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ってなわけで、メリークリスマス!

 メリークリスマス! 今日は12月24日、クリスマスでございます。パフパフパフ~。
 「ええ、24日はクリスマス・イブであって、クリスマスは25日じゃないの? クリスマス・イブって“クリスマスの前日”であって、クリスマスじゃないでしょ?」
 おそらく多くの日本人はそう思うでしょうが、それは間違っています。“イブ”には「前日」なんて意味はありません。“イブ”は“イブニング”の省略形であって、“クリスマス・イブ”は“クリスマスの夜”って意味です。
 「夜って…それって前夜って意味でしょ? だからクリスマス・イブはクリスマスの前夜祭でしょ?」
 ううん、それも違います。これって日本人には分かりづらいのだけれど、一日の区切りが日本とあちらでは違うのです。
 古来の日本人にとっては、日の出が一日の区切りです。お天道様が昇ると新しい一日が始まります。太陽神である天照大神が顕現する事で全てが新しくなるのです。だから朝が新しい日の始まりなのです。近代社会になって、時間感覚を時計という器械に委ねるようになったなった日本人にもDNAレベルでその感覚が残っていますから、朝目覚めると新しい日になったと思うわけです。
 でも、あちらの人たちは違います。日没が一日の区切りなのです。太陽が西に沈むと、その日は終わりなのです。「ふう、やれやれ今日も無事に終わった終わった…」と言うのが彼らの感覚なのです。だから、一日は夕方に終わるのです。夜は休息の時であり、解放された時間なのです。昼と夜は全然違うわけで、夜は新しい一日のための準備の時間であり、だから翌日(?)は夕刻から始まるのです。朝~朝を一日として感じる日本人に対して、あちらの人たちは夕~夕を一日として感じるわけです。
 だから“クリスマス・イブ”はクリスマスなのです。クリスマス当日なのです。「クリスマスが始まったぜ、ひゃっほう!」がクリスマス・イブなのです。
 クリスマスというのは、そもそも生誕祭なんですよ。キリスト教の神様であるイエス・キリストがお生まれになった事をお祝いするお祭りです。イエス・キリスト自身は歴史上の実在していた人物ですし、彼が生まれた時刻は正確には分かりませんが、夜に生まれた事は聖書に明記されています。だから、クリスマスは夜が本番なのです。だから、クリスマス・イブは特別な日なのです。
 とは言え、彼が生まれた日が本当に12月24日の晩なのかは正確には分かりません。何しろ生まれた当時は無名な庶民ですから記録が無いんですよ。
 実はキリスト教の中にも色々な宗派があって、イエス・キリストの誕生日を別の日に設定して、そちらでお祝いしている国や宗派もありますが…どちらにせよ、どこかでイエス・キリストの誕生日をお祝いするなら、ひとまず12月24日にしておこうぜ…という暗黙の了解みたいなものがあって今に至っているんだろうと思います。
 ま、12月24日のお祭りと言うのは、あちらの世界のキリスト教以前での話では、その日は冬至のお祭りをしていたらしいので、キリスト教を土着化させる際に、その冬至のお祭りを神の御子の生誕祭にスライドさせたという説がありますし、たぶんそれが本当なんだろうなあって私は思ってます。
 何はともあれ、めでたい事にはかわりが無いわけです。ってなわけで「メリークリスマス!」で良いんじゃないかなって思います。

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