)。
 歌に出てくる“g”の発音は、いわゆる濁音なのだけれど、これをどうしても私は鼻濁音で読んでしまいがちです。と言うのも、“g”の発音って、日本語では文頭の“g”は濁音だけれど、文中の“g”は鼻濁音にするわけですが、ドイツ語では“g”は常に濁音なのです(だからドイツ語はゴツゴツした印象なんだろうなあ…)。そんな日本語の癖がドイツ語で歌う時にも出てしまうようで、私は“g”を(無意識に)鼻濁音で発音しているようです。ダメじゃん、ダメダメじゃん。でも、意識して文中の“g”を濁音で発声するのは……できないわけじゃないけれど、なんかとっても抵抗があるし、心理的なハードルを感じます。ううむ、私って、根っからの日本語話者なんだろうなあ(当然か!)。
 まあ、“g”を鼻濁音で発音してしまうのは、日本語訛りのドイツ語…って事になるのだろうけれど(例えしゃべれなくても)訛りの無い発音でドイツリートは歌うべきなんだろうなあって思うと、ちょっとは頑張らねばと思う私なのです。
 4番の「So ihr mich von ganzem Herzen suchet/心をつくして求めれば」はアリアです。A♭等の高音の直前にある低音をどう歌うべきか? 一つには直前の低音は捨ててしまって、次の高音に集中して発声するというやり方があります(よくキング先生がおっしゃっていました)。それはそれでアリなのだろうけれど、Y先生は直前の低音は、むしろしっかりと歌うべきだと教えてくれます。で、その直前の低音を踏み台して、そこからピョンと跳ねる感じで次の高音を歌いましょうって教えてくれます。
 この曲の、B♭~A♭への7度の跳躍を歌う時を例に出せば、最初のB♭を捨てて、ほぼほぼ音程の無い声で歌って、A♭へ全力投球するのが前者のやり方で、最初のB♭をしっかり歌って、そこへ下がる力の反動を利用して、B♭を歌っている時に、声の響きをA♭まで持ち上げてからA♭を歌うのが後者のやり方です。低音を歌っているうちに、高音へ至るエネルギーを溜めて、そのエネルギーを一気に開放して高音へ向かうわけで…高く跳ねるためには、一度思いっきり沈む必要がある…って考えるわけです。
 最初から高みを目指して歌うのも、手前で一度沈み込んでから歌うにしても、どっちも難しいと言えば難しいのだけれど、今まで前者のやり方をして、さんざん撃沈してきたので、今は後者のやり方で高音にトライしています。少なくとも、A♭ぐらいまでなら、後者のやり方の方が安定しているような気がします。もっと高い音になれば、どうなるかは自分でも分かりませんが…。
 ドイツ語は子音が多い言語なのだけれど、その子音の数に負けない事も大切です。例えば“spricht”は[“s+p+r”+“i”+“ch+t”]なのですよ。たった一つの母音に、前3つ、後ろ2つの子音がくっついているわけで、たった1音節なのに5つも子音を発音しないといけないわけで…そんなの、日本語にもイタリア語にもありゃーしねーぜ、って話ですよ。はあ、ドイツ語では子音を丸めて発音するのは厳禁なので、これらの子音一つ一つを明確にはっきりとしゃべって歌わないといけないわけです。
 ドイツ語って、ちょっぴり意地悪な言語なのではないかと、最近は思うようになりました(涙)。

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