声楽のレッスンの続きの続きです。歌の練習に入りました。シューベルトの「美しき水車小屋の娘」の5番「Am Feierabend/仕事を終えた宵の集いで」です。
こんなご時世ですし、当分の間、本番的なものはありませんので、しばらくはじっくりと丁寧に腰を据えて、発声や歌唱にこだわってレッスンをしていきましょう…って事で、じっくりとシューベルトに取り組むことになりました。ちなみに、今回は全体の2/3ぐらいまでをさらいました。
色々と注意を受けました。長母音と短母音の違いを意識して歌う事。常に次の音を狙いながら歌いつなげていく事。同じ音形の繰り返しは、それが強調なのかリフレインなのかを考え、それぞれに相応しい歌い方を選んでいく事。歌詞や単語の意味を考えて、どの言葉を強調しなければいけないかを考えて歌う事、などなど細かいけれど大切なことを確認しながら歌い進めました。
とにかく、声の勢いで歌をごまかしてはいけないのです。
全般的な注意としては、歌うために吐いている息が少ない感じがするので、もっともっとたくさん息を吐いて、それも速い息を吐き続けて歌っていく癖をつけるように言われました。ううむ。
で、シューベルトを丁寧にさらっていたら、それでレッスン時間が終わってしまいました。「M’appari Tutt’amor/夢のごとく」は、また今度です。
シューベルトもいいけれど、シューマンはいいよね。シューマンを歌いたいんです…と訴えてみたところ、先生からはあまり色良い返事がいただけませんでした。
シューマンのメロディの美しさを表現するためには、声はむしろ、白い声の持ち主の方が良いんだそうです。白い声…というのは、色気のない声の事で、ヴォーチェ・ヴィアンカとも言います。まあ、魅力のない声って事でしょう。魅力の無い声で歌うから、曲の美しさが引き立つ…って感じなのかな? 私の声は悪声だけれど、白くはないからなあ…。それって遠回しに「シューマンは無理」って言われたような気がします(でも歌いたい)。
そうそう、次回のレッスンからコンコーネ50番をやる事になりました。
趣味で歌っている人にコンコーネを勉強させるのは、辛いばかりで楽しくないので、Y先生は原則的にアマチュア向けのレッスンではやらないのだそうだけれど、コンコーネをやると、当然、声楽テクニックを体系的にもれなく学べるわけで「大変だけれどやりますか?」と言われました。
私はコンコーネは嫌いじゃないし、Y先生に入門した時に「コンコーネをやりますか?」と確認したくらいだし(その時も、コンコーネは楽しくないから、趣味の人にはやらないって言われたんだよね)今の私に必要ならば、そりゃあやるしかないでしょう。
という訳で、次回からコンコーネをやる事にしました。で、中声版を使います。私は高声版の方が歌いやすくていいのだけれど、まずは中声版で練習をして中声版で歌えるようになったら高声版に取り組めばいいでしょう、という話になりました。
なので、次回からコンコーネの3番です。1番は難しすぎるし、2番はつまらないので、3番からです。ひとまずは固定ドによる階名唱でやります。予習しておかないと…。予習と言えば、メンデルスゾーンも全然楽譜を見ていないので、予習しないといけないんだよね。
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コメント
>趣味で歌っている人にコンコーネを勉強させるのは、辛いばかりで楽しくない
これって、アマチュアに対するプロの勝手な偏見だと思うんですね。「辛いばかりで楽しくない」と思われるものの楽しさに気付いてもらうことも教師の仕事の一つではないかとさえ思います。
かれこれ中学生の時からコンコーネやっていますが、毎回自分自身の課題に気付かされます。
確かに本番で歌うことはありませんが、結構綺麗なメロディーが多いのに残念ですよね。
ドロシーさん
確かに“アマチュアに対するプロの勝手な偏見”と言えば、そうかもしれません。何に興味をもって、何を楽しいと感じるかは、人それぞれだし、実際、私はエチュードの類が好きで、今回のコンコーネに関しても「待ってました!」的なノリがあるのも事実です。
ちょっとだけ先生をかばうと、先生の先生(つまり私から見れば大先生)は「コンコーネはつまらないから、学ぶ必要なし」という持論の持ち主で、実際、先生も大先生からはコンコーネを習っていないので、そういう雰囲気を持った門下なんだろうなあ…とは思います。ちなみに、Y先生は日本でコンコーネを学ばなかったので、イタリアに行って、あっちの師匠にこってりとコンコーネを仕込まれたんだそうです。なので、コンコーネって、結構難しめのエチュードという印象を持ってらっしゃるような気がします(なので、アマチュアは学ばなくてもいいよ…になるのかなあと思ってます)。